千里山 武田信玄と呼ばれた男   作:yuzinn

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今回から二年生編に入ります。


二年編
新しい学年と後継者


男子の団体戦が終わり、次は個人戦が行われた。

 

これに出場した陣は、初出場にしては高い、全国第5位の成績を残した。

 

女子千里山は団体戦で4位の成績だった。

 

大阪に戻った陣逹は今まで以上の熱意で練習メニューをこなし着実に実力を伸ばしていった

 

秋と春の大会ではまだ全員の強化が完璧でなかったため。団体戦の順位は4位と変わらなかったが確実にレベルアップしていた。

その間も女子麻雀部の練習メニューも作ってくれるように春先部長に頼まれ何度も対局をした(後半は打つための理由付けにも思えた)。

二年に進級する少し前頃になると全員の新たな麻雀スタイルが完成し、去年とは比べ物にならない実力を身につけた。

 

そして今日は二年の初登校日。

 

「師範、行ってきます」

 

「うむ、気をつけてな」

 

いつものやり取りをして陣は家を出た。

 

「おはよう、陣君!」

 

「おはよう、竜華」

 

登校していると竜華と合った。

 

「一緒に行かへん?」

 

「いいぞ」

 

竜華と陣の家を比較的近くにあるので登校途中に会うことも、よくある。見慣れた光景である。

 

「あと2週間でレギュラー決めがあるんや」

 

「いよいよだな」

 

「絶対にレギュラーになるから見ててや!」

 

「期待してる」

 

「陣君の所はどうなんや?

 

「部員が入るかで決まるな」

 

「でも入ってきても陣君逹に勝てるとは思えないわ」

 

「まあなるようになるさ」

 

そんな話しをしながら登校した。

 

千里山高校

 

クラス分けを見て教室に向かった。竜華も含め、仲良しメンバーは同じクラスであった。

陣はこれは何か(学園長)の力が働いてないかと思った。

2年になってから一週間がたった。

男子麻雀に新入生が7名入ってきたが実力は竜華の予想通りでレギュラー陣に遠く及ばなかった。これからに期待というところだろ。

 

今日は竜華逹に女子麻雀部に招かれているので亮を連れて向かっていく。

 

女子麻雀部部室

 

「失礼する」

 

「何か用ですか?」

 

眼鏡を掛けた新入生と思われる女子が応対してきた。

 

「男子麻雀の部長をやっている成瀬だ。招かれてきたんだか江口か清水谷、園城寺はいないか?」

 

「江口先輩でしたら奥にいますよ」

 

「ありがとう」

 

お礼言い奥に進む。

 

「竜華、セーラ、怜、呼ばれたからきたぞ」

 

竜華もこちらに気づきやってきた。

 

「いらっしゃい陣君、亮君!」

 

「ちょうどええタイミングできたわ」

 

「今、対局が終わったところや」

 

三人の声に反応して陣と亮に視線が集まった。

 

「それで何のようなんだ?」

 

「うちらと対局して欲しいんや」

 

「かまわないが、わざわざ呼び出すことか?」

 

「重要なのはこの部室で打ってことにあるんや」

 

「なるほどな、新入生に俺達の実力を直に見せておきたいってわけか?」

 

「そうや、頼めへんかな?」

 

「俺はいいぞ。亮は?」

 

「僕も構いません」

 

二人は了承した。

 

「ならさっそく始めよか」

 

新入生のみならず、部員の全員が見る中で対局が始まった。対局はセーラ、怜、亮、陣で行われる。

 

一緒に練習メニューをこなしてきただけに相手の手の内はしりつくしているので、

一進一退の攻防が行われた。

 

対局終了

 

一位、陣 二位、セーラ 三位、怜 四位 亮となった。

 

「あ~また陣に勝てんかった~」

 

セーラは陣に勝つことを現在の目標としている。

 

「セーラさんならいい方ですよ。僕なんて四位ですよ」

 

相性が悪いのか亮は完璧に怜に抑え込まれてしまうのだ。

 

「私も亮を抑えるので必死で他の二人に手が回らなかったから、まだまだやな」

 

ここで竜華が話し始めた。

 

「お疲れ、みんなええ対局だったで」

 

「それで少しは役に立ちそうか?」

 

「十分や、周りを見てみい」

 

周りを見渡すと尊敬の視線で見られた。

その中で入り口であった眼鏡の子が近づいてきた。

 

「ちょっとすみません。質問したいことがいくつかあるんですがエエですか?」

 

「俺か?答えられることならいいぞ」

 

「ここはどうして、攻めに回ったんですが?」

 

「ここはセーラの動きがこうなると思ったから攻めた」

 

「なるほど」

 

それからも、質問は続いた。

 

「ありがとうございました。私は気になる所は質問したくなる性分でして」

 

「質問するのはいいことだ。よく言うだろう聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥じだと」

 

「ありがとうございます。私は船久保 浩子言います」

 

「俺は成瀬 陣だよろしく頼む」

 

「成瀬 陣…貴方が…」

 

船久保は何か考え始めた。

 

「最後の9質問させてください。成瀬先輩が男子麻雀部の練習メニューを作ってるって本当ですか」

 

船久保の質問に周りの新入生が驚いたようにざわついた。

 

「本当だ」

 

「ならお願いがあります」

 

「予想はつくがいってみてくれ」

 

「私にその練習メニューの作り方を教えて欲しいです」

 

周りは予想外の頼みに先程以上にざわついた。

 

それはそうだ。今日は会ったばかりの、それも男子麻雀の部長に技術を教えてくれと言っているのだから。

 

そこで別方面から声がかかった。

 

「止めとき船久保、陣は練習メニューの作り方を別に隠してるわけやない。誰も理解して真似することができないんや」

 

セーラの言葉に周りはわけがわからないといった顔だった。

 

「どうゆうことですか?」

 

「先代の千里山女子の部長も陣の練習メニューを有用性を認め、やり方を問うたんやけど、部長も他の部員も誰一人理解できなかったや」

 

「そうやね。長年一緒にいた。男子麻雀部室のメンバーすら例外やない」

 

セーラの言葉に竜華が補足説明をした。

 

「そこまでのものなんですか?」

 

「そうや。陣に練習メニュー作りの後継者がいないのはそういった理由なんよ」

 

「後継者ってそんな大それたものか?」

 

陣は呆れながらそういった。

 

「…ますます興味が沸きました。必ず修得しますから、ぜひお願いします」

 

「どうする陣君?」

 

陣は少し考えた結果。

 

「いいよ。だか、やるからには半端は許さない。全てを叩き込む気でやるぞ」

 

陣は少し威圧しながら船久保を見た。

 

「よろしくお願いします!」

 

こうして陣の才能の一つ、練習メニュー作りを引き継ぐ者が生まれた。

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