千里山 武田信玄と呼ばれた男   作:yuzinn

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レギュラー選抜と最後のレギュラー

直感の修得のための練習を始めて6日が経過する。今日は男子のレギュラー選抜の対局日を迎えた。

誰もが緊張する中、陣は教室でのんびり過ごしていた。

 

「余裕そうやね」怜

「余計なことは考えない、無駄だからな」

「それが直感を使えるようになる。秘訣ってやつなん?」

 

直感を知り、余裕を取り戻した陣は直ぐにみんなに理由を話し謝罪をした。理由を説明すると驚愕していだが、なんとか許してもらえ、今では普通に会話できるようになった。

 

「そうだ。緊張するくらいなら何も考えてない方がいい。そっち方が精神的にも楽だからな」

 

陣の纏う空気は自然体で一辺の曇りもない。

 

「でも、一樹逹はそうやないようやね」怜

「こればかりは仕方ないさ」

 

視線を向けた先にはガチガチに緊張した亮と一樹がいる。

 

「去年まではあんなんやなかったやん?」

 

確かに去年の方が余裕があったな。

 

「今年は他の部員逹もかなり、レベルアップしてるからな。レギュラー落ちを心配してるんだろ。あと、最後の

年なのも原因だな」

 

まあ、それを踏まえても緊張しすぎに見えるけどな 。

 

「陣の見立てではレギュラーはどうなりそうなん?」

「そうだ~な、十中八九、変化ないな」

「私としてはそっち方がええげど、正直意外や」

 

先程の話から一樹逹のレギュラー落ちを心配していたようだ。

 

「部員逹は強くなったけど、まだレギュラー陣には一歩及ばない。いつも通りに打てれば問題なく勝てるだろ」

「いつも通り……」

 

怜が一樹逹を見てから、陣は見る。

 

「わかってるから、そんな目で見るな」

 

陣は目を反らす。

 

「というか、怜逹も明日がレギュラー決めだろ、緊張してないのか?」

 

女子のレギュラー決めは明日なのだ。竜華がいないのは、その打ち合わせをしているからである。「明日はわからへんけど、今のところ私は大丈夫や、それに緊張してたらあんたにほぐしてもらうだけや」さも当たりに宣言する怜だった。その言葉にも呆れる陣。

 

「…他力本願すぎるだろ」

「ただとは言わんで、報酬も用意したる」

「報酬?」

「竜華の膝枕や」

「いや、それ絶対本人の許可とってないだろ」

 

報酬の内容に思わずツッコミをいれる陣であった。

 

「はぁ~報酬はともかく、本当に緊張してたらほぐしてやるよ」

 

面倒だが、緊張でレギュラー落ちされても、かなわないからな。

 

「先ずはあの二人からだな」

立ち上って二人の緊張をほぐすために動きだした。

 

 

 

 

 

 

 

「対局するより緊張をほぐす方が大変ってどういうことだよ。まったく」

 

放課後の部室、対局前から疲れている陣がいた。

「あはは、すいません」亮

「わりぃわりぃ」一樹

「すまない、手間をかけた」薫

「…ごめん」良介

あの後、全員の緊張をほぐしてやることになり、陣はかなり疲れることになった。

 

それから、10分程で部室に全ての部員が集まる。陣は部室の中心に立つ。

 

「これより、レギュラー選抜の対局を始める。相手が誰であっても勝つ気で対局してくれ!」

「「「「「「はい!」」」」」」

陣の掛け声でそれぞれの卓で対局が開始される。

 

ルールは総当たり戦で勝利数の多い五人がレギュラーとなる。

どこの卓でも激戦が繰り広げられている。一樹逹ですらつらそうな場面もあったほどだ。そんな中、陣は危なげ無く勝ち数を稼いでいた。

 

陣はまだ直感を完全に身につけてはいない。今は片鱗を引き出せる程度だ。だが片鱗ですら他の部員逹を一切寄せ付けない。直感を凄さがよくわかる。

結局、陣は全勝でレギュラー入りを確定させる。ここまでは誰もが予想している。

 

