真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~ 作:疾風海軍陸戦隊
宮中
「で、どうしたんだ詠、月?俺を呼んで。何かあったのか?」
月との買い物が終わってしばらくしたある翌朝、俺は今、月や詠に呼ばれ宮中の広場にいた。すると月が
「沖田さん・・・・実は、陛下から手紙が来たんです」
「え?霊帝様から?」
俺は月の言葉に首をかしげる。空丹から手紙って珍しい・・・・そう思っていると詠が首を横に振り
「いいえ違うわよ霊帝様じゃないわ。その妹君の献帝様よ。霊帝様は皇帝の座を降りて献帝様の相談役になったんじゃないの」
「ああ、そう言えばそうだったな。」
俺は前に呼んだ新聞の内容を思い出す。因みに献帝様とは、以前お忍びで洛陽の街を視察していた白湯こと劉脇様のことである。あの反董卓連合の後、空丹、白湯は王座を降り事実上漢王朝は滅んだんだが、いまだに皇帝としての権威は残っているためか、彼女たちの補佐をしていた趙忠を含めそれに従う者がまだ多かった。
「で、その手紙にはなんて書いてあるんだ詠?」
「ええ、それがね・・・・」
と、俺がそう訊くと詠は手紙の内容を読んだ。その手紙の内容は・・・・・
『お元気ですかと董卓、そして沖田。朕はとっても元気なの。あ、それと空丹姉さまと黄も洛陽の都でとっても元気に過ごしているの。それで、朕がこの手紙を送ったのは、董卓たちは知っていると思うけど最近、曹操が自身の治めている場所を魏と名づけて独立国家を作ったの。で、朕が言いたいことはね。これを機に董卓たちも董卓のところも独立国を名乗って見てはどう?もう漢王朝はなんも力もないし、だからなおさら、この乱世に満ちた大陸を統一して平和を作ってくれる人が必要なの。だから姉上も黄もそして朕も董卓には漢の太守ではなく一国の王として沖田とともにこの大陸をあの洛陽の街のように平和にしてほしいの。それに国として対等になっていたほうがいろいろと便利なことがあるってお姉ちゃんも言っていたし。だから董卓よそして沖田よ。この国のことをよろしく頼むぞ。これは漢王朝皇帝である朕の最後の頼みなの』
「・・・・・・・というわけよ吹雪」
詠が読み終わるとあたりは静寂に包まれ緊張が漂っていた
「これは驚いた・・・・まさか献帝様が俺たちに独立国家を設立しろというなんてな・・・・」
「ええ、最初その文を見た時、僕も驚いたわ。でも確かに献帝様の言うことにも一理あるわ。・・・・・で、月。月は大丈夫なの?背負える?」
詠が真剣な目で月を見ると月はしばらく黙っていたがや果て強い意志を込めた瞳を輝かせて頷くと
「うん、私は・・・皆の背中に隠れているだけじゃ駄目だって分かったから、だから背負っていく!みんなが安心して平和に暮らせる世の中な世界にするためにも私、頑張るからね。だから詠ちゃん。吹雪さん・・・・二人とも・・・私に協力して支えてくれますか?」
と、そう言うと俺と詠は顔を見合わせそして頷くと
「ああ、もちろんだ月!詠やみんなと一緒に平和な国を作ろう」
「吹雪の言う通りよ月。僕が月以外の誰に力を貸すわけ?私の智謀知略、その全てはとうの昔に月に捧げているわよ!これからも、ずっとね!」
「ありがとう・・・・二人とも・・・・」
と、強い決意を込めて俺たちはそう言い三人はがっちりと手を握りそう言うのであった。
それからしばらくした後、月は自分の収める領地の国号を『仲華』と命名した。名の意味は俺の知っている『中華』とは違い、まず最初の『仲』は仲間や友を意味し、『華』は文字通り野に咲く花のことを意味差していたすなわち月の命名した仲華とは『きれいに咲くたくさんの花の如く、人が見ななかよくそしてみな兄弟や家族のように暮らせるような世界』という願いを込めて命名したものであった。そして翌日、月はみんなを呼び、『仲華国』の設立とそのわけを話し、そして自分の決意を皆に言う。月のその真剣な決意にみんなは全員真剣な目で月を見つめ一度頷き、片膝をついて眼を伏せ両の手を眼前へと重ね、最上の礼を取る。そしてそれを見た月は頷き
「今この時、ここ長安の国号を『仲華国』とし、そしてその誰もが平穏に暮らせる世の中を目指します。皆さん。頼りない私だと思いますが、協力してくれますか?」
彼女の、普段の優しい主の決意の前には不遜な言葉は何一つ要らない、皆が返した言葉はただ一言
「「「「御意っ!!!」」」」
と、その返事に月は微笑み
「みなさん。ともに住む民衆の笑みや平和のために、私たちの子孫の為に、平和な世の中を目指して頑張りましょう!!!」
「「「おおぉーーー!!!」」」
と、月の言葉にでその場にいた将も軍師も皆、歓喜の声を上げるのであった。こうして仲華国が設立されたのであった。
