転生者の幽雅な日常   作:九戸政景

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政実「どうも、一番好きな四神は青龍、片倉政実です」
柚希「どうも、遠野柚希です。まあ、他作品にも竜だったり名前に『龍』の字が付いたキャラがいる時点で大体分かってたけどな」
政実「あはは、まあね。でも、四神並びに麒麟や黄龍とかももちろん好きだけどね」
柚希「だろうな。さて……それじゃあそろそろ始めていくか」
政実「そうだね」
政実・柚希「それでは、第16話の前編をどうぞ」


第16話 四神の試練と土を司る神獣 前編

 赤・黄・茶で彩られた落ち葉の海で陸が覆われ、様々な場所から食欲をそそる香りが漂う季節、秋。そんな秋のある休日、俺は左手に鉄の棒を右手に『絆の書』を持ちながら、四神′sの皆と共に家の庭の畑の前に立っていた。

 

 ……よし、そろそろ始めるか。

 

 俺は時が来た事を悟り、まずは智虎に声を掛けた。

 

「智虎、やるぞ」

「はいっ!」

 

 智虎の元気の良い返事を聞いた後、俺は『絆の書』の智虎のページを開き、智虎との同調を始めた。そして、智虎との同調が完了した後、俺は手に持っている鉄の棒へと意識を集中させた。

すると、棒の先端が突然三つに分かれ、別れた先端は鋭く尖り始めると、やがて鉄の棒は簡易的な(くわ)のような物へと変わった。

 

 ……よし、次だ。

 

 智虎との同調を解いた後、今度は花壇の方へ視線を向けつつ、右肩の上にいる賢亀に声を掛けた。

 

「よし……行くぞ、賢亀」

「はい」

 

 賢亀の返事を聞いた後、俺は『絆の書』の賢亀のページを開き、賢亀との同調を始めた。そして、賢亀との同調が完了した後、俺は鉄の簡易鍬を近くの塀に立て掛けてから、左手に水の魔力を溜め始めた。

 

 ……とりあえず、このくらいかな。

 

 左手に感じる水の魔力からそう感じた後、俺は細かい粒状になるように調整をしてから、目の前の花壇へとシャワーのように水を静かに撒き始めた。

 

 ……うん、大体こんな感じだな。

 

 土の湿り具合や花達から感じる喜びの波動からそう判断した後、俺は水を撒くのを止めた。そして、賢亀との同調を解いた後、今度は右肩の辺りでふよふよと浮いている護龍に声を掛けた。

 

「それじゃあ、今度は護龍だな」

「はい、畏まりました」

 

 護龍の静かな返事を聞いた後、俺は『絆の書』の護龍のページを開き、護龍との同調を始めた。そして、護龍との同調が完了した後、俺は庭のあちこちに散らばっている枯れ葉に意識を集中させた。

すると、枯れ葉達はカサカサカサという音を立てながら独りでに動きだし、見る見るうちに俺の隣に置かれた丸太の上へと集まっていった。

 

 ……うん、これくらいあれば良さそうだな。

 

 枯れ葉の集まり具合からそう判断した後、護龍との同調を解きながら、家の中に向かって声を掛けた。

 

「おーい、そろそろ良いぞ-!」

「はーい♪」

「了解したぜ、柚希の旦那!」

 

 すると、こころと風之真が元気良く返事をしながら家の中から姿を現した。そして、こころは手に持っていたビニール袋と火鋏を使って集めた枯れ葉をゆっくりと拾い上げ、それが終わると今度は風之真が縁側に置いていたサツマイモを一つずつ残った枯れ葉の中へ大事そうに入れていった。

 

「……うっし、こっちは良いぜ、柚希の旦那!」

「ふふっ、私も大丈夫ですよ、柚希さん」

「ん、分かった」

 

 風之真達の言葉を聞いた後、俺は左肩の辺りに滞空している麗雀に声を掛けた。

 

「やるぞ、麗雀」

「ええ」

 

 麗雀の返事を聞いた後、俺は『絆の書』の麗雀のページを開き、麗雀との同調を始めた。そして、麗雀との同調が完了した後、俺は左手に火の魔力を少しずつ溜め、それが細かい粒状になるように調整をした。

 

 ……大体このくらいだな。

 

 左手に感じる火の魔力からそう判断した後、俺は左手に溜めていた火を火の粉のようにして枯れ葉へと撒いた。すると、火は枯れ葉や下に敷かれた丸太を火種として少しずつ強くなり、程なくしてパチパチパチという音が鳴ると同時に少しずつ煙が上がり始めた。

 

「……よし、これで四神′sの特訓も兼ねた作業は全部終わりだな」

 

 目の前の焼き芋セットを見ながらそう独りごちた後、俺は麗雀との同調を解きつつ風之真に声を掛けた。

 

