多分これが一番…   作:ひろっさん

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8/1 暑くて目が覚めるとエアコンを入れてまた寝る。


カーウェイの策

『森のフクロウ』とデリング、カーウェイの間で、話し合いが行われた。

 

ポイントは、ティンバーの解放とデリングシティの解放だ。

 

元々、ティンバーの占領はエスタに対抗するためのものだった。

しかし、ティンバー周辺にある肥沃な土地や大量の資源のおかげで意味が変わり、ガルバディアの繁栄のためにティンバー占領が継続されるようになった。

 

ところが、デリングの油断によって、デリングシティの政府庁舎の大半が魔女の支配下に置かれてしまった。

デリング自身も、魔女の名前を利用しての恫喝外交を強行しようとして、ティンバーレジスタンスに捕縛されるという体たらく。

 

魔女の魅了の影響がどこまで広がっているかは分からないが、首都デリングシティにいるガルバディア軍主力部隊は敵に回ったと見ていい。

そんな状態でティンバー占領を継続することなどできず、デリングもティンバー解放を決断せざるを得ないことを認めた。

 

重要なのは、これによってティンバー占領を行っていたガルバディア軍の大部隊を、カーウェイの直轄に戻すことができるということにある。

 

同じく、D地区収容所の囚人を解放、同施設を放棄。

そこを維持する部隊をカーウェイ軍に取り込む。

ミサイル基地も同じく放棄。

 

そこまですると、ガルバディア軍主力に対抗可能な軍団が出来上がるのだ。

 

さすがに魔女も無視はできないだろう。

軍を差し向けてくるのは間違いない。

 

「そうすると、必然的に魔女の守りは手薄になる」

「そこにSeedを投入して魔女を討伐する、というわけですか」

「報酬は十分に用意する」

 

デリングはシド学園長に頼み込む。

 

「やれやれ、本当に急転直下ですねえ。

この会談がセッティングされていなければ、どうなっていたことか」

 

優しそうなメガネ中年は後ろ頭を掻き、そして頷く。

 

「わかりました。お受けします。

ただ、テレサ君はSeedではありません。

魔女に対しては他に十分な戦力を用意していますから、そちらを派遣することになるかと思います」

「わかった。人員の選定はそちらに任せよう」

 

こうして、割と『森のフクロウ』置いてけぼりな会談は終了した。

 

 

 

イデアは、大統領官邸の様子がおかしいことに気付いた。

それについて、洗脳した兵士に調べさせる。

 

「どうやら、ティンバーにて電波放送の準備中にトラブルがあった模様です。

現在、情報が錯綜しており、軍部が確認作業に走っているとのことであります」

「……強行した上にしくじるとは、存外使えぬ男よ」

 

彼女はすぐにデリングが襲撃されたのだと察した。

そして、無事ならばその連絡はすぐにでも伝わるはずだ。

つまり、無事ではない、少なくとも連絡がつく状態ではないということ。

 

「パレードはデリングの帰還を待たずに計画通り執り行う。

同時に計画を前倒しし、これよりガルバディア軍の掌握に着手する」

「はっ」

 

イデアは居室の椅子から立ち上がり、分度器を展開して大統領官邸内の制圧を行う旨を命じた。

 

実は、大統領官邸の職員の大半が魔女の魅了にやられて叛旗を翻したというのは、カーウェイ大佐のハッタリである。

やろうと思えばすぐにできる状態ではあったのだが、イデアはまだそれを行ってはいなかったのだ。

 

「(見切り発車だな。『目』には、噂を流すだけ流させて引き揚げさせるか)」

 

イデアは『目』を通じてスパイにバラムガーデンに噂を流させる。

 

内容は『テレサはいずれ世界を滅ぼす。テレサに対抗できるのは、魔女だけ』。

 

 

 

「いや、この間魔女っぽいやつがフルボッコだったじゃねえか」

 

噂を聞いたゼルが、そう返す。

 

「あの子が魔女より強い可能性があるなんて、今更よね」

 

これはキスティス。

 

