「こ、ここは……?」
裏地球にたどり着くと元の姿に戻ったロックマンは絶句した。
「ねぇ、ママァ……お菓子買って!」
「いい子にしてたらね」
「うん!」
元気よく返事を返し去っていく仲睦まじい親子にロックマンは目を疑った。
「これがあの崩壊した世界?」
≪別ものじゃねぇか……≫
「そう……変わってしまった」
「え……?」
顔を上げるとそこにはボロボロの姿で消滅しかかっている昴がいた。
「こ、これは……」
昴は自嘲気味に笑った。
「世界の再構築さ……」
「再……構築?」
「世界はボクに合わせて変わってしまった……君が世界を救った世界へとかわってしまった……だが、この世界もいずれ消える……なにをしても無駄だった……ボクが君になるということはそれはそのままこの世界も君と同じ世界になるということだった」
ロックマンのキョトンとした顔を眺めた。
「皮肉な話だ……ボクは本物のボクでなろうとしたのにボクが本物になろうとすればするほどボクは本物のボクから遠ざかった。君から奪った記憶は響ミソラの記憶をトリガーにこの世界を君たちの世界へと変わろうとしている。もう終わりだ……同じ世界は二つと存在しない。この世界の再構築が終われば、二つの世界は同じ質量同士でぶつかり合い対消滅する……ははは……バカな話だ」
高笑いする昴にロックマンは聞き捨てならない言葉に聞こえた。
「せ、世界が滅びる?」
「この世界は一から作り直されている。君たちの記憶を使てボクを再構築した結果、世界もボクに合わせて再構築された。結局、ボクは偽物でないとこの世界に受け入れられなかったってことだ」
バタンッと背中から倒れた。
「殺れよ……ボクは本物の世界に受け入れられなかった……全部、終わりだ……全部……ボクが消えればこの世界は再構築をやめる。構築が不十分な状態で終わればこの世界は崩壊するだけで君たちの世界は救われる。そうこの世界が崩壊すればな……」
「……昴」
自暴自棄になる仇敵にロックマンはさっき通り過ぎた親子の背中を見つめた。
「最近、変な現象が起きてるわねぇ」
「うん、世界が何度も歪んだよね」
「まるで世界の終わりみたい」
「ママ……怖い」
「大丈夫よ。世界が滅んでもママが守ってあげるから」
「うん!」
確かに存在する"再構築化された世界で生まれた幸せな人たち"にロックマンは元の人間の姿へと戻った。
「昴……もし、君にこの世界を救う気があるなら協力してくれないかい?」
「ハァ?」
バカにするように起き上がった。
「なんでボクが君たちに? そんな義理は……」
「本物になれなくとも本物以上の偽物になればいいじゃん」
「え……?」
「この世界が再構築されてるなら再構築を進めればいい。ボク達の世界とは別の世界に」
「出来るわけない……いや、してしまったからこの世界は滅ぶ……君たちの世界を巻き込んでな」
「そんなことさせない……それに再構築で違う世界に繋がる手段は残ってる」
「なんだっていうんだよ……」
「この世界と僕たちの世界は時間軸が違うみたいだ……まさか、アレを利用するとは」
「アレ?」
空を眺め、赤い彗星が目に映った。
「なんだい、あれは……赤い彗星なんて初めて見る」
「メテオ……ノイズの塊……アレを地上に落下させる!」
「……正気か?」
「落下させるのは地上に影響が出ない程度の大きさだけどそれでもいい。僅かなボク達の世界と異なる現象が起きることでこの世界は別のものへと変わる……そうもう一つの世界・異星界へと」
「……そこでボクは本物になれるのかい?」
「本物を超えればいいんだ。君は……君が望むように……」
「……」
スバルを見つめ、昴も力の強い目で起き上がった。
「本物を超える……出来るのか?」
「君次第だ……」
昴の姿がダークサイドロックマンと電波変換した。
「なら、試してみよう……」
「ありがとう!」
ダークサイドロックマンの手を握り、ロックマンは大空へと飛び上がった。
同一化する世界を違うものへと変えるために……