「それじゃあ風之真、後の火の調整とかは任せたぞ?」

「おうよ! 旦那や四神′sにここまで手伝ってもらったんだ、それくれぇやって当然だぜ! 焼き上がったらすぐに報せっから、楽しみにしててくれよ? 」

「ああ、分かった」

 

 風之真の言葉に微笑みながら返事をした後、今度は枯れ葉の入ったビニール袋を持ったこころに声を掛けた。

 

「こころ、枯れ葉の量はそんなもんで大丈夫か?」

「はい、大丈夫ですよ、柚希さん♪ 智虎さん達も手伝って頂きありがとうございます♪」

「いえいえ。僕達こそ自分達の特訓も兼ねさせてもらってますから」

「うんうん。同調って柚希さんの力も借りてはいるけど、僕達の力だって重要になってくる物だからね」

「うむ、柚希殿の力が尽きてしまってもいけない上、私達の力が足りなくともいけないからな」

「強力である分、それだけ制約もあるって事なわけだし、私達ももっともっと皆と一緒に強くなっていかないといけないわね」

「ん、まあそうだな。それと……頼まれていた簡易鍬はそこの壁に立て掛けてるから、使ってみて何か調整が必要だったら、遠慮なく言ってくれよ?」

「ふふ、分かりました」

 

 こころの返事に微笑みながら頷いた後、俺は四神′sの皆に声を掛けるために四神′sの方へと視線を向けた。

 

「さて……それじゃあ俺達は、一回家の中に戻ろうぜ。流石に少しは休憩しないといけないからな」

「はい!」

「はーい」

「承知しました」

「了解よ」

 

 四神′sの返事を聞いた後、俺達は玄関の方へと回り、玄関から家の中へと入っていった。

 

 

 

 

 家の中に戻った後、俺達が揃って居間へと入ってみると、そこには椅子に座ってコーヒーを飲んでいる天斗伯父さんとソファーの上で寄り添い合いながら眠る兎和と黒烏、そしてそれを微笑ましそうに見ているヴァイスの姿があった。

 

 ……何というか、スゴく平和な光景だな……まあ、その実は中々スゴいものなんだけど。

 

 神様に因幡の白兎、そして八咫烏に神に育てられた白竜と、一般家庭では絶対にあり得ないであろう組合せを見て静かにそう感じた後、俺は天斗伯父さん達に声を掛けた。

 

「天斗伯父さん、ヴァイス。ただ今戻りました」

「……おや、お帰りなさい、皆さん」

「特訓を兼ねた作業の方はどうでした?」

「うん、バッチリだよ。それにしても……兎和と黒烏はどうしてここに……?」

 

 ソファーの上で静かに眠っている兎和達を見ながら訊くと、天斗伯父さんがクスクスと笑いながら答えてくれた。

 

「先程まで柚希君達を待ちながら仲良くお話しをしていたからですよ」

「俺達を……?」

「はい。同じ神力を持つ存在同士、やはり色々と気になる事があったのかもしれませんね」

「神力……そういえば、今この部屋にいるのは、全員が神力を持った存在ですね」

 

 俺が部屋の中を見回しながら言うと、それを見た智虎達も周囲を見回しながら声を上げ始めた。

 

「言われてみれば……確かにそうですね」

「うん、そういえばそうだね」

「神である天斗殿がいらっしゃるものの、神域や天界でも無いこの場所でこれだけの数が集まっているとはな……」

「何というか……本当に『縁』に引き寄せられたって感じがするわよね」

「……確かにな」

 

『縁』か……こうして転生した後って、いつもその『縁』に導かれて生きてきた気がするな。そもそも四神′sと出会ったのだって、黄龍様からの修行の指示があったから――。

 

 その時、俺はある事を思い出した。

 

 ……そういえば、四神′sの修行の成果を、黄龍様はどんな風に見る気なんだろう?

 

 それが気になり、俺は四神′sに声を掛けた。

 

「皆、一つ訊いても良いか?」

「あ、はい」

「どうかされましたか、柚希殿?」

「お前達の修行の件なんだけどさ、黄龍様はどうやってお前達の修行の成果を見るつもりなんだ?」

「それは……あれ? どう説明されたんだっけ?」

「確か……黄龍様の代理の人が見に来るって言われた気がするけど……」

「黄龍様の代理の人、ねぇ……」

 これといって覚えが無いけど……一体誰が来るんだろう……?

 

 黄龍様の代理とやらについて考えを巡らせようとしたその時、智虎が何かを思い出したように声を上げた。

 

「そういえば……彼は今、どうしてるかな……?」

「彼っていうと……ああ、彼だね」

「……ああ、アイツか」

「……そうね、今頃何してるかしらね……?」

 

 彼……? 一体誰のことなんだろう……?

