「じゃあ、行くわよ……ゴン太、キザマロ、スバル君」
キッと睨むように見つめられ、ゴン太、キザマロ、スバルの顔が引き締まった。
「委員長、ズルはなしだよ」
スバルの言葉にルナの口元がニヒルにつりあがった。
「誰に言ってるのかしら」
二人の視線が火花を散らし、ゴン太とキザマロの目線も繋がった。
「まずは確実に行きましょう」
「確実」
キザマロの言葉にゴン太は眉をひそめた。
「いいですか……僕と君が手を組めば、実質、バトルロワイヤルの委員長とスバル君は二対一で戦うことになります」
「どうしてだ? 委員長とスバルを相手にするなら、俺とお前で二対二だろう」
「それはスバル君と委員長が手を組んで戦う場合です。この場合、スバル君は委員長とも敵でもあり、僕とゴン太くんとも敵です。そうなれば、当然、スバル君が勝たなければいけないのは三人……委員長も同じです」
「??」
話の飲み込めない顔をするゴン太にキザマロは呆れた顔でいった。
「と、とにかく僕と一緒の手を出したください」
「わ、わかった……」
ゴクンッと喉の鳴ると、スバル、ルナ、ゴン太、キザマロの四つの視線がぶつかり光が瞬いた。
「ジャンケン……ポン!」
ルナ、ゴン太、キザマロ……チョキ。
スバル、グー。
「や、やった~~~~~!?」
涙を浮かべ、大ジャンプするスバルにルナは腕を組み、ため息を吐いた。
「そんなに喜んでくれるとは、私たちも気兼ねなく、スバル君に任せられるわね」
「え……」
喜んでいたスバルの顔が真っ青になった。
その途端、ゴン太とキザマロの顔もパァと輝いた。
「そ、そうですね……誰も、勝てば、勝利と決めたわけじゃありませんもんね」
「お、おう……負ければ勝ちのジャンケンだったからな」
「ちょ……ゴン太、キザマロ」
ルナの手がガシッとスバルの肩を掴んだ。
「任せたわよ……星河スバル君!?」
「……だ」
ボソリ呟き、スバルは大声で泣き叫んだ。
「卑怯だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
その夜。
「ふえっくしゅん!?」
家から持ってきた毛布を身体に巻き、くしゃみをするとスバルはポケットティッシュで鼻をかんだ。
「うぅ~~……一生恨んでやる。一生呪ってやる」
桜の木の下でぶつぶつ恨み言を言うスバルに回りの花見の場所取りをしていたサラリーマンの顔が青くになった。
今朝、おこなったジャンケンはこの事だった。
毎年、ルナルナ団(最近、発足)はジャンケンで負けたものが花見のための場所取りをさせられる決まりとなっている。
今年は新参者としてスバルが入り、花見の場所取りもより苛烈な戦争へと発展した。
それこそ、ジャンケンで決着をつけるまで右往左往の不毛な言い争いが続いた。
結局、結果は新入りが場所取りをするという日本古来からの伝統が守られたのであった。
「なぁ~~にがルナルナ団だ……僕はあの三人を許さないぞ。絶対に後悔させて」
「後悔って、なに」
「ひぃぃぃ……ご、ごめんなさい!?」
羽織っていた毛布を吹き飛ばし真っ先に土下座した。
とんだ負け犬根性である。
「なにやってるの、スバル君……私だよ、私」
「え……」
顔を挙げ、スバルは月夜の光で輝く少女の笑顔を確認した。
「ミ、ミソラちゃん」
「こんばんは」
ニッコリ手を振るミソラにスバルはホッとした顔でため息をついた。
「どうしたの、こんな時間に……危ないよ」
「それはこっちのセリフ!」
スバルの隣に座ると、ぷぅと頬を膨らませた。
「ちょっと、スバル君に会おうと家に入ったら誰もいないんだもん。一度、外に出て、おばさんに聞いたら、お花見の場所取りに行ってるって言うんだもん。聞いてないよ、そんなこと」
「ま、まぁね……」
言うことでもないし?
