「ほうほう……」
部屋のベッドを背もたれにし、雑誌を読み吹けるミソラはうんうんと縦に振った。
「ひゃぁぁぁ……これは大胆すぎ!?」
読んでいたランジェリー雑誌を床に置き、ふぅ~~とため息を吐いた。
「うぅ~~ん……子供向け用でも結構、際どいのってあるんだね」
《ミソラ……それは悪い子が読む雑誌よ?》
「善悪は扱うものの心、次第!」
《それ、科学者が言う言葉で今とはまったく関係ないわよ?》
「ねぇ、ハープ……この下着、どう思う」
《聞いてないわね?》
ウィザードとして現実世界に現れたハープはミソラが開くランジェリー雑誌のページを見た。
《ガーターベルトね……こう見ると結構、色っぽいわね?》
「でしょうでしょう! やっぱり、こういうのって男の子好きだよね……パンティーはベルトの外につけるのは基本中の基本だよね!?」
《アナタね……》
心底呆れるハープにミソラはホゥと恍惚にため息を吐いた。
「これをつければ、スバル君も絶対……キャ~~~~~~♪」
《スキャンダルになっても知らないわよ……》
「責任とって辞めます!」
《アナタにとって芸能界ってその程度だったのね……ある意味、羨ましいわ》
「えへへ……テレるな」
《褒めてないわよ!》
突っ込まずにいられないハープに、ミソラは考え込むように腕を組んだ。
「やっぱり、これは買って正解だったよね」
《ハァ!? 買って正解?》
ピンポ~~ン!
「あ、来た!」
足音を立てて玄関にのドアを開けると愛想のいい運送屋のお兄さんが帽子を脱ぎこんばんわと挨拶した。
「お届けものです、ハンコください!」
「はいは~~い……と」
ハンコを押し、運送屋のお兄さんは営業スマイルとは思えないほど爽やかな笑顔で帽子をかぶり去っていった。
《ミソラ……まさかと思うけど?》
「えへへ……♪」
「うわぁぁぁぁ……すっごいエッチ!」
ガーターベルト付きの下着を装着し、鏡の前に立つとミソラは予想以上に感嘆した。
「下のほうもティーバッグにしたけど、いいよね……どうせ見せるのは一人だけだし」
ぷりぷりと鏡の前でまるで裸身のようなお尻を振るミソラにハープのほうが恥ずかしくなった。
「これで後はスバル君の家に行けば……ムフフ」
《ミソラ……もう、どこまでも堕ちなさい》
諦めの境地に達したのかハープはこれ以上なにも言わないと決心した。
「それじゃあ、このまま!」
バッとハンターVGを掲げ……
「トランスコード!」
深夜も回り、スッカリ静かになったスバルの部屋に光が瞬いた。
「到着!」
ガーダーベルトにティーバッグ姿のミソラが荒い息を吐きながらスバルの姿を見つけた。
「ス~~~バルく~~~ん……遊びに来ちゃった」
起こさないよう、忍び足で眠っているスバルのベッドに近づくとミソラはスゥハァと深呼吸した。
「よし、今日、私はスバル君と一緒に大人にの階段を上ります」
そぉ~~とかけ布団を取るとミソラの顔が真っ赤になった。
「ビビビビビビビビ……ビキ」
ぶばぁと鼻血を噴出し絶叫した。
「ビキニパンツ~~~~~~……あぅぅ」
ドサッ……
「うん」
目をゴシゴシ擦り、ベッドから起き上がるとスバルはウンッと伸びをした。
「なんだかうるさいな……うん」
ビクビクと倒れている少女を見つけ、スバルは仰天した。
「ミソラちゃん、どうし……え!?」
背中向きで倒れているミソラにスバルの視線がウロウロと動き、最終的にお尻にロックオンされた。
「ガーターベルトにティーバッグ……ぶはぁぁ!?」
大量の鼻血が床に散らばり、スバルもミソラの流した鼻血に埋もれるように気絶した。
翌朝……
「スバル……もうそろそろ、学校だけど、起きないと、って!?」
血まみれの息子の部屋を見て、アカネは慌ててベッドに駆け出し、二人の哀れな姿を見た。
「つ、ついに痴情のもつれが……ワァッ!?」
涙を流し、アカネは跪いた。
「二人とも、天国で幸せになってね!?」
「まだ、死んでない!?」
起き上がり二人はお互いの顔を見た。
「あ……」
全身血だらけの下着姿に真っ青になり、二人は貧血を起こした。
「あうぅぅ……」
ドサッ……
スッカリ乾ききった血の上で倒れ、二人は目を回した。
まぁ、当然といえば、当然だが……