千里山 武田信玄と呼ばれた男   作:yuzinn

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すこし少なめです。


女子の結果と思考

結果から言えば千里山女子は準優勝であった。千里山女子の大将と宮永照では実力に大きな開きがあったので驚く結果ではない。

 

「竜華さん逹、負けてしまいましたね」 

「仕方ない相手はあの宮永照だ」薫

「あれは、強すぎだろ」

「…陣から見て…どう?」

 

良介の質問で陣に視線が集まる。やはり自分逹の大将と女子日本最強、どちらが強いかを気になるところらしい。

陣は少し考えてから

 

「現状の実力なら俺の方が強いな…だが、その差も僅差なものだ、状況次第で勝敗は反転するだろうな」

 

陣は自分を過大評価しない。この評価は今の対局を見て陣が感じたものである。

 

「それに、実際にやってみないとわからないこともあるしな」

 

陣は立ち上がる。

 

「どこに行くんですか?」

「どこって竜華逹のところに決まってんだろ。さっさと行くぞ」

「あっそうですね」

「忘れてたぜ」

 

完全に忘れていた二人であった。

ちなみに薫と良介は既に準備を終えている。

 

「…早く」

「いつまで惚けてないで準備してくれ」

「「あはははは」」

 

責めるような目に二人は急いで準備し始めた。

 

準備を終わらせ、竜華逹との合流場所に向かう。そこには千里山の他の部員も集まっていた。

 

「ここで良いだよな?」一樹

「そうだ、授与式も終わったからそろそろ出てくるはずだ」

 

それから5分程で竜華逹は出てきた。

 

「お疲れさま。あと準優勝おめでとう」

 

陣の言葉わ皮切り祝福の言葉が飛び出す。

 

「おめでとうございます。みなさん」

「かっこよかったぜ」

 

他の部員からも次々に言葉がかかる。

 

「みんな、ほんまおおきに!」セ

「応援ありがとうな」

 

怜選手逹もそれに答える。 30分はその状態が続いた。

落ち着いたのを見計らいホテルに戻る。竜華逹はそれぞれの部屋に一度戻って休んでいる。

陣は自分の部屋で明日から行われる男子個人戦に向けての調整を行なっていた。

 

「合成技はこんな感じでいいな、あとは「ガチャ」…ぬ?」

 

調整をしていると部屋の扉が開く、陣の部屋に入れるのは本人と…

 

「お邪魔します。」

「竜華?」部屋で寝ているはずの竜華である。

「何しとるん?」

「そういう竜華こそ、どうした、寝るんじゃなかったのか?」

「寝よう思うたんやけど興奮しすぎたんか眠れんかったよ、それで話し相手になって欲しくてきたんや」

 

苦笑しながら部屋に入ってくる。

 

「話し相手くらいなら喜んで」

「ありがとうな」

 

竜華は陣の隣に座り、麻雀卓を覗き込む。

 

「それで何しとる?」

「個人戦に向けての自分の力の再確認。今のうちにやっておこうとおもってね」

「忙しいな~」

 

数日前までは自分逹の相手をしてくれていたのに明後日には個人戦がある。なんとも忙しい陣である。

 

「まあ、やれるだけやってみるさ」

「うん、頑張ってや」

 

普通に話しているが竜華の様子がいつもと微妙に違う。その事に気づいていたが陣は竜華が話出すのを待った。竜華は時間が経つにつれ、うつ向き加減になってきた。

 

「なにも聞かんの?」

「言いたくないことを無理に聞き出すのは好きじゃないからな。でも、俺としては話してくれると嬉しいな」

 

竜華の頭を撫でながら言う。

竜華は陣の優しい声音に気が抜けたのか陣に抱きつきながら嗚咽を漏らし始めた。

 

「負けるのって…ホンマ…悔しいな…陣君の技まで使ったのにうちら、負けてしもうた。」

「そうか…」

 

実際、竜華は良くやった。三人がいなければ千里山女子は惨敗していた可能性もあったのだ。だが、竜華にはそんな言葉、慰めにもならないだろう。だから

 

「悔しいと思えるなら。来年、白糸台に勝てばいい。だから今は気持ちを全部吐き出してゆっくり休め。俺ならいつでも竜華のそばにいる」

 

竜華を抱え込む様に抱きしめる

 

「うん」

 

頷いたのを見て、竜華が落ち着くまで抱きしめ続けた。

 

「もう大丈夫か?」

 

竜華が落ち着いたのを見て話しかける。

 

「大丈夫や」

 

そうは言っているが離れない竜華。

 

「竜「もう少しこのままで」…了解しましたお嬢様」

 

その後も竜華はみんなが部屋に来るまで抱きついていた。陣も竜華を抱きしめているのは心地よいことなので好きにさせておいた。

陣の部屋にいる竜華を見てセーラや怜は安心したような顔をした。

竜華の様子に気づいて心配していたようだ。

みんなで話をしていると

 

「そういえば、試合中に使った白炎、あれはいつ覚えたんだ?」

 

一樹の質問に竜華に視線が集まる。

 

「やり方を前から覚えてたで、でもぜんぜん使いこなせなかったんよ」

 

当たり前である。陣の風林火山はやり方がわかっても使えるものではない。膨大な経験と陣の独自の思考をもって始めて使える高等スタイルなのである。

 

「なら、何で試合中は使えたん?」怜

「う~ん。なんて言ったらええんやろか?陣君やったらどう打つか考えながらやったらできたんや」

「はい!?」

 

この答えは皆の予想を超えるものであった。

それはつまり竜華は陣の複雑な思考を理解したことになるのだ。今までそんなことを理解できた者などいなかった。

 

「あっでも理解できたのは白炎と音波のみで他の二人はまるで理解できんかった」

「十分すごいわ!」

 

一樹の強烈なツッコミはいる。

そんなことを話していると、怜はある事実に気づき、陣をじーっと見る。

 

「どうした、怜?」

「いや、陣は竜華にはあんま隠し事出来ないな~と思って」

「どういう意味だ?」

 

怜の言いたいことが理解できない。

 

「だってそうやろ?風林火山のうち、二つを理解したってことは極端な話、陣の思考の半分を理解したことになるから、陣の考えていることの半分が筒抜けになるってことやないの?」

「あ」×7

 

とんでもない事実であった。

 

「そっそれは考えすぎやないかな。理解できたのは麻雀の思考やで!」

 

竜華は慌てて否定する。

 

「でも、何割かは理解できたのは事実やん」

 

怜の追い撃ち

「う!」

 

反論できずに完敗する。

 

「そこんとこどうや陣?」

 

竜華を倒し陣に会話の矛先を向ける怜。

 

「あんまり興味ないな」

アッサリ切り捨てられた。

 

「なんでや?」

 

「竜華なら別に読まれも困らないからな、それに思考が読めても行動を全て読めるわけじゃないから問題ない」

 

本当にそう思っているようで全く揺らがない陣であった。竜華はじぶんなら良いと言う言葉に赤くなっていた。

 

「なんやつまらんわ」

 

残念そうな怜であった。その後少し談笑し、その日はそこで解散となった。

 

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