流星のメモリアル   作:スーサン

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一夜で散りゆく夢のようなハロウィン

「トリックオアトリート!」

 人のいない部屋でミソラは黒いマントを広げ苦笑していた。

「よし!」

 マントを吸血鬼のように纏った。

「今日はこれで決まりだな!」

 被っていたカボチャのヘルメットを脱ぎ、満足そうに頷いた。

「今日のハロウィンはこれでスバル君をビックリさせて、その後は……グフフ♪」

 気持ちの悪い笑みを浮かべるとミソラは得意げにターンした。

「今日は楽しいハロウィン! 楽しまなきゃ……アレ?」

 床に落ちていたバナナの皮を踏んでしまった。

「なんで……?」

 ミソラの視界が反転した。

「あうぅぅ……!?」

 頭をゴチンッと打ち、ミソラは目を回してしまった。

 

 

「ということがさっきまで起きてたんだね?」

《そういうこと……》

 ハープにことの顛末を聞くとスバルは後ろで自分の服の袖を掴んでジッとするミソラを見た。

「……」

 どこか「守って」オーラを出すミソラにスバルはため息を吐いた。

「今時、バナナの皮を踏んで記憶混乱ってベタなぁ……」

《起きたものは仕方ないじゃない……》

 ミソラの目がジワァと潤んだ。

「ッ!?」

 スバルとハープはギョッとした。

「どうしたの、ミソラちゃん!?」

 慌てふためくスバルにミソラは涙を流し口をもごもごと開いた。

「お菓子食べたい……」

「……」

 スバルは額に青筋を立て、この憤りをどこにぶつければいいのか迷った。

「うぅ……」

 また涙を滲ませるミソラにスバルは慌てて叫んだ。

「お菓子食べようか!」

「うん……えへへ♪」

 儚い雰囲気を出して笑うミソラにスバルは憑き物が付いた顔でため息を吐いた。

 

 

「カボチャケーキ……あまり、おいしくない」

 泣きだしそうになるミソラにスバルは慌ててジュースを差し出した。

「オレンジジュースで口直ししていいから泣かないで……」

「あ、ありがとう……えへへ♪」

 ジュースを飲むミソラは嬉しそうに頬を染めた。

「ジュース、美味しい……」

「……」

 スバルは頭が痛くなった。

(自分で作ったケーキのくせに……)

 よっぽど気に入らなかったのかパンプキンケーキを避けてお菓子を食べるミソラにスバルは頭がズキズキした。

「このクッキー、美味しいね……」

 スバルが焼いたクッキーを食べ、ミソラは破顔した。

「そ、そう……」

 自分が妬いたクッキーを褒められ満更でない顔をするスバルにミソラはニコニコした。

「パンプキンケーキは美味しくないけど……」

「君が作ったんだよ……」

「……?」

 意味が分かってないミソラにスバルはため息を吐いた。

「むぐむぐぅ……クッキー、大好き」

 大変気に入ったのかクッキーだけを食べだすミソラにスバルはクスッと笑った。

「そんなにクッキー美味しい?」

「うん!」

 力強く頷いた。

「大好きな味がする……!」

「そ、そう……」

「えへへ……♪」

 嬉しそうに笑いミソラはクッキーを食べた。

 その様子にハープは茶化すように笑った。

《愛されてるわねぇ……》

 

 

「うぅ……」

 夜になりベッドに入るとミソラは一人じゃ眠れないと言いたげにスバルの腕を掴んでいた。

「み、みそらちゃん……」

 困った顔をするスバルにミソラはギュッと引っ張った。

「うわぁ!?」

 無理やりベッドの中に引きずり込まれるとスバルは顔をギュッと胸元に抱きしめられた。

「ッッッッッッ!?」

 顔に二つの双球が柔らかくムニムニとぶつかった。

(や、やわらかくっていいにおい……)

 顔をトロンとさせるスバルにミソラは寂しさを誤魔化すようにギュッギュッと胸を当ててきた。

「うぐぅ……」

 高まる劣情に自分を抑えつけるスバルにミソラの腕の力が強くなっていった。

(い、いしきがぁ……♪)

 柔らかい胸に包まれながらスバルの意識が桃色の世界へと遠くなっていった。

「あ……♪」

 お花畑のような光景が見えた。

「がくぅ……」

 ミソラの育ちかけの胸を堪能しながらスバルは気を失った。

 

 

 次の日……

「ハロウィンが台無しになったぁぁぁぁぁぁ!」

 記憶が回復しミソラは滝のような涙を流し自分が作ったパンプキンケーキを食べた。

「びみょう……」

 ビエエェェェエと泣き出した。

「……」

 スバルは昨日のミソラの胸の感触を思い出しながら赤くなっていた。

「昨日なにが起きたかも覚えてないいいいぃぃぃぃ!」

 見事に一日が無駄になったミソラは後悔と悔しさに何度も発狂していた。

《ある意味、幸せな娘……》

 泣き狂うミソラを遠くで見て、ハープは呆れたように微笑んだ。

《一夜で散りゆく夢のようなハロウィンだったのね……》

 話せば絶対に覚えてない自分に嘆くだろうミソラにハープはふふっと笑った。

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