「ふぅふん~~……♪」
料理を作りながらミソラはハートの描かれたエプロン姿でご飯を炒めていた。
「おいしい料理の基本は愛情~~~♪」
音程のズレた鼻歌を歌いながら、ミソラはフライパンのご飯を箸で混ぜた。
「ふわぁ……おはよう、ミソラちゃん」
「おはよう……スバル君、もう昼だけどね」
「……あはははは♪」
誤魔化すように笑った。
「ちょ……じゃなく、昼食はなに?」
「チャーハン!」
胃を押えるスバルにミソラはの目が怖くなった。
「休日だからって寝坊した男が女の子の昼の献立にケチ付ける気?」
「い、いや、まさか!」
慌てて席についた。
「え、えっと……」
「コーヒーなら置いてあるよ。もうそろそろ起きると思って」
「あ、本当だ……うん?」
「どうかした?」
「いや……」
前髪を弄りだした。
「ちょっと髪が伸びてきたかなぁ……切りに行こうかな?」
フライパンの火を消した。
「ミソラちゃん?」
バッと振り返った。
「髪切るなら、私にヤラせて♪」
二本のハサミを構えるミソラにスバルは真っ青になった。
「え、遠慮するよ……ミソラちゃん、人の髪切ったことないでしょう。髪だから失敗、許されないし」
「大丈夫!」
プルンッと胸が揺れるほど胸を張った。
「私、仕事柄、腕のいい美容師さんに毎回、髪を切ってもらってるから、自信あるよ!」
「それ、ただの客じゃん!」
「大丈夫。ミソラちゃんを信じなさい!」
「う、うわぁぁぁぁ!?」
三十分後……
「行ってきます!」
派手に扉を閉じるスバルの背中を見送り、ミソラは自分のハサミを見た。
「ものが悪かったかな?」
失敗した理由の責任を認めてなかった。
「なわけないよね……」
溜息を吐いた。
「まったく、床屋のおじさんに笑われたよ!」
「あ、お帰り!」
家に帰るといい匂いがした。
「この匂い……」
「え、えへへ……♪」
テレたようにミソラはテーブルに並んだ贅沢な食事を見せた。
「さっきのお詫び……スバル君の好きなものをたくさん作ったよ!」
「おお、中華がいっぱい!」
「スバル君、脂っこいの好きだもんね」
「若いからね!」
「今日だけだよ!」
「うん!」
飛びつくようにスバルは手近にある八宝菜を食べた。
「うん! うまい!」
「よかった♪」
ホッとするミソラにスバルは餓鬼のようにミソラの食事を食べた。
「あ、私の分も残してよね!」
「へへ、早い者勝ちだよ。ミソラちゃん!」
「もう、私が作った料理なのに♪」
呆れたように笑い、スバルの横に座り、ミソラはえへへと笑った。
「いただきます!」
「はい、頂きます!」
お互い腕をクロスさせるように皿の上のシューマイを食べ合った。
「うん!」
「おいしい!」
そういい、二人は幸せそうにキスをした。
永遠にやってろ、バカップル!