コードギアス 皇国の再興   作:俺だよ俺

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第43話 南海大空海戦 ※加筆しました

 

皇歴2017年12月12日 

 

カンボジア王国では12日に国王シヌハークの勅命により王国陸軍の総力を持ってブリタニアの研究開発拠点トモロの制圧作戦が実施された。

 

ブリタニア側もサザーランドやグラスゴーに一部の試作機を駆使して抵抗したが、カンボジア王国陸軍も出し惜しみをせず保有するKMFサベージ、鋼髏、ブッシュネル全てを投入。陸軍の全力投入を持って少数のブリタニア守備隊をすり潰したのであった。

 

カンボジア王国の決起に続いて、東南アジア諸国は国内にあるブリタニアの拠点を急襲、領事や外交官を国外退去とした。

 

 

 

東南アジア地域でも遂に反ブリタニアの狼煙が完全に上った頃。

リアウ諸島、インドネシアにある諸島。スマトラ島東方にあり、シンガポール南方に位置するこの諸島に皇国海軍を中心に中華連邦本国を除く東アジア各国の艦隊が集結していた。

 

一方でこれに対抗するべくエリア10のブリタニア軍もインドネシア・ジャワ島バンドンに防衛司令部を置き、ジャワ島を押さえているが周囲の島々、スマトラ島では南部以外は既に陥落。ブルネイ島も大半が解放され、スラウェシ島でも小笠原諸島よりパラオを解放して簡易拠点化した白銀艦隊別動隊(前呼称:小笠原奪還艦隊)が現地の部隊と共闘し戦闘を開始していた。また、呼称が旧軍や植民地軍、レジスタンスなどバラバラであったインドネシアの武装勢力はインドネシア決起軍と仮称される。

それでも、エリア10の駐屯軍もリアウ諸島南のバンカ島とブリトゥン島の沖合に布陣し戦力を結集していた。

 

 

 

皇歴2017年12月12日14:00 インドネシア・リアウ諸島 第二航空機動艦隊旗艦月読

 

艦隊所属の航空母艦並びに軽航空母艦から艦載機が発艦して行く。

 

「チャクリ・ナルエベトからも艦載機の発艦を確認しました。5分後にタイ王国空軍第4・第7航空団が、6分後に同空軍第904アグレッサー飛行隊、ベトナム空軍人民空軍第370・371師団が到着予定です。また、フィリピン空軍臨時航空団及びカンボジア王国空軍は遅れが出ておりますが10分以内に到着させるとのことです。なお、マレーシア空軍・シンガポール空軍は既に周辺空域にて展開中、一部が交戦状態であるとのことです。」

 

もえかの説明を聞いた那子は数瞬、目を瞑り僅かに瞑想にふけると再び目を見開く。

そして、那子は号令をかける。

 

「友軍及び艦隊全艦に通達。噴式弾戦を開始!航空機の戦域突入を援護せよ!」

「っは!」

 

 

皇歴2017年12月12日 インドネシア・リアウ諸島州~バンカ・ブリトゥン州

 

マレーシア及びシンガポール軍の支援を受けたインドネシア決起軍がスマトラ島主要ミサイル陣地を破壊。

エリア10駐屯艦隊主力と皇国海軍第二航空機動艦隊及び東南アジア諸国連合艦隊の間でミサイル射撃戦が開始される。

 

その直後、皇国海軍艦載機F-3彗星・F-4昇星・F-5闇鷹、タイ王国海軍艦載機のAV-8Sマタドールからなる編隊。航空母艦持国天・天日鷲、軽航空母艦鷲鳳・瑞穂・チャクリ・ナルエベトから発艦した150機が、エリア10駐屯艦隊所属の航空母艦2隻、軽航空母艦3隻の内2隻に搭載されていたF/A-18C ホーネット・F-14 トムキャット・F-4ファントムからなる140機と接敵した。

 

