「そ、それじゃあ万火くんとは初対面だし、自己紹介しましょうか」
そういうリアス先輩の顔は引きつっている。
客として呼んだ人間が上下移動しながら激しく回転していたら俺だってそうなる。
「私はリアス・グレモリー。このオカルト研究部の部長よ」
「リアス・グレモリーだと! よろしくね」
「私、姫島朱乃と申します」
「姫島朱乃だと! よろしくね」
「僕は木場裕斗、よろしく」
「木場裕斗だと! よろしくね」
「……塔城小猫、です」
「塔城小猫だと! よろしくね」
いちいち驚きながら答える俺につめたーい視線を送る一同。
事情を知っているイッセーだけは生暖かーい視線を送っていた。
「先輩方、テツは事情があっていつもこんな感じなんです。病気なんです、悪いヤツじゃないんです、むしろいいヤツなんです。たまにメンドくさいなぁと思ったりもするけど、基本いいヤツなんです」
「フォローになってねえ……」
場を察したイッセーがフォローを入れるが、全くフォローできていなかった。
「コホン、本題に入るわよ」
軽く咳払いをしてから、リアス部長が話を切り出した。
「単刀直入にいうわ、私達は悪魔なの」
「リアス先輩がバケモノ……?」
筋骨隆々で白目の伝説の超サイヤ人が脳裏に浮かんだ。
……あ、この世界じゃドラゴンボールじゃなくてドラグ・ソボールだったな、紛らわしい。
「違う、悪魔よ。万火くん……いえ、テツ。あなた、失礼なこと考えてないかしら?」
「してませんよ」
そうでもないけど。
〜原作と同じ部分はカットカットカットォ!!〜 by ワラキアの夜
「……私達は、テツにも神器が宿っているとみているわ」
時間が少し飛んだ気がするが気のせいだろう。
「いえ、その……違うと思います。これは俺の能力みたいなものですから」
「神器ではなく能力? どうしてその結論に至ったのか、説明してもらえる?」
「はい。俺の本来の能力は……そうですね、わかりやすく言えば現実を改変するものなんですけれども」
「現実改変ですって!?」
両手で机をバンと叩きながら、リアス部長が立ち上がる。
「落ち着いてくださ……あっ」
叩かれた衝撃のせいかはわからないが、ソファに腰掛けた姿勢のままフワーッ!とぬっくり浮遊が始まった。
「……まぁ、こんな感じで能力が暴走してます。自分の意思じゃどうにもならないし、どうなるかは俺自身にも予測できません」
「……そ、そう。大変みたいね……」
「実際大変ですよ、起きたら富士山の頂上にいたり、狭い路地を通ってたらいきなり頭だけが肥大化して引っかかったり、変な爺さんに「やっほ」って声をかけられたと思ったら殺されかけるし、関節は複雑骨折したみたいにグニャグニャになるし、さっきみたいに言葉遣いは散々になるし、顔の色が変わったり酷い時はピカソの絵みたいになるし……オレ もう泣きそうだよ……」
「メンバーカードがあればさ、秘密の店に入れるって話だぜ。だけど、その店がどこにあるかは、誰も知らねえってよ」
さめざめと泣いていると、俺の背後にいきなり現れた男が現れる。
そしてメンバーカードなるものの宣伝をしたかと思うと何事もなかったかのように消え去った。
「あの、今の人は……?」
「アレはああやっていきなり現れてメンバーカードと秘密の店の紹介をしては、何事もなく消えていくんです。風呂でもトイレでもいきなり出て来るから大変です」
「本当に苦労してるんだね……」
その場にいた全員の声を代弁したかのように、姫島先輩が俺に質問をし、それに答えると心底同情したかのように、木場が俺の肩にポンと肩に手を置いた。
その瞬間。
「うほを つかおう」
「また変な人が!?裕斗、鍵はしたのよね!?」
「し、しましたよ」
「尾崎先生……」
新しく出てきたのは、中年男性。
時たま出てきては、アドバイスをして消えていく謎の人である。
さっきのメンバーカードの人よりは良識があり、そのアドバイスに何度か助けられたこともあるから俺自身はすこーしだけ慕っている。
「……ハァ、神器ではなく能力というのが理解できたわ。宿主に害をなすだけの神器なんてありえないもの」
「わかっていただけましたか」
「とにかく、イッセーだけではなくテツも歓迎するわ。貴方の能力を本来の形に戻せれば、凄まじい戦力になるでしょうしね……朱乃、一緒にいる間はテツの面倒を見てもらえる?」
「はい、よろしくお願いしますね」
「うっす、よろ……よろ……よろし……」
周りが一瞬静まり返る、そんなに見つめるな。
「よろし クラリーネ」
姫島先輩は苦笑いを浮かべた。