千里山 武田信玄と呼ばれた男   作:yuzinn

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大会の始まり

大会当日 

 

俺達は会場にいた。

 

意外なことに竜華逹以外の千里山の女子麻雀部の部員が観戦にきていて、応援の言葉をかけてくれた。

 

「…以上が今回のルールだ質問無ければ、試合時間まで好きにしてくれ。時間になったら亮は対局室に行ってくれ。俺達は観戦室にいく」

 

「了解ですよ。陣くん」

 

男子千里山は順調に勝ち進んだ。しかし、順調過ぎて陣に一度も出番がくることはなかった。

 

「よっしゃ~飛ばして勝ったぞ。陣!」

 

「お疲れ一樹」

 

「なんだ陣、良介、暇そうだな?」

 

二人は明らかに退屈そうだった。

 

「そりゃ暇だ。4試合あって、俺の出番は一度もないからな」

 

「…一回しか出てない」

 

「確かに二人にして見れば暇でしょうね」

 

「亮、私、一樹でほとんど飛ばしているから、二人が暇なのは仕方ないことだ」

 

「流石に大将の俺が寝るわけにいかないからな」

 

「決勝になれば陣君の出番もきっときますよ」

 

「だといいがな」

 

その後も陣と良介(二回目の)出番はくることなく決勝に進出を決めた。

 

決勝は千里山高校、柿谷高校、山里高校、徳見高校で争われることになった。帰り道

 

「みんな、ほんまに強いな~。一度も大将まで行かないなんて」

 

「ありがとうございます清水谷さん。でもその分二人は鬱憤たまってしまったようです」

 

二人は不完全燃焼なようで少し不機嫌そうだった。

 

「そら、キツいわ、うちなら発狂しそうや」

 

「セーラならほんとになりかねんのが、怖いわ」

 

「でも明日の決勝で出番がないってことはないだろう」

 

「薫の言う通りや、二人共、明日は頑張ってや」

 

「・・・ありがとう・・セーラ、・・少しやる気が出た」

 

翌日

 

「これより決勝戦を開始致します。実況は私、西加平と中曽根プロでお送り致します」

 

「よろしく」

 

控え室

 

「亮、出番だ。楽しんできな!」

 

「はい!全力で打ってきます」

 

亮はやる気十分で試合に対局室に向かって行った。

 

「陣、亮は大丈夫だろうか」

 

「相変わらず心配性だな薫! あいつなら大丈夫だよ」

 

「……陣はどう思う?」

 

「油断しなければ、問題ないとは思うが今までのような大差はつけるのは楽ではないろうな」

 

「…どうして?」

 

「対戦高の内、柿谷と徳見は毎年全国行きを争う強豪高だ。山里もパイフを見る限り、決して弱い高校ではないからだ」

 

「油断してると足元、すくわれかねないってことか?」

 

「そういうことだ」

 

「…始まる」

 

俺達はテレビに目を向けた。

 

亮はいつものように流れに身を潜めた。

 

山里は亮のパイプやビデオを見たのか、亮の動きを警戒したような打ち方をした。

 

「山里の選手は研究熱心だな」

 

「…亮が流れに隠れたのに気づいて警戒してる…」

 

陣の言葉を良介が肯定する。

 

「まあ、警戒したくらいで防げる程、亮は甘くないけどな」

 

他家の選手は流れに隠れた亮の打ち筋を捉え切れずいた。

 

「だか、今までよりは亮も少し上がり難そうだな」

 

前半戦終了この後の後半戦も亮は打ち筋を捉えられることなく、上がっていった。しかし、二位との点差は約30000点程で今までの試合よりは小さかった。

 

「流石は決勝戦ですね。思ったより点差が開きませんでした」

 

「30000点あれば十分だろ」

 

「薫君、後はお願いします」

 

「任せてくれ!では行ってくる」

 

次鋒戦開始

 

「陣は次鋒戦、どう見る?」

 

「苦戦するだろうな」

 

「薫君がですか?」

 

「柿谷の次鋒はおそらくはスキル持ちだな」

 

「スキルって常識で計れない力のことだよな?」

 

「そうだ」

 

「でもそれなら先鋒か大将に配置されるじゃないですか?」

 

「普通はな、だかセオリーを無視することは稀にだがある」

 

「…予想通りなら面倒…」

 

薫は点差を確実に広げていった。だか、柿谷の次鋒がある地点でいきなり上がり始めてからは薫を含めて他家が中々上がれなくなっていた。

 

「なあ陣、アイツのスキルって何なんだ?」

 

「情報が足りないが妨害系で間違いないだろう」

 

「妨害系ですか?厄介ですね」

 

「…でも使いこなせてない…妨害にムラが多い…」

 

「薫なら未完成のスキルくらい時間が少しあれば真正面からぶっ壊すだろ」

 

「なら、心配無用だな。麻雀において陣の予想は、めったにはずれないからな」

 

「信頼してくれるのは嬉しいが予想は予想。はずれることもある」   

 

本人の言葉とは裏腹に陣の予想は当たり、薫が押し返し始めた。

 

「妨害系は確かに強力だが、必ず波や穴がある。一度、突破口を見つけると脆いもんだ。不完全なら尚更な」

 

「突破口?」

 

「あのスキルは4順目以降にしか効果がない。だから素早く上がればいいってことだ」

「なるほど。だから他家もたまに上がれてたのか」

 

スキルを攻略してからの薫は安手を中心に素早く上がっていった。

しかし、スキルを攻略するまでに失った点棒があるので二位との点差に変化はなかった。

 

次鋒戦終了

 

「みんな、すまない。点差は広げられなかった」

 

「初めてスキル持ちと対局したんだ。点差を変わらないだけですごい」

 

「次は俺の番だ!」

 

「やる気MAXですね」

 

「陣、先にいっておくが 今回、俺は攻撃をほとんどのする気はない」

 

一樹の発言で陣以外が驚く。

 

「予想はつくが聞いておく。何でだ?」

 

「亮と薫の対局を見て思ったんだ。俺の仕事は俺達の点棒を守ることだ。なら攻撃に気を配ってる余裕ない!」

 

「それで?」

 

「だから今回、俺は良介と陣に今の点数を維持して渡す。それを目標とする」

 

陣が立ち上がり一樹の背中を叩いた。

 

「自分の役割がわかってんじゃねーか ならその目標、達成してこい」

 

「任せろ!」

 

中堅戦開始

 

「陣君は一樹は守りきると思いますか?」

 

「何でお前らはなんでも俺に聞くんだ?」

 

「陣が私達の大将だからな」

 

「…陣が一番強いから…」

 

二人の意見に呆れる陣

 

「はぁ~大将も楽にじゃないな」

 

「それよりは予想をお願いします」

 

「わかったよ。何の問題もない。一樹なら守りきるだろ」

 

「…断言した…」

 

陣が最初に出会ったのは一樹であり、陣の練習メニューをこなした期間も一番長い。

それ故に一樹の鉄壁の守りを陣が疑うことは皆無に近いのである。

 

「何人も鉄壁を向こうに通すな、一樹」

 

陣の言葉が聞こえたかのように一樹は点棒をほとんど変わらない状態で守りきり良介に回した




妨害スキルの弱点は独自設定です。
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