真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~   作:疾風海軍陸戦隊

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幽州陥落と迫りくる荒くれもの

美佳に呼ばれた俺は、月たちのいる玉座の間に向かう。そして玉座の間に着くと、広間には月や詠の他、母さんやねね、霞に橘花たちが集まっていた。

 

 

「吹雪遅いわよ」

 

「ああ、すまん詠。話は美佳から聞いたよ。公孫瓚殿が夢華に保護されたんだって?」

 

俺が月に訊くと月は頷いて

 

「はい。しかも傷だらけで夢華さんに連れてこられて・・・・・」

 

「で、彼女は今どこに?」

 

「いま。桜花や川内たちが傷の手当をしているで。もうすぐ来ると思うけどな?」

 

と、霞がそう言うと

 

「董卓様。公孫瓚殿をお連れしました」

 

と、そこへ夢華がやってきてその後ろから桜花と川内そして・・・・・・

 

「うう・・・すまない沖田。董卓、いきなり転がり込んできて・・」

 

桜花と川内に支えられながら包帯まみれでボロボロの姿になった公孫瓚がやって来た

 

「公孫瓚殿!どうしたんだ!?そんな傷だらけで、いったい何が起きた?」

 

「訳を話してもらえますか公孫瓚さん?」

 

俺と月が訪ねると公孫瓚は悔しそうな悲しそうな顔をし

 

「じ、実は麗羽が・・袁紹の奴がいきなり奇襲を掛けてきて、遼東の城を・・・・いや私の領地にある幽州の城、全てを落とされたんだ」

 

「なんだと!?幽州が!?」

 

公孫瓚の言葉を聞いてみんなの言葉を代弁するかのように華雄がそう言う。やはり袁紹の奴、どこかへ攻めると思っていたが、まさか幽州を攻めるとは・・・・

 

「ああ、反董卓連合の後、私は幽州に戻った後、すぐ戦後の後始末と内政に取り掛かって何とか安定して来たんだが、ある時、いきなり冀州から袁紹の使者がやって来たと思ったら突然、宣戦布告書を渡してきたんだ。それと同時に袁紹の軍勢がいきなり国境を越えて瞬く間に数々の城を占領されたんだ」

 

「反撃はしなかったのですか?」

 

「もちろんしたさ!でもいきなり攻めてきたから迎え撃つ準備もできず、そのまま袁紹に幽州の大半を奪われ、そして最後の抵抗に我が自慢の騎馬軍団で袁紹本陣へ突撃したんだが・・・・・・」

 

「力及ばず、か?」

 

「ああ、袁紹本陣へ突っ込んだと思ったがそれは罠で側面に潜んでいた伏兵に弓とかの側面攻撃で部隊は壊滅状態になって・・・・・」

 

「落ちのびてきたという訳ですな。」

 

「恥ずかしながら、そういうことだよ。」

 

星の言葉に公孫瓚は頷く。すると志乃が

 

「でも、なんで公孫瓚さんはわざわざここ、長安へもとい仲華へ?もし亡命をなさるんなら幽州から遠いここよりも、公孫瓚殿の幼馴染である劉備殿のいる徐州へ行くのが最短距離ではなかったんですか?」

 

確かに志乃の言う通りだ、ここから幽州まではかなり遠い。それに比べ劉備のいる徐州は公孫瓚のいる幽州と目と鼻の先だ。もし彼女が袁紹の手から逃れるには先ほど志乃が言ったように幼馴染である劉備のところに行くはずだ

。すると公孫瓚は

 

「確かに最初は桃香・・・・・劉備や北郷のいる徐州へ逃げるはずだった。だがどうやら袁紹たちに読まれていたみたいで徐州の国境付近で文醜や顔良たちに待ち伏せされて徐州へ行くことはできなかった。だから私は進路を変えてここ、長安へ行くことにしたんだ・・・・」

 

「そうですか・・・・それは大変でしたね公孫瓚さん」

 

「そうだな。でも無事で何よりだ」

 

「董卓・・・・・沖田・・・・」

 

「公孫瓚さん。事情は分かりました。公孫瓚さん。私たち仲華はあなたたちを喜んで歓迎します。どうか気が済むまでこの国に滞在してください。いいよね。吹雪さん。詠ちゃん?」

 

「ああ、もちろんだ。困った時はお互い様だしな」

 

「僕も月がいいって言うならそれでいいけど」

 

「すまない・・・・・・」

 

と、三人がそう言うと公孫瓚は嬉しさのあまり涙を流し頭を下げると、霞が

 