 

 俺はその彼について訊くため、智虎達に話し掛けた。

 

「皆、その彼っていうのは誰なんだ?」

「あ、そういえば彼について、柚希さん達には話した事が無かったですね」

「彼というのは、私達の友達の内の一体の事です」

「お前達の友達っていうと……四神関連の聖獣か?」

「ええ、そうよ」

「会った回数こそ少ないけど、僕達にとっては大切な友達なんです」

「そっか……」

 

 その友達の事を話す智虎達の嬉しそうな様子から、智虎達がその友達の事を本当に大切に思っていることが強く伝わってきた。

 

 それにしても、四神関連の聖獣か……それだけで判断するなら、その正体はたぶんアレとかだな。

 

 その友達の正体について、大体の予想を立てていたその時、家の近くから四神′sと同様の霊力と神力を感じた。

 

「……この霊力と神力、まさか……!」

「うん……これは間違いないね……!」

「まさか、アイツまでもがこの地へと来ようとはな……!」

「ふふ、そうね……!」

 

 その智虎達の様子から、現在感じている力の気配が件の友達が発している事が分かったが、俺はこの時少しだけ嫌な予感を覚えていた。

 

 このタイミングで智虎達の友達が登場か。本当なら喜んでやるべき展開なんだろうけど……何だろう、この嫌な予感は……?

 

 静かに感じている嫌な予感について考え始めようとした時、智虎がとても嬉しそうな様子で話し掛けてきた。

 

「柚希さん! 今から彼のところに行ってきても良いですか?」

「んー……それは良いけど、せっかくだから俺も行こうかな。ちょっと気になる事もあるし」

「分かりました! それじゃあ早速行きましょう!」

「ん、了解」

 

 智虎に返事をした後、俺は天斗伯父さん達の方へと再び視線を向けた。

 

「それじゃあ、ちょっと行って来ますね」

「はい、分かりました」

「兎和さんと黒烏君の事は、私達がしっかりと見ていますので、安心して下さい」

「うん、ありがとう、ヴァイス。……よし、それじゃあ行こうぜ、皆」

「はいっ!」

「はーい」

「畏まりました」

「ええ」

 

 智虎達の返事を聞いた後、件の友達に会いに行くべく、俺は四神′sと共に再び外へと出るために玄関へと向かった。そして、玄関のドアを開けようとしたその時、独りでにドアが開いたかと思うと、そこには肩に風之真を乗せたこころが立っており、その足下には龍のような顔の小さな鹿のようなモノが立っていた。

 

 この姿……やっぱりその友達っていうのはコイツだったか。

 

その鹿のようなモノの背中には五色の毛、体には黄色の毛と鱗、そして頭には金色の角が生えており、尾と蹄はそれぞれ牛と馬を思わせるものだった。だが、俺が気になったのはソイツの来た理由、そしてソイツの智虎達の事を見る眼と波動の様子だった。

表情自体はとても柔らかいものなため、傍から見れば智虎達に対して微笑んでいるように見えるが、眼とその波動からは強い決意と微かな哀しみの色が浮かんでいた。

 

 ……って事は、コイツが来た理由はやっぱり……。

 

 ソイツが来た理由について、俺が静かに確信をしていると、智虎がとても嬉しそうな様子でソイツに向かって飛び込んでいった。

 

輝麒(フゥイチー)君っ! 久しぶりっ!」

「……わっ!? ヂ、智虎君……いきなりどうしたの……!?」

「えへへっ、久しぶりだったから、つい……ね」

「……うん、たしかに久しぶりだね、智虎君」

 

 輝麒が静かに微笑みながら答えると、賢亀達も輝麒の元へと近付いていった。

 

「ふふっ、久しぶり、輝麒君」

「久方ぶりだな、輝麒」

「久しぶり、輝麒」

「うん、皆も久しぶり。最後に会ったのは……二年前だったかな?」

「そうだな。私達が黄龍様からの修行のご指示を受けた丁度一年前だからな」

「うんうん、だから本当に久しぶりだよね」

「そうね。輝麒のお家は私達とは違って、ちょっと特殊だから会えるタイミングも中々無かったものね」

「……ふふっ、たしかにそうだね。だから、こうしてまた会えたのは、本当に嬉しいよ」

「うんっ、僕達もだよ! 輝麒君!」

「うんうん」

「うむ」

「ええ」

「みんな……うん、ありがとう」

 

 輝麒がニコッと笑いながら答えると、智虎達が俺達の方へと視線を向けた。

 

「柚希さん、風之真さん、こころさん。紹介します、僕達の友達で『麒麟(きりん)』の輝麒君です」

「……初めまして、輝麒と言います」

 

