流星のメモリアル   作:スーサン

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ソーシャルゲームでもやもや

「ソーシャルゲーム……?」

 スバルはああと頷いた。

「最近、流行ってる電波空間を経由したポップアップのゲームね?」

 ミソラはハンターVGの画面を見せ、しまりのない笑顔を浮かべた。

「すごく面白いんだから!」

「委員長やキザマロもやってるよ。ゴン太は……知らないけど」

「これ、私のリーダーカード!」

「うん……?」

 画面に映し出されたリーダーカードを見て目を凝らした。

「なんか、誰かに似てる気が? しかも、これ、ノーマルカード?」

「まだ、レア昇格してないんだよ……」

「レア昇格……?」

 「流星の昴」と書かれたカードを見て、スバルは眉根をひそめた。

(気のせいかボクに似てる気が……?)

 深く考えないことにした。

「でも、こういうのってハマりだすとお金かかるんでしょう?」

「ぴゅ~~……♪」

 最近、金のかからないデートコースを選ぶようになった理由を察した。

(まぁ、お金を出してもらってる手前、文句はないけど……)

 ちょっと釈然としないが……

「でも、ミソラちゃんがゲームにハマるなんて意外だな……」

「そう?」

「うん。ミソラちゃん、ゲームに興味がないタイプかなと思ってよ……」

「うぅ~~ん……私、ゲームはどちらかというと好きだよ」

 頷いた。

「それにこの手のゲームは仕事の休憩時間にちょっとずつやれるから、暇つぶしにはもってこいなんだよ!」

「へぇ~~……」

「そういえば今日は新しいイベントの開始日だっけ?」

「イベント……?」

 某ビッグサイトの姿が浮かび出された。

「ソーシャルゲームは毎回、新しいイベントを作るんだよ。そうしないとユーザーはすぐに飽きて離れちゃうからね」

「そういうものなの……?」

 頭の上に「?」が何個も出来上がり消えた。

「スバル君もやればいいのに……えぇ!?」

「ど、どうしたのミソラちゃん!?」

 ミソラの顔色が微妙なものに変わり、振るえる手でハンターVGを見せた。

「い、今、リーダーカードにしてる昴くんがSR+としてイベント上位報酬で出るみたい……」

「SR+? イベント上位報酬?」

 謎の単語が二つも出て、スバルは不思議そう首をかしげた。

「この上位報酬、絶対にほしい!」

「わかったから……落ち着いて!」

 怖い顔をするミソラにスバルはため息を漏らした。

(たかがゲームでここまでムキにならなくっても……)

 スバルはアゴに伝った冷たい汗をぬぐった。

「絶対にこのSR+ゲットしてやる!」

「それはまぁ……頑張って」

 気のない返事を返すスバルにミソラはビシッと指差した。

「ということでスバル君! 私はしばらく、こっちのほうに集中するから今度のデートはキャンセルね!」

「え……あ、おい!?」

 電波空間を使って消えたミソラにスバルは目をパチパチさせた。

「な、なんだよ……ボ、ボクよりもゲームのほうが大事だっていうのかよ?」

 ウォーロックはやれやれと首を振った。

 

 

 一週間後……

 あれからミソラから連絡がなく、スバルはテレビを観ながらイライラしていた。

≪な、なぁ、スバル……そう怒るなよ?≫

 ギロリと睨まれ、ウォーロックはビクッとした。

≪ア、アイツが唯我独尊なのはいつものことだろう?≫

「なにがいいたいの?」

≪い、いや……べつに≫

 萎縮するウォーロックを一蹴し、スバルはふんっと鼻を鳴らした。

(なんだよ……たかがゲームでちょっと欲しいアイテムがあった程度で)

 ハンターVGを取り出した。

(ボクも始めようかな?)

 部屋の真ん中が光った。

「おっまたせぇ~~~~♪」

「ッ……!?」

 部屋に現れたハープ・ノートを見て、スバルは慌てて立ち上がった。

 ハープ・ノートは子供のように床をピョンピョン跳ね、自分のハンターVGを見せた。

「スバル君、わたし……ッ!?」

 いきなり抱きしめられた。

「ス、スバル君……?」

「……」

 ギュッと強く抱きしめられ、ハープ・ノートは赤くなった。

 気恥ずかしそうにヘルメットをポリポリと掻き、引き離した。

「も、もしかして寂しかった?」

「べ、別にそうじゃないよ!」

 スバルは拗ねた顔で背を向けた。

「で、ゲームはどうだった? ボクはほったからしてまで続けたんだからさぞや楽しかっただろうね?」

「もう、スバル君ったら……♪」

 ハープ・ノートの姿が元のミソラに戻った。

「可愛いんだから♪」

 背中に抱きつき、チュッと頬にキスをした。

「私だって、スバル君に会えなくって寂しかったんだからね?」

 だったら、なんでゲームに現を抜かしてるんだよと、スバルは心の中で突っ込んだ。

「でも、今回の上位報酬は特別だったんだから許して?」

「あっそ……!」

 ぶすっとするスバルにミソラは苦笑いした。

「もう、仕方ないんだから!」

「え……?」

「おりゃぁ!」

「おわぁ!?」

 背中を床につけるように押し倒され、間髪いれずキスをされた。

「うぅ……!?」

 いきなりのキスに仰天して息をするのも忘れ苦しそうに唸るスバルにミソラは幸せそうに微笑んだ。

「ぷはぁ……」

「ぜはぁ……」

 唇を開放され、スバルは情けなく息を吐いた。

「可愛い♪」

 首筋を舐めるとミソラは艶かしく笑った。

「どう、一週間ぶりのキスの味は?」

「あ……うぅ?」

 男の癖に色気のある声を出してスバルは唸った。

 ミソラもちょっとだけ上気した。

「私が昴くんが好きなのはスバル君が好きなんだから当然だよ!」

「い、言ってる意味がわからないよ……」

「わからなくっていいの!」

 またキスをし、ミソラは幸せそうに微笑んだ。

「スバル君」

「うん?」

「大好き!」

 またキスをする二人にハープはミソラのハンターVGを静かに取りウォーロックに見せた。

 ウォーロックも納得した顔で頷き微笑んだ。

 ミソラが手に入れたSR+カードはスバルとミソラによく似たキャラクターが楽しそうに腕を組んで笑っていた。

 まるで今の二人よりも純粋で純潔なイメージを保ちながら……

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