翌日。
リアス先輩が偽造戸籍を元に作った免許証を、バイサー宛に持ってきた。
万火舞沙(よろずび まいさ)という名前で、建前上は俺の姉で海外主張から帰ってきたという事になるらしい。なお、設定年齢は25歳……だいぶ離れてませんかねえ、先輩。まぁいいけど。
なお、舞沙という名前はバイサーを日本人っぽくもじったものらしい。
そんなわけだから、今後はバイサーではなく舞沙と呼ぶ事にしよう。
「食事を作ってみたんだけど、どうかしら?」
食卓の上に並ぶのは、白米と納豆と焼き鮭と豆腐の味噌汁。ザ・日本の朝ごはんといった感じである。
見た目は美味そうだけど、果たして……?
とりあえず味噌汁を飲んでみる。
「! おまえ なかなかやる」
「それは良かったわ」
口に含んだ瞬間、出汁の旨味が広がる。
食レポじゃないから詳しくは言わないが……
うーん 朝ごはんは いいぞ。
「それで、これからの私についてなのだけど……」
「ん?」
「貴方達と戦った時の戦闘能力は、殆どがあの化物由来のもの。そのため、今の私じゃ戦闘は出来ない。目から怪光線を撃つのが精々よ」
「フォォォォ!!」と変な雄叫びをあげながら両目からビームを撃つ舞沙を想像してみたが……これはこれですごいと思う。主にネタ的な意味で。いや、既にネタキャラな俺が言うのも何だけど。
「だから、お手伝いというのかしら?そういった補助面に回るわ……先ずは炊事掃除に洗濯から始めるわね」
ふむ。
この朝食を見れば、大丈夫だろう。
とりあえずは好きにやらせてもいいかな。
「ごっそさま」
「お粗末様で……ほら、今日も学校なんでしょう?準備をしたら早く行く!」
「お、おお……」
パンパンと手を叩きながら急かす舞沙。
……姉ってより、オカンっぽくないですか。舞沙さん。
「あぁ、それと私も事務員として駒王学園に配属される事になったから」
マジすか。
さて、そんなこんなで夜も更けた。
俺と舞沙は、イッセーに同行して訪問先の一軒家に向かっている。
ちなみに、舞沙の事務員としての勤務態度は真面目なものだったようだ。
「あんなにボコボコにされてたバイサーさんが今はこうして一緒にいるって、何だか不思議な感じだ」
ママチャリを飛ばしながら、イッセーが言う。
凄まじい速度ではあるが、ママチャリが壊れない範囲での速度のため、車に比べたら少し遅い……それでもトップ競輪選手ほどの速さはあるのだが。
「その名前はもう捨てたわ、今の私は万火舞沙。テツの姉よ」
そのチャリに並走しながら、舞沙が答えた。
涼しい顔をして走っているのを見ると、戦闘能力はともかく身体能力は元から高いようだ。
「そうですか、じゃあ今後は舞沙さんって呼ばせてもらいます……しかし、こんな美人のお姉さんが出来るなんて……羨ましいぞ、テツ!!」
「姉ってかオカンみたいな感じだけどな」
その二人を追走する俺。
ちなみに、今の俺はタイヤから人の手足が生えた謎のヒーロー「タイヤマン」に変貌している……タイヤコウカーン!!
「……お前、また変なバグり方起こしてるな」
「今の俺はタイヤマン。それ以上でもそれ以下でもない」
「貴方は何を言っているのよ」
そんな事を言われても今の俺はタイヤマンなのだから仕方ない。
〜原作と同じところはカットオオオオオオ!!〜
by 三連勤のワラキアの夜、全くもって余裕
「クソガァァァ!!何で死なねぇんだよ!!」
玄関の家が空いていたので、中に入ったらそこにはビームサーベルをぶん回す白髪の……なんだ?少年?
まぁ、年はよくわからんがビームサーベルを振り回す男がいた。
なお、その前にもう一人男がいるのだが、煩そうな顰めっ面である。
「……なんだあれ?」
「しらねえよ!」
「あの武器を見た所、エクソシストのようだけど……状況がサッパリ分からないわね……」
手にした武器からいくらかの見当をつける舞沙。かしこい。
「ぜぇぜぇ……ん?」
俺たちに気づいたのか、肩で息を切らしながらも振り返ってきた。
そして俺たちを見るや否や、実に嬉しそうに口を歪めた。
「おや?おやおやおんやぁ〜?これはまた愉快なカッコをした悪魔くんではあーりませんか!」
白髪の男のみならず、家の住人であろう男やイッセーや舞沙までが俺を見つめる。
タイヤマンだからってそんなに見つめるな。
「なんかこの人間はぶっ殺せないみたいですしぃ?代わりにお前ら悪魔を退治します!まー、これもエクソシストとして大事なお仕事だこら、俺ちゃん頑張っちゃいます!!」
言うや否や、白髪頭が思いっきり踏み込んで、俺たちに斬りかかってきた……んが。
「はぁあぁあああ!? 何でこいつらにも当たんねーんだよ!!」
ひどく狼狽したような顔で、ビームサーベルを振り回し、拳銃を乱射する白髪頭。
必死である。
「ふざけんじゃねーよっ!死ねっ!!死にやがれっ!!」
光の剣と銃弾が激しく行き交うその光景は、綺麗なものですらあったが……
……あ、情報入ってきた。
「アイツの攻撃判定がまるっきり消えてんのか……」
「何一人で納得してるんだよ、テツ」
「つまりは、攻撃モーションに当たり判定がないって事だ」
「なるほど、大体わかった」
「理解が早くて助かる……舞沙、ビームよろしく」
舞沙はこくりと頷くと目を妖しく光らせ、怪光線を発射した。
「サニー・サイド・アップ!!」
「ぎゃあああああ!!」
ビームが直撃、ぷすぷすと黒煙を上げる白髪頭。白髪頭はアフロになっている。
死んじゃいないようだが、しばらくは復帰できんだろう。
「……あっ、俺たちグレモリー様の使いの悪魔なんですけど……貴方が依頼者の方ですか?」
「あぁ……すまない、今日の所は帰ってくれないか?もう寝たくてね……」
「わかりました……それとどうします?これ」
白目を剥いて気絶している白髪頭を指差し、イッセーが言う。
「どこか適当なところに捨てておいてくれたまえ」
「わかりました」
俺は白髪頭をつまみ上げると、窓からポイっと家の外に放り投げた。
「帰ってゲームするぜ!」
「そうだな」
「帰りましょうか」
もうやる事もないので、後は帰るだけである。
帰ってる途中に金髪の美少女シスターがずるずると白髪頭を引きずるのを見たが、どうでもいい事だ。
アーシア「あの、私のセリフ…」
フリード「俺のカッコいいシーンも台無しなんですけどぉ!?」
カットされたのも台無しなのもリボーの族長が勝手にやったことだ…
アーシア&フリード「「やはりそうでしたか!」」