 智虎の紹介に合わせて、『麒麟』の輝麒が静かに一礼をしながら自己紹介をした。

 

 

『麒麟』

 

中国神話における伝説の霊獣で、黄龍と同一視されることもあったりや、中央の守護と『土』の力を司ったりなど、黄龍同様に四神と関連性がある存在。

性質は非常に穏やかで優しく、足下の生命を踏むことすら恐れるほど殺生を嫌っており、1000年を生きている、その鳴き声は音階に一致する、歩いた後は正確な円を描く、曲がる時は直角に曲がるなど、様々な言い伝えが存在する。

 

 

 ……さて、智虎達には悪いけど、そろそろコイツが来た理由を訊いて──。

 

 俺がそれについて訊こうとした瞬間、智虎が不思議そうな様子で輝麒へと話し掛けた。

 

「ところで……輝麒君はどうしてここに? 輝麒君も僕達みたいに修行のご指示を受けたとか?」

「あ、それは──」

 

 智虎からの問い掛けに輝麒が答えようとするのに被せるようにしながら、俺は輝麒に話し掛けた。

 

「お前が黄龍様から遣わされた修行の成果の監督役だから、だよな?」

「……え?」

「え、柚希さん……?」

 

 輝麒と智虎が疑問の声を上げる中、俺は再び輝麒に話し掛けた。

 

「どうなんだ? 輝麒」

「ゆ、柚希さん……そんな事があるわけが──」

 

 智虎が声を震わせながら俺にそう言ったが、輝麒は少し顔を曇らせながら暗い声で被せるように声を上げた。

 

「……ご名答です、流石は智虎君達のトレーナー役といったところでしょうか」

「ふ、輝麒君……」

「……ほ、本当なの?」

「……うん、そうなんだ……」

 

 賢亀の問い掛けに、輝麒が暗い声のままで答えると、護龍が難しい顔で輝麒に話し掛けた。

 

「だが……何故、お前が黄龍様の代理に選ばれたのだ?」

「……ゴメンね、護龍君。悪いけど、それには答えられないんだ」

「答えられないって……何か理由でもあるの?」

「うん、そんな所……かな? とにかく、今の所は答えられないんだ、ゴメンね……」

 

 輝麒が暗い声で答える中、俺は輝麒に向かって話し掛けた。

 

「……それで、修行の試練みたいなのは、今から行うのか?」

「……いえ、今日の所は僕がそういった役割であるのを伝えに来ただけで、試練自体は明日行う予定です。そして、この試練には……柚希さん、貴方にも参加してもらいます」

「え、俺もなのか?」

「はい、これは黄龍様からのご指示でして、柚希さんが持っている力や智虎君達四神達と協力し合う様子を見たいからとの事です」

「なるほどな……分かった、そういう事なら喜んでその試練に参加させてもらうよ」

「分かりました。……それでは、明日になったらまた伺わせて頂きます。では……」

 

 そう言って輝麒が帰ろうとすると、智虎が驚いた様子で声を掛けた。

 

「えっ……せっかくなんだし、輝麒君も一緒に――」

「ううん、これも黄龍様のご指示だから。それじゃあ……また明日」

「う、うん……」

「また明日ね……」

「うむ……」

「うん……」

 

 智虎達が暗い声で答えると、輝麒はコクリと頷いてから、静かに帰って行った。そして、輝麒が帰って行くその様子を、四神′sは寂しそうに見詰めていた。

 

 皆……。

 

「……なんかゴメンな。せっかくの再会だったのに、俺があんな事を言い出しちゃったから……」

「……いいえ、柚希さんのせいではないですよ」

「うん……柚希さんが言わなくても、輝麒君自身がしっかりと言ったはずだから……」

「うむ……輝麒は普段のんびりとしているが、やる事はしっかりとこなす奴だからな」

「……そう、ね……」

「そっか……」

 

 智虎達の話を聞きつつ、俺は明日の試練の事について、考えを巡らせた。

 

 ……智虎達の力に関しては、一切問題は無い。けど、この状態のままで試練に臨んだ所で、絶対に力を発揮する事は出来ない。たとえ、持っている力が強くとも、それを発揮する術者の精神が乱れていては、しっかりとした力を発揮する事が出来ない上、周囲への悪影響を及ぼす事だってあり得る。

……つまり明日までに、智虎達の事をどうにかしないといけないわけだけど、一体どうしたら良いかな……。

 

 暗い表情を浮かべている智虎達を見ながら、俺はどうしたら良いのか悩み続けた。

 

 

 

 

「……さて、本当にどうしたら良いかな」

 

 合気道の練習の休憩時間、俺はふとそう独りごちた。輝麒が帰った後、昼食中も智虎と賢亀は暗い顔を、護龍と麗雀は難しい顔をしていた。そして、いつもならば昼食後にも四神′sは一緒にいるのだが、今日に限っては皆バラバラに行動をしていた。

