もう一話完成しているのですぐに投稿します。
千里山高校では文化祭の時期が近づいている。
そんな中、陣は家の用事で少し遅れて登校していた。
教室の扉を開けると皆の視線が集まる。だがいつもの視線とは明らかに違う。何かを期待するかのような意思が視線に込められている。
「お~陣、待ってたぜ。我らが救世主」
一樹はオーバーな動きで陣を迎える。
「そうやでよう来てくれたで陣。うちら指導者」
続いてセーラも同じ様に陣を歓迎する。
「その意味ありげな行動を止めろ。うざったい」心底面倒くさそうに告げる。
「それでこの状況を誰か説明してくれ」
「うちが説明がするわ」 竜華
「頼む」
文化祭の出し物を決めていたら出し物は飲食店に決まったのだが、服装の時点で票がエプロンとメイドで真っ二つに別れてしまい(主に男子と女子で)、話し合いを重ねても平行線のままである。そこで遅れている陣の票で決定することになり到着を待っていたらしい。
「はぁ~何て他人任せな奴等だ」
「ごめんな陣君、うちだけではまとめきれんかった」
「問題なのは竜華しか、まとめようと動かないのが問題だろ。薫はどうした?」
こういうときに薫が動かないのは珍しい。
「薫君は…今回は…だめや」
気まずそうに指をさした薫の方を見ると
「
私は女装などしない。女装などしない。女装などしない。女装などしない」ブツブツ言っている。
「何があった?」
「実は…」
服装の話になったときにコスプレの案が出てた。その時に女子から薫の女装案が出たのだ。相手が女子だったためタコ殴りにすることもできず、あの状態らしい。
「それは…仕方ないな」
陣もこれには同情するしかなかった。
「はぁ、俺の票で決定か…面倒な」
ため息をついていると
「やっぱりメイドだよな~陣!エプロンなんて地味だろ」
「いや、制服にエプロンやろ~な?シンプルイズベストや。メイドなんて使い古されとるやろ」
詰め寄るセーラと一樹。
「寄るなうっとおしい」
詰め寄る二人を引き剥がした後、腕を組んで考えて始め、最後に竜華を見た後、
「俺が押す服装は…」
意見を出した。
「それで、和服に変えてしもうたんか?」
ここは怜の病室である。 出し物が決まったので報告に来たのだ。
「ああ、説得してみたらあっさり納得してくれたよ」
陣が出したのは第3の選択である和服であった。
「女子はメイド服が恥ずかしいと意見が強く、男子はエプロンではつまらないだったからな。間をとらせた。和服ならそこまで恥ずかしいないし、地味でもないからな。そこらへんを説明すれば楽だったな」
「でも…それだけやないんやろ?」
怜も探るような笑みを浮かべる
「ああ、そうだ。竜華の和服を見てみたいと思ったのも理由の一つだ」
「竜華の黒髪なら和服が一番似合いそうやからな~私も陣の案に賛成や」
うんうん頷く怜。当の竜華がここに入れば赤面間違いなしである。
「まあ、がんばってや」
「何言ってんだ。怜も着るんだぞ和服」
他人事だと言わんばかりの怜に陣は告げる。
「私も?」
「当たり前だ。怜の退院は文化祭の3日前、用心してその日は休むとしても2日前には学校にこれるから準備は無理でも、本番には余裕で出られる。存分に働いてもらうからな」
黒い笑みを浮かべる
「わっ私は病弱やから「怜専用のシフトメニューを作るから問題ない、 因みにこの話はクラスで通っているから」……了解や」
怜の逃げ場を完全な塞ぐ陣であった。
「まあ、俺達にしてみれば出す側としては初めての文化祭だ。みんなでやった方が楽しいだろ」
千里山高校では一年は文化祭で出し物をしない。 上級生の出し物を体験して学校にすこしでも慣れるのが目的である。そのため陣逹は今年が出す側としては初めての文化祭なのである。
「そうやね。まあやれるだけやるわ」
その後、二人で対局してから帰った。
数日後、怜も無事に退院 する。文化祭の準備も進み、ついに当日を迎えた。
「料理、飾り付け、人員は問題なし。後は女子が着替え終われば完了だな」
陣は和服に着替え最終点検をしている。因みに料理は和服に合わせた和菓子(陣の祖母直伝)
「女子の和服、早く見てぇ」
鼻息を荒くする一樹及び男子数名。
「目が血走ってますね」
「気になるのは解るが働ないか!」
一樹逹の様子に引き気味の亮にそれを注意する薫。
「だってよ~女子の和服はまだ見てないだぜ」
当日のお楽しみで男子は女子の和服を見ていない。それ故に男子逹の一部の興奮度合いも解らないわけではなう。だが、それを許す陣ではない。
「働かないなら、休憩なしの力仕事でも良いんだよな?」
陣の一言に固まる男子逹。淡々と言っているだけに冗談ではないことが解る。
「さあ、働こう働こう。がんばって働こう。全力で働こう!」
「「「おっお~」」」
一樹の掛け声で動き始める。
それからは男子逹は良く働いた。
そうしていると、
「お待たせ~」竜華
「着てきたで」怜
「………」セーラ
竜華を先頭に女子逹が入ってくる。
「お~」×多数の男子
バカな声を出す男子を放置して、竜華と怜、セーラ(引きずられる形で)陣と亮の前にやって来る。
「陣君…どう、似おうてる?」
陣を前にした途端に恥ずかしくなったのが声が小さくなる竜華。
「………」無言の陣
「わっ悪い綺麗だから見とれた」
