コードギアス 皇国の再興 作:俺だよ俺
ゼロが表舞台に再登場したのを機に世界は慌ただしく動き出す。
ジャミトフとアズラエルはティターンズやブルーコスモス親派の部隊を呼び寄せる。
一方で、ゼロ関係はカラレス総督死亡のために臨時で指揮を執っていたコーネリア皇女の騎士であったギルバート・G・P・ギルフォードを一時的に臨時総督として暫定的な対処とした。
バスク・オム大佐はティターンズの司令官として軍権をジャミトフより委ねられ中将に出世した。二階級特進と言う異例の出世であった。欧州派遣艦隊はユーロ・ブリタニアやナチス第三帝国への援軍もしくは補完の意味合いが強い艦隊で他の艦隊に比べ小規模であったがオセアニア方面の中核戦力としてブリタニア本国にてアドゥカーフ・メカノインダストリー社やブリタニア・アナハイム社の支援を受けた拡張が行われブリタニア軍でも1,2を争う規模の両用艦隊へと成長し、それに伴う形でバスク大佐は二階級特進し中将となった。これにはジャミトフとアズラエルの梃入れがあったとされる。
皇歴2018年8月中旬 日本皇国 北海道函館 総理大臣官邸
知らせを聞いた大高は赤坂官房長官他副官房や高野ら軍高官、西郷副総理や桜坂国務大臣らを呼び集め臨時の大本営会議を開催した。
オセアニアでの黒の騎士団の破壊工作の後、黒の騎士団でゼロの帰還が大々的に喧伝されたのだ。
「ゼロが・・・。」
「はい、再び黒の騎士団の指導者に戻りました。」
「では、扇君を介した黒の騎士団の懐柔は困難でしょうか。」
「あれは、独立宣言だろう。」
「実際、黒の騎士団はゼロ親派の巣窟だからな。」
「扇要にゼロを出し抜く才覚はないよ。あれは良くも悪くも当り障りなく取り纏めるのが得意な管理職気質の男だ。」
「あの組織はゼロの愛人とやらが、結構な発言力を持っているらしいじゃないか。ゼロ独裁に戻るのは目に見えている。」
「財務省としては、黒の騎士団の援助を終了することも検討してもらいたい。国益に反する行動をする可能性がある。」
「外務省としてはその提案は反対です!ゼロは反ブリタニア、反枢軸の象徴人物です。そのような人物と関係が悪化するのは問題です!」
「陸軍としても黒の騎士団の練度の高さは注目している。彼らとの共闘体制は維持したい。」
「海軍も同意です。少々の危険はありますが、この際多少のリスクは負わねばなりますまい。陸海空の総意として申し上げるなら、オセアニアの枢軸軍が気になります。それの足を引っ張っている黒の騎士団は下手に扱わない方がいいでしょう。それに藤堂君がいますので皇国の意向を完全に跳ね除けることは出来ないでしょう。」
「なるほど。しかし、その藤堂君たちもゼロの影響されているような気がするがね?」
「多少の影響は受けるでしょうが皇国軍人である彼らが篭絡されるとは思えませんな。」
「意見の相違あるでしょうが、協力関係は維持した方がいいと思うがね。」
「それに中華連邦とも関係を持っていたとは・・・桐原翁の伝手を頼らずともしっかりとした外交の独自パイプを持っているようですな。」
「多くの加盟国が本国から距離を置く中での接近、ゼロの思惑は如何なものか・・・。」
大高らが赤坂に情報を確認する形式で、若干の脱線もありながら進んだ。
「ゼロの行動に協力する動きをした方が良いだろう。」
「ニューギニアあたりか?」
その言葉に高野が答えた。
「ゼロとは連携をしていませんので詳細は解りませんが、我々がニューギニアで動けば少なからずオセアニアの枢軸の目を引きつけらっるでしょう。反対意見が無ければ、このまま霞師団他に作戦開始命令を出しますが・・・。」
「許可します。高野総長、よろしくお願いします。」
大高は神楽耶に目配せをした後に許可を出した。
皇歴2018年8月下旬 エリア10パプワニューギニア
かつては、インドネシアやフィリピン他島嶼地域をを含んだ広範な範囲を誇ったエリア10もフィリピン及びインドネシアの決起独立を経て失陥し兵力が激減、今やパプワニューギニアと一部島嶼地域を維持するのみとなった。そしてそのニューギニアでも独立の運動は激しいものであった。
エリア10総督も皇族ではなく貴族総督であり、アジアでのブリタニア勢力図は好調ではなく皇族たちも総督になりたがらない地域であった。エリア24オセアニアのカラレス総督はこれに含まれないが、貴族総督の多くは傍流皇族や庶流で皇族の血が流れていたり、皇族の嫁ぎ元の貴族家(ジャミトフ・ルィ・ハイマンがこれにあたる)だったりする。ため、皇族総督主導の大勢は罷りなりに維持されていた。
「本国からの援軍が向かってきている!!なんとしてもここを死守しろ!全く持ってついてない!ハイマン大公爵までの繋ぎ役のはずが・・・!」
タウンゼント辺境伯は自身の不運を呪った。
ポートモレスビーの司令部で状況を把握するタウンゼント辺境伯は右往左往するばかりだ。