「気にせんでいいで。こういう時はお互いに助け合わんとな。だろ華雄?」

 

「うむ。その通りだな」

 

そう言うと夢華と志乃は

 

「ま、ともかく今はこれからのことね。幽州を取り北方に袁紹の国が出来た以上、反董卓連合から続いている諸侯同士の紛争が以前よりも大きくなるのは目に見えてきましたね」

 

「確かにそうですね・・・・今の袁紹に背後を脅かすものが居なくなった。次に狙うのは・・・・・恐らく」

 

「西進か南下あたりって言うこと志乃?」

 

「はい詠。その可能性はあると思います。反董卓連合終結後、袁紹は戦争責任として陛下に領地を一部取り上げられただけでなくあの戦いで主力ともいえる兵士を多く失い。挙句の果てには望んでいた大きな物、この場合は陛下のおられる洛陽であったり、それに近しいもののことですが、それを手にすることができませんでしたから」

 

「恐らく、袁紹さんは、『そうなれば自力で領土を拡大して手に入れるしかない!』と、そう思ったんでしょう」

 

「なるほど・・・・・吹雪の予想が当たったってわけね・・・・」

 

志乃と鈴の言葉に詠が頷く。そう実際に袁紹は以前、俺と詠が予想していたことが起きた。すると斗志が

 

「公孫賛殿の土地を奪い、後顧の憂いを断った、というわけですか隊長?」

 

「ああ。袁紹の南には曹操が居るし、西には剽悍で名高くそして闘将馬騰さんたちが守る涼州がある。攻めるなら攻めやすい北方。手に取るようにわかる現状だ」

 

「甘かった。麗羽がそんなことするはずないって思ってたんだが・・。」

 

俺の言葉に公孫瓚さんは悔しそうに言う。すると星が

 

「確かにそうですな。乱世の兆しが見えていたのだから、太守としておおいに用心すべきでしたな」

 

「おい、星。いくら何でも言いすぎっすよ!」

 

と、桜花が星にそう言うが、公孫瓚は首を横に振り

 

「いや、良いんだ。星の言うことは尤もだよ。私が甘かった・・・・・私が甘かったせいでこうなったんだ」

 

と、顔を伏せ、暗い表情で言う中、俺は彼女の肩をポンっと叩き

 

「確かに甘かったかもしれない。だが、俺はそう言う人のいい所、結構好きだぜ。星たちもそうだろ?」

 

「はい。吹雪殿のおっしゃる通りです。」

 

「私もだ。何か腹黒いことを考えている奴よりずっと信頼できる」

 

「うちもそうっす」

 

と、俺の言葉に星や斗志、桜花が返事をする。そのことに公孫瓚は

 

「う・・・みんな」

 

と涙ぐむ。すると星は

 

「さて、今はとにかく、白珪殿の今後のことを考えましょう。白珪殿。今後、どうする?傷が癒えたら袁紹に奪われた領土を奪い返すために行動するのか?」

 

星がそう訊くと、公孫瓚は首を横に振り

 

「いや、麗羽の軍勢はすでに私の手に負えるものじゃ無くなってる。もう今の私では太刀打ち出来ないんだ。」

 

と、そう言う。確かに今の公孫瓚さんを見れば保護された公孫瓚さんの兵を見てもたったの数百人程度、しかも皆手負いだ。それに対して幽州を手に入れ、どんどん兵を増し領土を拡大してる袁紹に戦いを挑んだって勝ち目があるわけはない

 

「なら、どうすんの?」

 

霞がそう言うと、公孫瓚さんは臣下の礼を取るポーズをし

 

「沖田や董卓・・・・・いや董卓様さえ良ければ、私をお前達の下に置いて欲しい。」

 

と頭を下げる。それを見た詠が

 

「え?つまり、あんたは僕たちの仲間になりたいってこと?」

 

「仲間?いや、私は董卓様達に臣下の礼を・・。」

 

と、きょとんとしてそう言う公孫瓚に月は

 

「それなら必要ありません公孫瓚さん。私たちは形式上は臣下や主従としていますが実際に私たちの関係は家族であり仲間なんです。ですから私たちは公孫瓚さんを部下としても家臣でもなく仲間・・・・・家族として迎え入れたいんです」

 

「俺も月と同意見だ。確かに上下関係の規則は多少はあるが俺たち董卓軍の関係は主に家族関係みたいなもんだ。だから公孫瓚。俺たちの仲間にならないか?」

 

と、俺と月がそう言い公孫瓚はしばらく呆けていたが

 

