君と夢見た甲子園   作:トップハムハット卿

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お久しぶりです!
トップハムハット卿です!
(ちなみにですが、私はTwitterではDKと名乗っております。)

八月のシンデレラナインが、6/27で1周年を迎えますね!
いやぁめでたい!!
リリース初日からプレイをしてきた身としては、嬉しさでいっぱいです。

さて、リリース当初から投稿させてもらっているこの「君と夢見た甲子園」ですが、本編とは別に、各キャラクター毎に焦点を置いたサイドストーリー的なものを展開していこうと思います。
今回はその第1弾ということで倉敷舞子ちゃん!
ヒロイン一人につき何話の構成になるかはまだ決めてないですが、最終的には全員分を投稿するつもりですので、どうかよろしくお願いします。

本編のネタバレも含むと思いますが、それはご了承ください……。

では、倉敷舞子編、1話です。



君との青春を…
倉敷舞子 #1


「まーたこんなところに来て、何してるんですか。早く練習行きますよー?"舞子"さーん」

「だから、後輩のクセに"舞子"って呼ばないで」

 

私は倉敷(くらしき)舞子(まいこ)

花宮高校の2年生。

 

そして今、私と話しているのは桜井(さくらい)春之助(しゅんのすけ)

 

花宮高校の1年生、しかも、先輩である私のことを"舞子"と名前で呼ぶクソ生意気な後輩。

 

そして────

 

 

私の所属する女子野球部の監督でもある。

 

 

「えぇー、いいじゃないですか。舞子の方が呼びやすいし可愛いのにー」

「尚更嫌よ」

「舞子さんのケチ。じゃあ、先行ってますね〜」

 

ぶつぶつと文句を垂らしながら、桜井は屋上を去ろうとする。

 

 

 

私が屋上に来る理由は、なんとなく。

そう、"なんとなく"なの。

 

ここは人気もなくて、そのおかげで静かで…。

なんとなく居心地が良いのよね。

 

もちろん、野球部も居心地が良いのだけれど、ここは野球部のそれとはまた別。

 

 

さて、私もそろそろ練習に行こうかな……。

 

屋上の出口へ向かう桜井の背中に向かって走り出す。

 

そして──

 

ドゴォ!!

 

不意打ちでドロップキックを決める。

 

 

「いってぇええええ!何するんですか!」

「気分よ、気分」

「気分で背後からドロップキックされてたまるか!!」

 

桜井への不意打ちは、最近の私の密かなストレス解消だ。

悪いとは思ってない。

だって、クソ生意気な後輩だから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「桜井、練習終わったら少しいい?」

「いいですけど、仙波さんは………あ、今日は彼女は家の手伝いで早く帰る日だった」

「そういうこと。よろしくね」

「はいはい」

 

私がピッチャーをやる時は、仙波さんとバッテリーを組むことが多い。

私自身、仙波さんとはやりやすいから良い。

でも、彼女は年の離れた弟、妹が沢山いるらしく遅くまでの練習はあまりできない。

 

だから、たまに練習後に桜井を捕まえて、キャッチャーをしてもらっている。

クソ生意気だけど、"世代最強"と呼ばれた選手なだけあって、投げやすさがまるで違う。

ほんと、何でこんなところにいるのってくらいにね。

 

 

「今日は多くても50球までですかね」

「分かった。その前に、1つお願いがあるの」

「お願い?」

「そうよ。私に、新しく変化球を教えて」

 

 

 

私が現時点で投げられる変化球はカーブだけ。

このカーブも桜井に教えてもらったものなんだけどね。

 

私としては、このカーブはストライクも取りやすいしコントロールしやすいので多用しているけど、もう1つ何か武器が欲しい。

 

「それなら……チェンジアップとかどうですか?」

「チェンジアップ?」

「スライダーでもいいですけど、舞子さんは腕の振りが綺麗だし、チェンジアップの方が向いてるかな」

 

私としては、それこそスライダーやフォークの様な変化の大きい球種を教えてくれるかと思っていた…。

 

「その顔、チェンジアップを舐めてますね?

