~sideリューガ〜
「リューガ……?」
なんでいきなり登場した女性が俺の名前を知ってるんだろう。俺って有名人?
おわっ!抱きついてきた。
「リューガ!リューガなのね!ずっと会いたかった!!」
涙目で抱きつく力を強くしてくる。
とてもやわらかい二つのものが、もろにあたってるんですけど…。
いかんっ!理性がとびそうだ!
「もうどこにも行かないで…」
ーーあっ!思い出した。この人、公園であった女の子だ。俺のこと覚えてくれてたんだな。
「ひさしぶりですね。十年ぶりぐらいですか。あの時、名前聞けなかったんで、教えてもらえますか?」
「リアス。リアス・グレモリーよ。あなたの制服、駒王学園のよね?」
「はい。今日転入しました。二年です」
「私は三年よ」
先輩だったんだ。よかった、敬語使っといて。
「残念だけれど、今はこの子を助けないといけないから、明日学校で話ましょう。」
リアス……先輩が倒れてる少年を見て言う。
あっ、こいつ忘れてた…。
「もう、いなくならないでね?」
涙目で聞いてくる。くっ、可愛い!
「大丈夫ですよ。同じ学校なんで、会おうと思えば毎日でも会えます」
「ええ。わかったわ。明日の放課後、使いを出すからその子の指示に従ってね」
「はい」
そうして、リアス先輩と少年光に包まれて消えた。
えっ?何今の?リアス先輩の登場もおかしかったし…。どうなってんの?
まぁ、明日学校で教えてもらえるか。
それにしても、あの少年生きてるかなー。
+ +
次の日、朝学校に来てみると、昨日の少年がピンピンしてた。
えっ?Why?
あのケガは一日で治るものではない。死んでもおかしくなかった。
リアス先輩がなんかしたのかな?
まぁ、放課後まで待とう。
+ +
〜side木場〜
僕は部長の命令で、新しい眷属とその関係者の迎えに行っている。
兵藤一誠君と高城龍雅君か…
兵藤くんは知っている。学園では、悪い意味で有名だ。
高城くんは会ったこともない。転入してきたばかりなので、当たり前だ。いったい、どういう人物なのだろうか。
彼らのクラスに入る。女の子たちが何か言ってるが気にしない。
そして、兵藤くんと高城くんを目で探す。
ーーっ!あの銀髪は!?
僕の命の恩人が思い出された。
+ +
あれは今から四年前のこと。僕が13歳のときだ。
ーー生きたい。
森の雪のなかで、一匹のオオカミと対峙しながら、ひたすら願った。
聖剣エクスカリバーを人工的に使えるための計画に僕のような身よりもなく、けれど特異な能力を持った子供たちが集められ、毎日実験を繰り返していた。
辛いことばかりだったが、いつか神に選ばれて特別な存在になれるのを信じ、同士たちとともに頑張った。
ある日、突然その理が破られた。
僕たちが一カ所に集められ、ガスをまかれたのだ。
僕だけが、その場から逃げ出せた。
森の中を逃げているとき、一匹のオオカミが現れた。
いつもなら、簡単に倒せるだろう。ただ、今はガスのせいで体が動かない。立ってるのでもやっとだ。
僕はまだ死にたくない。いや、死ねない。倒れていった同士のためにも、僕が生きなければならない!
しかし、限界は迫ってくる。
オオカミが僕に跳び掛かろうとした時、僕の目に銀髪がうつった。
ーーボコォン
オオカミが殴られ、吹っ飛んだ。
「大丈夫か?」
誰だ?一瞬の出来事に何が起きたかわからなかった。
「今、人を呼んでくるからな。ちょっと待ってろ。あっ、そうだ。寒いと思うから」
少年は、火のかたまりを渡してきた。
触っても火傷せず、心温まる不思議な火。
その少年の指には赤い指輪がついていた。
そして、その少年は行ってしまった。
今度は僕の視界に紅がうつりこんだ。
「あなたは何を望むの?」
薄れていく視界に、彼女の微笑みが見えた。
+ +
やっぱり、あの時の少年は高城くんだろう。
いつかお礼を言わないと。あの時、彼がいなかったら、僕は生きていないのだから。
「やぁ、どうも。兵藤くんと高城くんだね。僕についてきてくれないかい?」
+ +
〜sideイッセー〜
おかしい。
なぜリアス先輩とベッドインしてたんだろう。
おかしい。
なぜ、俺は生きているのだろう。
おかしい。
なぜ、松田や元浜は夕麻ちゃんを覚えてないんだろう。
まぁ、すべて放課後にわかるみたいだ。待ってやろうじゃないか。
放課後になり、少し待っていると、突然教室が騒がしくなった。
「キャー、木場君よ!!!」
あー、うぜー。イケメン死ね!
「やぁ、どうも。兵藤くんと高城くんだね。僕についてきてくれないかい?」
イケメンスマイルで聞いてくる。
リアス先輩が言ってた使いはイケメン王子のことだったのか。
っていうか、なんで高城も?
まぁ、木場についていくか。
「おう。リアス先輩の使いは君だな。早くいこうぜ」
高城が木場に話しかけた途端、木場の目が熱っぽくなったのは気のせいだろうか。
ついていこうとした時、
「キャー、木場君と高城君が一緒に歩いているわ!レアよ!激レアよ!」
「写真撮らなきゃ!ちょっと、兵藤邪魔よ!」
あー、まじうぜぇ。イケメン二人と歩くのはきついぜ。