七月七日、七夕の日。
ベイサイドシティーの公園で七夕祭りが開かれていた。
ミソラはスバルは七夕祭りに参加するため、公園に来ていた。
「スバル君、こっちこっち!」
「ちょ、ちょっと待ってよ、ミソラちゃん」
ミソラに手を引っ張られながら、月の光に照らされる大きな竹を見た。
「立派な竹だね?」
「この日のために一番いい竹を探したらしいよ」
竹の前で足を止め、手を離した。
「月がいい具合に竹の葉を光らせてるね?」
「そうだね、ミソラちゃん」
スバルもニコッと笑い、竹の頭上に光る星空を見上げた。
「ホラ見て、ミソラちゃん。こと座のベガとワシ座のアルタイルが綺麗に光ってるよ!」
「こと座のベガ?」
「七夕でこと座のベガを織姫星と言うんだよ!」
「へぇ~~……スバル君、詳しいね?」
「そ、そうかな?」
「さすが宇宙オタク。見る観点が普通と違うね?」
「それ、褒めてないよね?」
「そんなことないよ!」
スバルはため息を吐いた。
気分を取り直し、また織姫星を見た。
「こと座といえば、ミソラちゃんの星座だよね?」
「え、私の星座……?」
自分の星座はしし座だと考え、ミソラは不思議がった。
「ハープ・ノートはこと座の電波体でしょう?」
「あ、そっか! じゃあ、スバル君の星は彦星になるわけだ!」
「ワシ座のアルタイルだね」
嬉しそうに微笑み、また空を見た。
「ほら、ミソラちゃん!」
ベガ座とワシ座を繋ぐようにもう一つの星を指差した。
「はくちょう座のデネブを繋げるとちょうど、三角形になって、これを夏の大三角形っていうんだよ!」
「夏の大三角形……?」
頭の中に血色の悪い科学者の顔を思い出し、すぐに消した。
「じゃあ、短冊も用意したし、願い事は書いてきた?」
「もちろん!」
スバルに短冊を見せた。
『スバル君とずっと一緒にいられますように!』
「ミ、ミソラちゃん……」
ミソラの願い事にスバルはテレた顔で頬を染めた。
ミソラも調子に乗った顔でスバルに迫った。
「スバル君の短冊も見せてよ!」
「う、うん……これね」
スバルも自分の短冊を見せた。
『ミソラちゃんが一流の歌手になれますように』
「も、もう、スバル君ったら!」
ギュッと腕に抱きつき、頬にキスをした。
「せっかくだから、お互いの短冊を交換して吊るそうよ!」
「なんで?」
ミソラの提案にスバルは不思議そうに目を瞬かせた。
ミソラはニコッと笑った。
「お互いの願いが自分の願いであるようにするためだよ!」
「お互いの願いが自分の願いのためか?」
スバルも嬉しそうに笑った。
「じゃあ、交換ね?」
ミソラから短冊を貰った。
「はい、ミソラちゃん」
スバルから短冊を貰った。
二人は背伸びするように竹の枝に短冊をかけた。
お互い顔を見合わせ、テレ笑いした
「叶うといいね?」
「叶うよ、絶対……!」
スバルの肩に自分の肩をくっつけ、そっと顔を見つめた。
「織姫と彦星は一年に一度しか逢えないけど、私たちはずっと一緒にいられるんだから!」
「そうだね」
スバルもミソラの顔に自分の顔を近づけ、キスをした。
チュッと夜の星に可愛いキスの音が聞こえた。