 

 ……やっぱりこのままじゃ試練どころか皆の結束力にも影響が出てしまう。でも、本当にどうしたら良いんだろう……。

 

 智虎達の件について、必死になって考え始めようとした時、隣から不思議そうな声が聞こえてきた。

 

「……遠野、何かあったのか?」

「……へ?」

 

 声の方へ向いてみると、長谷が水筒を片手にキョトンとした表情を浮かべていた。

 

「……まあ、何かあったって言えば、あった……かな」

「……そうか」

「ああ。でも、どうして俺に何かあるって思ったんだ?」

 

 そう訊くと、長谷は少し呆れた様子でそれに答えた。

 

「どうしても何も……いつもの遠野にしては、技のキレもちょっと悪いし、さっきもどうしたら良いかな、なんて呟いてただろ?」

「……あ、そっか」

 

 ……マズいな、それにすら気付けないほど悩んでるなんて……けど、智虎達の事を放ってなんておけないし……。

 

 その時、俺はある事を思いついた。

 

 ……ここはそうしてみるのが一番か。

 

「長谷、ちょっと話を聞いてもらっても良いか?」

「……ああ、もちろん良いぞ」

 

 優しく微笑む長谷の答えを聞いた後、俺は真実を多少隠しながら、智虎達と輝麒の事について話をした。そして、話をし終えると、長谷は少し難しい顔をし始めた。

 

「……なるほど。久しぶりに再会したは良いが、その再会の仕方がちょっと複雑な形だった事で、そのお前の友達って奴が落ち込んでるわけか」

「ああ。何とかしてやりたいけど、今の所は良い方法が浮かばなくてさ……」

「ふむ……」

 

 俺の言葉を聞いた後、長谷は顎に手を当てながら少し考え込み始めた。しかし、すぐに何かを思いついたような表情を浮かべたかと思うと、ふいにクスクスと笑い始めた。

 

「……え、どうかしたのか、長谷?」

「いや……遠野はいつも他の奴の悩み事はすんなりと解決するのに、自分の事となると時々考えすぎるところがあるなと思ってな」

「考えすぎるところ……か?」

「ああ、お前ならこんな問題ぐらい、簡単に解決出来るはずだぜ?

お前がいつもやってる事、そして落ち込んだ時とか悩み事がある時に何をやってもらってるかを思い出せばな」

「俺がいつもやってる事……落ち込んだ時とか悩み事がある時にやってもらってる事…… 」

 

 そう呟きながら俺はいつもの俺の行動、そして落ち込んだ時などにしてもらってる事について思い返した。その瞬間、俺の中にあった迷いがまるで霧が晴れたかのようにスッキリと消えていったような気がした。

 

 ……そっか、それで良かったんだ。

 

「……どうやら、答えにはたどり着けたみたいだな」

 

 俺のスッキリとした様子を見てニッと笑いながら言う長谷の言葉に、俺はフッと笑いながら答えた。

 

「ああ、本当になんて事は無かったよ。俺がやるべき事、それはただ話を聞いてやったり、傍にいてやる事だからな」

「その通りだ。お前も分かってる通り、困ってる人とか落ち込んでる人の中には、放っておいて欲しい人だって当然いる。だが、本当は話を聞いてもらいたかったり、傍にいて欲しかったするもんだ」

「ああ。それに、話を聞いたり傍にいる事で、その人が抱えてるモヤモヤがスッキリとしたり、話し合って新しい何かを見つける事だって出来る」

 

 長谷と話をしつつ、俺は天斗伯父さんや義智達『絆の書』の皆、そして夕士や長谷の顔を思い浮かべた。

 

俺は色々な人を支え続けているつもりだけど、それと同じだけ俺も色々な人に支えてもらってるんだ。だからこそ、今回だって智虎達の事を支えてやらないといけない。

智虎達の友達の一人として、そして智虎達のトレーナーの一人としてな。

 

 俺が決意を新たにしていると、長谷が静かに頷きながら呟くような声で話し掛けてきた。

 

「……どうやら、いつもの遠野に戻ったみたいだな」

「ああ、おかげさまでな。ありがとうな、長谷。やっぱりお前や夕士がいてくれて本当に良かったよ」

「どういたしまして。だがな、遠野。俺達だって、お前がいてくれて助かってる時があるから、お互い様なんだぜ?」

「ふふ、そっか」

「ああ」

 

 俺達がそうやって笑い合っていると、休憩時間の終了を告げる声が聞こえてきた。

 

 ……さて、まずはやるべき事をやらないとな。

 

 長谷とコクンと頷き合った後、俺は気持ちを切り替えながらスッと立ち上がり、長谷と共に再び合気道の練習に励み始めた。

 

