多分これが一番…   作:ひろっさん

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7/25 あと4分で26日。ちなみにここの日付は投稿日。まだ余裕はある。


認定記念パーティ

サイファーの報告はこうだ。

 

『街の入り口から谷の防衛線まで片付けたら、敵が逃げていった。

またカニが出てくるのかと思ったら、そのまんまマジで退却したらしい。

追撃して戦果拡大するってのも考えたが、やってる間に抜け道かなんかで防衛線再奪取なんてことになるのもつまらねえし、ドール兵が防衛線再構築するまでは待つことにした。

その間に撤収命令が来た』

 

ゼルの報告はこうだ。

 

『港のガルバディア兵は374人、その内、赤い服のやつが27人いた。

デカイカニは1機だけ。ドール兵を守りながらだったから時間稼ぎに海に落としたら、そのまま戻ってこなくなった。

その後、なんかガイコツ72体が中央広場の方から流れてきたから、片っ端から倒した』

 

スコールの報告はこうだ。

 

『ガルバディア一般兵451名、エリート兵62名、『X-ATM092』を1機、制圧した。

内、一般兵50名とエリート兵20名が高台の方へ移動しようとしているのが見て取れた。

エリア内に『スケルトン』系と見られるアンデッドが393体出現したため、これを討伐した。

その際、ガーデン卒業生ルールーとワッカに遭遇。

説明を求められたため、一定の状況を説明後、エリア内を見回り、怪我人に応急処置をして回った。

なお、ドール兵に話を聞いたところ、高台には電波塔しかなく、現在は魔物の巣窟となり、立ち入り禁止となっているとのこと』

 

いずれも、苦戦の気配すら感じさせないものであり、正Seed認定に不足なところはなかったため、3人とも試験は合格となった。

 

『ルールーとワッカ他、ドール在住のフリー傭兵達は、『スケルトン』が化けたドール兵に背中から撃たれ、1名死亡、5名が重傷を負っています。

その補償についてはドール議会が行うとのことですが、問題はこのような離間工作を行った何者かの存在です。

今回の『スケルトン』の特徴は、弱く、幻が被せられていたこととなります。

多数の目撃情報によると、人間の声と確実に認識可能な音声を発しており、またルールーの話によると、その顔がドール兵の誰とも一致しなかったとのこと。

任務中既に現地では魔女の仕業を疑う声も挙がっており、追調査の必要性があると考えられます』

 

これは評価のために同行したキスティスの報告書である。

 

 

 

試験の夕方、Seed実地試験合格者のためのパーティが開かれる。

今回はいずれも問題児の3人とはいえ、新技術を取得した生徒の初の合格であり、新時代の幕開けという期待があったため、学園長派もマスター派も、3人を祝うことに異存はなかった。

 

また、既にSeedながら数年かけて新技術を取得したキスティスも、瑕疵なく役目を終えてきたため、何も憂患がないかに思えたのだが。

 

バルコニーで夜風に当たる4人の顔は浮かない。

 

「あ、サイファー見つけた。どうしたの?

っていうか、3人ともパーティの主役じゃなかったっけ?」

 

乳白色のワンピースドレスに身を包んだ、長い黒髪の少女がバルコニーの方にやってきた。

 

「お前、リノアか」

「サイファー、知合?」

 

同じく青っぽいドレス姿の、『風神』と呼ばれる背の高い銀髪美女が問う。

 

「去年の休暇の時のティンバー案内人」

「納得」

 

1年前は散々からかわれたためもあって、反応が冷たい。

 

「それで、なんでみんな暗いの?Seedになれたんでしょ?」

 

初見の男女の方が多いのに、既知の如く話しかけてくる。

 

「その試験で、近い将来、ヘタすると恩人と殺し合いになりそうだってことが分かっちまったんだよ」

「ああ、そういう……」

 

この世界では、GFジャンクションの代償は運動神経である。

そのため、魔女と聞いて全員が思い出してしまったのだ。

 

自分達を孤児院に引き取り、育ててくれたのも魔女で、何らかの異変によって姿を消してしまったらしいということを。

その異変を考えると、高い確率で敵対し殺し合うことになることが分かっていた。

 

「せめて誰か1人でも、ガルバディアで調査する許可があればね……」

「ま、確かにコッチは1人までだったら抜けてもいいけどよ」

「あ、許可だったらどうにかなるかも」

 

