流星のメモリアル   作:スーサン

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【番外編】ミソラの本当に無駄な無駄話

「祝! 五十話突破、私、頑張りました記念、番外編スタート!」

 パフパフとどこからかラッパの鳴る音が鳴り響き、スバルは呆れた声を出した。

「なにが連載五十話だ……好き勝手やってただけじゃないか。何人読者がついてきてるかわかったもんじゃない」

 呆れたように借りてきたスタジオの中を見てため息をついた。

「しかも、こんなところまで借りて……お金は大丈夫なの」

「アイドルにお金の心配はノーサンキュー! 歌の著作権で荒稼ぎしてるから」

「売れっ子はいいね」

 嫌味ったらしく頷くスバルに気もくれず、ミソラはウキウキ顔でスタジオの中を走り回った。

「五十話突破! ついに恋人編スタートだよ!?」

「それはわるるけど、番外編をやる意味あるの」

「管理人がやりたかったんだよ! 実際は十話も前から番外編をやる計画を立ててたんだから、これだけは譲れないらしいよ」

「管理人の番外編好きもいい加減にしないと純粋に読んでくれてるファンが逃げるぞ」

「逃げられたら、その程度の男だったんだね、あのぶっちょは」

「原作のミソラちゃんはあんなにいい娘なのに……管理人のせいで夢を壊されたと思われたら台無しだね」

「それ、何気に私の悪口だよね」

「別に」

 話をはぐらかせるスバルにミソラはぷぅと頬を膨らませ、話を変えることにした。

「でも、連載五十話はすごいよ。週刊誌なら、一年間連載し続けられたことになるし」

「まぁ、この小説は不定期だからね。実際、ここまで来るのに二年近くかかったけど」

「そもそも、この五十話はウチのサイトじゃすごいことなんだよ」

「なんで」

「ウチのサイトは意外と話が長続きしないんだよ」

 どこからか扉が現れ、開いた。

「そもそも、ウチのサイトが発展するにいたった屋台骨は「ときめきメモリアル2」なんだよ」

「見事に会社が違うね」

 的確なツッコミにかかわらず、ミソラは挫けることなく続けた。

「で……ウチのサイトで一番長く続いたシリーズ、「ときめきメモリアル2」、「陽ノ下光」小説、「花と太陽の物語」はこのサイトのメインを張ってます!」

「管理人が一番好きなヒロインだもんな」

 もちろん、ミソラちゃんも好きだよ?

「今、誰かの声が聞こえなかった」

「さぁ」

 苦笑をこらえた。

「まぁ、いいや……そもそも、この「花と太陽の物語」は「旅侍の電脳絵巻」では一番長いシリーズで三十九話で最終回を迎えたんだよ。私たちはそれを軽々と十話も超え、新シリーズを向かえ、さらに発展するんだから、すごいよ!」

「あれ……でも、確か、「花と太陽の物語」は途中で二年間あたり、連載が凍結してたような」

「よく知ってるね」

 ため息が漏れた。

「「花と太陽の物語」は最終章で意外性を求めすぎて、話の続きが書けなくなったの……だから、途中で逃避の理由で「がんばれ、ひかりん!」が連載開始して、こっちが先に終わったわけ……ちなみにかなり広い意味で「がんばれ、ひかりん!」はこの小説の基礎を作った小説ともいえるから、ときメモ2を知ってる人は一度、読んでみて。きっと、内容が似てることに突っ込みたくなるはずだから」

 自嘲気味に笑うとスバルも呆れた顔をした。

「管理人のいい加減さが垣間見えるね。ちゃんとやってる他のサイトさんに失礼にならないかな」

「私たちの小説自身、すでによその響ミソラ小説に失礼な存在じゃない。WEB拍手のコメントに何度も「18禁しちゃえ」っていうありがたいコメントがきたことか」

「それ、ありがたいの」

「R-18に最も近い健全サイトを目指してるから」

「いや、それってさ……R-15になるんじゃ。石原都知事がうるさそう」

「老害はこんな弱小サイト知らないよ」

「確かに」

 どこか悲しそうに目を伏せた。

「いつか、ビッグになって、公式の会社にこんな不健全な小説を書いてと怒られてみたい」

「まぁ、そうなったら、このサイトの未来は終わるけどね」

「……」

「ちなみにウチのサイトは未完で終わってるシリーズ、結構あるよ」

「え……どれどれ」

 鍵のかかった扉を開き、顔をしかめた。

「本当だ……オリジナルは「黒騎士ナイトレイダー」はここ数年間、更新されてないし、「恋人物語~百人の恋人達の物語~」は終わる目処がつかない、「ねこまっしぐら」は一応、管理人は終わりまで書いてるけど更新してない」

「パロにいたっては、「ときめきメモリアル」の「虹野沙希」小説、「きらめきの守護神」は三話で連載が凍結、同シリーズの「赤井ほむら」小説、「赤と青の境界線」も三話で連載が凍結、「ToHeart2」の「十波由真」小説に、「向坂雄二」小説も途中で連載凍結、恐ろしいまでに、なげっぱちの小説が多いね」

