「あ……もうそろそろ、時間か」
『なにが時間なんだ、スバル?』
ハンターVGからウォーロックが現れ、スバルはニコッと笑った。
「今日、ミソラちゃんの初ラジオ番組なんだ! ミソラちゃんに絶対に聞いてねと、言われてるんだ。ええっと、チャンネルはFMのこの数字だったな」
『響ミソラのコスモラジオタイ~~ム!』
ミソラの元気のいいエコーが流れ、スバルはうんうんと頷いた。
「ラジオは初めてだって聞いたけど、なかなか、板についてるね」
『まぁ、腐ってもプロだからな?』
「怒るよ」
『へいへい……』
黙ってハンターVGに帰るウォーロックを無視し、スバルはラジオで手紙を読むミソラの声に意識を集中させた。
『記念すべき、最初の投稿おはがきはペンネーム、「衛星おんな」さんからです』
「衛星おんな。なんだか、委員長みたい」
ケラケラ笑うスバルにミソラは手紙を読み始めた。
『最近、私のちょっと気になる友人がちょっと有名なアイドルの色香に惑わされてるみたいなんです。なんとかしてください!』
「へぇ~~……結構泥沼だな」
最初のはがきにしては少し重い気がしたが、ミソラは気にした風もなく返事を返した。
『衛星おんなさん。女は諦めが肝心です! ということで、その男の子のことは諦めましょう! それでは次のおはがきを……え、メールで新しい手紙が?』
なんだか、ラジオの前で揉めているようだが、ミソラは仕方無しといった声で、メールを読み始めた。
『その人は最終決戦ではいつもかませ犬になり怪我をして最終ステージは欠場して、それでいて、出始めはおいしいところを持っていく泥棒猫なんです』
しばらく、妙な間が生まれ、ミソラの声がわずかに震えた。
『へ、へぇ~~……で、でも、なにも出来ないよりマシだし、考え方を変えれば、出始めでおいしいところを持っていけないって事は、周りはたいして期待してないんじゃ……え、新しいメール?』
メールを読むとミソラの声がどんどん陰湿になっていった。
『戦うアーティストって……200年前の昭和時代じゃあるまいし、ちょっとセンスを疑います』
ミソラの声が震えた。
「アナタにそんなこと言われたくありません! え、新しいメール。望むところよ!?』
スバルは少し不安そうに顔を青ざめさせた。
「なんだか、雲行きが怪しく……」
『リストラバトルカード……』
「あ……!?」
スバルは慌てて、ラジオから逃げ出そうとした。
『うるさ~~~~~~~~い!?』
「うわぁ!?」
ボォンッとラジオがミソラの怒声に耐え切れず爆発し、スバルは吹き飛ばされた。
「いたい……」
壁に身体を叩きつけられ、スバルは涙目になった。
「バトルカードがなくなったのはボクの責任じゃないのに……」
壁に張り付いたままスバルは落涙した。
壊れたラジオをどうやって、言い訳するかスバルはまた新しい悩みに涙した。