ゲームの方では、球春祭も開催され、コンテンツもどんどん盛り上がっていってますね!
センバツ高校野球の開催も近いですし、野球ファンとしてはソワソワしてしまう時期ですね……
それでは8話です!
「そんなことがあったのか………」
「あーもう!!許せない! あの子何なの!?いきなり来て私たちのこと"お遊び"とか!それに……」
「落ち着け、翼」
あの後、智恵も合流して夕姫たちから話を聞いた。
それで翼はこんなにお怒りなのだ。
「私のことは何を言われてもまだ良い…。でも、春之助やみんなのことを悪く言うのは許せない!」
「あぁ、未経験なりにも一生懸命頑張ってる。そんなみんなの事を悪く言うのは僕も見過ごせない」
「にゃはは~。なんだか大変なことになってるにゃ?」
怒り心頭の2人の元へ、1人の少女─中野綾香がやってきた。
「中野さん?」
「君は彼女が来ることを知ってたのか?」
「まぁにゃー。何を隠そう、この私が彼女にグランドの場所を教えたからにゃ」
得意そうな顔で中野は続ける。
「学校新聞の記事を見るなり、私のところに来て"野球部の練習場所を教えて欲しい"って言うから教えてあげたのにゃ」
「なるほどな。中野さんは彼女について何か知ってることはある?」
待ってましたとばかりに中野は春之助の言葉に反応する。
「にゃっはっは!愚問だにゃ、桜井♪ 凄腕ジャーナリストの私がそんなの調べてないはずが無いにゃ!」
「知ってるなら教えてー!」
「翼、そんなに焦らなくてもちゃんと教えるにゃ。
まず、彼女の名前は"
4人兄妹の末っ子で、長男と次男は現役バリバリのプロ野球選手。三男は大学で活躍中でドラフト上位指名候補らしいにゃ」
「なるほど、野球一家なわけか」
「そういうことにゃ。彼女も子供の頃から、野球経験者の父から英才教育を受けていたみたいにゃ。
翼と同じように、シニアで活躍していた彼女は沢山の高校から誘いがあったらしいんだけど、それを断って社会人のクラブチームに入ったみたいにゃ」
「社会人チームなら、高校野球より高いレベルで野球ができるからね」
「桜井の言う通りにゃ。でも、その代わり高校野球の大会には当然出れないけどにゃ…」
春之助と中野の言葉に、智恵は表情を曇らせる。
「………そんなに真剣にやってるなら、なんであんなこと………」
「真剣だからこそ……なのかもね」
☆☆☆
「翼、ホントに会いにいくの?」
「うん、行くよ!ともっち!」
ため息をつきながらも翼についていく智恵。
今、翼と智恵は中野に教えてもらった東雲の自主練場所に向かっている途中だ。
「東雲さんは、たぶん私と似てる……そんな感じがするんだ。
あ、いた!東雲さんだ!」
「待って翼! 彼女、誰かと話してるよ」
「え?」
翼たち2人よりも先に東雲と接触している人物、それは─
「野球から逃げた"天才傀儡師"さんが私に何の用かしら?」
──春之助だ。
「ここで、野球に真剣な女の子が練習してるって聞いたから、気になって来てみたんだ」
「貴方の見ての通り、私は真剣に練習をしているの。邪魔しに来たのなら帰ってくれないかしら?」
穏やかな態度の春之助に対し、高圧的な態度で話す東雲。
「それとも、昼間の事に文句でも付けに来たの?」
「昼間のこと?」
「とぼけなくても、彼女たちから私があなたのことを悪く言っていたのを聞いたんでしょう?」
春之助は変わらぬ様子で答える。
「まぁ、話は聞いたよ。べつに、僕のことに対して文句を付けに来たわけじゃないよ。ほとんど東雲さんの言う通りだしね。
でも……」
「?」
春之助の表情が、真剣なものに変わる。
「──彼女たちのことを"お遊び"って言ったのは撤回してくれ」
「それは嫌よ。本当のことを言ったまでじゃない。
それに、ずっと高いレベルで野球をしていたあなたなら分かるでしょう?
