回生のライネル~The blessed wild~   作:O-SUM

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○前回のあらすじ
 
 近衛隊長「カッコイイ俺様は火力にステ全振りする。守りは任せるから全部身体張って受け止めろ。後頭部どうせガラ空きで使い道無いよな?武器をしこたま括り付けて有効活用してやる。耐久値減らさないように、間違っても武器で攻撃受けるんじゃないぞ。……え?弱点が前面にある?いいから正面で受けろ甘えんなタコ。手持ち武器壊れたら交換するから、敵と俺様の間に割って入って背中を俺様、弱点は敵に晒せ」
 歩行型ガーディアン「……┌┌(┌ ◎ )┐ピピピピピピピピピピィィ ィ ィ!! 」

 ※今話は、前回からの続きです。


∴ 王の決断と姫の決意

   *   *   *

 

 

 何回かの休憩を挟みつつも、評定は終盤に差し掛かっていた。

 

 報告から抽出された、改善すべき問題点への方針は軒並み決定されている。後はそれぞれ、各所の専門機関で対策を煮詰められていくだろう。

 今議題に挙がっているのは、民に直接影響する喫緊の課題として最も議論に時間を要するだろうと事前に判断され、当たり前のように最後に回された案件であった。そしてそれは予想通り、その場にいる全員の頭を悩ませている。

 

 ――各地で活発化した魔物襲撃に対する、国としての方策をどうすべきか。

 

 ごく少数で都市に特攻してきたかと思えば、二桁を超える数で開拓村を蹂躙したという報告もあり、現在のところその出現地域や物量の法則性は明らかになっていない。共通するのは、リスクや目的度外視で本能のまま暴れているとしか思えない、その凶暴性だろうか。手傷を負えば命を失う前に逃げ出す程度には知能があるはずの魔物が、全て死に絶えるまで突撃を止めようとしないのだ。

 それが全国いたる場所で発生しているという異常事態に、どう対処することが正解なのか。

 

 各地方で発生した襲撃報告を持って来た英傑達はそれぞれの部族の代表として、事態に対する姿勢を既にある程度固めていた。それは各地の故郷に所属するブレーン達によって作られた検討策によって示され、提案という形で参加者全員に伝えらえている。

 

 彼らの持ち込んだ検討策、そしてこの場で纏められつつある方針は、大別すれば2つに分けられるだろう。被害拡大の阻止を第一とし、大規模な討伐軍でもって魔物の巣を狩り尽くすという拙速を求めた攻勢か。発生原因の究明を第一とし、それが判明するまで村や都市の防衛を優先させる巧遅を重視する守勢を選ぶかという2択だ。

 そのどちらも、取組みの入口こそ違うが、今回の現象の背景にあるかもしれない厄災を意識した方針であるのは間違いない。

 しかしながらこの時代、国同士の戦争が無いハイラル王国は、そもそも保有する兵数が乏しい。数に勝る魔物との戦闘においては、画一された性能の武具と培った訓練による、個人の戦闘能力に頼っている部分が多いのだ。元々多くない兵士達のみでは、どうしても頭数が要求される人海戦術を行う場合、攻守両方に一長一短のメリットとデメリットが浮かび上がってしまう。

 

 食い違う主張に躍る協議の中、ハイラル王が支持した方針は――守備。

 

 攻撃を選べば、魔物による民の被害を未然に防げる確率は上がる。積極的な対応を国内に示すことは、防衛設備の整っていない小規模な集落に住む者達への安寧の保障にも繋がるだろう。しかしながら人の目を避けるように点在する魔物の巣を見つけ出すことは容易ではないし、不規則に出現する魔物達の対応に振り回されてしまう事態も十分有り得る。そうしていざ、厄災発生の時には国力と兵力が分散されて消耗していました、という可能性は大き過ぎるデメリットだ。魔物を警戒して辺境の集落を守った結果、厄災に王国が滅ぼされたのでは本末転倒である。

 

 ならばと、人口の多い生活圏の守備を固めることにまず注力。その間に各地で出現する魔物の分布や個体としての強さの統計を取ることで、厄災復活の地点を事前に割り出せる可能性があるとした研究者の意見を容れたのだ。

