新年最初のテレビ番組、「あけましておめでとうライブ」の控え室でミソラは黄昏た顔をしていた。
「……」
ボ~~となにも見てない目にハープはどこか怖いものを見る顔で声をかけた。
≪ミソラ~~……生きてる?≫
「あ……?」
うつろな瞳でミソラは気付いたようにクッキーの箱などに入っているプチプチを見つめ、潰し始めた。
「ごめん……まだ、このぷちぷち、二百十一個しか潰してないから、ちょっと待ってて」
意思の感じられない顔でプチプチを潰すミソラにハープは困った顔をした。
≪ミソラ……スバル君と逢えないからって、プチプチを潰して欲求不満を解消するのはちょっと……≫
「後、何回、ぷちぷちを潰せばスバル君と逢えるだろう?」
≪後、半月は仕事でビッチリよ!≫
「……」
ギュッと雑巾を絞るようにぷちぷちをねじり潰すとミソラはぷちぷちを壁に叩きつけた。
「もういや! 新年どころか、年末からずっとスバル君に逢ってない! これは立派なカップルの危機だよ!」
≪ちゃんと連絡取り合ってるじゃない……≫
「連絡とふれあいは別! キスがしたい! 抱き合いたい! イチャイチャしたい! とにかく、スバル分が足りなぁ~~~い!」
≪そんなワガママ言われても……≫
ブスッとそっぽを向くミソラにハープは呆れた顔で説教をした。
≪気持ちを切り替えなさい! 仕事とプライベートを混合するのは良くないわよ!≫
「ふん……!」
≪アナタって子は……≫
ハープは一喝してやろうかと息を吸い込んだ。
その時、控え室のドアがガチャッと開いた。
「あっ……!?」
部屋に入ってきた少年にミソラは目を見開いた。
少年も部屋にコッソリ入るとニコッと笑った。
「新年明けましておめでとう、ミソラちゃん!」
「……」
ミソラは挨拶を返さず、ふるふると震えながら立ち上がり、スバルに近づいた。
「どうしたの、ミソラちゃん? なんだか、怖いよ?」
苦笑いするスバルにミソラは無遠慮に彼の顔をぺたぺたと触った。
「ミ、ミソラちゃん?」
いきなり顔をぺたぺた触られ、スバルはくすぐったそうに顔をしかめた。
「……うむぅ!」
「ッ!?」
今度は黙ってキスをされ、スバルは顔を真っ赤にした。
「ぷはぁ……」
キスをやめると今度はギュッと強く身体を抱きしめた。
「さ、さっきからどうしたの、変だよ?」
≪変なのはいつものことだけどね……≫
スバルに抱きつきながらミソラはスゥスゥと匂いをかぎだした。
「ちょ、恥ずかしいよ……」
「ほんものだ……」
「はい?」
ミソラはスバルの顔を見つめると女の細腕からは想像も出来ない力でスバルを待合室の畳の上に放り投げた。
「スバルく~~~ん!」
「おわぁ!?」
ダイブするように抱きつかれ、スバルは顔中をペロペロと舐めるようにキスをされた。
「ちょ、ミソラちゃん!?」
いきなり顔中を舐められスバルはどうしたのかわからない顔でハープを見た。
ハープは見て見ないふりをした。
(ごめんなさい……)
心の中で謝り、ハープは目を瞑った。
「スバル君の耳~~~……♪」
「うわぁ、ちょ、ミソラちゃん、耳を噛まないで!?」
「スバル君の眉毛~~♪」
「舐めないで!」
「スバル君のおへそ~~♪」
「コ、コラ!」
身体中にキスをするミソラにスバルはミソラを引き離そうと手を伸ばした。
だが、伸ばしたてもギュッと掴まれ、人差し指を愛撫するように咥えだした。
「ふばるふんのひゅび~~……♪」(スバル君の指~~……♪)
「ッ……!?」
ゾワァとするスバルにミソラはお構い無しに指から口を離し、唇にキスをした。
「チュ~~~~♪」
「うぅ~~……」
舌を吸い出すように強くストロークされスバルは苦しそうにうなった。
「ぷはぁ……!」
唇を離すとミソラはそのまま猫のようにスバルの口の周りを舐めだした。
「ちょ、ミソラちゃん!?」
抵抗できないままスバルはミソラに舐められるまま、身体を蹂躙されていった。
三十分近く経過し、ようやく、スバルが解放された時には全てが手遅れだった。
「はぁ~~~~♪ 満足満足!」
「あぁ……」
全身、ミソラのキスによる唾液にまみれ、スバルは恍惚と疲労にまみれた顔でグッタリしていた。
「スバル君、かわいい♪」
頬にチュッとキスをした。
「後でシャワー室使えるようにしておくから、ここで待っててね?」
≪ミソラ……≫
動くことも出来ないスバルにミソラはまるで生気を吸い取ったサキュバスのように元気な笑顔で踊るように立ち上がった。
「あ、スバル君、これ、私からのお年玉ね!」
ポチ袋をスバルの手に握らせるとミソラは気づいた顔で時計を見た。
「ヤバイ! もうリハの時間だ!」
スバルを嬲ってる途中で乱れた衣類を整え、ミソラは胸に違和感を感じた。
「ブラが合わなくなった……」
行為中に少しだけ膨らんだのかキツくなった自分のブラにミソラは恥ずかしそうに上着を脱いだ。
≪ちょ、ミソラ……!?≫
いきなり上着を脱ぎだし、ブラをとるミソラにハープはビックリした。
ぷるんっと綺麗で柔らかい二つのチェリーつきのプリンにミソラはテレた顔で脱いだブラをスバルに握らせた。
「ちょっとだけ預かっててね! 匂いとかかいじゃダメだよ♪」
「……」
なにも考えられないスバルはミソラのブラを握ったままコクリとうなづいた。
「じゃあ、行ってくるね?」
ブラを脱いだ胸の上に直接服を着て、ミソラは可愛く投げキッスした。
「すぐに戻るからいい子に待っててね♪」
ガチャンと部屋を出た。(鍵も閉められた)
≪……≫
後を追いかける気にもなれず、ハープはスバルが握るミソラのお年玉の中身を見た。
『ミソラちゃんとイチャイチャしていい券♪(有効期日無限)』×たくさん
ポチ袋にはそう書かれたお手製のチケットがたくさん入っていた。(明らかに厚みの質量がポチ袋を越えていたが)
≪スバル君……ご愁傷様≫
快感に浸かりきったスバルにはこれからたくさん、強制的にミソラから渡されたチケットを使わされるであろうスバルに同情した。
二人にとって新しい一年は始まったばかりだった。