「今、管理人もビックリしてると思うよ」

 心底呆れた顔で脂ぎったぶっちょを想像した。

「そもそもな話、響ミソラ小説はそんなに長く続ける予定はなかったらしいよ」

「そうなの」

「うん!」

 コクリと頷き、懐かしむように天井を見上げた。

「管理人が「流星のロックマン」に興味を持ったのは彼がたまたま、早起きして見た、土曜朝八時半に放映している「おはコロ」を見たのが始まり。ちなみに運命的か、それとも本当にただの偶然か、初めて見た話が丁度、私の初登場シーンだったわけ……ウォォォォと叫びながら、ココナッツを投げるシーンは本当に可愛かったらしいよ」

「アニメのほうがハッちゃけてることで有名だよね」

「早く日本でもDVDレンタルでないかな」

「今なら、ブルーレイかな……管理人はブルーレイは持ってるけど、家族共有だから、親に鬱陶しがられるんだよね」

「オタクの辛いところだよ……パンピーは一度見れば満足するものもオタクは何度も見たくなっちゃうけど、わかってくれない」

 ダ~~と涙を流し、ミソラは話を戻した。 

「それでも、管理人は響ミソラ小説をすぐに切り上げるつもりだったらしいけどね」

「うん……あくまで管理人の意向は「ときめきメモリアルシリーズ応援サイト」だったからね」

 といいながら、意外と量の浅いときメモシリーズの小説に苦笑した。

「最近、ようやく、八重花桜利さんの小説を始めたけど、ちゃんと続くといいけど」

「まぁ、話し戻すよ」

 コホンッと咳払いした。

「でも、書き続けるうちに転機が訪れたわけ」

「それはいったい」

 とりあえず、相打ちを打つことにした。

「管理人が言うには鳴かず飛ばずの「旅侍の電脳絵巻」の「書物」に急にWEB拍手が来るようになったんだよ」

「WEB拍手が」

「WEB拍手自身は「ときめきメモリアル」を連載してるときにファンになってくれた人が勧めてくれて、設置したんだけどね」

 今もちゃんと読んでくれてるか思いを募らせ、話を続けた。

「で、そのコメントに私を応援するものが多数きたわけ」

「へぇ~~……世の中、捨てる神あらば拾う神あるだね」

「それで調子に乗った管理人が試しに「Yahoo」で「響ミソラ」を検索したら私たちの小説が一番にアップされてたわけ……ここから、本格的に主役交代の波がやってきたわけ」

「丁度、「ときめきメモリアル4」が発売して、連載中だった「ときめきメモリアル2」小説も都合よく連載が終わって、「大倉都子」、「七河瑠依」、「星川真希」を中心に小説に力を入れたはいいけど、低迷しちゃったからね」