「星・・・・・・あの二人って少し変わっているんだな?」

 

「ふむ。我らはもっと主らしくしていただきたいのだが、吹雪殿や月はそういうのがあまり好きではないようでな」

 

「そうなのよ。僕も月に『もっと、王らしく堂々としなさい』って言っているんだけど月は相変わらずなのよね。ま、でも僕にとっては今のままの月の方が好きなんだけどね」

 

と、星と詠がそう言い公孫瓚こと白蓮は二人を見る。そして最初に彼女の頭に写ったのは徐州にいる親友とそしてその親友を支える一人の少年だった

 

「(似ている・・・・・董卓殿と沖田はどこか桃香や北郷に似ているな・・・・・ふふ。なるほどな。そんな二人だから洛陽の街の人たちに笑顔が溢れていたんだな。それでそんな2人だからこそ皆集まったんだろうな)」

 

と白蓮はふっと笑い。そして

 

「董卓殿、沖田。私も・・その仲間に・・・・・家族に入れてもらっても良いか?」

 

と、そう言うと俺と月は笑い

 

「ああ、もちろんだよ」

 

「これからよろしくお願いします。公孫瓚さん」

 

と、月は公孫瓚に手を差し伸べるが公孫瓚は首を傾げ

 

「あ、あの・・・それはなんだ?」

 

「これは握手っといって、吹雪さんの故郷。天の国の挨拶の一つだそうです。だから改めてよろしくお願いします公孫瓚さん」

 

と、そう言うと公孫瓚さんは笑顔を見せ月の手を握り

 

「ああ、こちらこそよろしく頼む。董卓様、沖田。私の事は真名である白蓮と呼んでくれ。」

 

「ふふ。よろしくお願いします白蓮さん。私のことも様ではなく気軽に真名である月と呼んでください」

 

「俺も、吹雪でいい。これからよろしくな白蓮」

 

と、こうして公孫瓚こと白蓮は俺たち董卓軍に加わるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、袁紹陣地では

 

「すみません姫。公孫瓚に逃げられちゃいました。せっかく琉巳が包囲計画をしてくれたのに」

 

と、袁紹の陣で白蓮を追撃していた文醜が袁紹に申し訳なさそうに言うと、

 

「おーほほ!別にいいですわよ。幽州も手に入ったことだし、あんな田舎娘。逃したところで別に何の問題もありませんわ!!」

 

と、土地を手に入れ喜んでいる袁紹は上機嫌に高笑いをしてそう言う。すると郭図が

 

「それで麗羽様。次はどこを攻めるおつもりですか?」

 

「次は徐州と長安を攻めますわ」

 

「え!?徐州と長安をですか!?」

 

「ええ、そうですわ真直さん。次は劉備さんのいる徐州と董卓さんのいる長安を手に入れますわ。そして徐州を手にした後はあの忌々しいくるくる娘の曹操さんの国を手に入れます」

 

「でも上手くいきますか?劉備の所にはあの関羽がいるんですよ?それに董卓の所には天の御使いの沖田吹雪さんもいるんですよそれに彼らの持つ天の武器だって・・・・・」

 

と、そう言うと麗羽はニヤッと笑い

 

「大丈夫ですわよ。斗詩。そう思って、徐州攻略では美羽さんと共同戦線を張ることになりましたのよ。そうすれば挟み撃ちにし、あっという間に徐州を攻めることができますわそれに長安を攻めて手に入れればあのブ男の持つ天の国の武器とやらも手に入ることができますわ。おーほほっ!」

 

と、高笑いすると田豊が

 

「お待ちください。麗羽様。今は幽州を取ったばかりで兵たちも疲れています。それに共同戦線といえども冀州を離れれば留守を狙って曹操が攻める可能性もあります。ここはまず、国内を安定させたのち軍備を増強し、冀州に十分守備軍が置ける状態にしてから徐州と長安を攻めてはどうですか?」

 

と、田豊こと真直が提案する。確かに彼女の言う通り袁紹の軍は公孫瓚を破り幽州を手にすることができたのだが、その戦いで兵の消耗も激しく兵たちは疲れていた。しかも反董卓連合後、袁紹の国は国内がまだ立ち直っておらず不安定な状態なのだ。そして袁紹が本拠地を構える冀州の防衛兵も、数が少なく大軍が攻め込まれたらひとたまりもない。そこで真直はすぐに徐州を攻めるのではなく国内を安定して兵力を増やし手からでもいいんじゃないかと提案するのだが・・・・・

 

「却下ですわ」

 

