東京出発の日。
陣は竜華と決めた待ち合わせ場所にいた。
「(今年も一樹がバカみたい早く来てんのかな)」
どうでもいいことを考えていると、後ろから軽い衝撃を受けた。
「陣君、お待たせ!」
「おはよう竜華」
衝撃の正体は竜華である。
「ぼ~としとったけど、どうかしたん?」
「大したことではないんだが、一樹は今年も異常に早く集合場所にいるのだろうかと、考えていたんだ」
「去年はそんなに早かったん?」
竜華は首を傾げた。
「続きは歩きながら話さないか?」
「そやね。遅れたらシャレにならんし」
二人は腕を組んで歩き始めた。
「さっきの続きだけど、去年は7時に集合場所にいたな」
「そら早すぎや。いったい何時に起きとるんやろか?」
「前日に寝てのかどうかも疑わしいな」
話をしながら歩いていると集合場所に到着。
周囲を見回すとちらほら人はいたが、驚くべきことに一樹の姿はなかった。
「一樹がいない?」
「どうしたんやろ?」
二人で首を傾げていると
「…陣…竜華…おはよう」
良介登場
「良介か?おはよう」
「おはよう良介君」
「良介、一樹知らないか?」
質問すると良介は校舎を指しながら答えた。
「一樹なら…先生を手伝っている」
丁度一樹が荷物を持って出てきた。
「あれは手伝っていると言うより、こき使われているの間違いじゃないか?」
遠目で見える一樹は大量の荷物を持っていた。
「…早く来てたから…って言ってた」
哀れ一樹
バス出発
散々こき使われれた一樹はバスに乗ると同時に爆睡している。
そんな一樹は一同は気にすることなく会話している。
「今回は前回より1日余裕があるな」
「でしたら東京見物でもしますか?」
「時間はあるし、今のうちに行く場所でも決めるか?」
「私は池袋のナ○ジャタウンに行きたい!」
「うちは池袋の町に興味があるわ」
「僕はセーラ、怜さんについて行きますよ」
「俺はスカ〇ツリーに行くぜ」
「私は心配なんで一樹についていこう」
「…一樹についてく」
怜、セーラ、亮は池袋
(いつの間にか起きていた)一樹、薫、良介は六本木となった。
「竜華はどこに行きたい?」
「うちは…陣君と一緒ならどこでもええ」
「…なら、ゆっくり決めよう」
陣は優しく笑みでそう言った。
「うん♪」
二人でそんなやり取りをしていると
「
本当につき合って1ヶ月経ってないんか?」
「長年のカップルみたいやな」
「微笑ましいです」
「妬ましい」
「……」
「前の陣よりもいいな」
他の学生も二人がつき合っているのを知っているので特になにも言わない。
パーキングエリア到着
パーキングエリアを歩いていると制服の学生を見つけた。
「あれは確か…」
「晩成高校の制服ですね」
「うちらの対戦するかもしれない高校やね」
「挨拶してきてええ?」
「止めときなセーラ、いざこざになると面倒だ。用件済ませてとっとと戻るぞ」
「そうやね。はよ戻ろう」
竜華の言葉を合図にバスに向かう。
「だか、何で晩成がこの時期に来てるだ」
「考えてもわからんは考えるだで無駄やで」
「でも、一樹君の感想もわかります。女子の試合はまだ先ですからね」
「知りたい?」
疑問を口にしていると後ろから声がかかった。
陣は心の中でため息をついた。
「(また、厄介事か?)晩成の高校の方とお見受けしますが何かご用ですか?」
陣は代表して丁寧な言葉で質問する。
「貴方逹の疑問に答えようと思って」
「それはありがたいことです。話は俺と竜華で聞くから先に戻っててくれ」
後半は一樹逹に向けた言葉である。陣が戻らせるのはいざこざは起きづらくするためである。
「わかりました。」
亮が先頭に立って戻っていった。
「それでは改めて先程の答えをお願いします」
高圧的にくると思ったが意外にその人は普通に教えてくれた。
「
男子の試合を見るためよ」
「男子の試合ですか?」
「男子の試合からもなにか、学び取れるじゃないかと今年から早めに行って観戦することになったの」
「なるほど、そういうことですか」
「そういうことよ。男子千里山の大将の成瀬 陣さん」
「ご存知でしたか。晩成高校の副将の三河 木ノ実さん」
「あなたも知っていたのね」
「情報は武器になりますね」
「それはそうね」
「疑問に答えていただきありがとうございました。バスの時間もありますからそろそろ失礼します」
「呼び止めて悪かったわね。貴方逹の試合楽しみにしてるわ」
「ありがとうございます。それでは失礼します」
その言葉を最後に会話を打ち切る。