「ふぅ~」

対局が早めに終了させた陣は廊下で飲み物を飲みながら一息ついる。

 

俺の対局は終わった。後は一樹逹がどうなるかなだな。正直あいつらに勝ってほしい。

部長である以上、特定の部員を応援するのは褒められたことではないので 内心にとどめている。

 

「あれ、陣君?」

 

そこに竜華が通りがかる。

「よう」

「まだ、対局中やないの?」

「俺の対局は全部終わったから休んでいるだ」

「でも、何で廊下におるん?」

「俺が部室にいると部員逹にいらぬ緊張感を与えそうだからな」

 

全勝の陣が対局を見ていることで部員に動揺を与え、対局を乱れさせない処置である。

 

「だが、暇だな。すこし話し相手になってくれなか?」

「うん、ええよ♪」

 

その後、竜華と話しをしていると全ての対局が終了したことを告げられる。

 

「話し相手になってくれてありがとな」

「気にせんでええよ。また後でな」

「ああ」

 

陣は部室に戻り、開始前と同じように中心に立つ。

「これにてレギュラー決めの対局を終了する。続けて決まったレギュラーを発表する」

 

男子麻雀部ではその日にレギュラーを発表するようにしている。

部室を緊張感が包む。

 

「成瀬 陣、遠山 一樹、阿倍 亮、神山 薫、小倉 良介。この五人を夏期大会のレギュラーとする。以上、解散!」

 

どうやら、三年間同じメンバーで夏期大会を迎えられそうだ。

解散を部員逹につげた陣は竜華逹に結果を報告しに来ている。

 

「失礼する」

 

部室に入るとセーラが物凄いスピードで近づいてくる。

 

「結果はどうやった!?」

 

掴みかかりそうな勢いで質問してくる。

 

「セーラ、そない迫ったら答えづらいやろ」

 

そういう竜華もかなり気になっているようだ。他の部員も興味津々に陣を見ている。

 

「結果から言えば変化なしだ」

「ほんまに!?」歓喜に満ちた声のセーラ。

「ああ、俺、一樹、亮、薫、良介が夏期大会のレギュラーだ」

「やったやん!」セーラ 「これで三年間同じメンバーやね」怜

「おめでとう陣君」。

 

三人共に本当に喜んでくれている。これはかなり嬉しいな。

 

「ありがとうな」陣

「それで一樹逹はどうしたんや?」

 

冷静になったセーラが周りを見回す。

 

「三人のじゃまになったらいけないから帰ったよ」

 

女子のレギュラー選抜のため対局は明日。じゃまにならないようにした四人の配慮である。

 

「そっか…その心遣いに感謝せなあかんな」怜「うちらも頑張らんと」竜華

「そのためには…」セーラ 陣に集まる視線。

 

陣は視線の意味を即座理解して

 

「了解、俺で良ければ好きなだけ相手させてもらうよ」苦笑しながら了承する。

竜華逹は陣を相手に最終調整を終えた。

 

女子のレギュラー選抜の対局が無事に終了し、本日結果が発表される。竜華逹は部室に向かった。

男子麻雀部は本日休みなので 陣逹は時間がある。。しかしそれ故に考えてしまう奴もいる。

 

「う~心配だ~」一樹

 

うなっている男が一名。

 

「お前が心配してもしょうがないだろ」

「そうですよ。落ち着いて、まちましょう」

 

薫と亮がなだめている。

 

「似たような好景、去年も見たな」陣

「…一樹…成長してない」良介

 

去年も思ったがこれはなかなかうざいな。

現在、陣逹は部室にいる。部長の陣は予備のカギを持っているので練習がなくても部室に入ることかてきる。その代わり問題が起きれば責任をおうようになっている。

 

この状態の一樹をファミレスや喫茶店に連れていくのは(迷惑そうで)気が引けるので部室で待つことになったのだ。

 

「一樹、麻雀打つから相手をしろ」陣

 

心配なのはわかるがこのまま何もせずに待つのは(見ててうざいので)きついな。なら何かに集中させることにした。

 

