竜華逹は1日の休息をとり万全の状態で決勝戦当日を迎えた。
陣逹は座席で試合開始を待ったいる
「う~緊張してきた~」
「一樹が緊張してどうするんだ」
薫は呆れている。
「だってよ。なんか自分のときより緊張すんだよ
「…その気持ち…少しわかる」
「観戦室の空気、重いですもんね」
亮の言う通り観戦室には対局のときと違った緊張感が漂っていた。
「試合が始まればマシになるだろ。それまで我慢しな」
流石と言うべきか陣は全く動じていなかった。
少しして先鋒の選手の紹介が始まる。
「いよいよですね竜華さん逹は大丈夫でしょうか?」
「やれるだけのことはやった。あとは三人しだいだな」
先鋒戦開始
セーラは自分のペースを維持し、順調に攻めている。
「リズムは悪くないですね」
「相手がなにかしてくる前に点を取って波に乗っておくつもりなんだろ」陣
「おし!このままいけー」
「うるさいぞ一樹。だがそうもいかないだろうな」薫
「…セーラも…わかってる…白糸台は…そう簡単にはいかない」
開始から三局でセーラの連続ホーラにストップを書けるものが現れた。白糸台である。
彼女は他家を直撃したことでセーラの流れをとめたのだ。
「あちゃー止められた」
「ただ止めただけじゃない。波が最高潮に達する寸前で叩かれたんだ。乗り直すのは時間がかかるな」陣
セーラは一瞬辛そうな顔をしたがすぐに表情を引き締める。
そのあとも白糸台の先鋒は他家のスキルや波が最高潮になる寸前で叩き続けた。
「あの先鋒のスタイル、かなり質が悪いな」陣
「面倒なのはわかるがそこまでなのか?」薫
「最高潮の寸前で止められるのは言ってみれば喜びの絶頂から奈落に突き落とされるようなもんだ。やられるほうはこれほどストレスの溜まることはない。おまけにストレスを恐れて畏縮すれば一気に潰される。思い切って攻めることもできず、だからといって畏縮することもできない。相手の精神を削りには有効な戦法だ」
中盤の段階で他家の二校は顔が辛そうに歪んでいた。
セーラはまだ大丈夫そうであるが点差少しずつ開いていった。
だがセーラもやられっぱないではなく最後の二局は持ち直し白糸台に連続直撃を入れた。
先鋒戦終了
結果から言えばセーラの敗北であるが、しかし、しっかり善戦できていた。
「惜しかったですね。セーラさん」
「十分戦えていたから来年はもっと行けるだろ」
「…セーラ頑張った」
陣逹も来年に十分期待できると考えた。
この後の次鋒戦では三年の先輩は手酷くやれて点差を大きく広げられることになった。。やはり陣逹と大量に対局しているかは大きな差になるようだ。
中堅戦開始
開始から最初の四局は静かなもので大きなぶつかり合いもなく過ぎていった。
「先鋒、次鋒と比べると マジで静かだな」一樹
「静か過ぎるくらいだ。何か違和感がある」陣
陣は今までの経験から違和感を感じ取っている。 話しているうちにも対局進んでいく。
少し考えた後、陣は気づいた。
「…陣…わかったの?」
表情の変化から陣が相手のスタイルに気づいたことがわかったようだ。
「ああ、白糸台の中堅のスタイルは一樹に少し似ている」
「俺にか?」
「そうだ、一樹は盾を使うことで相手を制限して 他家をぶつかり合いを誘っている。それに対してあの中堅は自らの動きのみでぶつかり合いをさせているんだ。周りから何が起こっているか理解できないくらい静かにな。」
「決勝戦にでるほどのチームでも気づけないレベルでですか!?」
亮が驚愕するのも無理はない。一方的にやられているとはいえ他の二校だって決して弱くない。むしろかなり強い方である。
「なるほど…あれ?でも何で怜さんの点数があんまり減ってなんいんですか?」