 もし事前に厄災復活の地点が大まかにでも予想できるならば、神獣やガーディアンの配置、民の避難などの対処が容易となるため、その利点は大きい。ある程度の規模以上を持つ街に限って防備を固めるのなら、国力をさほど減らすことなく被害を抑えることもできるだろう。

 反面防衛に専念することは、その範囲に含まれない小村や集落への魔物襲撃に対して初動を遅らせてしまうために、その地に住む国民の出血を強いる可能性が高い。しかし、王国という大を救うためには止む無しというのが、王の決断であった。

 

 まずは都市規模を持つ街周辺の防備を固める。しかるのち魔物襲撃の報告が寄せられる最寄の都市から、防衛戦力を除いた余剰兵力による討伐と調査を行う。

 その基本方針は家臣達はもちろん、英傑達も理解を示したことで、最後の評定はそのまま採決される――、はずだった。

 

 「お待ち下さい、ハイラル王」

 

 近衛の報告から以降、まるで置物のように消沈してしまい一言も発さずに座っていた王女が一転、決然とした雰囲気で王の言葉を遮るまでは。

 

 

   *   *   *

 

 

 目の前で国の行く末を話し合う大事な評定が行われているにも関わらず、全く無関係の傷心に私はしばらく顔を伏せてしまっていた。

 心が落ち着いてようやく耳に入る言葉を理解し始めた時には、もう評定は最後の議題、魔物達への方針策定の詰めを行う段階に入っていたことに気付き、慌てて中断してしまっていた自分の考えをまとめようと試みる。

 ただ情報を整理することにさえ焦る頭は空回りしていたが、それでもようやく状況を理解した時、「国王として決断せねばならぬようだな」という小さな呟きが聞こえてきた。傍に控えていた私くらいにしか届いていない言葉。民の犠牲に目をつぶってでも、厄災への備えを万全とすることこそが急務であるとお考えになられたのだろうか。その後に続けられた御父様の発言は全て、その責を自分に集中させようとしているようであった。

 既に採るべき選択は決められているのだろう。けれど清廉果断の王として知られるお父様が、自らは守勢を選びたいと表明された後も王命として即言い渡すことなく、反対する意見も含めた皆の発言を許されている。

 初めはその姿を訝しんでしまったが、これには賛成の数を増やして責任を分散させたいのではなく、出席する臣下や英傑達に遺恨を残さず納得して貰い、勤めに迷いを残さないように促す意図があった。これに気付けたのは、間もなく彼らの瞳から、王の決定に対する不安や不満が薄れて、その決断を間違ったモノにしないように努めなければならないという使命感の輝きが、ハッキリと浮かんでいるのが分かったからだ。

 

 頼もしい。――素直にそう思える、揺れない王を信じて支える家臣達。

 その姿に、いつでも私を見つめ返してくれる"彼"の藍色の目を思い出す。

 

 そうだ。

 振り返れば部屋の壁際に、いつも通りの距離を保って控える彼がいる。

 近衛の方々もいる場である以上、もう少し気を緩めても良いのではないかと思う。けれどそう伝えたところで、彼はただむっつりと頷いてみせるだけだろう。そしてきっとこれまでと同じように、自分に課せられた使命と絶やさない正義感でもって、「王に任された姫を守る」という騎士の誓いを誠実に果たそうとするに違いない。

 私の騎士は酷く融通が利かず、頑固者なのだ。

 

 ……私からの一方的な嫉妬によるわだかまりが解けた今でも、彼のこうした姿勢は時々眩しく感じてしまう。鍛え上げ、結実した意志と剣技によって課せられた使命を全うする姿は、まさに正しい騎士の模範。目指したモノを体現する様は、私が求めてやまない、けれど未だ手の届かないものだから。

 それでも理想の騎士が無才の姫を見る瞳に、失望や嘲りの心を浮かばせてはいないことを、私はもう知っている。だからこそ、そんな彼と視線を合わせるたびに思う。この瞳と向き合えなくなる行いはできないと。

 私の器はまだまだ空っぽで、少し周りに突かれただけで揺れてしまう薄っぺらな姫だけど。そんな私を支えてくれる彼は、王が認めた本物の勇者なのだ。

 

 (御父様……)

 

 姫巫女としての修行を始めて以来、為政者然とした国王の顔しか、娘の私にも見せて下さらない御父様。

 けれど王国の危機に際し最悪を回避し続けなければならない王として、公私の区別無く甘えや情を挟めずにいることに気付けたのも、彼のおかげだった。才能故に集める周囲の視線を意識し過ぎた結果、感情を表に出せなくなったという彼が打ち明けた話を聞いて以来、「どんな人にも他人からは見えない悩みがある」ことが意識できるようになった日を境に、私は御父様の叱責の裏に隠れた愛情や苦悩を感じている。

 しかし父の愛に安堵して、闇雲に姫巫女の修行に明け暮れることは正しいと言えるだろうか?