というか、また不法侵入したの?
「まったく、ぶつぶつ文句言っておきながら、イザ、責められたら土下座って……どんだけ情けないのスバル君」
「ミソラちゃんにはわからないよ、委員長の怖さを」
ひぃぃと悲鳴をあげるスバルにミソラは苦笑した。
「ほとんど、躾けらた犬みたいだね」
「ハハッ……」
乾いた笑いを浮かべるとミソラはちょっとだけ、誘うように目を細めた。
「でも、委員長よりも怖い女の子なら、もっと近くにいると思うよ」
「え……」
ズイッと肩を揺らすようにスバルにすり寄り、ミソラはチュッと頬にキスをした。
「恋する女の子は一番怖いことを知るべきだよ」
「え……ええ」
いきなり頬にキスをされ、訳のわからない顔をするスバルにミソラはドンッと一升瓶を取り出した。
「こ、これって……」
大きく存在感を示す一升瓶にスバルは顔を真っ青にした。
「お酒! 寒い身体にちょうどいいでしょう」
「ミソラちゃ~~~~ん!?」
ムグッと口を押さえられ、ミソラは用意したコップにお酒を注いだ。
「うぅ~~ん……いい匂い」
グビッとお酒を飲み、熱い吐息を吐いた。
「未成年の飲酒は……」
「硬いこと言いっこなし……スバル君も飲みなよ」
また自分のコップにお酒を注ぐとスバルに手渡した。
「……」
ついさっき口をつけたコップに顔を赤くするスバルにミソラはニコッと微笑んだ。
「大丈夫……一番、弱いお酒を選んだから」
「いくつ持ってるの」
コップを受け取り、ミソラが口をつけた部分を確認すると、それとは逆の方向に口をつけた。
「スバル君の意気地なし!?」
「なに言ってるの」
呆れ気味にお酒を飲むとスバルはドンッと乱暴にコップをブルーシートに置いた。
「ふあぁぁぁ……!?」
「いける口だね」
ニコニコとミソラは微笑んだ。だが……
「注げ……」
「え……」
いきなりコップを差し出され、ミソラは目をパチパチさせた。
「なんだ、酒、もうねーのか!?」
持っていたコップを投げ捨て、パリンッと割れるとスバルは目の据わった顔でミソラを見た。
「ス、スバル君……」
「あぁん!?」
「え……えぇ!?」
いきなり凄まれ、ミソラは訳のわからない顔をした。
「スバル『さん』だろう……ミソラ!?」
「え……ミソラ」
いきなり呼び捨てにされ、ミソラは目を白黒させた。
「自分の名前も忘れたのか!? このボケナス娘!?」
「ボ、ボケナス……!?」
訳もなく罵倒され、ミソラは訳のわからない顔をした。
そんなミソラにスバルは馴れ馴れしく肩を抱き、酒臭い息を吐いた。
「頭はてんででも、オメェの身体はあったけぇな……」
「も、もしかして、スバル君って、お酒で性格変わるタイプ」
「酒に酔ってると言いってェのか!?」
ドンッとミソラを地面に押し倒すように覆いかぶさるとスバルはケダモノのに彼女の身体を触った。
「ちょ、ちょっと……」
スバルの手が乱暴に自分の胸を揉み、ミソラにスバルは大声で怒鳴った。
「恥ずかしがってるんじゃねーよ……どうせ、頭の中じゃ、こうなることを望んでたんだろう」
「ひ、否定はしないけど……ここじゃあれだよ? 人も見てるし」