ガーデン部外者のリノアがのたまう。

マスター派も学園長派も説得できなさそうな、権限も交渉力もなさそうな少女が、だ。

 

「そういや、リノア、お前なんでバラムガーデンに来てんだ?入学希望か?」

「Seedを雇いたいから。私、ティンバーレジスタンスのメンバーなの」

「そっか、ティンバーレジスタンスなら、ガルバディアで調査する口実も立つわね」

「……(俺達『次元の魔物』対策班の誰かなら、戦力的に問題無い。多少は無茶な命令でも……)」

「でもよ、マスター派が許すか?連中、絶対ふっかけるぜ?

なんたって、俺達は――おっふ……!」

 

サイファーがゼルの脇腹を軽く小突く。

 

「何しやがる!」

「(知らねえ方が『押し』が利くだろ)」

 

抗議する金髪トサカ頭を無理矢理小脇に抱えて、サイファーが囁いた。

 

「う」

 

交渉事は苦手なゼルが押し黙る。

 

「え、なに、あなたたち、そういうカンケイなの?」

「ちげえよ!」「違う!」

 

男子2人は若干興奮気味なリノアに断固抗議した。

 

 

 

イデアはバラムガーデンに『目』を送り込む。

そこで見たものは、草原や周囲の山に刻まれた、無数のクレーター。

 

それらの痕跡は既に自然に還りつつあったが、そこでとてつもない破壊が行われたことに疑いの余地はなかった。

 

イデアは、別の魔女がバラムガーデンに協力しているのではないか、という疑いを深める。

しかし、ありえない。

『この時代』においても、後の世においても、ガーデンとSeedは魔女弾圧の象徴だった。

 

だからこそ、混乱する。

 

「(知らなければ。『この時代』で、一体何が起きていたのかを)」

 

イデアは決意する。

それは彼女が『こう』なった原因でもあるはずなのだ。

ならば、彼女にはそれを知る権利と義務がある。

 

それに、これを見てしまったら、理由の解明なく、ガルバディアを乗っ取る計画を進めるというわけにはいかなくなった。

 

「(あの計画は、魔女に対する明確な脅威の出現を想定しておらぬ)」

 

あるいは、ガルバディアを乗っ取って手に入れた戦力ですら、足りないかもしれない。

 

そう実感するに十分足る、異常な光景だった。




――――あとがき

こんばんは、毎度お馴染みのひろっさんです。
リノアの提案は、実は行き当たりばったりだったりします。

学園長派とマスター派の対立がある以上、依頼者の指名と学園長の利害の一致とかがない限り、この戦力を調査のためだけに派遣というわけにはいかないんですよ。
そこで、『そういえばリノアって依頼側だったような』と思い出し、リノアに指名させることにしたわけです。

これが吉と出るか凶と出るかは、これからのお楽しみということで。



――――設定

リノア・ハーティリー:原作キャラ、独自設定
FF8メインヒロインにして、FF8に賛否両論がある理由ともされる。
スクエニ三大悪女と言われることも。

ガルバディア、デリングシティ出身、父は軍高官で、母は有名な歌手。
母はすでに他界しており、それが原因か、父娘関係はあまり良好とは言えない。
そんな親子関係を示すように、ガルバディア軍高官の娘でありながら、ティンバーレジスタンスに身を投じている。
レジスタンスの組織が寄り合い所帯でリーダーが本番に弱いこともあり、彼女が代理でリーダーをすることも少なくない。

『アンジェロ』という愛犬と姉妹のように育っており、手先が不器用。
癇癪を起こすと相手を引っ掻くなど、なかなか御転婆。

ゲーム中では、メインヒロインらしくモーションが多い。
その上に、押しが強く振る舞いがあざとい。(これが嫌われる理由?)

性能はプレイヤーキャラ11人中、魔力が最も高い。
が、ジャンクションシステムやドーピングアイテムの存在などから、元々のステータスは飾り。
唯一、2種類の特殊技を覚えるキャラで、それぞれの特性を上手く利用すればかなり強く、ラスボスにも隠しボスにも十分通用する。

ただ、やり込みプレイヤーにとっては忘れた頃に発動する低確率のカウンター技が鬱陶しかったりもするため、一長一短。
性格的にも性能的にもクセの強いキャラと言える。
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