ブリタニア側にF/A-18E スーパーホーネットやF-35C ライトニングIIがいないのはさして重要視されていなかったエリア10と言う場所柄故であり、皇軍側の航空母艦天城・葛城、防空軽航空母艦秋津州、軽航空母艦冲鷹はフィリピン周辺の制空権維持に残されていたため参加していない。また、皇国艦隊所属の航空巡洋艦の一部に搭載されているF-5闇鷹や、練習軽航空母艦鳳翔の艦載機は艦隊直掩として留まっている。ブリタニア側の軽航空母艦1隻も同様であった。

 

「噴進弾発射。」「ミサイル発射。」

 

両陣営の編隊長たちがミサイルの発射命令を出す。

それぞれのミサイルがそれぞれの目標に向かって迫っていく。妨害レーダーを駆使しつつ急激な回避行動をとる。しかし初撃で双方の陣営の航空機70機が撃墜される。

初撃でこれは双方にとって予想外の損害であった。また、損害機数は僅かに皇軍側が多かった。

 

24機いるF-5闇鷹はパナマ運河破壊作戦でも使用されようにステルス性が高い。ステルス機がいないエリア10の航空戦力に対して、この機体の存在は大きく皇軍側優位を維持するに一役買っていた。

 

F-5闇鷹以外の機体を追っているF/A-18C ホーネットの背後にまわる。F/A-18C ホーネットはF-5闇鷹にロックオンされ、数秒後にはその命運は尽きるのだ。

 

航空戦開始から3分ほどが経過した。

バンカ・ブリトゥン州側からF-4ファントムII、F-5タイガーを中心とした戦闘機群が現れる。その中には少数ながらもF-15イーグルとF-16ファイティング・ファルコンの姿もあった。

この制空戦闘の不利を察したエリア10の司令部はなけなしの基地航空隊を投入。敵に45機の戦闘機が加わった。この戦闘機群が加わったことで数の数的優位は敵側に傾き始める。

 

しかし、そのブリタニア側の優位は早くも崩れる。新たに空域に現れたサーブ 39グリペンとF-5タイガー18機、これはタイ王国スラートターニー空軍基地から駆け付けた友軍であった。

 

戦闘機群が互いにミサイルを撃ち、避け、あて、爆散する。そして、昔ながらの航空格闘戦ドックファイトが行われる。そして、援軍戦闘機群が到着しミサイルを撃ち込み、避け、あて、爆散航空格闘戦が再開する。

 

「総員、ブリタニアの連中に東南アジアの・・・我々の意志を示せ。」

 

さらに1分後、状況は完全に皇軍優位に傾くタイ王国空軍第904アグレッサー飛行隊F-5タイガー8機、ベトナム空軍人民空軍第370・371師団のスホーイ及びミグ系戦闘機80機が到着する。

 

航空戦においてミサイル攻撃は非常に有効な一手だ。絶対ではないが、どれだけのミサイルが撃ち込まれたかが戦場を左右すると言っても間違いではない。

 

その上にカンボジア空軍のミグやフィリピンのファントムII15機がこれに加わり勝敗は決した。

 

若干数ではあるが戦闘機の世代差を持った機体を少数保有していた皇国海軍に対して、残存航空機を集中投入し、押しつぶそうとしたエリア10は東南アジア諸国の空軍力の集中投入によって、さらに大きな数の力で押しつぶされることとなった。

 

400機を超える戦闘機によるアジア最大の大空戦は持てる力をすべて注ぎ込んだ東南アジア諸国の助力もあり辛くも勝利した。

 

 

 

空での戦いが激しくなるにつれ海上海中での攻防もより一層の激しさを増してきた。

 

水雷電より先行した海龍Ⅱ型水中戦闘艇の操縦士達が操縦桿のボタンを押す。

 

「魚雷1番2番発射!」「続いて発射!!」

 

海龍の操縦士達は魚雷を全弾撃ち放つと、即座に反転し離脱する。

 

海龍のレーダーと連携している対潜ヘリ編隊は敵ポートマンの影を捉え、その姿を詳細にとらえるためにソノ・ブイが投下されブリタニアのポートマンを捉えた。

 

「爆雷投下!」

 

