「え? ペルセウス流星群?」
お風呂から上がるとミソラは夜の日課となったスバルの電話に花を咲かせていた。
ハンターVGのスバルがニコッと笑った。
『今日はペルセウス座の流星群が降る日なんだ。徹夜になるけど、どう、ミソラちゃんも?』
「徹夜か~~……ちょっと待ってね?」
ハンターVGを切った。
「ハープ、ちょっといい?」
ハンターVGの画面からハープが現れ、踊るように微笑んだ。
≪ポロロン♪ 今日から一週間はお仕事はないから徹夜は大丈夫よ!≫
「ありがとう、ハープ!」
電話をかけなおした。
「いけそうだから、すぐに行くね!」
『じゃあ、ボクの町の展望台まで来てよ。色々用意しながら待つから』
「うん!」
展望台につくとミソラはスバルの姿を認めた。
「スバル君、お待たせ!」
「ミソラちゃん!」
望遠鏡のセッティングを終えたスバルはウンッと伸びをした。
「ありがとう、ボクのワガママに付き合ってくれて!」
「そんなことないよ。夜の天体観測もオツでいいじゃない!」
嬉しそうに飛び跳ねるミソラにスバルもホッとした顔で望遠鏡のレンズを見た。
「ほら、ちょうど、望遠鏡でペルセウス座が見れるようにしたから、観てみてよ!」
「う、うん……」
望遠鏡を覗き込んだ。
「えっと……?」
「ほら、ペルセウス座、見える?」
「た、たぶん……」
星座の知識がないのでどれがペルセウス座か、わからなかったが、スバルの機嫌を損ねないため、適当に相槌を打った。
スバルは構わず、微笑んだ。
「これから、たくさん流れ星が落ちるよ! 楽しみだね?」
「う、うん……」
どれがペルセウスかいまだに探していた。
「もうそろそろのはずだから、じっくり待とうね?」
子供のようにはしゃぐスバルにミソラはクスッとしてしまった。
(本当に星が好きなんだね?)
ここに人がいなければ、キスしてただろうなと、残念になった。
「あ、ミソラちゃん、見て!」
空を指差し、スバルの目が最高潮に輝いた。
「ペルセウス流星群だ!」
「……あ!」
キランッと流星が落ち、スバルは叫んだ。
「ドンドン降るよ!」
「すごい、たくさん、流れ星が落ちてく」
「願いごとも叶うかもね?」
嬉しそうに笑うスバルにミソラはそっと両手を祈るように組んだ。
(いつか、スバル君と一緒に……)
「あ、また降ったよ!」
キランキランッといくつもの流星が落ち、ミソラは心の中で微笑んだ。
流星群が終わったのは朝方だった。
正確には朝になって流星群が見えなくなったので撤収したのだ。
そのときにはスバルもミソラも疲れきり、ベッドに一緒に倒れこんでいた。
「あうぅ~~……」
スバルの身体に抱きつきながら、ミソラは徹夜明けで疲れた身体を休めようとしていた。
「ミソラちゃん……」
自分に抱きつくミソラにスバルも優しく抱きしめ返した。
「暑い……」
「むぅ~~……」
寝ぼけながら胸をつねった。
二人が目覚めたのはそれから丸一日過ぎた十三日の朝だった。