8/19 まさかのダブルミス。誤字もあり。なんでここに固まってんだ?
キスティスは魔女をアデルから継承したことで、できることを研究していた。
「研究している魔女は、それほど多くはないと思うわ。
私も、魔物への対処と魅了への対抗策くらいしか研究していなかったし」
バラムガーデンにて、イデアはキスティスにそう語る。
イデアはかつて孤児院を運営しており、その孤児院に保護されていたことがある子供の1人がキスティスだった。
「魅了対策ですか?」
「ええ、結局のところ、魔女に対する最も大きな恐怖というのは、魅了の力だから」
今、魔女の力を失ったイデアは、バラムガーデンで魔女だった時の経験を子供達に教えたり、年少組の相手をしたりして、短期間で受け入れられていった。
制服教員達、マスター派がやっかみの目を向けることも多いらしいが、おそらく魔女の力とは関係のないカリスマ性のようなものがあるらしく、逆に制服教員達の権力が削がれつつあるらしい。
もっとも、それはシド学園長が抱えていた人間ドラマが知られるようになったからとも考えられる。
「キスティスは元々、魔力の流れを感知して制御することが得意だから、しばらくは大丈夫でしょうけど、いずれ騎士を作ることも考えておいた方がいいと思うわ」
「騎士、ですか?」
「そう。魔女の力は、常に力の持ち主の心を邪悪へ引き込もうとするの。
今は大丈夫そうだけれど、苦難を前に心が弱まると、魔女の力に頼らせようとするでしょう。
それを防ぐには、この人が止めたなら、必ず止まると、すべてを委ねることができる人を作っておくの。
何があっても、必ずキスティスの心を守ろうとしてくれる人がいいわ」
言われて、キスティスは苦笑する。
「『次元の魔物』を倒すより難題かもしれません」
キスティスは、その美貌と才能から、バラムガーデンでファンクラブができるほどの人気を誇る。
しかし、それは魅了された人間とさほど変わりがないのだ。
本当の意味で、キスティスのすべてを受け入れ、心を守ってくれる人間となると、思い至らないのも事実だった。
それはつまり、恋人を作るということだった。
「アービン、ホンマにオトコマエになってんなー」
現在、崩壊したガルバディアガーデンの再建が行われていた。
マスター兼学園長のドドンナが、それまで溜め込んだ資金を投資して、人を集めて再建事業を始めたのだ。
デリング大統領は健在であるものの、魔女の脅威が去ったということで、建物はそのままに兵士養成学校としての厳格さ、設備の規模を縮小する方向でまとまりつつある。
「セフィも変態だったなんて、ボクはショックだよ……」
「あっはっは、ジブンも大概やん。魔女の行動パターン読み切って誘導するとか、アタシら考えもせんかったで」
幼馴染の茶髪少女は、イケメンヤサ男の背中をばしばし叩く。
「これでも、戦術とか戦略とかはずっと研究してたんだよ?