皇国海軍の哨戒ヘリの編隊から一斉に爆雷が投下される。

東南アジア諸国軍は皇国海軍とは電子戦における連携はしていないので、命中率は皇国海軍に劣るもので、皇国海軍に倣えとばかりに東南アジア諸国軍の対潜哨戒機や対潜ヘリ、駆潜艇からも爆雷が投下される。

 

哨戒ヘリの観測員がレーダーを確認するとポートマンの反応のいくつかが残っていることを確認した。

 

「反撃が来るぞ!離脱!離脱!!」

 

対潜ヘリや対潜哨戒機が一斉に離脱し、駆潜艇も遅れて退避行動に移る。

ポートマンから放たれた魚雷によって、何隻かの駆潜艇が海中に没する。

 

「皇国海軍の水雷電到着まで、持たせろ!!爆雷を落とし続けろ!!」

 

ベトナム海軍の駆潜艇艦長が部下を叱咤激励する。

諸国軍の駆潜艇が海上を逃げ回りポートマンを引き付ける。

 

ポートマンの対空火器に怯むことなく対潜ヘリや対潜哨戒機はその場にとどまり続けた。

艦隊には一歩も近づかせないと不退転の意志を見せつけ、水雷電到着後も戦い続け艦隊を狙うポートマンを退けた。

 

海上の艦隊もイージスの盾の中に東南アジア諸国の艦艇を入れて守りつつ、東南アジア諸国艦の火力を加えて、ミサイルと砲の大火力でエリア10艦隊を打ち破ったのであった。

 

航空戦力を失ったエリア10の艦隊は皇軍艦隊と東南アジア諸国艦隊によって殲滅され、海上戦力をも喪失することとなった。

 

これが決定打となり、インドネシア決起軍とそれに追随した義勇軍を抑えることが出来なくなり、この2日後の皇歴2017年12月14日に降伏した。

 

 

 

皇歴2017年12月15日 

 

フィリピンに続いてインドネシアが独立。

 

「諸君!我々の歴史上偉大且つ重要な出来事の目撃者、諸君らがここに集まるよう、私はお願いした。」

 

スカルノは来賓席に座る日露や東南アジア諸国の高官たちに視線を送る。

 

「我ら祖国はオランダから独立を勝ち取り、そしてブリタニアから独立闘争のため、我らインドネシア民族は十数年、それどころかオランダ時代を含めれ既に数百年を耐えてきた。」

 

聴衆に視線を向けて強く拳を握るスカルノ。

 

「独立達成のための我々の運動の様相は、ある時はその希望を高揚させ、またある時は消沈させた。しかし、我々の魂は常に理想へ向けられていた。そして、今やまさに我ら民族と祖国を我ら自身の手におさめる時が到来した。自らの手の内に運命を掴み取る勇気のある民族だけが、しっかりと立ち上がることができるだろう。そして、昨夜我々はインドネシア全土から集まった人民の指導者達で会議を行った。その会議では我々の独立を宣言する時が今や到来したと、全員が同意した。諸君!これにより、我らの独立を確固たる信念を持って表明する。今なお独立を認めない者達に宣言する!この尊い自由と独立をインドネシアのすべての人民は断固とした思いを胸に断固として死守することを!ここで誓おう!!」

 

「「「「「わぁああああああああ!!独立万歳!独立万歳!」」」」」

 

彼の宣言にインドネシアの民は熱狂した。

 

 

独立戦争でフィリピン・インドネシア側が払った犠牲は婦女子も含め死者だけで120万人、負傷者は1000万人を超え、無差別爆撃で失われた財産・家屋の被害額はとても算出できる額ではなかった。しかし彼らは彼らの自由と独立のために立ち上がり膝を屈することはないだろう。来賓席の那子は、久方ぶりに再開した従妹の駒条宮澪子らと共に理解したのであった。

 

 

皇歴2018年1月28日 日本皇国函皇宮

 

フィリピン・インドネシア独立に際し、反ブリタニアの代表格である大高首相とプーシン大統領他EU各国の首脳から祝電が送られた。

滅亡秒読みのEUと違い、日露の存在はアジア特に太平洋においてブリタニアを連敗させ第三帝国他の梃入れを持って、立て直しが図られるほどに反枢軸勢力優位に動き始めていた。

