陣サイド
俺達は勝利した。
しかし「よっしゃ~勝った~」目の前のバカは騒ぎすぎだ。
「陣!見たか俺の活躍を!?」
「見たから少し落ち着きな」
「だってよ~」
はぁ、これ以上騒がせておくと、女子麻雀部の人達の雰囲気が悪くなりそうだ。止めて釘もさすか
「一樹、調子にのり過ぎた。少し黙れ」
部室の温度が2、3度下がった気がした。
陣の声は大きくはないけど、迫力は十分だった。
「お前は勝った。確かにお前自身は実力でだ。しかし、今回はお前と亮の珍しい麻雀スタイルによるところもある程度、存在する。そこを忘れんな」
「…悪い…」
落ち込んでいる一樹に陣は苦笑しながら肩を叩いた
「喜ぶなと言わないが節度は守りな、自惚れなければ、お前の麻雀は優秀だ」
「ああ!サンキュー陣」
「あ~ゆう会話も青春やな~」
「(セーラが頷きながら何かいっているようやけど、うちは気にせん)」
「よっしゃ立ち直った!陣!いつものやつをくれ」
「ほれ」
対局中に書いていたメモを渡す。
それを見ていた春先先輩が
「その紙は何ですか?」
「これは先程の対局を見て作った一樹と亮の練習メニューの追加分です」
「ということは部員の練習メニューは成瀬さんが 作っているんですか?」
「そうです。一部でよければメニューを見せますけど?」
「ぜひともお願いします!」
俺は持っていた鞄から一樹の練習メニューの一部を取り出して春先先輩に渡す。
「……凄い出来ですね。うちの部員の分も作ってもらいたいくらいです」
春先先輩は練習メニューをそういってくれた。どうやら認めてもらえたようだ。だか
「申し訳ありません。全員分となると俺達の分が疎かになるのでお断りします」
「そうですか…残念です。でも諦めませんよ」
後半は聞こえなかったが大丈夫だろ。たぶん。
「では、そろそろ俺達は退散します。始まりはどうあれ、今回の対局経験は俺達の今後にも役に立つでしょう。ありがとうございました。」
「私達もいい経験になりました」
春先先輩の言葉を最後に俺達は女子麻雀部の部室を後にした。
うちはセーラと先程の対局について議論していた。そうしたら、いつのまにか
「あれ?成瀬君達は?」
「なにいうてんねん、たった今出ていったで」
「あかん!成瀬君に話しかけるの忘れてもうた」
うちは部室を飛び出した。
「ちょっ!まちい竜華!成瀬と知り合いなんか?」
俺達が自分達の部室に向かっていると 「成瀬君!ちょっとまってーな!」
振り向くと、かなり久しぶりな人がいた
「確か……清水谷さん?」
「竜華でええよ。あと敬語もなしにしてや」
性格は相変わらずのようだ。
「了解、亮達は先に戻っててくれ。この人は俺の知り合いだ」
「わかった」
亮達は先に戻ってもらった。
「廊下だと話しづらいか食堂で話さへんか?」
食堂で席に座り改めて向かい合う。
「久しぶりやな成瀬「陣でいい」なら陣くん久しぶりや」
「そうだな。あのナンパ事件以来だから…三年ぶりか?」
「そう!そのくらいや。あの時、連絡先を聞きそびれてしもうた。でもまさか高校で、男子麻雀部の部長として再開するとは、夢にも思わんかったわ」
「それは俺もだ」
予想できたらそいつは神だな。
「あの時に悩んでた麻雀部を設立させたんやね?」
「竜華と園城寺のおかげでな」
「そらよかったわ~♪」
「そういえば園城寺はいないようだか?元気か?」
「怜も千里山に通ってるよ。本人も元気やで通院生活やけど」
「通院?園城寺って身体弱いのか?」
「本人は病弱キャラをアピールしてるで」
「アピールって…まあ元気ならいい」
「怜もたまに陣君の話をしてたから、会ってやってや」
「そうだな。同じ高校に通っているのも何かの縁だし、予定か合えば会いに行くか?」
「予定って…入院じゃなくて通院なんだから、月曜日にでも、うちらの教室くればええやんか?」
「…確かに…」
「陣君、少し抜けてる所があるんやな」
「…言うな」
「そんな事より、携帯教えて~な」
「赤外線でいいか?」
「オッケーや」
連絡先の交換完了
「まだ聞きたいことがあるんやけど、部活に戻らんとな。あとは怜がいるときに聞くわ」
そうしてその日は別れた。
男子麻雀部部室に戻ると。
「もどたっぞ」
「・・おかえり」
部室に戻ると良介以外の三人が何かこそこそ話していた。
「さっきの子と陣とどんな関係なんだろうな~」
「まさか彼女か!?」
「流石にないですよ薫君。久しぶりって言ってたじゃないですか」
「まて! 元カノの可能性もあるぞ」
「ドラマの見過ぎです」
俺が後ろにいるのも気づかずに好き勝手言いやがってこいつら。
「どんな関係が知りたいか?三人とも」
「「「!」」」
「教えてやるよ。ただし、その前に」
「「「そっその前に?」」」
「好き勝手言ってくれた分の回し蹴りくらいやがれ!」
「まっまて陣!話せば解る!」「すみません陣君!」「許してくれ陣!」
「問答無用!」
ドコーン!×3