「ていうか、テレサってそうならないようにバラムガーデンを頼ってきてるんだから、テレサに対抗しちゃダメでしょ」

 

シュウがトドメを刺す。

 

結局、バラムガーデンでは、笑い話にしかならなかったという。

 

 

 

その夜、スコールは夢を見る。

内容は、ラグナ達がエスタ軍がセントラにて何かを発掘している現場の偵察。

 

「これって」「最悪の」「パターン?」

 

文字通り崖っぷちの袋小路に追い詰められたラグナ達は、奮闘する。

 

「(俺が戦えれば、このくらいの数なんとかなるのに。もどかしい)」

 

しかし、キロスとウォードが大怪我を負い、脱出には成功したものの、ラグナ自身も崖から落ちて全治6ヶ月の重傷を負った。

 

「(なかなかあの瞬間には接続できないわね……)」

「(あの瞬間?)」

「(レインが死んだ瞬間)」

「(ああ……)」

 

スコールは、エルオーネがやろうとしていることを理解した。

 

スコールの中で、幼い日のエルオーネとの別れが心の傷となっているように、エルオーネ自身も同じような心の傷を抱えているのだ。

 

「(エルオーネ)」

「(なあに、スコール)」

「(俺を、ママ先生の中に接続できないか?)」

「(それはダメ。魔女の中には、魔女しか接続できないみたいなの)」

「(そうか……)」

 

エルオーネの不思議な力も、決して万能というわけではない。

細かい制御が難しいというのもあるし、接続には様々な条件があった。

 

まず、エルオーネが直接出会ったことのある人物同士しか接続できないということ。

次に、魔女同士しか接続できないということ。

 

「(もしかすると、ママ先生を殺すことになるかもしれない)」

「(……そっか、ガーデンのSeedだもんね)」

 

幼少期に『魔女を倒すのがSeed』と聞いていたスコールは、覚悟と恐れを抱いていた。

任務としてシドに命令されれば、スコールはイデアを倒すのだろう。

夫の決断に口を挟むべきではないと、今は考えているからだ。

 

 

 

イデアは『目』を持ったスパイに帰還するよう指示を出す。

しかしその直後、その命令を撤回した。

 

『目』の視界の端に、彼女が探し求めていた人物の姿が映ったからだ。

 

「(エルオーネ、見つけたぞ……!)」

 

思わず、彼女は口元に笑みを浮かべた。

 

さすがに推定40半ば、口元に小ジワができてしまったが。




――――あとがき

こんばんは、毎度お馴染みのひろっさんです。
今回はギャグは控え目です。
色々と状況を整理している内に、ギャグ要素が抜けてしまいました。

テレサの参加についてシド学園長が言葉を濁したのは、前回カロフィステリというボス級の『次元の魔物』が出てきたことで、必ずしもいつでも任務に出せる状況ではないと考えていたからです。



――――設定

エルオーネ:
FF8の最重要人物。
彼女の人の精神を他者の過去に送るという能力を中心にFF8の物語は展開する。
そのため、FF8には過去編と現代編の2種類のストーリーがあり、2人の主人公がいる。

原作ゲーム中、唯一エスタ兵やエスタ系兵器と戦闘可能な機会を提供してくれる。
ただし、そのために余計な経験値が発生する可能性があり、低レベルクリアの障害もついてくる。

兵器はカードにすることが可能で、『エスタ兵』と『ターミネータ』は低確率で石化が有効。
ただし、『ターミネータ』が石化する確率は超低確率であり、おそらく直接『ブレイク』を連打することでしか石化しないと考えられる。
正確な計算式はわからないが、おそらく1%以下の確率が切り捨てられて0%として計算されているのではないかと。

2度目の過去編のラストの『ターミネータ』はボス扱いのイベントバトルで、経験値が入らない代わりに、戦闘終了時のキロスとウォードのHPは必ず1か0になるという仕様。
そのため、それを利用して色々と遊ぶこともできる。
アルティマニアに載っているものでは、ラグナを戦闘不能にしておくと、戦闘後のイベントでHP0のラグナがHP1の2人を励ますという、逆転現象が起きる。
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