「小学生ミスコンテスト?」
社長に渡された書類を見て、スバルは眉をひそめた。
「そうなのよぉ……」
社長は女らしい仕草で男声を出した。
「小学生を中心で行うミスコンでねぇ、オファーがかかったのよ♪」
「ミソラちゃんが?」
確かにスタイルは悪くないかなと頷いた。
「あら、ミソラちゃんの身体は中身まで知り尽くしてるった顔ね?」
「ばばばかいわないでください! セクハラで訴えますよ!?」
「あらぁ、バレなきゃ、私は構わないわよぉ♪」
社長の目が怖いくらい妖艶に細まった。(男だけど)
「もちろん、バレたらスバルちゃんは覚悟することね♪」
笑ってない目にスバルは真っ青な顔で首を縦に振った。
「さて……ミスコンの水着選びだけど」
水着売り場でスバルは困った顔をした。
「スバル君、スバル君! この水着なんてどうだろう?」
「それ、露出、高すぎない?」
「そうかな?」
布の面積の極端に少ない水着を戻し、ミソラは新しい水着を取り出した。
「これなんてどうだろう?」
「その水着もどうかな?」
スバルは困った顔で辺りをうかがった。
(仕事とはいえ女の子の水着売り場に来るとは……)
ミソラが有名人なのは当然だがその隣で水着を選んでいる自分……
なにか大人目線がニヨニヨしてて、背中が痒かった。
「ねぇ、スバル君、これなんてどうだろう?」
「スリングショットは論外!」
「ブゥ……」
見事なVの字の際どすぎる水着を戻し、ミソラは考えた。
「私ってどんな水着が似合うだろう?」
「そりゃぁ……やっぱり、元気かつキュートで……」
前に見た警察官風の水着を思い出し、ポッと赤くなった。
「今、エッチなこと考えたでしょう……ヤラしい♪」
「かかんがえてないよ!」
テレを誤魔化すようにスバルは近くの水着を取った。
「こ、これなんていいんじゃない!」
「こ、これは……なかなか……」
今度はミソラが赤くなった。
「え……?」
ミソラが赤くなり、スバルは自分が取った水着を確かめた。
「むごぉ!?」
スバルも顔を赤くした。
「なななんでこんなものが!?」
ボンテージ風のSMチックな水着を見て、スバルは慌てて水着を戻した。
「今のなし! リセット! コンティニュー!」
「お、おーけー……」
必死の形相のスバルにミソラのほうが圧倒され、大人しく頷いてしまった。
「さて……今度こそマジメに考えるか?」
スバルは周りの視線も感じないくらい鋭い目で水着を眺めた。
「ミソラちゃんはサマーイメージだから水着の色は水色でやっぱり、タイプは上下分かれたビキニで当然、可愛いのを……」
「ありゃりゃ……」
自分を見るのをやめたスバルにミソラは肩まで手を上げヤレヤレといった顔をした。
「本当にマジメに仕事モードに入っちゃったよ……」
こうなると徹底的だから疲れるとミソラはため息を吐いた。
「お……これはこれは♪」
「夜の水着」と書かれた股下に妙な切れ込みの入った水着を見つけ、ミソラはムフフと笑った。
(後でこっそり買おう)
スバルのハンターVGの携帯音が鳴った。
「あれ、社長だ」
ハンターVGの電話機能をオンにした。
「はい、もしもし……」
スバルの顔が強張った。
「それ、本当ですか……わかりました」
電話機能を切るとスバルは神妙な顔をした。
「どうしたのスバル君?」
「金田が審査員の一人になったらしい」
「え……?」
かつて自分のマネージャーだった男を思い出し、ミソラはドキッとした。
このミスコン、波乱が来るとスバルは心の中で覚悟した。