 

 

 

「……よし、後はアイツらと話をしないとな」

 

 合気道の練習を終え、長谷と別れて家に帰っている途中、俺は智虎達の事を思い浮かべながら独りごちた。

 

 明日の試練を万全の体勢で臨む事が出来るようにするのが望ましいけど、とりあえずアイツらの気持ちを少しでもどうにかしてやる事が一番だな。

 

 智虎達の事を真剣に考えながら家に向かって歩いていたその時、近くから声が聞こえてきた。

 

「柚希殿、少々よろしいですか?」

「……え?」

 

 声がした方に向いてみると、護龍と麗雀が真剣な表情を浮かべながら、どこかの家の塀の上に立っていた。

 

「護龍、それに麗雀も。どうかしたのか?」

「……まあ、ちょっとね」

「柚希殿にお話ししたい事があるのですが、お時間の方はよろしいですか?」

「ああ、良いぜ。俺もちょうどお前達と話したいと思ってたからさ」

「畏まりました」

「それじゃ、早速行きましょ?」

「ああ」

 

 俺はコクンと頷きながら答えた後、護龍達と一緒に夕暮れの街中を歩いて行った。護龍達に着いていく事数分、俺達はいつもの公園へと辿り着いた。

 

「ここって……公園だよな?」

「はい、その通りです」

「さ、早く入りましょ」

「あ、うん」

 

 麗雀に促されるまま、俺は護龍達と一緒に公園の中へ入っていった。そして、公園の中へ入っていくに連れて、徐々に霊力と神力の気配が漂ってきた。

 

 ……あれ、でもこの気配って……智虎と賢亀、だよな……?

 

 その事に疑問を覚えながら進んでいき、噴水などがある辺りまで来たその時、智虎と賢亀が噴水をジッと見つめながら立っているのが目に入ってきた。季節の事もあって、噴水の水は全て抜かれていたが、それにも構わず智虎達は何故か噴水をジッと見詰め続けていた。

 

 ……とりあえず、まずは話し掛けてみるか。

 

 俺は護龍達と一緒に智虎達に近付き、智虎達のすぐ後ろで止まってから声を掛けた。

 

「智虎、賢亀」

「……柚希さん」

「お疲れさまです、柚希さん」

「ああ、お疲れさま。ところで、お前達はここで何をしてたんだ?」

「それは──」

 

 智虎が話し始めようとした時、それを制するように護龍が智虎の目の前に立ち、智虎に向かって一度コクンと頷いてから、俺に話し掛けてきた。

 

「その前に、一つよろしいですか? 柚希殿」

「ああ、良いけど……何だ?」

「柚希殿。柚希殿は明日(みょうにち)の試練について、どのように考えていらっしゃいますか?」

「どうって……精一杯やるだけだぜ? お前達の頑張りが黄龍様に認めて貰えるようにな」

「……そうですか」

「でも……それが一体どうしたんだ?」

 

 俺が首を傾げながら訊くと、麗雀がポツリと言葉を漏らした。

 

「……分からなくなったのよ」

「分からなくなった……?」

「はい、僕達がどうしてここまで修行を頑張ってきたのか、その理由が分からなくなってしまったんです……」

「修行を頑張ってきた理由、か……」

 

 智虎の言葉を繰り返していると、賢亀が暗い表情を浮かべながらぽつりぽつりと話し始めた。

 

「……僕達は、それぞれ色々な思いで、今日までそれぞれの修行に励んできました。けれど……今朝、輝麒君と久しぶりに会った時、輝麒君が今回の試練の監督役だと知らされた事が原因なのかは分からないんですが、柚希さんが出掛けた後に僕達がいつものように修行に励もうとした時、ふと思ったんです。

『僕達は何のためにここまで修行に励んできたんだったっけ……?』

と……」

「もちろん、それは分かってる筈なんです。なのに……それをいくら思い出そうとしても、全然思い出せなくて……」

「それに私達が修行を続けて来た理由が、もちろん輝麒のためじゃないのは分かってるの。けど、心のどこかでやっぱり思ってる気がするのよ。

『どうして黄龍様は、輝麒を試練の監督役に据えたのか。

どうして黄龍様は、私達を修行に出すように指示を出されたのか』

……って」

「そう考えた後、私達は集まって話し合い、私達のトレーナー役である柚希殿に意見を仰ごうという事にしたのです」

「……なるほどな」

 

 ……やっぱり、輝麒との再会の件でだいぶショックを受けてたんだな。

 

 智虎達はこうして親元を離れて修行に出ているが、年齢だけで見ればまだまだ遊びたい盛りであるため、こういった出来事が起きる事でショックを受け、自分の目指すものを見失ってしまうのは当然の事だろう。