見とれたていたようだ。
「見とれ!」
陣の予想外の反応に真っ赤になる。
「和服に竜華の黒髪が良く映えている。 とても似合ってるよ。…見とれるくらいに」
「うっうん。ありがとうな。陣君も和服、ように似合ってるで」
「ありがとう。竜華に言われると自信になるよ」
二人が話している横で亮が怜を褒めていた。
「怜さん。良く似合ってますよ」
「ほんまか?ありがとうな。でも私は黒髪ちゃうから、竜華には劣るげどな」
「そうですがそれはそれで悪くないと思うですが …」
陣が竜華を、亮が怜を褒め終え、さっきから無言のセーラを見る。
「それでセーラさんは何故黙っているんですか?」
「まあ、だいたい予想はつくけどな」
「それが…」
「しゃーないことや」
二人の説明によれば当初 、セーラは男女どちらでも着れるタイプの和服を着ることになっていた。しかし昨日の試着の段階で激しく動いたので裂け目ができてしまい、直るのは明日になるらしく。今日は女子の服を着るしかなくなったそうなのだ。
「予想通りだな」
「セーラは女のコらしい服装が苦手ですからね」 ため息つく陣に、苦笑する亮だった。
「う~」
「あっ逃げよった」怜
セーラ逃亡!しかし、直ぐに陣により捕縛。
「離すんや陣、うちにこないな服は似合わん!」 暴れるセーラに、
「少なくとも変ではないんだから、諦めろ。今日1日我慢すればいいだけだろ」
「そやけど~」
その後も暴れたが陣や竜華に説き伏せられて大人しくなった。
放送が入る《これより、千里山高校文化祭を開始します》
「始まったな、シフトの入っている人は持ち場についてくれ!」
和風甘味所〈杏屋〉開店 回転から二時間が経過する。
「順調にお客さんは入ってますね」
「まあ、和服の女子目当てのヤロー共が多いのも事実だがな」
陣逹のクラスの女子のレベルが高いのでヤロー率も自然と高くなるのだ。 ついでにナンパや絡む客が増えるのでそれに対応するのも陣や一樹の仕事である。
「味の噂が広がれば、女性客も増える思いますよ」船Q
「…そうだな」
船Qはの意見に頷く陣。船Qは一時的に人手不足になったときに麻雀部の一年生二人を引き連れて手伝いに来てくれたのだ。人手不足が解消され、連れてかた女子は帰ったが船Qはその後も手伝ってくれている。
「悪いな手伝ってもらって。後で和菓子無料券を何枚か贈呈させてもらうよ」
「気にせんでください。暇でしたし、それで無料券が貰えるなら儲けもうですわ。それより、成瀬先輩は休憩時間ではないですか?」
船Qに言われて時間が陣確認する。
「…そうだなそろそろ、俺と竜華は交代の時間だな」
「僕はもう少しですね。楽しんできて下さい」
「了解、竜華交代だ」
前半は亮に後半は竜華に対する呼びかけである。
「うん、今行く」
竜華を引き連れて休憩に入る。
「着替えなくていいのか?」
竜華は和服のままである。
「このままでええんや♪」
「ならいい。せっかくだし楽しむか」
二人で他のクラスの出し物を回る。
「あれは、射的やね」
「射的か…あんまりやったことないな」
「なら、やってみよう」
「そうだな」
結果、陣の射的の腕は普通であった。それに対して竜華は上手く、景品を大量ゲットするなど文化祭を満喫した。
「休憩時間は後、一時間くらいだな」
「うん、十分回ったし、みんなに差し入れもっていこう」
そんな話をしていると、
「一人でけっこうですから、とうしてください!」
声をした方をみると、如何にもな風貌の見覚えのある男子二人がナンパをしていた。
その二人組を見た陣は
「はぁ~またナンパか? それにあいつらは…」
「前にうちと怜をナンパした人逹やね」
前に二人をナンパして陣におっぱらわれた連中である。
「陣君」
「了解、もう一度おっぱらってくる」
他人事とは思えなかったので陣に頼む竜華。
陣はナンパ共に近づく。
「よう、久しぶりだなお決まりコンビ」
「なんだてめ…え…は」
相手も陣の顔を覚えていたのか停止する。
「ここは俺の学校なんだ。問題起こすなら、解るよな?」
前におっぱらった時より更に強力な闘気を叩き付けた。
「「すっすみませんでした!」」
恐怖から二人組は土下座してから逃げて逃げていった。
「お疲れさま、陣君」
竜華は隣に並ぶ。
「まあ、威圧しただけなんだけどな」
あまりにあっさり逃げていった拍子抜けしている。
話していると絡まれていた女子が近づいてきた。
「助けてくれてありがとうございました」
「気にしないでくれ。俺は竜華に言われて助けただけだ」
「うちがなにも言わんでも陣君なら動いてたで思うで」
謙遜する陣にそれを否定する竜華。
「なにかお礼がしたいんです…が」
二人の顔を改めて見て、何故か語尾が弱くなる女子。
「ほんとにお礼とかはいいから。行くぞ竜華」
お礼は面倒で気まずいので竜華の手を引いてそうそうにそこを離れた。
残された女子は
「あの人逹が成瀬 陣さんと清水谷 竜中華さんか…決めた!私は千里山高校に入る」
来年、千里山高校に入る決意を固めていた。
陣と竜華は教室に戻り、シフトに入った。
味の噂がうまく広がったのか2時過ぎには満員状態になっていた。
売り上げ額も1日でかなりの額になる。
二日目も人気は衰えず、大きな黒字を生み出しのであった