仮想敵はアデルだったけど、まま先生を助けるのに、結局まま先生に近付かなきゃいけないから」
「あー、シドさんが『作戦がスラスラ出てきた』て言うてたけど、ずっと考えてたからなんや?」
「多分、みんな魔女として倒すことしか考えてないと思ったから。
特にキスティ、2年前にガルバディアガーデンに来た時に会ったんだけど、まま先生の居場所をどうやって特定するのかとか、卒業生に協力してもらって探してる以外に出てこなくて……」
アーヴァインは、言いながらチラチラと
彼女の恰好は、今もエスタ兵のものと同じ、青を基調としたカラフルに塗り分けられたデザインの全身タイツのようなスーツである。
エスタ兵のそれと細かいところでは違っていて、特にスーツの布地が薄いらしく、小柄で華奢ながらも、大人になりかけな少女特有の、丸みを帯びたしなやかなボディラインが強調されていた。
ありていに言えば、目に毒だったのだ。
「ていうかセルフィって、なんでガーデンの復興現場にいるのさ?」
「なんかね。ラグナ大統領がガーデン作りたいんやって」
「え、でもエスタって、軍事力は世界でトップだよね?」
「『月の涙』。次はエスタな可能性、結構高いらしいんよ」
「そうなの?」
「うん。ソレで、エスタ政府で『月の涙』対策に特化したガーデン作るてハナシ」
そのために、他のガーデンの大まかな構造を参考に、『エスタガーデン』を作ろうとしている。
魔女も侵略戦争も当面はなくなったが、唯一『月の涙』だけは、文明が滅びかねない大きな被害を出す可能性として、今も残っているのだ。
「トラビアクレーターとか、結構手広く調査して備えてるんやで」
「へー……」
エルオーネが昔話としてよく話題に挙げる人物ラグナ。
軽い雰囲気のお調子者という印象が強かったが、大統領になって大丈夫かと思っていたが、しっかり国民を守るという仕事はしているのだ。
「お、前の設計図もろて来てんな」
「ばっちりやで」
一緒に来ていたのはクレア。
彼女はセルフィと同じスーツを着用しているのだが、ボディラインは白衣に隠れていた。
「アービン、部屋どこらへん?」
「え、この辺だけど」
言われて、思わず答える。
すると、2人はこんなことを言い出した。
「よっしゃ、エロ本探しに行くでセルフィ!」
「アタシのおっぱい194秒も見よったし、期待できそうやで!」
「ちょっ――!?」
アーヴァインは慌ててセルフィの肩を掴もうとするも、その寸前で姦しい女子2人は煙のように消えてしまった。
その後、セルフィの成長後の想像図(期待込み込み)が発見されて弄り倒され、彼は泣きながら走り去ろうとして、結局捕まることになる。
エクスデスは次を考えていた。
「『無』を直接あちらに送り込むのは、現状は難しい。
あちらの世界へ送り込む穴を開ける儀式に吸われてしまいおる。
しかし、あの様子では、これ以上の強者を送り込んだとしても、偵察はおろかただ生き残ることも難しかろう」
彼は今、呪いによって投げ込まれたシュールストレミング(世界一臭い缶詰)の臭いを除去する作業で手一杯だった。
バッダムフィッシュの臭いを押し戻すことに成功したため、安心していたらこれである。
鼻に詰め物をしていても臭うため、考え事をしながら作業をするしかなかったのである。
「む、いや、いたな。そういえば。
『無』に捕獲したはいいが、結局扱いあぐねておった者が」
作業が終わりかけになり、少しは余裕が出てきたのか、それとも悟り始めているのか、エクスデスはある名案を思い付く。
『無』を使えば捕獲可能なことはもう分かっているため、ソレが世界を滅ぼしてしまっても、むしろ後がやりやすくなる。
実際に幾つもの世界を滅ぼしてきた実績を持つ、捕えられなかった破壊。
そして、勝てなければ勝てなかったで、ソレを捕え続ける労力が減る。
どちらに転んでも悪くない。
――――あとがき
こんばんは、毎度お馴染みのひろっさんです。
アルティミシア以外のギャグパートで伏線でした。
そういえばモルボル先生の相手とか考えてなかったなと。
そして、以前伏線が張られていたアービン弄りです。
片思いの好きな子にエロ本を探されて、逃げられずに弄り倒されるって、拷問でしょうか?それともご褒美でしょうか?
――――設定
エスタガーデン:紹介
FF8二次創作では、ゲームEND後が物語の舞台になることがかなり多い。
その20年ほど後の物語で、エスタにガーデンができていることがある。
ちなみにそのパターンでは、学園長がスコールで、マスターがラグナのことが多い。
ただ、設立目的が明言されることは少ない。
この小説では、ガーデンとアルティミシアの話を聞いたラグナが発案した。
それに伴い、『月の涙』がエスタで発生する確率が高いとしている。
(ゲーム中はエスタにて人工的に発生)
また、次の『月の涙』を予測することができれば、ガーデンをそこに向かわせて対処するための拠点にできるため、割と真剣に検討されている。
ちなみに、ガーデンをゼロから作る技術はエスタにはある。
(『ルナティックパンドラ』は、ガーデンの数十倍の重量があるものを浮かせている)
今回、クレアが入手した、以前のガルバディアガーデンの設計図というのは、学園としての機能がどうあればいいか、参考にする意味がある。