「見られてるほうが興奮するだろう……それとも、その服、八つ裂きにしてやろうか」
「ちょ、ちょっと、洒落にならないよ……それ」
強引に服を引き剥がそうとするスバルにミソラは必死に抵抗したい。
だが、
「う、うぅぅん……」
相手のことを一切考えない乱暴なキスをされ、唸るミソラにスバルは口を離しペロリと下唇を舐めた。
「じゃあ、ここからお楽しみターーイム」
「ひぃ!?」
顔を真っ青にするミソラにスバルの手が彼女のズボンに触れようとした。
しかし……
「あぅぅん……」
トサッ……
急にネジが切れた人形のように倒れだすスバルにミソラは拍子抜けが顔で目をパチパチさせた。
「……酔いつぶれた」
ちょっとだけ肌蹴た肩を元に戻すとスバルを優しく自分の横に寝かせ、ホッと一息入れた。
「怖かった……」
ヒックと嗚咽を漏らしミソラは、いつの間にか泣き始めた。
「こんなスバル君、嫌だよ……スバル君は押しが弱いけど、イザというときは頼りになって、優しくって……」
「なに泣いてるの」
「え……」
ムクリと起き上がるスバルにミソラはズビッと鼻をすすった。
「どうしたの、ミソラちゃん!? なんで、ないてるの!?」
「元に戻ったの」
「……」
言ってる意味がわからず顔をしかめるスバルにミソラは大粒の涙を流し、スバルの身体に抱きついた。
「ウッ!?」
そして、今度は自分が強引なキスをし、彼の口の中の舌を入れた。
「ぷはぁ……」
舌と舌が嫌らしく糸を引き、口を離すとミソラは泣きながら謝った。
「ごめんね、もう悪ふざけしないから、スバル君も怒らないでね」
言ってる意味がわからなかったがスバルは今、自分がなにをしなきゃいけないかだけはわかり、彼女の身体を抱きしめた。
「ミソラちゃん」
ギュッと身体を抱きしめ、スバルは優しくささやいた。
「大丈夫……僕が守るから。ミソラちゃんに怖い思いはさせないから」
「……」
怖い思いをさせたのはスバル君のせいだと言いたかったが、野暮だから言わないことした。
今はこの幸せな気分を味わおう。
ミソラは彼の匂いを感じながら眠りの世界へと入っていった。
おまけ
「星河くん、具合悪そうね……もしかして、徹夜で体調を壊した」
「いや、そうじゃないんだけど……なんだか、頭がズキズキするし、吐き気もするし、食欲もない」
「まるで、二日酔いのような症状ね……案外、飲んだんじゃないでしょうね」
ギロッと睨まれ、スバルは腕を組んで考えた。
「お酒飲んだ、記憶ないよ」
「当たり前よ!?」
ビシッと突っ込まれ、スバルは苦笑した。「じゃあ、行くわよ……ゴン太、キザマロ、スバル君」
キッと睨むように見つめられ、ゴン太、キザマロ、スバルの顔が引き締まった。
「委員長、ズルはなしだよ」
スバルの言葉にルナの口元がニヒルにつりあがった。
「誰に言ってるのかしら」
二人の視線が火花を散らし、ゴン太とキザマロの目線も繋がった。
「まずは確実に行きましょう」
「確実」
キザマロの言葉にゴン太は眉をひそめた。
「いいですか……僕と君が手を組めば、実質、バトルロワイヤルの委員長とスバル君は二対一で戦うことになります」
「どうしてだ? 委員長とスバルを相手にするなら、俺とお前で二対二だろう」
