多分これが一番…   作:ひろっさん

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8/26 ガイア視点の後日談。


多分、これが一番平和だと思います

ガイアはテレサが涙目で逃げて行った後、原因を眺める。

 

まずはテレサが人間を逸脱して神になった後から。

 

エスタでは、予定通りエスタガーデンが設立された。

『月の涙』への対応を目的とし、マスターはラグナで学園長はエスタ軍の退役将校。

バラムガーデンのSeed制度を取り入れ、卒業後は希望者を『ヘイホー隊』で受け入れる。

また、入学希望者は孤児を優先して受け入れるため、国民のウケもよかった。

セルフィが教員として赴任、後に学園長に。

 

トラビアガーデンにはクレアが戻り、トラビア軍と提携して新技術の研究促進が行われた。

また、エスタから技術を持ち帰り、雪国でも十分に適応可能な温室を開発できたため、後に他国並みに人口が増えることになる。

 

バラムガーデンはSeed傭兵業のギルド制を採用することになったが、ガルバディアガーデンからの戦力貸与依頼からキスティスとスコールが出向。

キスティスは教員としても教鞭を振るい、新技術や魔女への対処法などを伝えていった。

 

ガルバディアガーデンは再建されるも、調査の結果現状最弱のガーデンとなっていることが発覚、バラムガーデンに依頼し、新技術の提供を受けたことで、世界のバランスを担う一角として成長を遂げた。

後にドドンナが一線を退くと、キスティスが学園長となる。

 

また、12年後には各国やガーデンの首脳陣が集まる国際会議が開かれ、ガーデンの目的について話し合われる。

当初、魔女への対策を目的としていたが、新技術の普及のために、魔女がそこまで脅威ではなくなり、新技術もそろそろオーバーキルになり始めていたからである。

 

その際にラグナの提案により、『月の涙』への対抗策が十分かどうか、起きてみなければ分からないという話になり、目的を失いつつあったガーデンに『月の涙』への対抗策が付け加えられた。

 

 

 

テレサが眠りについてから20年後、エスタで『月の涙』が発生する。

 

ある程度被害は出たものの、ほとんどが『月の涙』に伴う重力異常や磁場異常によるものだった。

降り注いだ魔物は、世界中から集結したガーデン生達によって駆逐され、エスタ市街が壊滅などということにはならなかった。

 

重力や磁場の異常に対して対抗策が練られ、それ以降の『月の涙』によってはほぼ被害が出なくなる。

また、『月の涙』の研究が進み、場所とタイミングがかなり正確に分かるようになったため、事前に準備しておくことができるようになったのも、被害低減の一助となった。

 

 

 

数百年後。

 

世界中で人口が爆発的に増え、それに対して食糧の供給が追い付かなくなり始める。

世界中で積極的に魔物が狩られ、人々が生活圏を大きく拡大したのが原因だった。

 

それに伴い、鉱物資源も底をつき始めたため、大規模な宇宙開発が始まった。

 

そして近くに豊かな土壌を持った星が発見され、そちらへの移住計画が始動。

『エクソダス計画』と名付けられたこの計画によって、人間の大半が地上からいなくなる。

 

テレサは長い時からその存在が忘れ去られており、ずっと眠ったまま取り残された。

 

 

 

それから数千年、人間に変わる新たな地上の支配者が誕生し、眠り続けるテレサを発見。

なんでも宗教に結びつけてしまう古代の人々は、テレサを神と呼ぶようになった。

 

古代の遺跡から、神=ハインと解読されたため、目覚めたテレサはハインと呼ばれた。

 

 

 

「www『シムアース』かってのwww」

 

ガイアは笑い転げる。

つまり、別に理不尽な災害が起きて文明が滅んだとかそういうことではなく、人々が地上を捨てて宇宙へ旅立ったというだけだったのだ。

ならば特に干渉することもないだろう。

 

親友や知り合いの希望者を数百人GFとして受け入れてきたため、精神世界が随分と賑やかになったということもあり、テレサは神として『物語の外側』で活動するようになったのである。

 

 

 

ちなみに。

 

この世界最大の問題児リノアは溢れる創作の才能を開花させ、美人作家として活躍。

30代手前で美男の代表格スコールと結婚し、世界中から祝福された。

 

父親のフューリィ・カーウェイ、ラグナ・レウァールは子供達を祝福し、苦労があると全力でサポートした。

 

他にも、セルフィを追い掛けてエスタへ移住したアーヴァインは、見事セルフィのハートを射止め、結婚。後にエスタガーデンのマスターとなる。

 

サイファーは風神と結婚し、ガルバディアへ移住。

しばらく傭兵団を率いていたが、なぜか引退前のデリングに担ぎ出され、ガルバディア大統領に就任している。

 

サイファーは土壌改善事業と共に各地のガーデン戦力を頼みとした軍再編を行い、さらにガーデン同士の親善試合などを企画し、それが全世界に広まったことから、『近代秩序の父』と呼ばれるようになる。

本人は自分の手で暗殺者を捕縛するなど、大統領になっても前線で暴れ回っていたようだが。

 

 

 

テレサの知り合いの内、GFとなることを希望したのが半数、安らかに眠ることを希望したのが半数。

今も、彼女にジャンクションしている。

 

また、魔女がその力を捨てる対象としてテレサが選ばれることが多く、多くの魔女をテレサ1人で継承することになった。

 

古い歴史家が言い出した、魔女を『魔法のハイン』とする説が正しいならば、『魔法のハイン』以上の力をその身に宿したテレサは、ある意味で『魔法のハイン』であると言うこともできるのだ。

 

 

 

ちなみに、数百年後にアルティミシアという魔女が誕生する。

彼女は躊躇いなく魔女の力を使用し、世界に君臨した。

 

ただし、魅了の力や攻撃魔法による恐怖支配ではなく、その特殊ながら芸術的なセンスによって、多くの彫像、銅像を世に送り出し、芸術界に魔法の力、擬似魔法の力を取り込んだ芸術の革命児として、長らく世界に君臨することになる。

 

遠くリノアとジュリアの血を継ぐ彼女の趣味は、同性の行き過ぎた友情に偏っており、なんというか、腐っていたという。

どうやら、『ジャンクションマシーン・エルオーネ』によって、テレサ経由で先祖の趣味に衝撃を受け、そちらに傾倒してしまったらしい。

 

「どwうwしwてwこwうwなwっwたwしw」

 

ガイアの腹筋が破壊されたのは言うまでもない。




――――あとがき

こんばんは、毎度お馴染みのひろっさんです。
以前、その後の話も欲しいと言われたことがあったので追加してみました。
特にアルティミシアのオチは本編に伏線が張ってあったため、それが消化できないのは心残りだったんですよ。

この後の話になると、もうテレサの『俺TUEEE』にしかならなくなってしまうと思うので、基本的には書きません。
また何かネタができれば書くかもしれませんが、現在二次創作業界でFF5とFF8の両方が下火なので、メジャーな世界へ行って直接暴れるということだけはないと思います。

8月26日現在、活動報告のPV88。
かなしみ。

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