千里山高校の体育祭が近づいてきた。教室で出場種目を決めている。
担任が仕切っていき、種目が決まっていった。
「科目はだいたい埋まったな後は…リレー戦だな出たい人はいってくれ推薦でもいいぞ」
「リレー戦ならうちが出る!」
セーラはやる気まんまんである。
「江口なら心配ないな。他の出たい人はいないか ?」
「うちは陣を推薦するで !」
「は?」
「陣は身体能力高いんやから問題ないやろ」
「俺も推薦します」
「僕もです」
セーラに続き一樹と亮にも推薦された。
「なら成瀬に決定だな」
「先生~俺出るなんて言ってません」
「我慢しろ他の適任者がいないんだ。なにより私が面倒だ」
あんまりな理由に呆れる陣。
「先生ってたまに適当になりますよね。ホントに教師ですか?」
「必要なところでは力を入れるが必要ないときは入れない。それが私だ」
「全部全力で働いてください給料泥棒」
「それじゃ決定だ。一応練習しとけよ~以上ホームルーム終了!」
陣のセリフを完全無視して教室を出ていった。
昼休み
陣は明らかにめんどくさそうな顔をしていた。
「陣君、リレー戦大変やね」
「災難やな~」
「そう言ってくれるのは竜華と怜くらいだ。俺をその面倒事に巻き込んだ奴らは後ろで談笑しているからムカつく」
陣は談笑してセーラ逹を恨めしい目で見ていた。
「でも真面目やるんやろ」
「去年は部活のゴタゴタで種目にあんまり出れなかったからな。今年は真面目にやらいといけないからな」
「頑張ってや」
その日から陣は体育祭に向けて自主練を始めた。
体育祭当日
選手宣誓が終わり種目が始まった。
因みに試合はクラス対抗で行われるので赤や白の色分けはない。
普段のメンバーは一点に集まり会話していた。
「陣の最初の種目はなんだ?」
「俺の最初の科目は…二つ先の50メートル走だな」
「いきなり大変そうな科目やね」
「でも陣君なら余裕ですよ」
「信用してくれんのは嬉しいがまだ最初の種目だほどほどにやるさ」
程なくして、出場選手集合の放送がかかった。
「それじゃあ行ってくる」
「いってらっしゃい」
陣は集合場所に向かった。
自主練をこなしただけにこの種目で陣は余裕で一位を取った。
「ただいま」
「お疲れ様や、陣君」
「スポーツドリンク飲む?」
怜は種目には出られないがドリンク配りなどのサポートをしてくれている。
「ありがとう。頼む」
陣は受け取ったドリンクを飲みながら一息ついた。
「次の出番は当分先だからゆっくり休むか」
この後は一樹や薫、セーラなどの運動得意組が中心になり点数を稼いでいった。
「今度もうちが一位や」
「セーラなら必ず一位を取ってくれるから安心や」
「…一樹と薫も…落としてない」
「今の所、強敵もいないしな」
「俺なら心配ご無用だ!」
「だかこの後から始まる競技は借り物競争や仮装競争といった、運の要素が強いゲームが増える。前に比べて一位を取る楽なじゃないな」
借り物競争にはセーラ、亮、竜華が出場する。
この競技で陣はやたらと呼ばれることになった。
セーラ
「陣、一緒にきてや!」
「了解」
呼ばれたので即座に反応して一位を取った。
「どんな内容なんだ?」
「部活の部長や」
男子麻雀部部長=陣…合格
亮
「陣君一緒に来てください」
「またか?まあいい」
これは惜しくも二位だった。
「一応聞くけど内容は?」
「一年以上の付き合いのある友達です」
陣と亮の付き合い=余裕で一年を越えている…合格
「一年や転校生とかいたらどうすんだよ?」
「いないときを狙って出されたんじゃないですか?」
竜華
指令内容を見た竜華は一瞬固まったがすぐに再起動した。
「陣くん…お願いや」
「三度目か…すごい確率だな」
見事一位であった。
「竜華指令内容はどんなだ?」
「え!?…そうや!男性の友達や」
「(竜華の反応が悪いな。そんな答えづらい内容なのか?)」
竜華が嘘ついているのは反応でわかるが内容まではわからないので疑問が残るが気にしないことにした。
「(なんて、指令出すんや!恥ずかしく陣君の顔を見れん!)」
指令内容
【もっとも身近にいる異性、彼氏、彼女が望ましい】
顔の温度が下がるまで竜華は陣に近づけなかった。
仮装競争
「次は仮装競争か誰が出るんだ?」
「丸井さんと瀬沼さんですね」
「話したことはないが応援しよう」
「そういえばよ~」
「なんだ一樹?」
「漫画とかだと誰かが体調不良で出られなくなるってよくあるよな」
「…代役を立てるパターン?…」
「そうそれだ」
「そういうことは言うもんじゃないぞ」
呆れつつ薫が注意する。
「そんなこと言ってると本当「丸井が熱中症だ」…起きるだろ」
「…………すまん」
偶然ではあるがなんだかいたたまれない気持ちになった一樹であった。
「誰が次の種目が遠くて代わりに走れるものはいないか?」
クラスの視線が陣に集まった。
リレー戦は最終種目なので陣の出番はかなり先である。なおかつ倒れた丸井は男性であり、仮装競争は男女一人づつでるのがルールなので出番が遠く身体能力の高い陣が代わりに出るのが理想的なのである。
「成瀬に決定だな」
「はぁ~わかりましたよ」
ため息をつきながら歩いていった。
仮装競争開始
いち早く着替えルームに飛び込んだ陣。
着替えの中身はどこぞのお嬢様さまに仕える執事のような服であった。
「(恥ずかしい衣装よりましだが、着るのに時間かかりそうだな)」
二番目に着替えルームでた陣はダッシュする。
周りからは似合っるなどの声がかかったが本人は気にせずに走った。
「(この執事服、なんでこんなに動きやすいんだ?仮装競争に用意される服のレベル越えてるだろ)」
「動きやすさを重視しておりますから」
どこからか声が聞こえたが気にしなかった
結果はこの種目も一位を取ることに成功した。
陣は着替えて席戻る。
「なんやもう着替えてしもうたんか~」
「もっと見てたかったぜ」
「あんな目立つ服をいつまでも着てられるか」
「似合ってたのに残念やなあ竜華?」
「そうやね。陣のイメージとベストマッチしてたで」
「執事服が似合うのは喜んで良いのかわかんないな」
その後も種目は消費され、ついに最終戦にして目玉のリレー戦がやってきた。
「セーラ、陣君、頑張ってや」
「任せとき!」
「全力はつくす」
陣は第四走者でセーラがアンカーとなっている。
競技開始され陣の番になった。第三走者は二位でやってきている。
「(俺の相手は陸上部だから手は抜けないな)」
バトンを受け取り全速力で走ったため。一位でセーラにバトンを渡した。
セーラはぶっちぎりで一位をとり、陣君のクラスは優勝を決めた。