 務めを果たせられない自分が軽んじられるのは当然だと、そんな自分の評価にあぐらをかいて、王国の姫が民に迫る脅威を知り、それも仕方ないと振る舞うのが正しい姿だろうか。

 

 御父様が国王であるなら、私もまた王女である。

 王族とは民を守り、民に支えられ、民を導く存在。今回の王の決断は国を保つことを第一にして最終的に民を護るためのモノであり、臣下もそうした方針を理解して動いている。だけど民の全てが、行われた政策から王の想い全てを受け取れるとは限らない。

 守備戦力が常駐しない小さな村々が魔物に襲われれば、そこにいた民は生活の手段を失って土地を離れてしまうかもしれない。もし厄災復活前にその状況が長く続くならば、民の心が王権から離れてしまうことだって起こるだろう。そうして国内がバラバラの状態で、厄災復活の際に国を守ることが出来るかは疑問だ。

 民が苦境の中にも王権を信じる心を保たせるためには、王が民を見据えた政策を行い続けなければならない。しかし、1万年前から伝わる伝承でしか厄災の規模を計れない国王は、どっちつかずの方針で中途半端な舵取りを行うことはできない。今回に限らず、王の迷いが臣下に伝われば最悪、中央である城内が割れてしまう恐れもあるのだ。

 

 ――だから、私が動かなければならない。

 出来損ないの姫が政治に、しかも王の決定に意見することは、臣下達からの悪印象を決定的にしてしまうかもしれない。王もその内心はどうあれ、国の方針に感情で逆らう愚か者の提言など一蹴することだろう。すげなく断られる可能性は決して低くない。

 しかし王族として、王が民を見捨てない姿勢を示すことができないならば、せめて王女はその為に立ち上がらなければならないのではないだろうか。「姫巫女」としては優先順位を違えた行動をするべきではないと分かっている。……けれど、御父様が繰り返し私に説いて下さった「王家の姫として気丈に振る舞うべし」という言葉。御母様を失ったばかりだった幼い私を慰めるだけの言葉ではない、王族の心得を諭された「王女」の私が、民が生餌のように放置される状況を見過ごしてはならないと叫んでいる。

  無才の姫の言葉などに大した力は無いかもしれない。けれど王が非情の判断で国を守るならば、姫はその王の良心を民に示さねばならないではないか――!

  

 背中を向けた今の私には、後ろの"彼"の瞳を見ることはできない。

 それでも彼はきっと、"勇者"が守るべき姫として、今も私の背中を見守ってくれていると信じている。

 

 「お待ち下さい、ハイラル王」

 

 だからこそ私は、苛烈な君主の仮面を被った国王の、けれど悲痛に目元を歪ませるその瞳を知りながら、声を上げることが出来たのだった。

 

 

   *   *   *

 

 

 「おやぁ? 姫のお()りをしなくて良いのかい、ウルボザ? 」

 

 隣に座るリーバルが、嫌味そうにクチバシの端を持ち上げる。

 青いスカーフをいじりながら、退屈そうに会議を聞いていたと思ってたんだだけど。どうやら今は、目の前の光景を楽しむことにしたらしい。面白そうな表情は何とも、性格が悪そうに見えて仕方ない。

 遠く離れた獲物も捉える鋭い目は、今はハイラル王に一喝されて怯みながらも、懸命に自分の考えを押し通そうと問答している御ひい様を眺めていた。

 

  「あーあ可哀想に。姫、足が震えちゃってるよ? 何を頑張っちゃってるのやら」

 

 私が普段から御ひい様を気に掛けていながら、こうして座ったまま眺めているのが意外だったのだろう。いかに御ひい様が精神的に追い詰められているかが分かる様子を、さっきからやたらと伝えてくる。

 

