多分これが一番…   作:ひろっさん

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7/3 序盤が蛇足に思えてきた。もっと時間を飛ばそうかなぁ?


プログラミング

1年後。

テレサは必要な魔法合成の実験を一通り終わらせ、他にも様々な技能を習得していた。

 

「……ってなこともなかった」

「⑨.現実は非情である」

「ただし、魔法はシリから出る」

「さすがに上級魔法の改造は厳しいなぁ。出来る奴自体がほとんどおらへんで」

 

8歳児、今までデータ集めついでに鍛錬を繰り返してきたとはいえ、わずか1年であらゆる鍛錬が実るなどというのは、さすがになかったようだ。

 

とはいえ、新型の『赤魔法』、別種合成自体は軍の研究施設でも研究が行われ、一応は「こういう方法がある」という程度のことを授業で教えることが決定していた。

これだけでも大きな成果だ。

 

「とりあえず、セルフィの顔面パス避けれるようにならなな」

「あたしも成長しとるんやで」

「それ自慢するとこなん?」

「身長は伸びてるけど、おっぱいはまだやなー」

「おっぱいはこれからや!」

「最近の若いモンは進んどるんやな……」

「センセも乗っからんといてぇな」

 

変化があったと言えば、クレアがツッコミ役にシフトしてきたところだろうか。

これも常識人枠の宿命なのかもしれない。

 

「できるようになったゆーのは、実験のサイクルが早うなったゆーことくらいかなー?」

「こんだけ繰り返しとったらなぁ」

 

テレサの真似をする生徒も増え、実験もテレサ、セルフィ、クレアでローテーションしていたため、詠唱速度が高まった気もする。

 

「ただし、そこまで極端に詠唱速度高まったわけやないで。

1年でコレやったら上出来やけどな」

 

教員は告げた。

つまり、日頃の鍛錬もあり、子供達の中では天才的だが、まだ大人に交じって戦闘できるほどではない、ということ。

 

「じゃあ、中級までは一通りデータも揃ってんし、そろそろ実戦の練習もしていこか」

「なにするん?」

「全開の擬似魔法の詠唱。ただし邪魔つき」

「セルフィがおる時点で嫌な予感しかせえへんねんけど……」

「邪魔側が厄介な方がエエねん」

「せやったら、あたしはどないしたらエエの?」

「まあ、うん、善処します?」

 

実際、そうとしか言いようがなかった。

嬉しい誤算でもあったのだが、セルフィの集中力妨害能力、予測の上を行く能力が、テレサをして意味不明なレベルに達しつつあったからだ。

 

「実戦やと、『モーニングスター』でも持たせて殴ってるだけで、魔女とか倒せそうやし」

「そら言い過ぎやろ。まあ、言いたいことはわかるわ」

「センセに侮辱されたー、うったえたるー」

「言い過ぎたんは俺やないんやけどな……」

 

この教員も、この頃すっかり苦労人が板についてきていた。

 

 

 

放課後のメニューが変更される。実験から、鍛練へ。

大量の雪玉が持ち込まれ、3人が動きながら1人が詠唱し、残る2人が雪玉でそれを邪魔する。

 

「大リーグボール1号や!」

「ぷぺっ!?」

 

セルフィの投げた雪玉が、正確にテレサの口に直撃した。

物理的に詠唱を妨害に来ている。

なぜか滅多に直撃しないはずの雪玉が、セルフィが投げたものに限ってよく当たるのだ。

 

実はテレサはゲーマーでもあった前世、FPSがそれなりに得意だったのだが、射撃サポートのあったゲーム中でも、こんなにポンポン当てることができなかった。

セルフィの射撃の才能は、それくらい飛び抜けていたのである。

しかも子供の腕には重いバスケットボールでさえ、避けようとした動きを追尾してくるかのような正確さだったのが、雪玉になって軽くなったことで、さらに連射力と命中精度が向上していた。

 

「やっぱセルフィが手強い……!」

「てゆーか、あたしのがゼンゼン当たれへん……!」

「バスケで鍛えとるから」

「普通のパスまで避けたらあかんでテレサ」

「お、おぅ」

 

1年で何もかもを完璧にとはいかない。

 

 

 

「今日は何の本を読んでるんや?」

 

座学の休み時間、教員はテレサに声をかける。

1年も経つと、授業中には声をかけなくなっていた。

彼女の勉強が、授業でやっている初等教育のレベルを遥かに通り過ぎており、最早最先端の研究者同然だったからだ。

 

「プログラム言語」

「また難しいこと言いよるな。悪いけど、俺苦手分野やわ。

入門ぐらいやったら、まだどないかなんねんけど……」

「うい」

 

目的は、今まで集めたデータの解析ソフトの作成である。

この世界はコンピュータがそれなり以上に普及してはいるのだが、プログラミングが発達しているわけではなく、ある程度のソフトは自分自身で組み上げる必要があった。

そのために、この世界のコンピュータで走らせることができる、この世界のプログラム言語を、テレサは勉強していたのだ。

 

「テレサー、でけたよー」

 

クレアが声をかけてくる。

 

「お、なんやなんや?」

「ソフトの外観デザインお願いしててん」

「テレサがやると枠も作らへん言うてたから」

 

必要なこと以外はすべて後回しにする癖のあるテレサにとって、デザインは大きな苦手分野だった。

 

「絵ぇやったらセルフィの方が上手いんちゃうんか?」

「上手過ぎて機能度外視するから」

「ああ、なるほど」

「納得された、訴訟も辞さへん」

「セルフィはもうちょっと目的を考えて行動せいよ」

 

今回ばかりは、感覚型の天才であるセルフィではなく、堅実な秀才であるクレアに軍配が上がったのだ。

才能は高ければいい、というものでもない。

 

「うん、コレやったらいけると思う」

「5回目でやっとかー、ムズいねんな、こういうのって」

「まあ、うん……こんなもんなんちゃうかな?」

 

テレサは誤魔化した。

彼女自身、やったことがないからだ。

前世から、外観デザインが苦手だったため、ずっと人任せにしてきたからである。




――――あとがき

こんばんは、毎度お馴染みのひろっさんです。
セルフィの設定がおかしくなりつつあると感じていますが、このまま行きます。

ちなみに、作者ひろっさんはFF8はPS版で10回くらいクリアしました。
後半はほとんど低レベルクリアや最強データ作成のための試行錯誤だったりなんですが。
攻略本は『アルティマニア』を持っていまして、世界観のデータなどはゲームと『アルティマニア』頼みです。
大体のデータは網羅しているつもりですが、RTAやTASの動画を見ていると、知らなかったこともちらほら出てきていますね。



――――設定

プログラミング:世界観、独自設定
FF8の文明レベルは地域によって大きな差がある。
大別して蒸気機関と電気駆動、そしてジェットエンジン(!?)があり、それぞれ西暦2000年付近といったところ。
つまりコンピュータや機械は普及しているが、近未来、未来と言えるほど発達していない。
例外はエスタで、浮遊移動するリフターや車など、魔法的な要素を組み込んだ未来都市となっている。

トラビアガーデンの設備がどの程度だったのかを類推する情報は1つしかない。
崩壊後のトラビアガーデンで、コンピュータ設備の復旧作業をしているチームのことだ。
何度か挑戦していると、セルフィの個人データらしきものが発見されるのだが、そこから個人情報を電子データで管理していたことがうかがえる。
おそらく、バラムガーデンと同レベルでコンピュータを管理していたのではないかと考えられる。

これらの考察から、本作二次小説では、プログラミング事情についても現実の西暦2000年付近を目安に設定している。
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