「ええー!?なんでですか!?」

 

「そんな気の長くようなこと。わたくしは待つことはできませんわ。それに曹操さんも今は国内を安定するため忙しいみたいだしすぐには攻めてはこないでしょ?」

 

「う~そんな~」

 

と、そう言い田豊はしょげてしまう。そんなことを気にせず麗羽は

 

「さて、徐州へは私自ら行きますが長安は誰が行きますの?」

 

と、そう言うと文醜が

 

「はいはい!私が行くぜ!反董卓連合で郭巳にやられたときの借りを返したいからな!!」

 

と、ガッツポーズをしてそう言うと・・・・

 

「ごめん。ごめ~ン遅くなったわ~」

 

と、そこへ、ラフな格好をし少し筋肉質な女性が入って来た

 

「あら、雫さん。随分と遅かったんじゃありませんの?それより雫さん!なんですのその格好はちゃんとわたくしと同じ華憐で雅な黄金の鎧を着なさい!」

 

「いや~ごめんね。麗羽様。ちょっと道に迷ってね。それと鎧なんだけどさ、あれ派手すぎる上に重くて、あんなんじゃまともに戦えやしないわ。だから私はこの格好で十分なのよ」

 

と、お気楽にそう言う女性。彼女の名は張コウ。袁紹に仕える将で、顔良と文醜の姉貴分的なで存在であり、袁紹軍では古参にはいる武将だ。因みに文醜こと猪々子とは少し仲が悪い。すると張コウは頭を掻き

 

「で、話はさっき表でちらって聞いたけど。長安ならあたしが行くわよ。ちょうど暇していてね。だから長安攻略なら私がもらって行くわよ。あ。それと猪々子は来なくていいわよ。あんた病み上がりだしかえって足手まといだからね~」

 

「なっ!?なんだっとどういう意味だよ雫の姉貴!!」

 

と、その言葉にカチンときたのか張コウにつかみかかろうとしたが張コウは腕を上げ、そしてその拳がちょうど猪々子の顔面に当たる

 

「ぶ、文ちゃん!?」

 

「あら、ごめん猪々子。手が滑っちゃったわ~でも大丈夫よ私あんたより強いから~」

 

と、そう言いい、天幕を出る

 

「ダ、大丈夫、文ちゃん。鼻血出てるよ?」

 

と、顔良が鼻血を出している文醜に心配してそう訊くと、文醜は無言で机の下に置いてあるバケツを取り天幕を出たかと思うと馬用の水桶にある水を汲み、そして・・・・・・

 

バシャァー!!!

 

無言で張コウにバケツの水を頭上からぶっかけたのだ

 

「なっ!?ぶ、文ちゃん!?」

 

そのいきなりのことに顔良はおろか田豊や郭図、そして袁紹は驚く

 

「おっと、悪いな姉貴~手が滑っちまったよ~」

 

「・・・・・・・・」

 

と、わざとらしい笑みを見せる顔良に張コウはじっと文醜を睨む

 

「姉貴は風邪ひくといけないから冀州へ戻りなよ。長安や徐州はあたいたちがやるからさ~」

 

と、にやけてそう言うと張コウが

 

「おっーと、手が滑ったぁー!!」

 

と、怒り声で文醜の顔を殴ると文醜も負けずに

 

「悪い姉貴!足が滑った!!」

 

と、足をかけて張コウ転ばすと

 

「ごめんなさいね肘が滑っちゃって!!」

 

と倒れ際に文醜の背中目掛けて肘打ちをする。すると文醜が

 

「滑らせすぎでしょ!もうろくしているのか姉貴は!!」

 

「あんたに言われたくないわよ!!」

 

と、そう言い二人は武器を取り出しまるで龍玉に出てきそうなバトルをする。それを見た袁紹陣は

 

「ぶ、文ちゃんと雫さん・・・・相変わらず仲が悪いわね・・・・・」

 

「はぁ~もっと仲良くできないのかしら?・・・・麗羽様。どうしましょう?」

 

「あの二人の仲はもうどうしようもできませんわ。仕方ありません。猪々子はわたくしと一緒に徐州へ行きますから。代わりに雫さんを長安へ向かわせますわ。それと真直さん。琉巳さん。雫さんだけだといろいろと心配なので一緒についていってあげて・・・・・」

 

「かしこまりました・・・・真直もそれでいいわね?」

 

「はい・・・・でも雫さんと一緒ですか・・・・・胃が痛いですわ」

 

と、麗羽の言葉に両軍師はため息をつくのであった

 

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