 (……このリト族の英傑様は、どうやら私に御ひい様の援護をして欲しくてたまらないらしいねぇ)

 

 コイツなりに御ひい様を心配しているらしい。遠回しで捻くれた、ひどく分かりにくい気の遣い方だが、それでも他人の機微には敏感なのがリーバルだ。最も普段は、鉄仮面染みた私達のリーダーの心情を読み取り、煽ることばかりに使われているのが玉に瑕だろうがね。

 リンクは国の近衛騎士だから立場があるのさ。王と王女の間に割って入れるはずもないだろう? だからコラ、御ひい様の後ろで動けないでいるアイツを見て露骨な舌打ちは止めてやりな。

 

 「そんなに気になるならアンタが助けてやれば良いじゃないか」――そう言い返してやろうか?

 そう言えばまたピーピー騒ぐかもしれないが、内心穏やかじゃない気持ちでいるところに分かり切っている実況を聞かされるのは、いい加減鬱陶しいんだよ……。

 そう考えつつ横目で見ると、リーバルを挟んだ向こう側の席、その特注の椅子をなお窮屈そうに軋ませながら座っている英傑の一人が、堪え切れないといった風に笑いを零しているのが視界に入った。

 

 「姫さん、頑張ってるじゃねぇか。いいねぇ、熱いこったぜ! ……だからまぁ、水入れてやんなよ」

 そう自慢の顎ヒゲを撫でながら、やや熱が入りそうになった私とリーバルを牽制するダルケル。

 

 「ただの頭でっかちな学者じゃできねぇ振る舞いだぜ。ちっ! ルーダニアの件が無けりゃあ、俺が村の巡回を買って出てやりたいところなんだがよぉ」

 ゴロン族らしい豪胆な物言いである。

 しかし自身のコンプレックスから来る卑屈さが最近目立っていた御ひい様の、驚きとも言える大立ち回りをしっかり見守ろうと声を抑えている辺り、何ともダルケルらしい配慮だった。

 その仲裁に肩をすくめつつ「防衛の要のアンタが手伝ったら本末転倒だろ」と返すリーバルも、最早ハイラル親子に茶々を入れるつもりは無くなったようだ。……いや、このあっさりとした退き方から見るに、初めから無かったのか。

 

 「姫様の誰かを守りたいって気持ち、報われてくれると良いな……」 

 

 リーバル達とは反対側の私の隣に礼儀正しく座っているミファーも、心配そうに御ひい様を見つめている。治癒魔法を得意とするゾーラ族の姫らしく、傷付けられる民を想う御ひい様と共感する気持ちも強いんだろうね。

 

 御ひい様が今どんな気持ちで王と言葉を交わしているか、身近に彼女と接してきた私にはそれが分かるつもりだ。常に自分自身の非才を責め、少しでも何かを成そうと我武者羅に頑張っている御ひい様のことだ。封印の巫女姫として国に何も貢献できない以上、王女という立場を使ってでも民の為の何かをしなければならない、とでも思っているんじゃないかね。

 内情はどうあれ、公式の場における王女の発言ってヤツは、決して無下に出来るもんじゃない。ましてや国民の為の発言ならば尚更だ。

 政治にまだ関わっていない世間知らずの姫の言葉でも、真っ向から却下することは臣下達には難しいだろうし、王だって民への手前、その発言の全てを否定することはしないだろう。

 

 しかし厄災を前にして、娘の言葉で国防の見積もりを甘くするハイラル王ではない。

 

 ……恐らく各地の泉への修行、または未だ叱責されながらも黙認されている姫の遺物調査の途中に立ち寄るだろう村への『慰撫訪問』のみ許す、といった名目を与えられるくらいが落としどころではないだろうか。表向きは「王族は国民の全てを気に掛けている」というアピールになる行動への許可は得られても、主要都市や砦の防衛戦力から戦力が割かれることはないはずだ。

 

 それでも御ひい様が率先して国民達を守りたい場合、自前で戦力を用意する必要がある。広い意味では私達も御ひい様付きの戦士となるかもしれないけれど、私達4人の英傑は神獣の操作に一刻も早く習熟するという最優先の使命を抱えている上、それぞれの故郷も守護しなければならない立ち位置にいる。とても長期の間、御ひい様の側にくっ付いてやることなどできない。