その後も時は流れ・・・年が明け・・・

スリランカやインドのEU租借地には日本皇国と合流を目指すトルコや中東各国の残存兵力が集結するなど様々であった。

 

「陛下、フィリピン・インドネシアはブリタニアの頸木より解き放たれました。そして、東南アジア諸国も遂に本格的に腰を上げ、我が国と轡を並べました。」

 

「それは重畳である。それで中華連邦の馬氏や黎氏の返事は、どうでしたか?」

 

大高の報告に神楽耶はさらに掘り下げ尋ねる。

 

「明確な回答はありませんでしたが、諜報部の調べによりますれば来年中に決起の公算大とのことです。また、黒の騎士団ですがゼロの所在が掴めそうであるとのことで支援を求めてきております。協力しようかと思っています。」

 

「起こるべくして、起こると言うことか・・・。ゼロ様もご無事であってほしいのですが・・・。」

 

ゼロに関して個人の感情が出てしまっている神楽耶に対して、大高は不満を感じていたがそれを隠しつつ話題を修正する。

 

「彼らの決起は、中華連邦の崩壊につながる可能性があります。枢軸の動きもあります。私も閣僚と談義を重ね万全を期しますので、陛下・・・。大陸への行幸はお控えになっては?」

 

大高の心配そうな言葉を袖に、神楽耶は自身の思いを大高に告げる。

 

「中華の最終的な決定権を持っているのは天子であり、彼女の理解を得られなければいくら周辺諸国や馬や黎が動いても意味はないのじゃ。ここは妾が天子を諭す必要がある。それにロシア帝国のリュミドラ女王も動きが鈍く思う。一度それについても話しておかねばならんと妾は考えておる。」

 

「陛下の思いは理解しているつもりですが・・・。」

 

「大高・・・、ぬしの思いもわかるが、今は何も言うな。」

 

「・・・・・・。」

 

「中華連邦の乱れは、何もせねば際限なくなるかもしれん。老竜の最期の咆哮は恐ろしいものがあります。皇族である妾でしか出来ぬこともある。大高、理解しなさい。」

 

大高は、神楽耶の言葉に無言で理解を示した。そして、大高は先日の中華連邦連邦議会での事を思い出していた。

 

 

 

皇歴2018年1月8日 中華連邦連邦議会議事堂

 

連邦議会の空気はいつにもましてピリピリとしていた。

馬駒辺と黎星刻は、内心で頭を抱えていた。

彼らの視線の先にいたのは、自国の大宦官たちと東南アジア諸国の国家元首及びその代理達であった。

 

事の始まりは、大宦官たちが東南アジア諸国のブリタニアへの宣戦布告に対して、それを取り下げるように促した際に、大宦官たちが武力を仄めかしたことがきっかけであった。

 

大宦官たちの言葉に東南アジア諸国の元首たちの言葉は、その場を凍りつかせた。

 

「本国が武力を持って、我々を脅かすのであれば我々は銃火を持ってそれに応じる用意がある。戦争になれば、国内に不穏分子を抱える貴方方が困ることになる。」

 

これを聞いた大宦官の一人が声を引きつらせ応答し、東南アジア諸国の元首たちも応じる。

 

「東南アジアは火の海になるぞ。」

「それは本国もいえる事だ。」

 

「貴様らは死ぬことになるぞ?」

「それは、貴方方にも当てはまることだ。」

 

大宦官たちに対してインド軍区の代表も鋭い視線を向けている。

 

「宣戦布告しているのか!?」

「そちらが言い出したことだ。寝ぼけたことを言うな!」

 

顔を真っ青にした馬駒辺と黎星刻が立ち上がり、双方の仲裁に入る。

 

「待て!待つんだ!双方!収めよ!」

「天子様の許可なく話が進みすぎだ!!」

 

2人の必死の仲裁で、あわや開戦と言ったところを回避させたが、会議終了後。

東南アジア諸国は連邦離脱を視野に入れ、今後の関係を見直す胸を中華連邦本国に通達した。

 

 

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