その後、仲華国の旗が作られた。紺色の生地に明星と月を合わせた旗だ。紺は夜空、明星と月はどんな暗い中でも優しくみんなを照らせるようにとの願いという意味であり月に関しては董卓…月をもじっているらしい。
だが俺はこの旗に見覚えがあった
「これって・・・・・台湾の青天白日旗じゃないか?」
俺は風でなびいている旗を見てそう呟くのであった
仲華国が建国され、それから数日後、長安の国境付近
「ふふぁ~暇だな国境の警備なんて」
「おい、またあくびかよ。不謹慎だぞ」
「だって暇なんだからしょうがねえじゃないかよ」
「まったく。お前、それでも天の御使い沖田様が率いる第三師団の兵士か?」
「そう言うお前こそ、服装のボタンが外れてがだらしねえぞ。それでも栄えある徐栄隊こと第二師団の兵士の言うことじゃないだろ?」
「う、それを言われると痛いな・・・・それにしてもこの西洋服というのか?なんかぴっちりして落ち着かないな」
「まあ、最初はみんなそう思うんだよ。でも慣れれば平気さ」
と、長安の国境付近の屯所にいる兵士二人が話し合う。そう、今二人が来ているのは今までの鎧姿ではなく吹雪隊の着ていたあの西洋式の軍服であった。あの反董卓連合の戦いで重い鎧を着て思うように動けず戦うことができなかった他の部隊と連合軍に対し、吹雪隊の西洋服による奇襲戦法や機動力を生かした戦法で連合軍を苦しめた。そしてその戦訓もあってか戦争終結後、董卓軍もとい仲華国は服装を吹雪隊と同じ西洋式の軍服に統一したのだ。ただし黒服軍服の吹雪隊に対し徐栄隊は青色の軍服である。わかりやすく言うのであれば吹雪隊軍服は旧日本陸軍。華雄軍はドイツ軍式、霞軍はアメリカ騎兵隊風の軍服でそして徐栄こと夢華はフランス式となっている。因みにこれは余談ではあるがアンチョビさんの軍服はイタリア軍統帥風の軍服になっている
「ま、とにかく。こうも事件とか騒ぎがないと暇でしょうがねえや。ここいらでドカァーンと事件とか騒ぎとかないかな。いい加減、国境警備も飽きてきたぜ」
「おい、縁起でもないこと言うんじゃないよ。反董卓連合の戦いが終わって半年もたっていないのに。それに今の言葉、李郭教官や徐栄将軍の耳に入ったら大目玉だぞ」
「そうだな。それもそうだな」
と、二人は笑いながらそう言うと
「誰が大目玉ですって?」
「「っ!?徐、徐栄将軍!?」
急に後ろから声がし二人が振り向くとそこには徐栄こと夢華がいた。彼女は現在国境に侵入する敵兵が来ないかを監視するためのっ国境警備隊の指揮をしている。それを見た二人の警備兵派顔を青ざめ彼女に敬礼すると夢華も返礼をする。そして
「あなた達、くつろぐのはいいけど。今はどこもかしこ戦争している状態よ。そしてその国がいつ私たちの国へ攻めてくるかわからないのよ。もっと気を引き締めて仕事をしなさい」
「は、はっ!し、失礼しました将軍!!」
と、夢華に軽く注意されると・・・・・
「徐栄将軍!!」
と、一人の兵士がやってきて彼女に敬礼する
「何事?」
「はっ!今、白馬に乗った武将とその背後に多数の騎兵がこちらへとやってきます!!」
「なんですって?まさか敵かしら?・・・・・・で、先頭のの馬に乗っている人物は誰かわかるかしら?」
「は・・・・・それが・・・・」
練兵所
ダァーン!!ダァーン!!!ダァーン!!!
「ふう・・・・・久しぶりに撃つから腕が少し落ちたかな・・・・・?」
と、俺は99式小銃のボルトを動かしてそう言う。今俺は練兵所の隅の銃士隊が使用している射撃場で射撃の練習をしていた。なぜ練習をしているかというといつ何時、敵が来るかわからない。仲華国が設立されてから、いまだに大きな戦は起きていない。だが、もし敵がこちらに攻めて来た時、射撃の腕が落ちていたら敵にやられ話にならないからな。だから俺は体がなまらないように、射撃の練習なんかをしている。因みに剣術なんかはたまに母さんや斗志たちが相手にしてくれていたりする。すると・・・・・
「あ、吹雪さん!!」
「ああ、美佳」
と、そこへ美佳がやって来た。しかも何やら慌てているのか息を切らしながら俺のところに来る
「はぁ・・・はぁ・・・・やっとみつけました」
「どうしたんだ?そんなに慌てて?」
「あ、はい。実は先ほど夢華さんが国境から公孫瓚殿やその部下たちをこちらへ連れて戻られて・・・・・」
「白蓮を?」
「はい。なんでも負傷した公孫瓚殿を保護したとか・・・・・とにかく一度、宮中へ戻ってください」
「わかった。すぐに行く」
と、俺は美佳に連れられ公孫瓚こと白蓮が待っているという宮中へと向かうのであった。この時、俺は何やら大きな戦いが始まるとそう予感がしたのであった・・・・・・・
因みに徐栄隊の軍服ですがガルパンのbc自由学園のパンツァージャケットをモチーフにしています
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どちらでもいい