彼女たちのレベルはまだ"お遊び"の範囲ということくらい」
「彼女たちは彼女たちなりに真剣に練習をしてるんだ。それは"お遊び"なんかじゃない」
春之助と東雲のやり取りを物陰から見つめる翼と智恵。
(桜井くん、私たちのために……)
「たとえ真剣に練習していたとしても、私から見れば"お遊び"にしか見えないわよ」
「そんなことないさ」
「いいえ、そうよ。………はぁ、これじゃ水掛け論ね。
それならこうしましょう。貴方と私で勝負するのはどう?」
「勝負?」
((勝負??))
「えぇ。私と貴方で1打席勝負よ。もちろんピッチャーは私で貴方はバッター。
貴方が勝ったら、あの発言は撤回するわ」
「東雲さんが勝ったらどうするんだい?」
「私が勝ったら、野球部の方々には申し訳ないけれど、貴方には監督を辞めてもらうわ。それで、私が所属しているクラブチームへ入って。もちろん、選手としてね」
「それはできない。それに、僕はもう塁間すら投げられないんだ。選手としてなんて無理だよ」
「いいえ、貴方の怪我は治っている。アメリカで治療したんでしょう?
貴方は野球を選手としてプレイすべきよ。貴方なら──桜井春之助なら今からでもプロ野球選手を目指せるのよ!」
「だから、それは無理だよ」
「なぜ無理なの!?あなたの実力ならできるわ!………どれだけプロに入りたくても、入れない人だって沢山いるのよ?……」
東雲の目から涙が落ちる。
「東雲さん……」
「とにかく、貴方が負けたらうちのチームに入ってもらうわ!」
「はぁ……。分かったよ。その代わり、僕が勝ったら東雲さんが女子野球部に入るっていう条件も追加させてくれ」
「分かったわ。時間は明日の放課後、場所は女子野球部のグランドでいいかしら?」
「あぁ。話は僕からしておくよ」
そう言うと、春之助は公園を去っていった。
「行っちゃったね……」
「う、うん。……帰ろっか、ともっち」
「盗み聞きは良くないよ?2人とも」
「「うわぁ!」」
「しゅ、春之助!帰ったんじゃなかったの?」
「帰ろうとしたけど、ここに2人の姿が見えたから声をかけたんだ。
さっきの話は聞いてたよね? 放課後、少しグランド借りるね」
「う、うん。分かった」
翼の返事を聞いて、今度こそ春之助は帰っていった。
「大変なことになっちゃったね、ともっち……」
「う、うん」
☆☆☆
そして迎えた翌日。
「東雲と勝負なんて、ブランクのある桜井に勝ち目はあるのかにゃ?彼女の実力は本物だにゃ」
「愚問だにゃ♪中野」
「なっ!?人が心配してるって言うのに!」
中野が怒りの表情を春之助に向ける。
「ごめんごめん。まぁ、心配しなくても大丈夫だよ」
「まぁ、期待してるにゃ。……おっと、相手の登場だにゃ」
「桜井春之助、勝負よ!」
「そんなに焦らなくても、ちゃんと勝負はするって。その前に、アップとキャッチボールをして肩を温めて来なよ」
「い、言われなくてもそのつもりよ! ふんっ!」
ズカズカと外野の方へ東雲は歩いていった。
「なーに怒ってんだか……」
「きっと、緊張してるんだにゃ…。 怪我をしていたとはいえ、相手は世代最強を謳われる"あの"桜井春之助。野球経験者なら、緊張しない方がおかしいにゃ…」
お互いにアップを終え、東雲はマウンドへ、春之助はバッターボックスへと位置についた。
「負けたら、ちゃんと条件に従ってもらうわよ!」
「わかってるよ。 キャッチャー、誰かお願いできないかな?」
「キャッチャーはいらないわよ。ストライク・ボールの判定はあなたの自己判断にお願いするわ」
「はいはい…」
野球部のメンバーが息を飲んで見守るなか、東雲龍と桜井春之助の勝負が始まった──
8話でした!
レオンくん、ほんとにごめんなさい……
僕は彼女を悪役にしたいわけじゃないんです……。
ホントは東雲ちゃん大好きなんです!(信じて)
☆☆☆
なんと!好評価を頂きました!
☆10 垣根ていとくんさん
☆9 地獄のメソポタミアシンドロームさん
ありがとうございます!
頂いた好評価に恥じないように精進してまいります!
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