「それはスバル君と委員長が手を組んで戦う場合です。この場合、スバル君は委員長とも敵でもあり、僕とゴン太くんとも敵です。そうなれば、当然、スバル君が勝たなければいけないのは三人……委員長も同じです」
「??」
話の飲み込めない顔をするゴン太にキザマロは呆れた顔でいった。
「と、とにかく僕と一緒の手を出したください」
「わ、わかった……」
ゴクンッと喉の鳴ると、スバル、ルナ、ゴン太、キザマロの四つの視線がぶつかり光が瞬いた。
「ジャンケン……ポン!」
ルナ、ゴン太、キザマロ……チョキ。
スバル、グー。
「や、やった~~~~~!?」
涙を浮かべ、大ジャンプするスバルにルナは腕を組み、ため息を吐いた。
「そんなに喜んでくれるとは、私たちも気兼ねなく、スバル君に任せられるわね」
「え……」
喜んでいたスバルの顔が真っ青になった。
その途端、ゴン太とキザマロの顔もパァと輝いた。
「そ、そうですね……誰も、勝てば、勝利と決めたわけじゃありませんもんね」
「お、おう……負ければ勝ちのジャンケンだったからな」
「ちょ……ゴン太、キザマロ」
ルナの手がガシッとスバルの肩を掴んだ。
「任せたわよ……星河スバル君!?」
「……だ」
ボソリ呟き、スバルは大声で泣き叫んだ。
「卑怯だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
その夜。
「ふえっくしゅん!?」
家から持ってきた毛布を身体に巻き、くしゃみをするとスバルはポケットティッシュで鼻をかんだ。
「うぅ~~……一生恨んでやる。一生呪ってやる」
桜の木の下でぶつぶつ恨み言を言うスバルに回りの花見の場所取りをしていたサラリーマンの顔が青くになった。
今朝、おこなったジャンケンはこの事だった。
毎年、ルナルナ団(最近、発足)はジャンケンで負けたものが花見のための場所取りをさせられる決まりとなっている。
今年は新参者としてスバルが入り、花見の場所取りもより苛烈な戦争へと発展した。
それこそ、ジャンケンで決着をつけるまで右往左往の不毛な言い争いが続いた。
結局、結果は新入りが場所取りをするという日本古来からの伝統が守られたのであった。
「なぁ~~にがルナルナ団だ……僕はあの三人を許さないぞ。絶対に後悔させて」
「後悔って、なに」
「ひぃぃぃ……ご、ごめんなさい!?」
羽織っていた毛布を吹き飛ばし真っ先に土下座した。
とんだ負け犬根性である。
「なにやってるの、スバル君……私だよ、私」
「え……」
顔を挙げ、スバルは月夜の光で輝く少女の笑顔を確認した。
「ミ、ミソラちゃん」
「こんばんは」
ニッコリ手を振るミソラにスバルはホッとした顔でため息をついた。
「どうしたの、こんな時間に……危ないよ」
「それはこっちのセリフ!」
スバルの隣に座ると、ぷぅと頬を膨らませた。
「ちょっと、スバル君に会おうと家に入ったら誰もいないんだもん。一度、外に出て、おばさんに聞いたら、お花見の場所取りに行ってるって言うんだもん。聞いてないよ、そんなこと」
「ま、まぁね……」
言うことでもないし?
というか、また不法侵入したの?