 そうなると御ひい様が自由に動かせる戦力と言えば、封印の巫女姫に付く近衛騎士ただ一人。ハイラル王は、そんな娘の現実だって知っているはずだ。そして、近衛騎士へ自分の我儘で大きな負担を掛けることを、今の御ひい様が望まないだろうということも。

 王は国を守り、王女は民を想う。しかし騎士を慈しむ王女は、危険な場所へ深入りできない。自らの行動範囲を広げることはそのまま、大事な近衛騎士への負担に繋がるということを理解するがゆえに。

 

 (つまりは、そういうことだろうね )

 姫が動いて変わることは、王家に対する民の不満を和らげる程度。

 辺境に住まう民を救う手段とは、なり得ないということ。

 

 ……御ひい様はまた自分の無力を嘆くだろうか。まるで思い通りにならない現実に打ちひしがれるだろうか。そんな彼女に、励ましの言葉を掛けるだけしか出来ないだろう自分が、歯痒くてならない。

 今も、御ひい様の王女としての経験を邪魔してはならないという理由を勝手に心の棚に作って、その報われないだろう頑張りを静観している。これが砂漠の民の英傑、ゲルド族最高の戦士の様とは笑わせるじゃないか。

 

 (けれど、アンタは違うだろう?御ひい様の一番近くにいてやれる、アンタは私達には出来ないことが出来るはずさ…… )

 

 剣の天才。現代の英傑の要。退魔の剣の主。

 様々な二つ名を贈られている、私達のリーダー。御ひい様がリンクを酷使するはずも無ければ、リンクもまた御ひい様の指示を無視して動くこともないだろう。けれど出来ることならリンクには、御ひい様の想いを汲んでやって欲しい。そしてその人生を捧げ続ける愚直な頑張りが実を結ぶその時まで、その心身を守り通して欲しい。

 

 

 『王が認めるゼルダ姫付きの近衛騎士』

 この称号こそを、私はリンクに誇って欲しいのだ。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 

 

 その日、ハイラル王は国の方針として『各地で活発化する魔物への防衛策』を告知。

 

 主要都市や砦、大規模な集落を中心とした防衛陣地を常設し、魔物への備えとすることを発表する。なお、その陣地は辺境の小村には設置されない為、早期の移住や避難が推奨された。

 

 合わせて近日中に行われる、ゼルダ姫の地方訪問の予定を公表。

 目的は『泉の聖地への巡礼』。

 魔物によって故郷を追われることを余儀なくされた民を慰めんとする心優しき姫の噂は、ハイラル城から泉への道中に存在する村々に留まらず、国全体へ拡散。口頭の噂話とは思えないほどにバラつきを見せることなく地方を巡り、リト族・ゴロン族・ゾーラ族・ゲルド族の長達は、揃ってこの行動を賞賛する。

 

 引き摺られるように姫を称える民の声。やがて、高まった気運はハイラル王家と共に国の困難を乗り越えようとする決意を、国民に固めさせた。

 

 

   *   *   *

 

 

 

 

 ――その告知後、しばらくして。

 

 オルディン峡谷の山間で、老いたライネルを従えた獣王が立ち上がった。

 




 第三者 → 姫様 → ウルボザ → 第三者の視点移動分かりにくい……でも(**視点)とか付けたらなんか間抜けな感じに。文章力が切実に欲しい。
 1話を3000~4000文字で収めようと思ってましたが、たださえ4話と前後半に分かれてるのにさらにブツ切りはマズイかとそのまま上げました。

※ブレワイの姫様と王様は大好きです。念のため。
 母親が急逝して以降この親子は心温まるシーン皆無ですが、娘は御父様すごく慕い切っているのは見てて安心しますね。普通なら闇落ち不可避ではないでしょうか。
 ハイラル城では二人の本心が綴られた手記を読めつつ、すぐその近くに存在する『ウツシエの記憶』でその心がすれ違いまくる様を見せつけられるのは、スタッフの憎い遊び心を感じます。
 姫が生まれて以降、散々復活するよーって予約をしていたにも関わらず、満を持して復活したら「空気読めよ」「1万年も寝てたんならもう少し遅らせろよ」と煽られてそうなガノン様マジ不憫! 

 次回から、白髪のライネル視点へと戻れるかと思います。
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