怜は離されるどころか追い上げていた。
「おそらく俺より早く気づいたんだろ」
「なら、勝てるじゃねえか「無理だな」なんでだ」
喜ぼうとした一樹に陣は待ったをかけた。
「怜には一気に追い上げるだけの武器がない。今の怜では点差をちじめることはできても逆転することは出来ないだろ」
怜は点を取り返しはしたが基から大きかった差を逆転するまではいたらかった。
中堅戦終了
「怜の武器については今後の課題だな」
「そうですね」
副将戦開始が近づくにつれ陣が(長年知り合いしかわからない程度で)落ち着かないなっていた。 それを見ていたメンバーは
「流石の陣君も竜華さんの出番となると落ち着かなくなりますね」
「付き合い始める前の陣からは想像できねぇな」
「…陣の…癒しが竜華なら…弱点も竜華…」
「微笑ましい光景だな」暖かい視線を送っていた。
「うるさい、あとその暖かい視線を止めろ、居心地が悪い」
自覚があるのか文句を言いながらも何もせず視線に耐えていた。
副将戦開始
白糸台の副将は始めから高火力で他家を突き放しにかかった。
あまりの竜華を含めた他家は守りを固めなければならなかった。
「押されてますね」
「竜華と白糸台の副将の相性は最悪だからな」
竜華の城壁崩しは防御型に有効だが、高火力で攻め、防御を二の次にしている相手とは相性が悪いのでだ。
押されてはいるが竜華の目には諦めはなく、何かを狙うような意思を目に宿している。
ここで竜華は今までと別の動きを見せる。
その動きはメンバーを驚愕させるものであった。
「あれは!」
「まさか…あのスタイルは…」
竜華の使っているスタイルは見慣れたものに酷似していた。
「…風林火山の…白炎」
「ありえねぇ。風林火山は陣にしか使えない高等スタイルだぞ!」
竜華は風林火山の一つ白炎を使っているのだ。
「陣君、竜華さんに白炎を教えたんですか?」
「いや、おそらく特訓中に使ったのを覚えたんだろ。流石に驚いたけどな」
陣は弱点である高火力の選手を克復のために特訓中、竜華に白炎を使い続けたのだ。そのため覚えられる可能性がないわけではない、覚えられのは竜華の才能と努力の賜物である。
しかし「覚えたのは凄いが、白炎では白糸台の高火力は止められない」陣
如何に白炎でもあの高火力を止めるには威力不足なのだ。
白炎を使い始めて、二局ほど経過した後、竜華はまた別の動きを見せる。
「っ!まさかあの技は」
今度の動きは陣すら驚愕させた。
「陣君、あの技はなんなんですか!?」
「…合成技だ」
「合成技って火とか風を合わせた炎風とかのことだろ?」
「…でも…見たことない…」
見たことのない合成技に困惑するメンバー
「あれは、まだ未完の技だからな」
「未完成?」
「あの技は白炎と音波の合成技で、火力を保ちながら相手の動きを読み一撃を入れることを目的に作ったもので名を〈炎波動〉というだ」
「でも、何で竜華さんがその技を?」
亮は怪訝な表情を見せる。
「他の人の意見を聞きたくて竜華に一度見せたんだ。まさか完成させるとは夢にも思ってなかったけどな」
苦笑いする「でも…まだ…完璧には使いこなせてない」
竜華は少し振り回されてる感があった。
「風林火山はそう簡単に使いこなせるものじゃない。その上の合成技なら尚更な」
〈炎波動〉高火力の相手に有効な技なので今程使いがっての良いときはない。〈炎波動〉が発動してからの竜華は白糸台との点差をどんどん小さくしていく。しかし白糸台側も必死に点差を広げようとしたので逆転まではいたらなかった。
副将戦終了
竜華の活躍で白糸台の点差はかなり小さくなり、残るは相手は女子日本最強の宮永照を残すのみとなった