「頼みの綱の小説登録サイトはことごとく閉鎖して、見事に私たちのサイトは元の人気のない弱小サイトに戻っちゃったからね」

 悔しそうにスタジオを転がるとビシッと構えた。

「でも、私たちの小説が注目されてると思い込んだら、自惚れ屋の管理人は気をよくして、私に媚を売り始めた!」

「プライドも何もないカスだね」

 今頃、エッチなさサイトを見て、鼻の下を伸ばしてるであろう管理人を想像し、二人は情けなくなった。

「で、でも、これでも管理人は純粋に喜んでくれているファンのために頑張ったんだよ。その甲斐あって!」

 天井に人差し指を立てて大笑いした。

「ついにこの私が「旅侍の電脳絵巻」のメインヒロインになりました!」

「おめでとう、それは純粋に!」

「これもどれも、応援してくれた読者のおかげだよ!」

 チョコチョコと真っ白い簡素なスタジオを走り回り、スバルに近づいた。

「うん!」

「ッ!?」

 いきなりキスをされ、スバルは仰天した。

「なにするのいきなり!?」

「アハハ……恋人になったのに、テレることないじゃない」

「テレないほうがどうかしてるよ!? 今回は番外編だよ」

「いいじゃない、番外編でもイチャイチャしても」

 ギュッと腕に抱きつき、頬をスリスリした。

「……まったく」

 スバルも呆れながらも、ミソラの頭を撫で、満更でない顔をした。

「でも、今でこそ、私とスバル君はキスするのが当たり前の関係になったけど、小説開始当初はもうちょっとおとなしい関係だったんだよ」

「確かに、よく読んでみると記念すべき第一話は、もっと健気なゲーム本編に沿った女の子だったな」

 もっとも、二話目から、もう壊れてるけどと思ったが……

「当初、管理人は、この小説を正統派ラブコメにしようと頑張ったんだよ。結構、ギリギリでかわすシーンもあったし」

「ああ……「ミソラのいけないせい長」は読者から不思議がられた訳のわからない小説だったけど、ギリギリで18禁を避けたからね」

「でも、その悪あがきも十話で終わってしまった!」

 ビシッとスバルを指差した。

「君のせいで」

「僕の……せいなの」

 キョトンとするスバルにミソラは怖い顔でそうだと頷いた。

「私たちが今の関係になるキッカケを作ったのは、連載第十話目、「秋祭りで意外な……」で君が私に不意打ちでキスをしたからなんだよ」

「そこから、この小説が加速度で壊れ始めたのか」

 自分のしでかした過ちに、スバルは穴があったら入りたい気分になった。

「でも、そこから私たちと管理人の壮絶なる戦いの始まりだった」

「なんで、僕たちと管理人が戦わないといけないの」

 心底不思議な顔をするスバルにミソラは代弁するように涙を呑んだ。

「キスさせたばかりの頃は、その勢いで小説を書いてたんだけど、五、六話で勢いが落ちちゃって、ネタが尽きちゃったわけ」

「しかも、リアルタイムで他の小説の更新も考えなきゃいけなかったし、管理人が会心の出来と思った作品も伸びが今一だったり、スランプに陥ったり、本当に踏んだりけったりの更新歴史だった」

 グシッと涙を拭った。

「本当に管理人と私たちの戦いは身を削る思いだったよ」

「ああ……なるほどね」

 納得した顔で目をそらした。

「だから、内容の悪い小説もたくさんあるのか」

「読者が一番わかってるだろうね、出来の悪い小説といい小説の区別は」

「管理人はナルシストだから、全部が名作だと思い込んでるイタイ奴だから、ここらで現実を知るべきかもね」

「現実、知ったら、この小説終わっちゃうよ。ようやく、新シリーズ入ろうとしてるのに」

「……」

 出す言葉を見失い黙るスバルにミソラはニコッと笑った。

「まぁ、元ネタはサイコーなんだから、三流の管理人でもこれから、なるようになるよ」

「そもそも、才能のない管理人がこれ以上、なにが出来るの」

「そこはみんなのリクエストを反映させて、誤魔化し誤魔化し連載するしかないかもね……才能のないものは他人の力を借りて、卑怯に続けないと」

「バクマンの誰かみたいだな」

「管理人も心の中では自分の才能のなさに絶望してるらしいよ」

 ちょっとだけ、いい気味だと二人はほくそえんだ。

「まぁ、何度目かの脱線になったけど、二期目はタイトルを一新することするらしいよ……今までは「響ミソラ」だけだったからね」

「そのタイトルは」

「「流星のロックマン 響ミソラ 流星の恋人編」!」

「安直な」

「才能のない管理人にこれ以上を求めるのは酷だよ」

「才能がないって哀れだな」

「本当……同情する価値はないけど、なぜか泣けてくる」

 ダ~~と落涙し、話を続けた。

「二つ目は私たちが恋人となって、話が続くこと」

「ついに読者が望んだ展開ってとこだね」

「結構、オンリーは少ないうえ、カップリング小説は探すほうがさらに難しいしね」

 また、抱きついているスバルの頬に自分の頬をくっつけ、スリスリした。

「スベスベだね、スバル君の肌」

「ミソラちゃん……いい加減、恥ずかしいよ」

「テレないテレない」

 ニコッと笑った。

「でも、基本はウチは4が出ることを前提に考えてるから、別に恋人になったからといって、一年後の世界でも、中学生になったわけでもないから、アイテムも引き続け、「ハンターVG」のまま。電波変換も基本は3を意識してるから」

「そもそも、この小説はサザエさん方式で年食わないからね……明らかに年越し照るのに、年齢が上がってないことに最近気づいたらしいから」

「いや~~……ご都合主義ってネット小説のためにある言葉だよね」

 楽しそうにルンルン踊るミソラに抱きつかれているスバルも身体を揺らされ、言い返した。

「なにも考えてないだけじゃないの……管理人が」

「まぁまぁ……新シリーズに入った後も、話数は連番で続くから、この話が終わった後も話数は五十二話からスタートだから、安心して」

「話が急すぎて、なにが、まぁまぁかわからないよ」

 心底呆れた顔でため息を吐くと、スバルはこれからどうなるのか心配になった。

「じゃあ、なんだかんだでつまらない会話を長々と続けたけど、今回はこれくらいで終わろうか」

「読者の方がどこまで、これ読んでくれているか疑問だけどね」

「まぁまぁ、所詮、ネット小説は自己満足の世界だから!」

 ビシッと指差し、

「次回からは「流星のロックマン 響ミソラ 流星の恋人編」スタート! ちなみに過去シリーズは「流星のロックマン 響ミソラ ときめきの恋心編」ってことで今までどおり読めるから、最近、ここを知った人はそこから読んでね」

「あ、そうそう……管理人は自惚れ屋で才能もないくせにナルシストだから、小説のネタ、すぐ切らすから、読者の方はリクエストがあったら、ドシドシ送ってね」

「なるべく反映させるよう、私が管理人を見張るから、気長にリクエストが出るのを待ってね」

「ちなみに、リクエストは「雑談掲示板」、「WEB拍手」、「人気投票」で送ることが出来るか、各々、好きな方法で投稿してね」

「じゃあ、今後も響ミソラ小説を」

「僕らの恋物語を」

「末永く、よろしくお願いします!」

 ペコリと頭を下げた。

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