BanGDream!〜Side by Side〜   作:音の出るゴミ

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あの時を本当に思い出すと、気分が悪くなり、怪我した左足が痛くなる。

あれは俺の言葉のせいで、香澄と自然消滅したし、それはそれで良かったものの香澄のなにかが変わったような気がして、気にしてる俺は自分で自分を押し殺して喋りかけないようにして、香澄に対する思いを封印していた。


過去

3時間目の休み時間。

眺めがいい外側の窓から見る景色。

こちらの方の桜は完全に散っていた。

儚いものだよなほんと。

 

「ねえねえ!市ヶ谷さんって美人でお嬢様って感じだけど、病弱なのかな?」

 

市ヶ谷有咲か。

頭もいいし巨乳でまじで顔が美人で、学校休みがちなか弱い人か。

このクラスのかわいい人投票1位秒読み候補。

けど猫かぶってそうだよな。

俺はなんか雰囲気でわかってしまう。

あれは本当は言葉使いがものすごく悪そう。

はぁ、考え事したら眠くなってきたよ。

休み時間もあと五分しかないけど寝るか。

 

☆☆★

 

あれは、確か中学3年の二学期の9月の月曜日だったと思う。

日曜日が記録会だったから部活が休みだったんだ。

3000mの記録会。

自己記録の8分47秒をかなり下回る9分28秒だして顧問にめちゃくちゃ怒られて、他のみんなには貧血じゃないか?と心配してもらった時だ。

確かに毎日毎日ポイント練詰めで体にガタ来てたんだ。

今日はジョグもせずにゆっくりギターと戯れようと思い、長年お年玉貯めて買ったESPの青色のランダムスター。

陸上の練習がどんなにきつくても弾いてきた相棒だ。

音楽の先生とは仲が良く、第1音楽室はマーチング部が使うから第2音楽室なら使ってもいいって言われ、第2音楽室に行った時。

SGのギターの音と、初めて聞く綺麗に当ててる高音の声。

俺は扉の前で、立ち止まってしまった。

心に直接響き、ぬくもりがあるけど氷のように透き通るような綺麗な声。

その猫みたいな髪型で、明るい性格が滲み出てる可愛い顔。

 

「綺麗な声だな…」

 

思わず声が出てしまった。

その声が大きかったのか、その子に聞かれてしまい。

その子はギターをそっと置いて走って逃げていった。

俺は追いかけないといけないと、思ってしまい、走ってその子を追いかけてしまった。

 

「ちょっと待って!なんで逃げちゃうんだよ!」

 

「恥ずかしいからに決まってるからだよ!」

 

2人とも廊下を仲良く走り、生徒指導の先生に見つかり、怒られ、俺のギターを弾く時間が無くなってしまった。

 

それが俺と戸山香澄の出会いである。

 

☆☆★

 

その出来事から連絡先を交換して次第に仲良くなって、さらに一ヶ月後には俺達は付き合っていた。

付き合い始めてから俺がカホンを叩いて、香澄がギターを弾きながら語り引きをして、それが好評だったのか2人でライブハウスのライブに出たりしていた。

俺的に付き合い始めてから、陸上もかなり上手くいって、駅伝の方は全国の方まで行って入賞して、区間賞をとった。

全ては香澄のお陰であるし、お互いを支えあって理想のカップルなんて言われて嬉しかったな。

 

☆☆★

 

そして、3月の終盤。

 

「親父。もう高校入学式だから新しいギターでも買ってくれよ」

 

「お前俺がくれたお年玉でランダムスター買って使ってるくせに文句言うな殺すぞ」

 

俺の自慢の親父だ。

今はサラリーマンだが、昔はバンドで大きい夏フェスにでた実力者で、有名バンドのサポートも今でもしてる仕事よりも趣味でお金を稼いでる人だ。

 

「龍太、お前もギターの実力も出てきたし、今度好きなバンドのライブのサポート俺の代わりに出たらどうだ?」

 

「いや、無理でしょ」

 

「大丈夫だ。俺の太鼓判貰ってるやつは大体出来るやつだよ」

 

「じゃあそのサポート代わりに出てる時親父は何するんだよ」

 

「来月分のお前の生活費でこの家にデリヘル呼ぶんだよ」

 

「ぜってえでねえ」

 

「ウソだよ。お前は今日香澄ちゃんとスタジオ連か?」

 

「そうだけどなんかあるの?」

 

「香澄ちゃんも呼んで来い、焼肉行こうぜ」

 

「まじで?特上カルビいただきマース」

 

「は?お前には安物の牛タンしか食わせねえよ」

 

このくそ親父が。

 

「まあそういう事だからお互い家を出よう香澄ちゃんを待たせるわけには行かんだろお前は」

 

「そういう親父は営業のアポ遅刻すんなよ」

 

当たり前よと言いながら仏壇の母ちゃんに手を揃える。

母ちゃんも親父と同じバンドのメンバーで、俺が幼い頃に亡くなった。

今じゃ立派親父になっているので見守ってください。

 

