流星のメモリアル   作:スーサン

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釣りだ!勝負だ!坊主だ!

 休みが続き、ミソラとスバルは一緒に遠出をして釣りを楽しんでいた。

「……釣れない」

「お、釣れた!」

 ビシャッと音が鳴った。

「やった♪」

 釣り針に刺さった魚を認め、スバルは拳を握りしめた。

「これで三匹目♪」

「……」

 冷たい目でスバルを見てミソラは自分の垂らした釣り糸の先を見た。

「なんで釣れないの?」

「四匹目♪」

「……」

 また新しい魚を釣り上げるスバルを見て、ミソラは涙目になった。

「もう一時間も釣れてない……」

「五匹目♪」

「……」

 バンバン釣れるスバルにミソラは頬を膨らました。

「今日はもうお腹いっぱいになるかも♪」

 六匹目を釣り上げるスバルにミソラは我慢の限界を迎え立ち上がった。

「もう嫌だ!」

「おわぁ!?」

 いきなり怒鳴りだすミソラにスバルは慌てて水辺の引き込まれそうになる釣り竿を握った。

「な、七匹目……」

「釣るな!」

 スバルの釣り竿を奪い、釣り糸がプツンと切れた。

「アァアァァアァア釣り糸まで私をバカにしてぇ!」

「お、落ち着いてミソラちゃん……」

「星河スバル!」

「は、はい?」

 人差し指を突き立てられスバルは目をパチパチさせた。

「勝負だよ!」

「しょ、勝負?」

「私が勝ったら今度のデートは釣り以外のところに行く! 私が負けたらエッチなことしてあげる!」

「え、えっちなこと……?」

「勝負!」

「え、え……?」

 いきなり肩をくっつかれるように釣り糸を垂らされ、スバルは困った顔をした。

「あの、ボクが釣りにくいんだけど?」

「こうしたほうがスバル君の魚が私の方にかかる可能性があるでしょう!」

「セコォ……」

 仕方ないのでスバルもミソラの肩を(ドサクサに紛れて)抱き、片腕で釣りを始めた。

 

 

 一時間後……

「……」

 涙目でミソラは水面から一度も上げられることのない釣り糸を見た。

「おっ……」

 ミソラの肩を抱きながらスバルは片手でヒットした釣り竿を引き上げ、何匹目かも忘れた新しい魚を釣り上げた。

「うぅぅ……」

 ついに泣き出すミソラにスバルは慌ててフォローしようとした。

「つ、釣りは運も絡むから……」

「もう私の負けだ!」

 スバルから離れミソラは立ち上がった。

「約束は守る!」

「え……?」

 ミソラは着ていた上着を脱ぎだした。

「うわわわわ!?」

 ブラの露わになったミソラの上半身を隠し、スバルは怒鳴った。

「なぜ脱ぐ!?」

「約束だから!」

「や、約束って……!?」

「エッチなことする!」

「脱ぐな!」

 ミソラの手を握り、二人の姿が光とともに消えた。

 

 

 家に帰るとスバルは息を切らし気づいた。

「釣り上げた魚、持って帰るの忘れた!?」

 今頃、誰かが持っててるかもしれない戦利品に真っ青になった。

「はぁ……ミソラちゃん、今日は魚以外のもの、食べよう、って!?」

 ブラを外そうとするミソラを抱きしめ、スバルは慌てて怒鳴った。

「きょ、今日はどこか食べに行こう! 予約無しでも入れるいいお店知ってるんだ!」

「うあああぁぁぁぁスバル君の唐変木!」

「ミソラちゃん、泣かないでよぉ……」

 駄々をこねるように泣き暴れるミソラにスバルはもう釣りは懲り懲りだとため息をつくのであった。

 

 

 それから数日後

「……」

 ハンターVGに映る釣りをする自分のアバターを見て、ミソラはため息をついた。

「全然、面白くない……」

 シューティングスターオンライン2で新しく実装された釣り要素で釣りをするも本物の釣りの臨場感が味わえず、ミソラはため息をついた。

「もう一回釣りに行きたいなぁ……」

「もう行かない!」

 ミソラのアバターの隣で同じように釣りをするスバルのアバターにミソラはベェ~~と舌を付き出した。

「スバル君のバァカ!」

「はいはい……」

 ゲームの中くらい平和に行きたいと願うスバルであった。

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