流星のメモリアル   作:スーサン

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ほっぺたまじっく

「ムニムニ……」

「……」

「むにむに……」

「……」

「むにムニ……」

「あの、スバル君」

「え」

 ムニムニしていたほっぺたを離すと、スバルはニコッと笑った。

「どうしたの、ミソラちゃん」

「なんで……人の頬をムニムニするの」

「……」

「……」

「……」

「……」

 しばらく、ピンクがかった沈黙が生まれ、

「えへへ」

 子供のように笑うスバルであった。

「ミソラちゃんのほっぺって、可愛いよね」

「え……」

 ドキッと胸を高鳴らせるとスバルはまた彼女の頬をムニムニ、揉み始めた。

「柔らかいし、すべすべだし、頬の赤みがなんともキュートだよね」

「な、なんだか、親父入ってない」

「そんな事ないよ」

 無邪気に笑うスバルにミソラは心の中でため息を吐いた。

 はぁ~~……触るなら、もっと別のところ、触ればいいのに……た、例えば、胸とか、キャッ!?

「ああ~~……ずっと触っていたいくらい可愛いほっぺただよね」

「ほ、本当」

 ほっぺたを褒められて満更でないか顔をするミソラにスバルもうんと頷いた。

「ミソラちゃんのほっぺたはすごく可愛いよ。いつまで経っても、飽きないくらいだし」

 ちょっと、歪みを感じるが、スバルの褒め文句に気を良くしたのか、ミソラも自然と笑顔になり、少しだけ、触りやすく頬を前に出した。

「後、十分くらい、触らせて」

「べ、別にいいけど」

 顔を真っ赤にすると、スバルも嬉しそうに彼女の頬を優しく撫で始めた。

 最初は優しくつまんだり、次にはぷにぷにを楽しむように頬を押したり、むにゅむにゅを堪能するように弄んだり、旗から見たら、危ないプレイにも見える。

 もっとも、ミソラ自身も嫌な気分はしなかった。

 スバルの手も、決して触り心地の悪いものではなく、むしろ、男の子の手にしては柔らかく、温かみのある手で、まるで彼の人柄を表すように優しいぬくもりを感じている。

 そんな異様な光景が続き、気が付いたら、約束の時間を軽く六倍も越えていた。

 ようするに一時間も飽きずに頬を触っていたのである。

「ふぅ~~……満足した!」

「うん!」

 ゴロンッと恍惚な顔でスバルは床に寝転がった。

 ミソラもスバルに触られたほっぺたがツヤツヤになって、満面の笑みで見下ろした。

「でも、どうしたの、いきなり、ほっぺたを触らせてなんって」

「うん、実はね」

 あぐらをかくようにゆっくり起き上がると、スバルも肌をツヤツヤにして、いった。

「もうそろそろ冬休み、終わるでしょう……わかってても、心が納得してくれなくって、ちょっと憂鬱だっただけ」

「あ、そ、そうなの」

 「冬休み」と聞いて、急に顔を青ざめさせるミソラにスバルはどうかしたのかと首をかしげた。

「そういえば、ミソラちゃん、冬休みの宿題、終わらせた」

「ギクッ!?」

 強く動揺するミソラにスバルはさらに追撃した。

「僕は委員長と一緒にゴン太とキザマロと冬休み最初のうちに片付けたけど、ミソラちゃんは大丈夫」

「え、えっと……わ、私は忙しくって」

「そっか、それじゃあ、仕方ないね」

 納得してくれたらしく、ミソラはホッと安堵の息を吐いた。

「じゃあ、今からミソラちゃん家にいって、宿題を片付けようか」

「えぇ~~~~!?」

 心の底から驚くミソラにスバルは呆れたようにいった。

「宿題を残すと後でミソラちゃんが泣くんだから、文句いわないの」

「だって~~……」

 すでに泣き出しそうな顔でグッスンするミソラにスバルはクスッと笑った。

「宿題が終わったら、どこか遊びに行こうか。そうだ、電波空間を使って海外に行こうよ。日帰りだけどね」

 そういい、チュッとミソラの頬にキスをするとスバルは照れたように笑った。

「さぁ、早く終わらせて、もっといいことしようか」

「う……」

 キスされた右頬を撫で、ミソラはドキドキする胸の鼓動を感じながら、強く頷いた。

「うん!」

 それから、二人は夜が明けるまで会話を楽しみながら、宿題を片付け、次の日が来ると徹夜の分を取り返すように一緒のベッドに眠ったのであった。

 もちろん、間違いは起こらなかった。(ちゃんちゃん)

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