多分これが一番…   作:ひろっさん

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8/18 サブタイがちょっと苦しい。良いアイデアがあれば活動報告の方へお願いします。


未知との遭遇

愛と勇気と希望と好奇心の大作戦進行中。

予定通り、2度目の『時間圧縮』が始まる。

テレサが解析したこの世界の性質を加味し、調整した術式を用い、アルティミシアが過去のエヌオーの身体を操って行った。

 

さすがに2度目で慣れたためか、メンバーの再集結も早い。

 

しかし、ちょっとしたアクシデントがあった。

 

「む……何かがこちらへ来る――!」

 

アルティミシアが警告する。

 

「これって、『オメガ』クラスの魔力よ!」

 

キスティスが叫んだ。

 

ほどなく姿を現したのは、1体のドラゴン。

50メートル近い蛇のような胴体に、小さな手足の生えた、いわゆる東洋龍だ。

それは青紫色の鱗を備え、神々しい輝きを放っていた。

 

「『神龍(しんりゅう)』……!」

「『オメガ』に続くヤベーやつやん……!」

 

一行は身構えるが、東洋龍はこう声をかけてくる。

 

「私は『オメガ』の気配を追ってきた。

この近くにいることは分かっておる。なぜ姿が見えぬ?」

 

それは声をかけたというよりも、自問しているようにも見えた。

 

「なんや、やるんやないんか」

 

セルフィは若干残念そうにしていた。

後ろを気にせずに暴れることができるため、『オメガ』の時と違い、やる気満々だったのだが。

 

「『オメガ』の気配って、テレサ、あの紙持ってきてるのか?」

 

サイファーはテレサに尋ねる。

『オメガ』との戦いの際、彼は直接は見ていなかったのだが、それを見ていたキスティスを通じて話は聞いていた。

 

「エクスデスどないかするん先にして、後回しにしててんよ。

ちょいメンドいことになっとるねん」

 

テレサは、懐から紙を取り出して話す。

それは絶対に開かないように、丸めてガムテープでぐるぐる巻きにされ、棒のようになっていた。

 

「気配の源はそれか。まさか封印に成功していたとは。

しかし、面倒なこととは?」

「コレ、破ったら中身を破壊できんねんけど、封印したんが『波動砲』の発射直前やねん。

発射したら大陸1つ吹っ飛ぶエネルギーやから、下手したら破った瞬間にドッカーンてなるかもしれへん。

おんなじ理由で、開いて解放もできへん。

『時間圧縮』の間に万が一ゆうことあるから、あたしが持ってた方が安全かな、て」

「なるほど……あのネオエクスデスを前にすれば、『オメガ』でさえも瑣末事ではあろう」

 

神龍は納得していた。

宝箱の中で眠り、『オメガ』を倒すだけの力を蓄えていた神龍が目覚めたのは、まさにネオエクスデスが倒される直前である。

 

「ほな、コレの処分、お願いしてもエエやろか?」

「無論、我が悲願である。引き受けよう」

 

テレサは神龍にガムテープで巻かれた紙を渡した。

 

「私はこれより『オメガ』の破壊を行いに向かうが、礼に一つ教えておくことがある」

 

最後に、神龍は語る。

 

 

 

青年バッツは突然の地面の揺らぎに驚いた。

そして、地面の揺らぎではなく、見える景色全体が歪んでいることに気付く。

 

エクスデスを倒すために、エヌオーを倒したとされる12の武器の封印をすべて解放し、それが封印されていた封印城クーザーから出てきたところ。

これからというタイミングでの異変だった。

 

「まさか、これが『無』の力……?」

「いえ、『無』はこんな景色が歪んだりはしなかったわ」

 

『無』に呑まれかけた経験のある、気品ある美女レナがそれを否定する。

 

「じゃあ、これはなんなんだ?」

「わからない。でも、『無』じゃない、別の何かよ!」

 

荒っぽくもレナに似たポニーテールの美女ファリスの問いには、首を横に振る。

 

「聞こえる……世界中で起きてるよ、これ!」

 

年端もない金髪少女クルルが叫ぶ。

 

「なんだって!?」

 

クルルの、動物の声が聞こえる不思議な力を知っているバッツは、驚きの声を上げた。

 

「エクスデスだけでも大変だってのに、何が起きてるんだよ!」

「めっけ」

 

バッツの叫びに、答える者がいた。

 

「!?」「えっ――!!」「!!」「――っ!!?」

 

4人は、声をかけられるまで、その大きな魔力(魔女の力)を持った少女の存在に気付かなかった。

まるで、気配が突然そこに出現したような、瞬間移動してきたかのような印象さえあった。

しかも、『テレポ』の気配もなく。

 

 

 

「とりあえず、まずは私達について説明するわね」

 

驚き、戸惑うバッツ達に対し、キスティスが説明を行う。

キスティス達がどういう存在で、どういう目的でこの現象、『時間圧縮』を行ったのか。

 

それには、当然ながら未来の情報、バッツ達がネオエクスデスに敗北することも含まれていた。

 

「俺達が負けるだって?

12の伝説の武器も手に入れてるし、『クリスタル』の力もあるんだぜ?」

「バッツ、油断しちゃダメ!

