最近、ミソラはコンビニの一番くじにハマっていた。
「よし! ここはまだ一等もラストショーも残ってるぞ!」
拳を握りしめるミソラにスバルは呆れた顔をした。
「やめようよぉ……こんなのやったって金が勿体無いよ」
「Don't say!」
「スペル違ってない?」
「うるさい!」
スバルの手を離し、ミソラは力み上がった。
「今回の一番くじはSSO2の一番くじ! アニメ化したらキャラクターのドラマCDがほしいの!」
「あ、下から二番目のF賞ね……」
「下から二番目なら十枚も買えば十分だけどどうせだからフィギュアも二つ手に入れなきゃ!」
「はぁぁ……」
呆れ返ったため息を吐き、スバルは一番くじをすべて買い占めたミソラを認めた。
スバルは小声で店員に話しかけた。
「全部、買い占められたら迷惑じゃないですか?」
「そんなことないですよ!」
ニコッと笑われた。
「内容次第では一日で全部なくなる日もありますから今回のこの企画、売れてない方なのでむしろ大歓迎です!」
「一日で……」
げに恐ろしいオタクの情熱にスバルは財布が寂しいと言ってるような気がした。
「よし! 一等のフィギュアゲット!」
「いや、全部買い占めたんだから当たって当然でしょう?」
「げ、二等……メットリオぬいぐるみ……微妙」
「いや、メットリオに謝って……」
「ドラマCD二枚コンプリート! さらに保存用観賞用実用用布教用一気にゲット!」
「実用用ってなに? それに今回限定だから布教用を揃えても意味ないんじゃ……」
「お、ラバーストラップ! アニメの至高さんゲット!」
「あ、ロボットだね……」
「クリアファイル全種コンプリート♪」
「だから、全部買い占めたからね……」
「マグカップは……なんでこんなの当たったんだろう?」
「いや、だから……」
「そして、今回の目玉! ラストワン賞♪」
手に入れたフィギュアの箱を頬擦りしミソラは幸せそうに微笑んだ。
「ロールちゃんフィギュア、可愛い可愛い可愛い♪」
「気持ち悪ぅ……」
どこか逝ってしまった恋人に合掌した。
「さて、欲しいもの全部手に入れたし帰っていらないもの転売しちゃおっか!」
「しかも売るのかよ!」
「いらないものだけね♪」
「ボクの理解を越えた買い物しないで……」
「じゃあ、帰ろうか♪」
スバルに荷物を全て持たせ、ミソラは家に帰っていった。
数日後……
「あ、この前のフィギュア、ネットオークションで結構、いい値で売ってる……」
フィギュアの単価がどれくらいかわからないがスバルはオタクの凄まじさを理解し恐ろしくなった。