「まったく、ぶつぶつ文句言っておきながら、イザ、責められたら土下座って……どんだけ情けないのスバル君」
「ミソラちゃんにはわからないよ、委員長の怖さを」
ひぃぃと悲鳴をあげるスバルにミソラは苦笑した。
「ほとんど、躾けらた犬みたいだね」
「ハハッ……」
乾いた笑いを浮かべるとミソラはちょっとだけ、誘うように目を細めた。
「でも、委員長よりも怖い女の子なら、もっと近くにいると思うよ」
「え……」
ズイッと肩を揺らすようにスバルにすり寄り、ミソラはチュッと頬にキスをした。
「恋する女の子は一番怖いことを知るべきだよ」
「え……ええ」
いきなり頬にキスをされ、訳のわからない顔をするスバルにミソラはドンッと一升瓶を取り出した。
「こ、これって……」
大きく存在感を示す一升瓶にスバルは顔を真っ青にした。
「お酒! 寒い身体にちょうどいいでしょう」
「ミソラちゃ~~~~ん!?」
ムグッと口を押さえられ、ミソラは用意したコップにお酒を注いだ。
「うぅ~~ん……いい匂い」
グビッとお酒を飲み、熱い吐息を吐いた。
「未成年の飲酒は……」
「硬いこと言いっこなし……スバル君も飲みなよ」
また自分のコップにお酒を注ぐとスバルに手渡した。
「……」
ついさっき口をつけたコップに顔を赤くするスバルにミソラはニコッと微笑んだ。
「大丈夫……一番、弱いお酒を選んだから」
「いくつ持ってるの」
コップを受け取り、ミソラが口をつけた部分を確認すると、それとは逆の方向に口をつけた。
「スバル君の意気地なし!?」
「なに言ってるの」
呆れ気味にお酒を飲むとスバルはドンッと乱暴にコップをブルーシートに置いた。
「ふあぁぁぁ……!?」
「いける口だね」
ニコニコとミソラは微笑んだ。だが……
「注げ……」
「え……」
いきなりコップを差し出され、ミソラは目をパチパチさせた。
「なんだ、酒、もうねーのか!?」
持っていたコップを投げ捨て、パリンッと割れるとスバルは目の据わった顔でミソラを見た。
「ス、スバル君……」
「あぁん!?」
「え……えぇ!?」
いきなり凄まれ、ミソラは訳のわからない顔をした。
「スバル『さん』だろう……ミソラ!?」
「え……ミソラ」
いきなり呼び捨てにされ、ミソラは目を白黒させた。
「自分の名前も忘れたのか!? このボケナス娘!?」
「ボ、ボケナス……!?」
訳もなく罵倒され、ミソラは訳のわからない顔をした。
そんなミソラにスバルは馴れ馴れしく肩を抱き、酒臭い息を吐いた。
「頭はてんででも、オメェの身体はあったけぇな……」
「も、もしかして、スバル君って、お酒で性格変わるタイプ」
「酒に酔ってると言いってェのか!?」
ドンッとミソラを地面に押し倒すように覆いかぶさるとスバルはケダモノのに彼女の身体を触った。
「ちょ、ちょっと……」
スバルの手が乱暴に自分の胸を揉み、ミソラにスバルは大声で怒鳴った。
「恥ずかしがってるんじゃねーよ……どうせ、頭の中じゃ、こうなることを望んでたんだろう」
「ひ、否定はしないけど……ここじゃあれだよ? 人も見てるし」
「見られてるほうが興奮するだろう……それとも、その服、八つ裂きにしてやろうか」
「ちょ、ちょっと、洒落にならないよ……それ」
強引に服を引き剥がそうとするスバルにミソラは必死に抵抗したい。
だが、
「う、うぅぅん……」
相手のことを一切考えない乱暴なキスをされ、唸るミソラにスバルは口を離しペロリと下唇を舐めた。
「じゃあ、ここからお楽しみターーイム」
「ひぃ!?」
顔を真っ青にするミソラにスバルの手が彼女のズボンに触れようとした。
しかし……
「あぅぅん……」
トサッ……
急にネジが切れた人形のように倒れだすスバルにミソラは拍子抜けが顔で目をパチパチさせた。