舞子さんは腕の振りが綺麗だからこそ、カーブやスライダーだと腕の振りだけで分かっちゃうんです。

でもチェンジアップなら、ストレートと同じ腕の振り方で緩急が付けれる。

これが習得できたら、かなりの武器になりますよ?」

 

そう言われたら、習得する他ないじゃない。

 

「分かったわ。それじゃあチェンジアップを教えて」

 

 

 

 

桜井は握りや腕の振り方まで丁寧に教えてくれる。

投手経験は無いって言ってたけど、投手経験のある東雲や有原よりよっぽど教えるのが上手いわよ…。

 

 

「じゃあ、さっそく投げてみましょうか」

 

教えてもらった通りの握りと腕の振りで投げる。

 

パシッ

 

何球か投げてみても、全然変化している様子が無い。

 

「全然ダメですよ。腕はストレートと同じ感じで振るけど、指先は力を抜くんですよ」

 

割と力を抜いてるつもりなのに……。

もっと力を抜くのね、分かった。

 

 

言われた通りに投げる。

 

「ふんっ!!」

 

投げた瞬間に分かった。

これは成功だ!

 

ストレートよりもかなり遅い球速で、桜井の構えたミットに球が収まる。

 

「ナイスボール」

 

ニコッと笑う桜井。

 

「え、えぇ。ありがとう」

 

私はあの笑顔が苦手だ。

人を信頼できない私にとって、無邪気な野球少年の様なあの笑顔は眩しすぎる。

それに、見ていると不思議と鼓動が早くなる。

別に、桜井のことが好きなわけじゃない。

どちらかと言えば嫌いよ。だって、クソ生意気だし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、コンビニ寄っていいですか?」

 

帰り道、私の返事を待たずコンビニへと向かう桜井。

居残り練習をしたあとは、ほぼ毎回と言ってくらいの頻度で桜井はコンビニに立ち寄る。

 

まぁ、慣れたことだし、別に良いんだけど。

 

 

「お待たせしました」

「早かったわね」

「まぁ、アイスしか買ってないですし。ほい」

 

そう言って、ポピコの半分を私に渡してくれる。

 

「ありがと……」

 

これもお決まりのパターンだ。

 

最初は、アイスを分けてもらうのを申し訳なく思い、「1人で2つ食べないのか」と聞いた。

でも、彼曰く「2人で食べた方が美味しさが共有できて良いじゃないですか」らしい。

 

ほんと、変わったやつ。

 

 

 

「ねぇ舞子さん、最近なんかあった?」

「べつに、何も」

「そっか……。最近、居残り練習の頻度が高くなってきたからさ、もしかしたら、また家に帰りたくないのかなーなんて」

 

こいつは、ほんとこういうところは鋭い。

でも、余計なお世話だ。

 

 

「ただ、選手としてもう少し成長したいだけよ」

「そっかそっか。考えすぎたったみたいだね。ごめんなさい」

 

「それじゃあ私はこっちだから。また明日ね」

「ばいばい舞子さん。また明日」

 

 

ほんとは少し嬉しかった。

気づいて欲しくは無かったけど、あいつは私のことを心配してくれてるんだって思えたから。

でも、桜井には話せない。

二度も桜井に迷惑をかけるなんてことはできない。

監督である彼の負担を増やすようなことをするのは、チームへのマイナスにもなるから。

 

私が桜井に一度お世話になった時の話が聞きたい?

そうね、それはもう少ししたら話すわ。

 

 

「ありがとね、桜井」

 

誰もいない帰り道、夜空を見上げて私はそう呟いた。




いかがでしたでしょうか。

冒頭で言った「本編のネタバレ」というのは、舞子の入部した理由ですね。
まだこの話では語っていませんが、もしかしたら本編より先にこちらで語ることになるかもしれません。


このSSは僕の自己満足100%で構成されたものですが、もし読んで楽しんでもらえたなら、感想をいただけると嬉しいです!
ハチナイキャラについてもっと語り合いたいんじゃぁ(涙)

それでは、また次回!
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