皇国の霞師団上陸報告を受けて応戦しているが霞師団は特殊作戦を多くこなす特殊師団であり、この戦いを皇国有利に動かしていた。
蛇足であるが霞師団師団長は千葉州作大佐だ。彼の姓は千葉である、勘の鋭い読者諸兄らは察しているあろうが彼は厳島の奇跡で知られる藤堂鏡志郎中佐(日本解放後軍籍復帰、黒の騎士団出向の形式をとっている)の実質的な親衛隊である四聖剣のひとりとして名を馳せている千葉凪沙中尉(藤堂同様に軍籍復帰、黒の騎士団出向扱い)の従兄である。
そう言った経緯からか、本作戦指揮は千葉州作大佐が自ら名乗りを上げたものであった。
紺碧艦隊が高い秘匿性を持ってパプアニューギニアへ送り届けた。
この上陸戦には、初芝重工製の第五世代相当機嶺花と肩部レールキャノンを装備した火力支援型の嶺花が投入されており、フィリピンやインドネシア他の同盟諸国への宣伝効果を狙ったものでもあった。この嶺花、初期は豪和インスツルメンツと島耕作の個人企業TECOTの共同開発だったが豪和インスツルメンツが自社の震電に注力したために、初芝・五洋ホールディングスが参入し初芝・五洋ホールディングスが主導した経緯がある。
そして、パプアニューギニアの各地に上陸した彼らは現地レジスタンスと協力して大いに暴れまわったのであった。
皇歴2018年8月下旬 枢軸連共同統治領ブリタニア管轄区中華連邦領事館及びその周辺
臨時総督に就任したギルバートは中華連邦総領事館に籠ったゼロに対して総督府が確保していた騎士団の捕虜を処刑すると宣言し降伏を迫った。
一方で特命任務を負っていたヴィレッタ・ヌゥはルルーシュの監視を、同じく特務のロロと共に行っていたがテロ騒動で見失ってしまう。
そして、ルルーシュは自分を追って来たロロと取引を行う。
C.C.の身柄と自身とロロの命(未来)であった。ロロに与えると言った家族としての未来はロロにとって甘美な物であったのだ。
そして、ルルーシュは遂に動いた。
「お前たちが信じたゼロは現れなかった!すべてはまやかしだ!奴は私が求める正々堂々の勝負から逃げたのだ!」
ギルフォードの黒の騎士団捕虜の処刑実行命令を下しそうとしたその時、ゼロは堂々と現れた。
「違うな。間違っているぞギルフォード!貴公が処刑しようとしているのは合衆国黒の騎士団の兵士だ。」
中華連邦に匿われた黒の騎士団のメンバーたちが歯噛みし、在留日本人やナンバーズに組み込まれたオーストラリア人たちの前に騎士団仕様の無頼改に乗って、一人で姿を現す。
「国際法に則り、捕虜として扱えと?」
その様子を見守るのはギルフォード達ブリタニア軍、黒の騎士団、中華連邦大使たち、群衆たちだけではなかった。
特務のロロ達もそうであった。
(出て来たね、やっぱり。でも・・・僕との約束を破ったら死んでもらうよ。ゼロ・・・いや、ルルーシュ・ランページ。)
この映像はナチス第三帝国やイタリアと言った同盟国は勿論、中華連邦やスカンジナビアのような中立国、日本皇国やEUと言った敵対国にも流されていた。
ギルフォードとゼロの一騎打ちが始まった直後、黒の騎士団の捕虜がいた足場が崩れ、中華連邦領事館内に落ちていく。捕虜が中華連邦の領土に落ちた時点で黒の騎士団を承認している中華連邦領土での彼らの扱いが変わる。ブリタニアは手出しができない。ブラックリベリオンの時の政庁陥落時と同じ作戦だったゼロの作戦勝ちであった。
この一瞬で一部のブリタニア軍と黒の騎士団が交戦し、グラズトンナイツのメンバーであるバートとアルフレッドが戦死している。
先頭終了直前にロロのKMFヴィンセントがルルーシュに迫る。
運命の悪戯か・・・魔王のあったのか。ロロのヴィンセントにブリタニア軍の誤射であろう銃弾が迫った。ロロ、危うし!
「しまった!こんなところでっ」
銃弾が彼の命を奪わんとしたとき、彼と弾丸の間にルルーシュの無頼改が立ちふさがる。
「どうしてっ」
「お前は弟だ。植え付けられた記憶だったとしても・・・お前と過ごしたあの時間に嘘は無かった。」
「っ!?(あの時間が嘘じゃなかった!?自分の命が大事だって言ったのに!?そんな理由でっ)」
「約束していたからな。お前をC.C.に会わせると・・・、お前の未来は俺と・・・。」
ルルーシュの言葉を聞いたからだったのか。
ロロはゼロに放たれたランスを防いだ。
そして、ルルーシュはロロの立場が悪くならないように自分の監視任務にあたっているヴィレッタへの口裏合わせも行った。
『ここまでだ!これ以上の戦闘は中華連邦への武力行使と判断する!撤退しろ!』
中華連邦側の言葉、双方の戦闘が完全に終了し捕虜にされていた黒の騎士団と合流した彼らは喜び合った。
そして、ロロは・・・。
「ぼ、ぼくは何をやっているんだ!?C.C.がいるのに!?でも…!?」
「最初から、ブリタニアには安らぎは無かった。お前の居場所はここだ。」
ここまでの流れがルルーシュのゼロの謀であったのだ。
彼の本心は…いったい。