「……酔いつぶれた」
ちょっとだけ肌蹴た肩を元に戻すとスバルを優しく自分の横に寝かせ、ホッと一息入れた。
「怖かった……」
ヒックと嗚咽を漏らしミソラは、いつの間にか泣き始めた。
「こんなスバル君、嫌だよ……スバル君は押しが弱いけど、イザというときは頼りになって、優しくって……」
「なに泣いてるの」
「え……」
ムクリと起き上がるスバルにミソラはズビッと鼻をすすった。
「どうしたの、ミソラちゃん!? なんで、ないてるの!?」
「元に戻ったの」
「……」
言ってる意味がわからず顔をしかめるスバルにミソラは大粒の涙を流し、スバルの身体に抱きついた。
「ウッ!?」
そして、今度は自分が強引なキスをし、彼の口の中の舌を入れた。
「ぷはぁ……」
舌と舌が嫌らしく糸を引き、口を離すとミソラは泣きながら謝った。
「ごめんね、もう悪ふざけしないから、スバル君も怒らないでね」
言ってる意味がわからなかったがスバルは今、自分がなにをしなきゃいけないかだけはわかり、彼女の身体を抱きしめた。
「ミソラちゃん」
ギュッと身体を抱きしめ、スバルは優しくささやいた。
「大丈夫……僕が守るから。ミソラちゃんに怖い思いはさせないから」
「……」
怖い思いをさせたのはスバル君のせいだと言いたかったが、野暮だから言わないことした。
今はこの幸せな気分を味わおう。
ミソラは彼の匂いを感じながら眠りの世界へと入っていった。
おまけ
「星河くん、具合悪そうね……もしかして、徹夜で体調を壊した」
「いや、そうじゃないんだけど……なんだか、頭がズキズキするし、吐き気もするし、食欲もない」
「まるで、二日酔いのような症状ね……案外、飲んだんじゃないでしょうね」
ギロッと睨まれ、スバルは腕を組んで考えた。
「お酒飲んだ、記憶ないよ」
「当たり前よ!?」
ビシッと突っ込まれ、スバルは苦笑した。「じゃあ、行くわよ……ゴン太、キザマロ、スバル君」
キッと睨むように見つめられ、ゴン太、キザマロ、スバルの顔が引き締まった。
「委員長、ズルはなしだよ」
スバルの言葉にルナの口元がニヒルにつりあがった。
「誰に言ってるのかしら」
二人の視線が火花を散らし、ゴン太とキザマロの目線も繋がった。
「まずは確実に行きましょう」
「確実」
キザマロの言葉にゴン太は眉をひそめた。
「いいですか……僕と君が手を組めば、実質、バトルロワイヤルの委員長とスバル君は二対一で戦うことになります」
「どうしてだ? 委員長とスバルを相手にするなら、俺とお前で二対二だろう」
「それはスバル君と委員長が手を組んで戦う場合です。この場合、スバル君は委員長とも敵でもあり、僕とゴン太くんとも敵です。そうなれば、当然、スバル君が勝たなければいけないのは三人……委員長も同じです」
「??」
話の飲み込めない顔をするゴン太にキザマロは呆れた顔でいった。
「と、とにかく僕と一緒の手を出したください」
「わ、わかった……」
ゴクンッと喉の鳴ると、スバル、ルナ、ゴン太、キザマロの四つの視線がぶつかり光が瞬いた。
「ジャンケン……ポン!」
ルナ、ゴン太、キザマロ……チョキ。
スバル、グー。
「や、やった~~~~~!?」
涙を浮かべ、大ジャンプするスバルにルナは腕を組み、ため息を吐いた。
「そんなに喜んでくれるとは、私たちも気兼ねなく、スバル君に任せられるわね」
「え……」
喜んでいたスバルの顔が真っ青になった。
その途端、ゴン太とキザマロの顔もパァと輝いた。
「そ、そうですね……誰も、勝てば、勝利と決めたわけじゃありませんもんね」
「お、おう……負ければ勝ちのジャンケンだったからな」
「ちょ……ゴン太、キザマロ」
ルナの手がガシッとスバルの肩を掴んだ。
「任せたわよ……星河スバル君!?」
「……だ」
