気づくとギレンでドズルが怒鳴ってきた。   作:7576

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月での技術試験、その2

ヨーツンヘイム格納庫 ヅダ搬入時の出来事。

 

「技術中尉……新しいお客様ってわけね」

 

「これは特務大尉……彼はジャン・リュック・デュバル少佐です。ツィマッド社からのテストパイロットで…」

 

「彼、なかなかの面構えね」

 

「はい。ザクとヅダ、正式化競争の際にジオニック社とツィマッド社では激しい争いがあったと聞きます。テストパイロットといえどそこはまた別の戦場をくぐり抜けていると思えば……」

 

「……技術馬鹿も極まってるわね……。こうしてみるとヨーツンヘイムも流石に満載ね」

 

「あ、はい。モビルポッド、MS、さらには武装コンテナまでありますからね」

 

「加えて現地ではあの黒い三連星も参加すると……技術試験の概要を聞くのが楽しみね」

 

「はい、任せてください」

 

 

ヨーツンヘイム艦橋

 

ヨーツンヘイムクルーとテスト人員が揃っていた。

この場にいるテスト人員はカスペン大佐、デュバル少佐、ワシヤ中尉。 

学生達はいない。

 

「彼らは皆、ニュータイプです。詳しい事は技術中尉の説明で」

 

キャデラック特務大尉は言いたいだけ言ってマイ技術中尉に放り投げた。

 

「はい。ではまず受領したMSについてからになります。EMS-10ヅダはツィマッド社製の土星エンジンと呼ばれる高出力エンジンによる機動性により、ザクをはるかに凌駕する機動性を持っています。四年前の正式化競争に於いて露呈した機体の耐久性はジオニック社の技術提供により改善されています。ならびに新機軸の拡張現実システムを使った擬似全面コックピットブロックを搭載。兵装は流用されていますが、この使用データも来るべき統合計画において大事なデータとなります。しかしながら技術的な互換性の検証が不十分な為にEMS-04における耐久性の問題が本当に解消されたかはまだ若干の不安が残っています。また新たな予期されない不具合が起きる可能性もあります。テストパイロットはカスペン大佐、デュバル少佐、ワシヤ中尉です」

 

マイ技術中尉が早口ぎみに兵器説明を行なう。

 

「次はMP-02Aオッゴです。統合整備計画による廃棄予定となるパーツや生産レーンの有効活用による戦力増強ならびに技術的互換性を強化する為に開発された試作駆逐ポッドとなります。非常に安価でありながらザクに勝るとも劣らない戦闘力の確保に成功しています。テストパイロットは本国からのニュータイプ達です。その能力によってオッゴの性能は底上げされるでしょう」

 

「あ、はい。職務を全うしたいと思います!」

 

クルーの装備しているヘルメットにいきなり表示される学生達の映像。

音声は艦橋にも届いていた。

 

「学生か……そしてこれもARだかのテストということかね」

 

「はい、そうなります」

.

「学生にはプロの軍人というものを叩き込まねばならんな」

 

カスペン大佐が義手を触りながら述べる。

代表の学生がそれにビビりながらも敬礼する。

 

「ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします!」

 

「よろしい」

 

 

「フフッ、艦長の私からは言うことはないようだ。技術中尉、続けてくれ」

 

「はい。上層部の構想としては非戦闘地域の防衛をこのモビルポッドに任せる事で正面戦力の増強をはかる考えのようです。学生に関してはニュータイプ適性のテストや実地研修という事ですね」

 

「職業訓練ということだな。この先、学徒出陣とはならんよう我々が励まなければな。それでニュータイプ適性……それは一体?」

 

「はい。それに関してですが……受け取った資料によればニュータイプは、認識能力の拡大により人並外れた直感と空間認識能力を持ち、離れていても他者やその状況を正確に認識し、意思疎通が可能な能力を有しているとあります。このため敵を視認することなく、気配で探知し、さらにその機動を先読みして攻撃し、さらには敵の攻撃を察知して回避するなど、戦闘において圧倒的な力があると……」

 

「なるほど……試験結果を楽しみにしておこう。我が艦については?」

 

「はい。技術試験艦ヨーツンヘイムは二つのコンテナが特徴的な船です」

 

「元が貨客船ですもんね〜。あ、なんでもないっす」

 

ワシヤ中尉が周囲から睨まれた。

 

「……そのコンテナを利用した武装コンテナシステムを試験、並びに増設されたスラスターや対空砲、さらには拡張現実システムを用いた指揮系統の強化がどのような影響をもたらすか試験を行います」

 

「戦闘力……まぁ防衛力と言った感じであるが。ただの輸送船が戦えるのかね」

 

「それを確かめる試験であります。試験に関しては標的艦としてムサイ三隻、加えて黒い三連星が参加し、各種テストを行っていきます」

 

「なるほど、よくわかった」

 

「技術中尉としては以上となります」

 

「他に何かなければ、試験を開始していきたいと思うが」

 

「艦長、私から良いでしょうか」

 

「特務大尉……構わないですよ」

 

「では総帥府直属の特務大尉として言わせていただきます。本試験はギレン閣下も大変期待されているものです。試験最中には突撃機動軍から黒い三連星も参加されます。そして宇宙攻撃軍からはカスペン大佐が、ツィマッド社という民間からはデュバル少佐がそれぞれ参加されています。つまりこの試験はジオン公国の行く末を左右するものであり、その点を忘れる事無きよう皆様の責務を果たしていただけますように」

 

「無論だ」

 

カスペン大佐がそう答える。

 

「では各員試験準備をはじめてくれ。合流に手間取るわけにはいかんぞ」

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