「はい、今日は写真撮影にドラマの収録、昼過ぎは新曲の会議を事務所でして、その後はクリスマスライブの衣装選び
……そのさらにあとは」
「ストップ、スバル君!」
「なに、ミソラちゃん?」
「まだ今月は始まったばかりなのになにその過密スケジュールは!?」
「師走だからね……」
「師走だからっていくらなんでも一日のスケジュールを詰め込み過ぎじゃない!?」
「これでも余裕を入れてるほうだよ」
「そもそもクリスマスにライブって、私達のデートはどうなるの!?」
「うんなもんないよ。ファンのために働いて!」
「ス、スバル君、いつからそんな社畜になったの!?」
「今月いっぱいは仕事が盛り沢山だからふんどしを締め直したの」
「だからってこのスケジュールの量はあんまりだよ! デートする時間くらい一日くらい空けてよ!」
「その時間がないくらい忙しいから無理!」
「スバル君のバカ、変態!」
「変態は関係ないだろう!」
「もう……」!
ミソラは頬を膨らまし、コップに淹れたコーヒーを飲んだ。
「スバル君がこんな仕事優先野郎だとは思わなかったよ!」
「ミソラちゃんがワガママすぎるんだよ。こっちはもう一ヶ月も前から休み無しで頑張ってるのに!」
「そういえば夜のお仕事も最近、疎かだよねぇ?」
「うるさい!」
スバルはふんっと鼻から息を吐いた。
「とにかくワガママ言ったって仕事は減らないよ! もうかなりの金が動いてるんだ。今更に無駄には……」
「金田さんみたいなことを言って……」
「カチン!」
スバルの額に青筋がたった。
「誰のためにこんなに頑張ってると思ってるの!?」
「私だってスバル君と遊ぶ時間くらいほしいよ!」
「その時間を手に入れるには師走をクリアしないといけないでしょう!」
「それならいつぐらい遊べるの!?」
「えっと……?」
考えるようにアゴを上げ、右手の指をパーにし一本ずつ折った。
「十二月はフルで仕事が入ってるし一月は年始めだから忙しいし……遅くって三月くらいかな?」
「ふ・ざ・け・る・なぁぁああぁぁあぁあぁぁ!」
「うわぁ!?」
ミソラの怒声にスバルは尻餅をついた。
「三ヶ月も遊ぶ猶予がないなんてそれこそブラック通り越してダークだよ!」
「ダークって……」
スバルの額に青筋を立った。
「ようするにミソラちゃんは師走の間も少しくらいは遊びたいと言いたいわけ?」
「スバル君と一緒に!」
「はぁ……わかったよ」
怒る気も失せため息を吐いた。
「少し時間を調節してみるよ」
「本当!」
「でも、その分、働いてもらうからね!」
「やった、スバル君、大好き!」
スバルに抱きつき頬にチュッとキスをした。
「ミ、ミソラちゃん……」
真っ赤になるスバルにミソラはニパァと笑った。
「大好きだよ、スバル君!」
「……」
満面の笑顔のミソラにスバルは今年いっぱいも敵わないなとス自分に呆れた。
今年も忙しい年末が始まった。