ボソリ呟き、スバルは大声で泣き叫んだ。
「卑怯だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
その夜。
「ふえっくしゅん!?」
家から持ってきた毛布を身体に巻き、くしゃみをするとスバルはポケットティッシュで鼻をかんだ。
「うぅ~~……一生恨んでやる。一生呪ってやる」
桜の木の下でぶつぶつ恨み言を言うスバルに回りの花見の場所取りをしていたサラリーマンの顔が青くになった。
今朝、おこなったジャンケンはこの事だった。
毎年、ルナルナ団(最近、発足)はジャンケンで負けたものが花見のための場所取りをさせられる決まりとなっている。
今年は新参者としてスバルが入り、花見の場所取りもより苛烈な戦争へと発展した。
それこそ、ジャンケンで決着をつけるまで右往左往の不毛な言い争いが続いた。
結局、結果は新入りが場所取りをするという日本古来からの伝統が守られたのであった。
「なぁ~~にがルナルナ団だ……僕はあの三人を許さないぞ。絶対に後悔させて」
「後悔って、なに」
「ひぃぃぃ……ご、ごめんなさい!?」
羽織っていた毛布を吹き飛ばし真っ先に土下座した。
とんだ負け犬根性である。
「なにやってるの、スバル君……私だよ、私」
「え……」
顔を挙げ、スバルは月夜の光で輝く少女の笑顔を確認した。
「ミ、ミソラちゃん」
「こんばんは」
ニッコリ手を振るミソラにスバルはホッとした顔でため息をついた。
「どうしたの、こんな時間に……危ないよ」
「それはこっちのセリフ!」
スバルの隣に座ると、ぷぅと頬を膨らませた。
「ちょっと、スバル君に会おうと家に入ったら誰もいないんだもん。一度、外に出て、おばさんに聞いたら、お花見の場所取りに行ってるって言うんだもん。聞いてないよ、そんなこと」
「ま、まぁね……」
言うことでもないし?
というか、また不法侵入したの?
「まったく、ぶつぶつ文句言っておきながら、イザ、責められたら土下座って……どんだけ情けないのスバル君」
「ミソラちゃんにはわからないよ、委員長の怖さを」
ひぃぃと悲鳴をあげるスバルにミソラは苦笑した。
「ほとんど、躾けらた犬みたいだね」
「ハハッ……」
乾いた笑いを浮かべるとミソラはちょっとだけ、誘うように目を細めた。
「でも、委員長よりも怖い女の子なら、もっと近くにいると思うよ」
「え……」
ズイッと肩を揺らすようにスバルにすり寄り、ミソラはチュッと頬にキスをした。
「恋する女の子は一番怖いことを知るべきだよ」
「え……ええ」
いきなり頬にキスをされ、訳のわからない顔をするスバルにミソラはドンッと一升瓶を取り出した。
「こ、これって……」
大きく存在感を示す一升瓶にスバルは顔を真っ青にした。
「お酒! 寒い身体にちょうどいいでしょう」
「ミソラちゃ~~~~ん!?」
ムグッと口を押さえられ、ミソラは用意したコップにお酒を注いだ。
「うぅ~~ん……いい匂い」
グビッとお酒を飲み、熱い吐息を吐いた。
「未成年の飲酒は……」
「硬いこと言いっこなし……スバル君も飲みなよ」
また自分のコップにお酒を注ぐとスバルに手渡した。
「……」
ついさっき口をつけたコップに顔を赤くするスバルにミソラはニコッと微笑んだ。
「大丈夫……一番、弱いお酒を選んだから」
「いくつ持ってるの」
コップを受け取り、ミソラが口をつけた部分を確認すると、それとは逆の方向に口をつけた。
「スバル君の意気地なし!?」
「なに言ってるの」
呆れ気味にお酒を飲むとスバルはドンッと乱暴にコップをブルーシートに置いた。
「ふあぁぁぁ……!?」
「いける口だね」
ニコニコとミソラは微笑んだ。だが……
「注げ……」
「え……」
いきなりコップを差し出され、ミソラは目をパチパチさせた。
