「え……ブログ」
キョトンとするミソラに事務所の所長は笑顔で頷いた。
「そう! ほら、最近、事務所上げてタレントのブログを開くタレント多いでしょう」
「そうですかね」
いまいちパッとしないのか曖昧な返事を返すミソラに所長は気にせずいった。
だから、ここはウチも流行に乗ろうと思って。ミソラちゃんもブログあげれば、きっと、いい宣伝になると思うよ」
「宣伝ですか。でも、ブログって難しいんじゃ」
「大丈夫……ブログのほうはこっちで用意してあるから、後はミソラちゃんが書いてくれればいいから」
「タイトルは」
「『ミソラ通信』でいこうと思うんだ」
ありきたりと言いたかったが、無邪気に笑う所長に名前を変更したいとはいえなかった。
「それじゃあ、帰ったら、パソコン開いてみて」
「は、はぁ……」
どんなブログになるのか、今から不安になったミソラであった。
そして、家に帰って……
「僕が呼ばれたわけだ」
パソコンの前に座るミソラの横に立ち、スバルは感心そうに彼女の横顔を見た。
「ついにミソラちゃんもブログデビューか。ファンの人たちも喜ぶよ」
「それなんだけど、このブログの使い方を教えて欲しいんだ。簡単なものを用意してくれたんだけど、あまり、機械弄ったことないから、わからなくって」
「どれどれ」
『ミソラ通信』の『マイページ』を開き、モニターを見るとスバルは彼女の手を包むように手を握った。
「ッ!?」
いきなり、手を握られ、真っ赤になった。
「ブログを更新するときは「ブログを書く」をクリックすればいいんだよ……ほら、これ」
手を握りながら、カチッと彼女の人差し指を押した。
「ほら、後はこれに写真や書きたいものを書けば、大丈夫だよ……写真とかあるとアクセス数が上がりやすくなるよ」
「う、うん……ス、スバル君」
「なに」
「手……いい加減、離してくれると嬉しいな」
「あ……ああ、ゴメン!?」
慌てて手を離し、
「嫌だった」
「そ、そんな訳ないじゃん!?」
力強く否定し、ゴニョゴニョと口ごもった。
「ただ、こう、自然体だと逆に私のほうが恥ずかしくなって……」
「あ、あはは……」
スバルも照れたように笑い、パソコンを見た。
「で、最初はなにを書く」
「えっと……まず、自己紹介」
「ミソラちゃんを知ってる人が見るブログだから、挨拶は省いていいと思うよ。むしろここは、ブログを始めましたって、簡潔に述べて、最近の近況報告かな」
「えっと、じゃあ……」
慣れない手つきでキーボードを両手の人差し指でポチポチと押すとスバルもおかしそうに笑った。
頑張ってるな?
必死にキーボードを打つミソラにスバルはちょっとだけ、意地悪したくなってきた。
「ミソラちゃん」
「え……」
チュッ……
「ス、スバル君!?」
頬にキスをされ、ミソラは真っ赤になった。
「いや……なんだか、一生懸命キーボードを打つミソラちゃんが可愛くって、つい」
「か、可愛いって……もう」
ムクれた顔で頬を膨らませるとスバルはゴメンゴメンと謝った。
「ちょっと、やりすぎたかな……ゴメン……ね」
首の後ろに両手を絡め、首を固定されるとスバルは固まってしまった。
「頬じゃダメだよ……キスはここじゃないと!」
そういい、ミソラの唇とスバルの唇に重なった。
「あむ……むぢゅ」
口の中に舌をいれ、
「むちゅぅ……ぢゅぢゅ」
スバルの舌を嬲ると、
「ぷはぁ……」
唇を離し、トロンとした目つきでスバルを床に押し倒した。
「ムチュ~~~……!?」
また、唇を奪い強くすった。
「ッ……!?」
スバルも赤くなりながら、反撃を返しした。
「あ……」
彼女の歯茎を舐め回し、まるで歯の一本一本を洗浄するようにねちっこく舌を這わせた。
これ、気持ちいい……
歯茎に伝わる生暖かくヌメヌメした感覚にミソラも負けじと唇を離し、彼の首の下にキスをした。
「うっ……イツ」
力強く首の舌を吸うミソラにスバルも耐え切れず、彼女のお尻に思わず撫でてしまった。
「あ……」
ビクンッと身体を硬直させるミソラにスバルも歯止めが聞かなくなった顔で彼女のお尻を何度も飽きることなく撫で回した。
一時間くらい、そんなキスを繰り返すと二人共、唇の回りを涎でベトベトにし、ようやく情交を終えた。
「はぁ……はぁ……」
恍惚とした表情で二人とも涎で汚くなった顔を隠すこともなく笑った。
「ミソラちゃん、すごい顔だよ」
「スバル君こそ」
クスクス笑い、アゴに伝った涎を指で掬い、口の中へ入れた。
「スバル君の味だね」
「も、もうミソラちゃん!?」
「えへへ……」
満面の笑顔でミソラはスバルに先に顔を洗って来いと指示した。
「でも、それじゃあ、ミソラちゃんが」
「私は先にブログを更新したいんだ……今、いい文を思いついたんだ。思いが熱いうちに書きたいから」
「そ、そう、わかった……でも、変な文を書かないでね」
「わかってるよ」
洗面所に向かうスバルにミソラも涎で汚れた顔を気にせず、キーボードを打ち始めた。
『ブログを始めました。機械がそんなに得意じゃないから、ブログの更新は友達に教えてもらいながら更新するね。これからブログを更新するのが楽しみだな♪』
「洗い終わったよ……ミソラちゃんも顔を洗ってきなよ」
「うん……ところでなんで、首もとをマフラーで隠してるの……今の時期、暑くない」
「ミソラちゃんが調子に乗るからキスマークが残っちゃったんだよ。当分、マフラーが外せそうにないよ」
「え、えへへ……ごめんね」
「まったく」
「それよりも、書いた記事を送るのってどうすればいいの」
「あ、ああ……それなら、ここの「更新」を押せばいいんだよ」
ミソラの手を握り、マウスを動かすと、ポチッと「更新ボタン」を押した。
「はい、終わり!」
画面にブログの記事が乗り、ミソラは両手を挙げ、大喜びした。
「やった! 本当に載ったよ」
「ハンターVGからでもブログは更新できるから、暇なときや、ネタを見つけたときは、更新するといいよ。ファンは逐一、好きなタレントの情報が欲しいから」
「うん! でも……」
赤くなって答えた。。
「更新するときはスバル君が手伝ってくれると嬉しいな」
「ミ、ミソラちゃん……」
スバルも赤くなり、うな垂れた。