多分これが一番…   作:ひろっさん

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7/5 なんでかわかりませんが、口内炎がしょっちゅうできます。


新たな扉

――キョウミ深い。

――このようなニンゲンがおったとは。

 

?――。

 

――フム、ワガハイの声までトドくか。

――カミに与えられしモノではないな。

 

……――。

 

――ここはキサマの夢の中よ。

――ワガハイが見てきた中では、ズイブンとニギヤカだが。

 

……?――。

 

――オボえておらぬか。

――ワガハイはキサマに敗北し、キサマのシモベとなったのだ。

 

……?――。

 

――その問いにコタえるには、時間を要する。

――その前に、キサマにはやらねばならぬことがあろう。

――その間、ワガハイはここで待つ。

――さあ、目覚めるのだ。

 

 

 

黒髪少女は目を覚ます。

保健室のベッドの上。

 

何度となく無茶をしたり、セルフィの顔面パスによって運ばれた場所だ。

 

「知ってる天井や」

「セルフィが言うんかい」

 

なぜか添い寝していた茶髪の親友にツッコミを入れた。

 

「んー……」

 

テレサは身体を起こして伸びをする。

身体の感じからすると、そこまで長く眠っていたわけではないらしい。

 

「セルフィ、あたしどれくらい寝とって――」

 

ふと視線を向けると、セルフィが起き上がろうとして、クレアに首にしがみつかれてバタバタしていた。

1つのベッドに、小柄とはいえ3人も詰め込まれていたのである。

 

「なんでやねん」

「おぉ、起きたんやね」

 

そこに保健医の老女がやってきた。

 

「あ、おばあちゃん」

 

老女は3人娘の額にそれぞれ手を当てて何事かを頷くと、こう言った。

 

「結局誰もベッド分けへんかったんか」

 

保健室の中にはベッドが4つあり、それぞれカーテンで仕切られていたのだが、テレサ達がいたベッド以外は乱れた跡があり、誰もいなかった。

つまり、そこに3人、しばらく前まで大人が横になっていたのだ。

だから、子供3人が1つのベッドとなっていた、ということらしい。

 

老女は文句を垂れながら乱れたベッドのシーツを取り外し洗濯籠に入れると、慣れた手つきで新しいシーツをセットする。

さすがトラビア軍の元軍医であり、基礎的な動きすら美しさを感じる。

 

「ばあちゃん、ばあちゃーん、テレサもたすけて~」

 

首に絡みつかれているセルフィの声が聞こえてきた。

クレアがまだ放してくれないらしい。

 

とりあえず、老女が手際よく外した。

 

「昨日、いきなりの真剣勝負で疲れてたみたいや」

「もう1日経ってたんか」

「セルフィもよう頑張っとったんよ」

「エヘヘ」

 

頭を撫でられて、茶髪少女は照れる。

 

「テレサも、だいぶ無茶しよったんやってな?」

「あ~、う~」

 

温かい手で頭をぐりんぐりんされて唸る。無茶をした自覚はあった。

 

 

 

とりあえず、この日は大事を取って休みとなる。

当然だが、鍛錬も実験も1日禁止が言い渡された。

 

テレサはその間に、GFについて調べる。

『マインドフレイア』が自分にジャンクションしていることが確認できたからだ。

まだ『ドロー』によって魔物などから擬似魔法のエネルギーを吸収していく必要があるのだが、これによって身体能力などを大幅に強化することができるようになる。

 

ただ、同時に原作には記憶障害という代償もあった。

対処法はあるのだが、この世界でも通じるかどうかは分からない。

それを調べる必要があったのだ。

 

しかし、判明したのは噂話程度のものだけ。

 

「GFをジャンクションしたら、ジャンクションしてへん時の運動神経が落ちる……?」

 

テレサは一瞬、険しい表情を浮かべる。

唯一分かった噂では、GFは運動を司る部分に居場所を作り、そこから全身にエネルギーを巡らせることで身体強化を行うため、外した際の運動神経の低下が、ジャンクションの未経験時に比べて大きくなるということ、らしい。

 

これが本当だとすると、とんでもない話だ。

転生特典である『記憶保護』が、ほとんど役立たずとなってしまう。

その上に、GFをジャンクションするならば、GFを外した時の戦闘力の低下を覚悟しなければならなくなる。

 

だが。

ある意味でこの平行世界仕様は、大きな可能性も持っていた。

 

 

 

夜、夢の中。

 

――まずはエクスデスについてのシツモンに答えよう。

 

『マインドフレイア』は、テレサの夢の中、無数のコンピュータとそのモニタで構成された世界で語る。

 

――ワガハイはエクスデスのチカラによって、この世界へと送り込まれた。

――最初に送り込まれたのがワガハイであったのは、ワガハイが『次元の挟間』にて霊体となっていたからだ。

――つまり、まだワガハイのような、『次元の挟間』においてはチカラの劣るモノしか送り込むことができんということだ。

――テイサツとは言われたが、本質は実験であろう。

――ヤツにとって、ワガハイは使い捨てのコマであったということ。

――ユエに、ワガハイとエクスデスの間に繋がりは最早ない。

 

それはそれで、重要な情報だった。

世界を渡る準備を、エクスデスは着々と進めており、その実験として魔物を送り込んでくる可能性が示されたのである。

 

しかし、テレサにとってはもっと重要な、聞かなければならないことがあった。

少女はテレビモニタに脳の図解を映し出し、『マインドフレイア』が脳のどこにいるのかを尋ねる。

 

……?――。

 

――確かに、ワガハイはその『運動野』とかいう部分に場所を作っておる。

――アチラではエイキョウなど考えたこともなかった。

――運動神経のあるモノがワガハイを召喚したことは記憶にない。

 

……?――。

 

テレサは質問を変える。

 

――ワガハイがキサマの脳機能を意図的にセイゲンできるか、だと?




――――あとがき

こんばんは、毎度お馴染みのひろっさんです。
ここから、ついにテレサがさらに先への扉を開きます。

実は今回、連載としたのは失敗だったかなとか思っています。
連載の前に2回ほど書いていたんですが、どうしてもギャグにできなくなってしまったんですよ。
今回もすでに手遅れ感があるんですが。
できればここから巻き返していきたいと思います。

ついでに、また時間が飛びます。



――――設定

トラビア軍元軍医:考察、独自設定
トラビア軍は100年前に神聖ドール帝国が崩壊した際に設立された。
人口2万のトラビアでは常備軍の数を確保できないため、正規軍自体が特殊部隊と称していいレベルのエリート集団である。
正式な軍医の数も当然少なく、そもそも名医クラスの才能を持った者しか正式な医者になることすらできない。
その中でもトラビアガーデンの保健医は重要で、ただでさえ少ない人口を訓練中の事故や病気で減らすことがないように、サポートも含め最高クラスの実力者が選ばれる。当然、設備も常に最新のものが導入される。

GF(ガーディアンフォース):自律エネルギー体、考察、独自設定
原作において記憶に居場所を作るため、記憶障害を発生させるという設定があった。
ゲームの最初、GFをコンピュータよりダウンロードする描写があるが、記憶障害のことはあくまで噂だった。
その噂が真実だと判明するのは物語中盤となる。

この世界では平行世界ということを強調する意味もあり、その設定を変えている。
運動野にするか小脳にするか迷ったが、小脳は自律神経を司る場所であり、その機能低下は命に係わるため、大脳の運動野とした。

ちなみに、脳機能の意図的な制限については、いずれ本編にて説明することになるかと思われる。
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