「なんだ、酒、もうねーのか!?」
持っていたコップを投げ捨て、パリンッと割れるとスバルは目の据わった顔でミソラを見た。
「ス、スバル君……」
「あぁん!?」
「え……えぇ!?」
いきなり凄まれ、ミソラは訳のわからない顔をした。
「スバル『さん』だろう……ミソラ!?」
「え……ミソラ」
いきなり呼び捨てにされ、ミソラは目を白黒させた。
「自分の名前も忘れたのか!? このボケナス娘!?」
「ボ、ボケナス……!?」
訳もなく罵倒され、ミソラは訳のわからない顔をした。
そんなミソラにスバルは馴れ馴れしく肩を抱き、酒臭い息を吐いた。
「頭はてんででも、オメェの身体はあったけぇな……」
「も、もしかして、スバル君って、お酒で性格変わるタイプ」
「酒に酔ってると言いってェのか!?」
ドンッとミソラを地面に押し倒すように覆いかぶさるとスバルはケダモノのに彼女の身体を触った。
「ちょ、ちょっと……」
スバルの手が乱暴に自分の胸を揉み、ミソラにスバルは大声で怒鳴った。
「恥ずかしがってるんじゃねーよ……どうせ、頭の中じゃ、こうなることを望んでたんだろう」
「ひ、否定はしないけど……ここじゃあれだよ? 人も見てるし」
「見られてるほうが興奮するだろう……それとも、その服、八つ裂きにしてやろうか」
「ちょ、ちょっと、洒落にならないよ……それ」
強引に服を引き剥がそうとするスバルにミソラは必死に抵抗したい。
だが、
「う、うぅぅん……」
相手のことを一切考えない乱暴なキスをされ、唸るミソラにスバルは口を離しペロリと下唇を舐めた。
「じゃあ、ここからお楽しみターーイム」
「ひぃ!?」
顔を真っ青にするミソラにスバルの手が彼女のズボンに触れようとした。
しかし……
「あぅぅん……」
トサッ……
急にネジが切れた人形のように倒れだすスバルにミソラは拍子抜けが顔で目をパチパチさせた。
「……酔いつぶれた」
ちょっとだけ肌蹴た肩を元に戻すとスバルを優しく自分の横に寝かせ、ホッと一息入れた。
「怖かった……」
ヒックと嗚咽を漏らしミソラは、いつの間にか泣き始めた。
「こんなスバル君、嫌だよ……スバル君は押しが弱いけど、イザというときは頼りになって、優しくって……」
「なに泣いてるの」
「え……」
ムクリと起き上がるスバルにミソラはズビッと鼻をすすった。
「どうしたの、ミソラちゃん!? なんで、ないてるの!?」
「元に戻ったの」
「……」
言ってる意味がわからず顔をしかめるスバルにミソラは大粒の涙を流し、スバルの身体に抱きついた。
「ウッ!?」
そして、今度は自分が強引なキスをし、彼の口の中の舌を入れた。
「ぷはぁ……」
舌と舌が嫌らしく糸を引き、口を離すとミソラは泣きながら謝った。
「ごめんね、もう悪ふざけしないから、スバル君も怒らないでね」
言ってる意味がわからなかったがスバルは今、自分がなにをしなきゃいけないかだけはわかり、彼女の身体を抱きしめた。
「ミソラちゃん」
ギュッと身体を抱きしめ、スバルは優しくささやいた。
「大丈夫……僕が守るから。ミソラちゃんに怖い思いはさせないから」
「……」
怖い思いをさせたのはスバル君のせいだと言いたかったが、野暮だから言わないことした。
今はこの幸せな気分を味わおう。
ミソラは彼の匂いを感じながら眠りの世界へと入っていった。
おまけ
「星河くん、具合悪そうね……もしかして、徹夜で体調を壊した」
「いや、そうじゃないんだけど……なんだか、頭がズキズキするし、吐き気もするし、食欲もない」
「まるで、二日酔いのような症状ね……案外、飲んだんじゃないでしょうね」
ギロッと睨まれ、スバルは腕を組んで考えた。
「お酒飲んだ、記憶ないよ」
「当たり前よ!?」
ビシッと突っ込まれ、スバルは苦笑した。