だからこそ、本来であれば剛虎さんや甲亀さんといった親御さん達が正しい方へと舵を切れるように手助けをする。しかし、今となっては俺も智虎達のトレーナー役であり保護者の一人と言える。

だからこそ、俺が皆の事をしっかりと支え、皆が正しい方へ行けるようにしてやらないとな。

 

 俺はフッと笑ってから、智虎達に話し掛けた。

 

「たしかに、黄龍様が何を思って、今回お前達を修行に出すように言ったのか、それについてはまったく見当がつかないな」

「……やっぱりそうですよね」

「ああ。でもさ、お前達の親御さん達が何を思って、お前達を修行へ出したのか、そしてお前達がどんな風に今日まで修行をこなしてきたのか。それに関しては、バッチリ分かるだろ?」

「父さん達が何を思って、僕達を修行に出したのか……」

「そして、私達がどのように修行をこなしてきたのか……」

 

 智虎と護龍が呟くような声で俺の言葉を繰り返す中、俺は更に言葉を続けた。

 

「後、さっき智虎と賢亀が何のために修行を励んできたのか分からなくなったって言ってたよな?」

「あ、はい……」

「まあ、言ってたわね……」

「お前達が修行に励んできた理由、それは黄龍様から頂いた修行の指示をしっかりとこなす事、そして自分自身が感じている欠点を克服したり長所に変えたり、自分を更に昇華させたりする事じゃないのか?」

「自分自身が感じている欠点の克服……」

「欠点を長所に変える……」

「自分を……」

「更に昇華させる……」

 

 智虎達はその言葉を噛み締めるように繰り返した後、目に決意を秘めながら言葉を続けた。

 

「そうだ……! 僕は元々、臆病な自分を変えて、そしてお父さんみたいな立派な白虎になろうとしてたんだった……!」

「そして僕は、こののんびりとした性格を自分の力に変えるために、智虎君達と一緒にここまで頑張ってきたんだったね……!」

「私は……智虎達と共に切磋琢磨しつつ、己の力を更に昇華させる事が目的だった……!」

「そして私も、皆と一緒に修行をしつつ、この『火』の力を強くする事が目的だったわね……!」

「……輝麒君の事があったとはいえ、こんな大切な事を忘れていたなんて……」

「うむ……そうだな」

「でも、こうしてそれを思い出した事で、何だか元気が湧いてきた気がするよね 」

「ふふ、たしかにそうね。何だかさっきまでの暗くなってた気持ちが一気に吹き飛んだ気がするわ」

「うん、そうだね。……まあ、輝麒君との再会があんな感じになっちゃったのは、ちょっと残念ではあるけど、いつまでもその事でくよくよしてるわけにもいかないしね」

「ああ、そうだな」

 

 そう話し合う智虎達の目には、さっきまであった迷いや哀しみといった感情はなく、その代わりにやる気などといった感情に満ち溢れていた。

 

 うん、これなら明日の試練も大丈夫そうだな。

 

 智虎達の様子からそう判断した後、俺は智虎達に声を掛けた。

 

「どうやら、皆元気になったみたいだな」

「はい。柚希さんの言葉のおかげで、僕達が目指していた物を改めて見つける事が出来ましたから」

「うんうん、何だか気持ちが本当にスッキリした感じだよね」

「うむ、この気持ちであれば、明日(みょうにち)の試練も全力で取り組む事が出来るだろう」

「ええ。この気持ちを以て、黄龍様や輝麒に今の私達の力という物をしっかりと見てもらいましょう!」

「うん!」

「うん」

「うむ!」

 

 智虎達は声を揃えて返事をした後、それぞれの右前足などを重ね合わせながら、一斉にコクリと頷いた。

 

 ……護龍達の言う通り、これなら明日の試練にも全力で臨めそうだな。そして、問題は試練の内容だけど……まあ、これに関しては明日にならないと分からないし、どんな内容になっても良いように心の準備だけはしておくか。

 

 智虎達の様子を静かに眺めながら、俺は心の中で決意を新たにした。そして、ふと空を見上げて、現在の大体の時間を確認した後、俺は智虎達に声を掛けた。

 

「よし、それじゃあそろそろ帰ろうぜ。明日の試練を万全の状態で迎えるためにもさ」

「はい!」

「はい」

「はい」

「ええ」

 

 そして、俺達は明日の試練の事などについて話をしながら、夕焼け空の下を歩いて行った。

 

 

 

 

 翌日、俺達は他の『絆の書』の面々が見守る中、庭先で輝麒が来るのを静かに待っていた。

 

 やるべき事はやった。後は試練の本番でここまでの成果を見せるだけだ。

 