「は?」

「考えるだけ不安は増す、なら別のものに意識を向けるほうがいい。さっさと卓に着け」

「おっおう」

 

戸惑いながらも卓に着く一樹。

 

「今回やるのは二人麻雀だ」

「二人、何でだ!?」

「二人で打った方が考える時間が少ないからな。余計なこと考えてると、ボロボロになるぞ」

 

本気で打つから考えてる余裕など与えない。

 

「うへ~い」

「手加減しないからそのつもりで」陣

「うわ~陣君と二人麻雀ですか…きつそうですね」

「四人でもつらいのに二人か…考えたくないな」薫

「一樹……がんば」

 

同情の目を向ける三人だった。

「始めるぞ」

「……おう」

逃げられないと悟ったようで一樹は大人しく対局を始める。

 

この対局を見た三人は後に話す、一方的な蹂躙であったと。

 

「そろそろ終わるころだな」

「…………」一樹

 

卓に突っ伏す一樹を見下ろしながら発言する陣。

「そうですね」亮

「結果がそろそろわかると思うと私達もすこし緊張するな」

「…ちょっと…心配」

 

突っ伏して一樹はキレイにスルーされる。

 

「そんなこと言ってるうちに、きたぞ」陣

 

ドドドド!と言う文字がつきそうな音が近づいてくる。

そして扉が物凄いで音と共に開かれ、乱入者が表れる。

 

「みんなおるか!?」 セーラ

「ああ、全員いる」

冷静に返す陣。

 

「そらよかった!うち、今年もレギュラーになったで!」

「本当ですか、おめでとうございます!」亮

「おめでとうセーラ」薫 「がんばったな」陣

「おおきに二人とも!それで他のレギュラーなんやけど「待てセーラ」」

陣が遮る。

 

「他のレギュラーは竜華と怜が来てから聞くよ」

「そうやでセーラ、自分のことは自分で報告させて~な」竜華

竜華、怜、他二人が入ってくる。

 

「あはは、ごめん竜華」

 

興奮すると配慮が足りなくなるのはセーラも変わらないな。

 

「竜華、怜、お疲れさま」

「うん。ありがとうな」竜華 「おおきに」怜

「早速で悪いが夏期大会のレギュラー教えてくれるか?」

「了解や…でも先に一樹君起こしてな」

 

竜華に言われて振り向き、まだ倒れている一樹を確認する

 

「忘れてた。今起こす」というか、まだ突っ伏してたのか。

一樹を(力づくで)起こしてもう一度聞く体制に入る。その光景に一人、顔を引きつらせる者がいたが気にしない。

 

「では発表するは、うちと怜は……レギュラーになったで!」竜華

「今年の大会もよろしゅうな。みんな」怜

 

それを聞き、

「そうか、本当におめでとう二人とも」陣

「おめでとうございます。怜さん、竜華さん」

「今年もよろしく頼む」

「…よろしく…」良介

「よっしゃ~今年もこの八人がそろってぜ~」

一樹。我がことのように喜ぶ一樹逹。

 

「それでは後、二人のレギュラーも発表します」

「ああ、頼む」

竜華により残りの二人のレギュラーが発表される。

「一人は我が部の研究者、船久保 浩子や」

「皆さん、よろしゅう」浩子

「もう一人が期待の一年生、二条 泉や」

「よろしくお願いします。先輩」

 

二人の紹介がなされる。と陣が代表して答える。

 

「こちらこそよろしく頼む。男子と女子で同じ卓につけないが俺は二人も同じチームと考えている」

「「はい」」

 

こうして男女両部のレギュラーが決定した。

 

 

 

 

 

 

「それにしても中の良いメンバーがそろったもんだな」陣

「そう言えばそうやね」竜華。竜華逹はともかく、浩子や泉とも陣逹は良く話すし対局もしている。

「でも、その方が合宿とか楽やろ」怜

「そうやね。合宿も合同で出来るし、陣君の家で集まることができる。大助かりや」竜華

そうな話しがされていた。

 

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