☆☆★

 

「香澄、今日は親父が焼肉行こうだって」

 

「ほんと!やったー!!」

 

香澄は飛びっきりな笑顔ではしゃいでいる。

それを見て俺は今の幸せを噛み締めている。

あと2週間で長野の佐久短聖に行くからだ。

お陰様で特待で行けるのが一番親父への恩返しをしたと思う。

 

「けど龍太2週間したらいなくなるんでしょ?」

 

「まあそうだけど夏休みになったら帰ってくるよ」

 

「それでも嫌だよ」

 

そう言って目に涙を貯めて訴えてくる。

俺だって離れるのは嫌だけど親への恩返しのために頑張るしかないんだ。

 

「まあ待っとけって俺がもし大学香澄と同じで箱根言ったらお前が自慢できるんだからそれまで我慢だよ!その代わり高校は長野だから来るなよ!勉強頑張って一緒に大学通おう」

 

「わかった。絶対約束ね」

 

そう言いながらも涙を流す香澄を見るともの凄く心が痛む。

それからしばらく歩くと道端に野球ボールが転がり子供が取りに行こうとしていた。

 

「ちょっと待っててね〜」

 

と香澄が取りに行こうとしていた。

その時、車が猛スピードで香澄に迫ってきた。

 

---危ない

 

そう判断した途端に香澄の所で全力で走っていった。

 

---間に合え!

 

時間がものすごく遅く感じた。

猛スピードで迫ってくる車に呆然としている香澄を突き放し。

俺は車に轢かれた。

車のミラーに映っていた人は紛うことなき俺の親父に似ていた。

俺は車が電柱にぶつかり、ボロボロになる所までは覚えていた。

 

☆☆★

 

ぶつかった車は俺の親父だと判明し、くも膜下出血で即死。

俺の場合は命に別状は無く、アキレス腱断裂、肋骨のアバラを複雑骨折。全治3ヶ月の怪我だけで済み、佐久短聖からの入学を断られた。

香澄の場合はひざのかすり傷だけですんだことが幸いだった。

 

怪我して2ヶ月半が立ち、自殺しようとして何回も飛び降りを決行しようとしても香澄の顔が思い浮かんで未遂に終わった。

香澄は俺のお見舞いに毎日来てだいぶ助かってるが、香澄は以前の明るい性格じゃなくなってるような感じがする。

 

そして俺は香澄に苛立ち始めてとんでもない事を言い放った。

 

「お前は俺のことほんとに好きなのか?」

 

---やめろ

 

「お前のせいで俺の陸上人生、そして俺の父さんの人生も終わったんだぞ。お前の無事だから俺もこう自殺しようとしても生きてこられた。けどな、お前の前のような明るい性格が消えていくのは耐えられないんだよ」

 

---なんで口が止まらないんだ

 

「もうお願いだ。ここに来ないでくれ。そして今は俺に構わないでくれ」

 

---なんでなんだよ

 

それから俺と香澄は会わなくなった。

ほんとに俺は最低なことを言ってしまったし、もう死んでもいいと思った。

 

☆☆★

 

「……やっべ!」

 

気がついたら30分過ぎていた。

背中が汗でびしょ濡れでなっていた。

家庭科だから移動教室か!

やらかした……。

ん?メモ用紙にグローブ袋?

 

『うなされてるから昔の夢見てるのバレバレ。俺からの前払い+ひまりの奢りだ 早雲&ひまり』

 

グローブ袋の中にはセブンスターとカフェラテが入っていた。

本当にあいつらには感謝しないといけない。

 

☆☆★

 

学校の屋上はいろんな景色が見れる。

例えばスポーツ科のスポーツⅠすなわちスポーツ理論でどう体を動かすかっていう実践の授業。

普通の体育はソフトボールをしている。

そして遠くに見える江戸川の景色。

今日はいつも異常に綺麗に見える。

 

「はぁ」

 

俺はさっき貰ったタバコを吹かしながらカフェラテを開ける。

心が落ち着く。

授業が終わるまでここにいるか。

 

「手を上げろ!」

 

「ふぁ!?」

 

突然のことだから、驚き素直に手を挙げてしまう。

 

「お前は誰だ。学年、クラス、主席番号をいえ!」

 

「染谷龍太!1年8組!18番!学科は普通科だ!」

 

「ちっ、同じクラスか」

 

なんだこの見覚えのある金髪のツインテールの人は、あっ

 

「やっぱ市ヶ谷さん猫かぶってたんだね」

 

「は!?かぶってねえし」

 

「じゃあなんでいつもごきげんようとかいってるんですかねぇ?」

 

「え、これには事情があるんだし」

 

「とりあえず手を下ろしていい?」

 

「お、おう」

 

手を下ろした時に一つ言いたかったことを言う。

 

「前から思ってたけど市ヶ谷さん足太いよね」

 

パンっ!

 

俺の頬に手のあとがついた。

まあ当たり前か。

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