 緊張により心臓が早鐘のように打つのを感じながら、静かに輝麒の事を待っていたその時、輝麒の霊力と神力が近付いてくるのを感じた。そして、それから程なくして、輝麒が俺達の前に姿を現し、俺達の目の前で足を止めると、緊張した面持ちで話し掛けてきた。

 

「……さて、いよいよ試練の開始ですが、準備の方はよろしいですか?」

「……ああ、俺達は大丈夫だぜ、輝麒」

「柚希さんの言う通りだよ、輝麒君」

「僕達はこの日のために今まで頑張ってきたわけだからね」

「いかなる試練が待っていようとも、私達は全力で立ち向かい、全力で突破するのみだからな」

「輝麒、成長した私達を見て、腰を抜かさないでよ?」

「……ふふ、そうならないように頑張らせてもらうよ。さて……それでは、そろそろ試練の場へと赴きましょうか」

 

 そう言うと、輝麒は体に力を込め始めた。そして、輝麒の角が穏やかな光を放ったかと思うと、俺達の目の前に小さな黄色い玉のような物が現れた。

 

 ……この玉、微かにだけど天斗伯父さんの霊力と神力を感じるな。

 

 俺はチラッと天斗伯父さんの方へ視線を向けると、天斗伯父さんは静かに微笑みながらコクリと頷いた。

 

 あはは……やっぱり天斗伯父さんが作った物だったのか、これ……。

 

 心の中で苦笑いを浮かべつつ、その玉の方へ視線を戻すと、智虎が首を傾げながら輝麒に声を掛けた。

 

「輝麒君、この玉は何?」

「これは『時空玉(じくうぎょく)』、これにあらゆる力を籠める事で、決められた別の空間へと跳ぶ事が出来るんだ」

「……つまり、試練を行うのは別の空間って事だね」

「……まあ、そうだろうな」

「黄龍様の課した試練なんだし、だいぶスケールの大きな物になる筈だものね」

「……まあ、そんなところだね。さて……それでは、そろそろ向かいましょうか」

「ああ」

「うん!」

「うん」

「うむ」

「ええ」

 

 俺達が返事をした後、輝麒は時空玉へと神力を注ぎ込み始めた。そして、それに答えるように時空玉が白い光を放ち始めたかと思った次の瞬間、俺達の視界は白い光に包まれ、意識がスーッと消えていった。

 

「う……」

 

 意識が戻ったのを感じ、声を上げながら静かに目を開けると、目の前には周囲を白いもやのような物で囲まれたとても広い空間が広がっていた。

 

 ここが……試練の場、か……。

 

 静かに周囲を見回していると、智虎達も驚いた様子を見せながら次々と声を上げた。

 

「わぁ……! 何だか夢の中みたいな場所だね……!」

「うん、試練の場として来るんじゃなく、のんびりするために来たくなる感じだよね」

「……ふむ、試練の場というだけあって、霊力と神力が絶妙な均衡を保ちながら周囲を漂っているようだな」

「ええ。それにそのせいなのか分からないけど、何だか体が軽く感じるわね」

「あ……確かにそうだな」

 

 麗雀の言う通り、周囲に漂っている霊力と神力のせいか、家の中と同じくらい体が軽く感じる上、力の流れなどもスッキリとしているような感覚を覚えた。

 

 これは……万全の状態で試練を迎えさせるための工夫みたいな物なのかな……?

 

 この異空間に関して、様々な憶測をしていたその時、俺達に向かって幾つかの霊力と神力を持った何かが近付いてくるのを感じた。

 

 ……あれ、この力の気配ってまさか……!?

 

 力の気配の主の正体について気づいたその瞬間、俺達の目の前に驚くべきモノ達が現れた。

 

「……久しぶりだな、智虎」

「……どうやら、あれからもしっかりと修行はしていたみたいだね、賢亀」

「……さて、お前のその力を見せてもらうぞ、護龍」

「……たとえ、相手がお前であろうとも、私は一切の手心は加えんからな、麗雀よ」

「え……お、お父さん……!?」

「……嘘でしょ? 何でお父さんがここに……!?」

「……まさか、父上が試練の相手だと言うのか……!?」

「……本当に何でここに父さんがいるのよ……!?」

 

 驚く俺達の目の前に現れたのは、監督役である輝麒と智虎達のお父さん達だった。




政実「第16話の前編、いかがでしたでしょうか」
柚希「今回は前後編に分けたわけだけど、元々は結構長めの一話だったよな」
政実「うん。そのままで行こうかなとも思ったんだけど、区切った方が読みやすいかと思ったし、今回終わらせたところで区切った方が面白そうかなと感じたから、予定変更で前後編に分けた感じだね」
柚希「わかった。そして最後に、この作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので、書いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします」
政実「さてと、それじゃあそろそろ締めていこうか」
柚希「ああ」
政実・柚希「それでは、また次回」
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