決勝戦
陣達は二位と約30000点差で副将戦を迎えた。
副将戦
「次は良介の出番だな。 応援している」
「頑張ってください。良介くん」
「…薫、亮…ありがとう…頑張る」
良介も先の三人同様、やる気十分である。
「…陣」
「…わかってる。許可する。存分に暴れてきな」
「…うん」
副将戦開始
「もう、お馴染みですが 陣君の予想をお願いします」
「了解だ」
もう、ツッコミを入れる気はないらしい
「質が悪いのは徳見と柿谷の副将だな」
「そうなのか?パイプを見る限りはどっちも安定した麻雀を打つタイプだから、そんなに面倒な相手には思えないけどな」
「安定してるっことはぶれないってことでもある。
どんな場合でも自分の麻雀をできるのは大きなアドバンテージになる」
「なるほどな」
「それに良介の麻雀の真髄の一つは誰にも読めない。天性の勘による打ち筋にある」
「僕逹でも良介君が次に何をするかは、わかりませんからね」
亮、一樹、薫はうなずいた。
「読めないから対応できずに打ち方がぶれる。そうなったら良介に勝てる可能性は限りなくゼロに近くなる」
「でも、今回の相手はぶれないから良介君に勝てる見込みがあるってことですね」
「そうだ」
「それってやばくないか?」
「言ったろ、真髄の一つだって、良介の麻雀はそれだけじゃない。見てればわかるさ」
陣逹はテレビに目を向けた。
良介は序盤から天性の打ち筋で他家を揺さぶっていった。
山里の副将は見事にはまり、良介以外の他家からも攻撃を受けて点棒を20000点近く失った。
他の二校は、はまらなかった。
「やはり、山里しかはまらなかったな」
「そういえば、何で山里は簡単にはまったんですか?」
「山里の副将はガチガチのデータ分析型だ。良介は天敵もいいとこだ」
「決勝で天敵に当たるって運がないな」
「そうだな。…そろそろ良介のもう一つの真髄が見れるぞ」
良介の打ち方に変化が起きた。相手にはまったく振り込まなくなったのだ。
「あれが良介のもう一つの真髄だ。他家の捨て牌と細かな動きを見て、その上がる役と上がり牌を予想する。良介はそれがのが異常に上手い」
「ということは、めったに振り込まないし、相手の上がり牌を抱えられるから、妨害もできるってことですか。でも、今まで見たことない打ち方ですね」
「俺が良介の成長の邪魔になると考えたから封印させたんだ」
「邪魔?」
薫は首を傾げた。
「会ったばかりの良介はわかるからこそ、捨て牌の影響を受けすぎて、自分の麻雀が打てずに成長できないでいたんだ」
「便利なだけじゃないんですね」
「だから、良介の麻雀がある程度のレベルになるまで、必要時以外は使わないようにさせてるんだ」
良介は適格に相手の役を読むことで決して振り込まず、自身は上がることで点差を大きく広げた。副将戦終了
二位と点差は約50000点まで開いた。
「…ただいま」
「お帰り良介」
「お疲れ」
「お疲れ様です」
薫、一樹、亮はともらいの言葉をかけた。
「楽しかったか?」
「…楽しかった…最後は陣の番」
良介の言葉により陣に視線が集まる。
「…陣…全力で打ってきて…」
「頼んだ大将!ぶっ潰してきてくれ」
「私逹の点棒全てを預ける」
「陣さんの活躍、楽しみにしてます」
みんなの言葉から絶大な信頼を感じた。
「安心しろ。今以上の点差をつけて全国行きの切符を持って帰ってくる」
そう言い控え室をあとにした。
放送席
「いよいよ大将戦です。一位は断トツで千里山高校です。他校は巻き返しなるか~!」
「楽しみです」
「中曽根プロはどの選手が気になりますか?」
「そうですね~やはりいまだに一度も試合に出ていない千里山高校の成瀬 陣が気になりますね」
「千里山というと、やはり女子が有名ですね」
「女子麻雀の名門校ですかならね。でも彼らはその名門校で男子麻雀部を作りここまで勝ち上がってきた。それだけでも私は高く評価します」
「事前の情報ですと、部員の練習メニューは部長である。彼が独自に作っているそうです」
「そうですか…麻雀を人に教えるのは、自分で打つより、遥かに難しい。 教えられるということ、それは彼の実力が他の4人より勝っているとも言えます。先の4人もかなりのやり手だったので、それを越えるであろう。彼の実力に非常に興味をそそられます!」
「熱の入った説明ありがとうございます。しかしあまり偏った解説はご遠慮くださいね」
「これは失礼。今後、気をつけます」
「それでは大将戦開始です!」
大将戦開始
対局室
陣は打ちながら考えていた。
「(あいつらと約束したからな。いつものような様子見はなしだ。最初から前回で行くぜ!)」
陣は初めてから前回で四つの型をフル使用した。
《炎のように高い役で周りを焼き付くかの如く上がり、山の如く立ち塞がり守る》
《捉えきれない風の如く素早く上がり、林が衝撃を受け流すかの如く静かに守る》
前半戦の間に65000点の差が二位の柿谷と間につき、四位の山里は逆転はかなり難しいところまで削りとられた。
前半戦終了
解説席
「成瀬 陣、圧倒的です。他の選手を寄せ付けません」
「武田信玄みたいな打ち方だな~彼は」
「どういう意味ですか?中曽根プロ?」
「いや、成瀬 陣の四つの型が戦国大名、武田信玄 の風林火山に酷似しているなと思ったんだよ」
「ええ~と。言われてみれば似てますね」
「偶然だと思うけど面白いなと思っただけだよ」
この中曽根プロの言葉が後の陣の異名の原点となる。
後半戦開始
後半戦になり、陣の動きに対応しようと他家は躍起になった。しかし、躍起になった程度で対応できる分けもなく更に点差は大きくなり最後に山里を陣が飛ばして終了となった。
解説室
「決まりました~激戦区北大阪を制したのは初出場の千里山高校です!。二位の柿谷に約80000点差をつけて優勝を飾りました!」
「勝った・・」
一樹逹が凄い勢いで走ってきた。
「陣君!やりました!優勝です!」
「私達が優勝校だ!」
二人は凄まじい喜びようだった。
「おいおい、嬉しいのはわかるが少し落ち着きな」
「…そういっている陣も笑ってる…」
口では落ち着いているが 顔は満面の笑みだった。
「おっしゃ~!こうなれば我らが大将様を胴上げだ~!」
「「「おう」」」
三人は身構える。
「まてお前ら!流石に恥ずい!」
「問答無用だ!」
陣達は予選大会を優勝し、全国行きを決めた。