ネオエクスデスって、どんな相手か分からないんだから!」

 

年下のクルルに注意されて、20歳児とも言われるバッツはばつが悪そうに頭を掻く。

 

「瞬間的な肉体創生だって?『無』を無限に吸収して?」

「それって『無』が尽きない限り、永遠に倒せないってことなの?」

 

美人姉妹(ファリスとレナ)は難しい顔で唸った。

確かに、今のバッツ達の戦力では難しそうだったのだ。

 

そして、バッツ達が敗北するからこそ、今ここにテレサ達がいて、『時間圧縮』という面倒な方法で危難を伝えてきたという事実は動かせない。

 

「でも、参ったな。伝説の武器が通用しないってことになると、どうすればいいか分からないぜ」

「ちょっと待って」

 

レナが口を挟む。

 

「あなた達が未来から来たということは、未来のエクスデス、ネオエクスデスなのかしら、それを見たということよね?」

「ええ、すぐに倒してしまったけど、様子がおかしいというところまでは私にも理解できたわ」

「倒したって?」

「無限の瞬間的肉体創生ってやつをか?」

「『無』ごと吸い込むヤバイやつぶつけたらどないかなったで」

 

テレサは驚くバッツとファリスにこともなげに告げた。

 

「今、こやつを理解する必要はないが、『『無』ごと吸い込む』というのが、どうやら正解だったようでな。

先程、遭遇した『神龍(しんりゅう)』の話で、ネオエクスデスがなぜ倒れたのかに関しては私も理解できた」

 

アルティミシアが語る。

 

「どうやら、今のエクスデスは『クリスタルの欠片』を手に入れているようなのだ。

『無』はすべてを呑み込み、『クリスタル』は『無』より世界を創生する。

同じ『クリスタル』の力をぶつければ、質はどうあれ無尽蔵のエネルギー源があるネオエクスデスには、お前達では勝てん、ということなのだろう。

逆に言えば、『次元の挟間』に封印されていた『無』を枯渇させてしまえば、ネオエクスデスは自身を維持できなくなり、自滅する」

 

彼女は溜息を吐く。

 

「『無』を枯渇させるって、それこそどうすりゃいいんだ?」

「私達が『クリスタル』を人工的に生成するの」

「『クリスタル』を?」「そんなことできるの?」

「不完全にはなるでしょう。

元々、私達は別世界の人間だから、心の力が足りていようとも、この世界のシステムには馴染まないと思うわ」

「それでも、膨大な『無』を消費することに違いはない」

 

この話をしていたアルティミシアの内心は、驚愕と戦慄に満ちていた。

 

「(まさか、このような形で状況を打開するとはな。

大雑把な備えだと?最後の切り札ではないか。

――アーヴァイン・キニアス)」

 

そう、この作戦を用意したのはアーヴァインなのである。

 

片思いの少女の様子を見たいからと、オダイン研究所に来て、当初の作戦と情報を聞いてから、考えうる不測の事態に備え、FF8側の人間で『クリスタル』を人工的に生成し、『無』を枯渇させる補助作戦を考えたのだ。

それは、FF5側、バッツ達がなぜエクスデスに敗れたのか、推測しかできないからこその備えだった。

 

『無』を枯渇させてしまえば、エクスデスであろうとネオエクスデスであろうと、大した力を振るうことができなくなる。

そうすれば、後はどうにでもなる。

 

本人が言うには大雑把な備えだったが、実はどんな理由でバッツ達が敗北したのであれ、対応できるだけの応用力のある作戦でもあったのだ。

 

「(そして、これを採用したラグナ・レウァールの胆力よ)」

 

通常、作戦には余計なものを入れないのが普通だった。

しかし、今回は明らかな異物、非戦闘員が参加している。

それはエクスデス、ネオエクスデスを倒せなくなるかもしれないということを意味していたのだが。

 

それでも何かあった場合に状況を打開できるのなら、とラグナは非戦闘員を作戦に組み込むことを許可していた。

このメンバーならば、エルオーネとイデアを守り切り、任務を完遂できると信じてのことである。

 

「(テレサというイレギュラーがなくとも、戦えば負けていたのは私か……)」




――――あとがき

こんばんは、毎度お馴染みのひろっさんです。
多分、もうすぐ終わりです。
また説明やらなんやらで多少長引くかもしれませんが、エンディングが見えてきました。

最後、どうするかについては、あんまり考えてなかったりするんですよね。
この小説は最後の最後まで行き当たりばったりです。

戦慄の、そこにいないのに存在感を主張するアービン。



――――設定

神龍(しんりゅう)』:FF5、考察、独自設定
『次元の挟間(ラストフロア)』の宝箱に入っており、開けると襲ってくる、FF5最強格の裏ボス。
GBAでは強化版が出てくるらしい。

『オメガ』を追っているようだが、その理由、なぜ宝箱に入っているのか等は不明。
一応、12の伝説の武器を持った英雄でも倒せなかったという記述があり、『オメガ』と同格とされる。
『オメガ』は遭遇すると逃げられないが、『神龍』は逃げられる。

強力な全体攻撃を連発してくるタイプのボスで、通常攻撃もかなり強力。
開幕『タイダルウェイブ』を放ってきて、耐えられなければ即全滅する初見殺し。
ただ、属性攻撃が多く装備などで吸収できる上に、『サークル』や『デルタアタック』(石化+ダメージ)のような悪辣な攻撃は少なく、完全ローテーション行動であるため、殺意は低めに感じる。

『オメガ』より『神龍』の方が弱いという説があるが、『神龍』からは逃げられることから、本気を出していないとも考えられ、実際に『オメガ』VS『神龍』となるとどちらが勝つかはわからない。(論争あり、未決着)

この小説では、過去に『オメガ』と戦って疲労しており、宝箱の中で回復中だったと設定している。
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