「陣くん?」
「なんだ?」
「さっきの言葉使い似合ってへんよ」
「自覚はあるけど、竜華に言われるとすこしくるな」
「うちはいつもの陣君が好きやからって意味や」
「そうか…」
竜華の頭を軽く撫で、バスに戻った。
バスに戻りに先生に説明をして席に戻る。
一樹逹にも先程聞いた晩成のいた理由を説明した。
その後は東京まで寝て過ごした。竜華は陣の肩を枕にしていた。
宿泊ホテル
陣の部屋は去年と同じで一人部屋ので集まるにはは最適な場所である。
陣が東京の見所やデートスポットとか載ってる雑誌を読んでいると、ノック音が聞こえ竜華が入ってくる。
「来たで、陣君」
「いらっしゃい竜華」
竜華は陣の隣に座り陣の読んでいる雑誌を覗き込んだ。
「何みてるん?」
「東京の見所とデートスポットの載っている雑誌」
「陣君が?」
竜華は驚いた顔をしていた。
「東京でのデートなんか滅多にできないからな。少しでも楽しい思い出を作ろうと思ってね」
竜華は微笑んだ
「うちの為にありがとうな」
「俺のためでもあるんだけどな。だが?」
「どうしたん?」
「これと言ったものが見つからないんだ」
「そっか。う~ん………なら怜逹と一緒に行動せえへんか?」
「いいけどどうしてまた?」
「考え過ぎて浮かばんときは行動してみて、そのときに決めるのがええと思うんや」
竜華の提案に聞いて少し考えた結果
「…それもそうだな。どうやら考えすぎて泥沼にはまっていたようだ」
「でも…真剣に考えてくれてうちは嬉しいかったで」
寄り添う竜華を軽く抱き寄せて時間を過ごした。
次の日
昨日のうちにセーラ逹に行動を共にすることを話してあったので集合場所は一番集まりやすい、陣の部屋になっている。
今は私服に着替えて竜華逹を待っている。
「楽しみですね。池袋」
「そうだな」
先に来ている亮と話をしていると
「準備できたで~」
「二人とも待たせてごめんな」
「ほな、行こう」
「そんなに待ってませんよ」
「そろったし行くか」
池袋駅
「人がめっちゃおるわ」
「流石、池袋ですね」
「はよ、ナ○ジャタウンいこうで~」
「どんだけ行きたいねん」
セーラのいつも以上にテンションに少し引きながらも移動を開始する。
「サ○シャインシティ中にあるらしいから…」
地図を見ながら探していると程なく発見したので券を買い中に入る。
その後、遊んぶ途中で竜華がサ○シャイン水族館に興味を示したので怜逹と一度、別れて水族館に入った。
「うわ~めっちゃ綺麗やな」
「竜華はすっかり水族館好きになったな」
「あたり前や水族館は陣君と始まりの場所やからね」
「なら、これからもいろんな水族館に誘わせてもらうよ」
「うん!楽しみにしとる♪」
その後も竜華と水族館を回り怜逹と連絡し合流しに向かった。
合流場所でセーラ逹を探していると
「陣君おったで…ナンパされとるけど…」
「…すぐに追い払うから待っててくれ」
ナンパ逹にはすぐにお引き取りを願い怜逹と合流を果たした。
「あいつらしつこくて困ってたんや。おおきにな陣」
「すいません陣君」
「気にするな亮。あの手の奴は俺の方が慣れている」
その後は怜逹と合流し時間が許す限り池袋を遊び回った。
ホテル
陣は全員を集め麻雀部部長の顔になった。
「みんなに集まってもらったのは他でもない。明後日からの大会について本腰を入れて話そうと思ってな」
「今年は今までの全国常連校が何校か予選落ちしている」
陣は全国の出場高校リストを見ながらそう言った。
「私達が去年の準決勝で対戦した戸沼高校も予選の決勝で敗退してるな」
薫も同意を示す。
「うちら女子も9年連続出場やった。風越女子が予選決勝で惨敗したそうや」
「それだけやないで、その他にも名門って呼ばれる高校も何校か、予選落ちしとる」
「去年から全国に出場してる。僕達が言えたことじゃないですけど、新しい風がきてるのかもしれませんね」
竜華と怜の情報もあり、発言した亮を含めたここにいる全員が高校生麻雀会に新たな風がくる可能性を感じていた。
「新しい風がくるのはかまへんけど、そうくると面倒やね」
「確かに初出場校や出た回数の少ない高校は、情報量が少ないから事前対策が取りづらいのは厄介だな」
「情報のあるなしは大きいですからね」
「だが最後に信じられるのは自分仲間の実力なのも事実だろ?」
「一樹の言う通りだ。だが今年の全国は去年とは違うものだということを頭に入れといてくれ」
この後は詳しい事を話し合い、解散した。