『これより、アイドル大運動会を開きます!』
歓声の湧く運動会会場でミソラはスバルの隣で準備運動をしていた。
「今年も運動会の季節か……でも、スバル君が出ないなんてつまらない!」
ぷぅと頬を膨らませるミソラにスバルは苦笑した。
「ワガママ言わない!」
紅白(赤)帽子をかぶせた。
「ボクはプロデューサーなんだから、ミソラちゃんと一緒にテレビに出るわけにはいかないの!」
「わかってるけどさぁ……」
唇を尖らせるミソラにスバルはふふっと笑った。
「じゃあ、今日の運動会でMVPでも取れたら好きなお願いひとつ聞いてあげる!」
「え、本当!?」
「う、うん……常識の範囲なら」
食いつくミソラに怯えるようにスバルは後ずさった。
「ぐふふ♪」
気持ちの悪い笑いにスバルはズワッとした。
「よぉし、ヤルぞ!」
「……」
気合を入れるミソラにスバルははやまったかなと背筋が冷たくなった。
そして……
「取りました! MVP♪」
「早っ!?」
メッキで作られたメダルを首に下げるミソラにスバルは呆れるほど早い展開に呆れた。
「えへへ♪」
無邪気に笑いながらミソラはスキップを踏んだ。
「約束だよ、スバル君! なんでもお願い聞いてくれるよね♪」
「ま、まぁ……じょうしきのはんいっ!?」
キスをされた。
「ぷはぁ……」
唇を離すとミソラはツゥ~~と下唇を人差し指の腹で撫でた。
「まずはMVPのご褒美♪」
「こ、これが約束じゃないの?」
「甘ったれないで!」
「ぶひぃ?」
鼻を指で押され、思わず豚の鳴き声をまねてしまった。
「キスなんて恋人として当然の行為! それを約束にするなてスバル君、恥を知って!」
思いっきり理不尽な責めにスバルはトホホとした。
「まぁ、キスは普通として約束だけど♪」
妖しく笑うミソラにスバルは背筋がゾクゾクした。
「ス・バ・ルくぅん♪」
体操服の隙間から胸元が見えるような格好でスバルに近づくとミソラは色っぽい笑顔で微笑んだ。
「スバル君って本当、可愛い顔をしてるよね」
「そ、そう?」
「そうだよ」
今度は頬にキスをした。
「じゃあ、約束ね」
「う、うん……」
ドキドキしてミソラの言葉を待った。
「今度、一緒にライブしよう! スバル君もだいぶ、ベースの腕も上げたし!」
「ら、らいぶ……」
そういえば、ベースの練習してたっけと思いだした。
「も、もう始めるんだ? でも、メンバーが」
「実はスバル君に内緒でメンバーも集めてるんだ!」
「い、いつの間に……」
「だから、今度、一緒にライブしよう! もう場所も取ってあるし、曲はもう決めてるから後はみんなで音を合わせるだけだよ♪」
「な、なんの歌?」
「シューティングスター!」
「あ~~……う、うん、わかった」
練習代わりに弾いてる曲をライブで歌うといわれスバルは少しだけホッとした。
(でも、初めてのライブか……緊張するなぁ)
ドキドキしながらスバルはライブハウスで輝く自分とミソラの姿を想像し心がときめかせた。