真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~ 作:疾風海軍陸戦隊
志乃が仲間になった翌日雨は上がった。
俺と志乃はたびに出発することになった。因みにアンチョビさんは孔明と鳳統の様子を見に明朝二人がいる幽州に向かった。
因みにアンチョビさんは「二人の様子を見たら天水に行ってお前たち二人を待ってるからな」と言っていた。そこで俺はアンチョビさんに紹介状を渡した。・・・彼女の実力なら警邏隊に入っても大丈夫だろう。因みに警邏達の隊長は俺だがその指揮は詠がとっている。だから俺は詠に紹介状を書いた。
もちろん疑われないため日本語、漢語の二つを書いといた。因みに日本語が読めるのは母さんを除いて、かなだけだが、詠、斗志は読める。
「本当にお世話になりました水鏡さん」
「それではこの子をお願いします吹雪さん。志乃?身体には気をつけるのよ?」
「お世話になりました。先生もお元気で。」
「私は私塾に戻りますので、それではこれで。」
「本当にお世話になりました。」
と頭を下げ、水鏡さんを見送った。
「じゃあ、行こうか志乃」
「はい!」
俺達は陳留へと向かうため陸王に乗った。
「速い!とても速いですよ吹雪さん!」
陸王を飛ばしていると志乃がはしゃぎながら言う
「天の国の乗り物はすごいですね!驚きです!」
「志乃。大丈夫か?速すぎるんなら速度を落とすけど」
「大丈夫です。風が強いですが、気持ちいいです」
そう言い笑う志乃。そう言えば・・・・
「そう言えば志乃。お前なんで孔明や鳳統についていかなかったんだ?」
「朱里も雛里も可愛い妹弟子で大好きです。でも2人の求める主君と私の求める主君は違いますから。」
「劉備さんではないと?」
「はい、そうです」
なるほど・・・妹弟子と志乃の思い浮かんでいる主が違うのか
「吹雪様・・・・気になってたんですが・・・その背中に下げている筒なんですが、それは何ですか?」
ああ、そうかまだ小銃のこと説明してなかったな。
「これは銃って言ってな。天の国って言っても約1800年後の武器だよ」
「1800年後・・・・なるほど吹雪様は未来の人なんですか・・・」
「驚かないのか?」
「はい、冷静に考えれば、その銃とやらも今乗っているバイクとやらも納得できます」
本当に志乃は冷静だな
「俺の話信じるのか?」
「はい、吹雪様は嘘をつかない人なので」
「そうか・・・ありがと」
「吹雪様・・・・では、これから起きることも知ってるのですか?」
「ああ・・・大体は・・・でもそれが必ず起きるとは限らないよ志乃」
「え?」
「だって、ここにいるはずのない俺がここにいる。もしかしたら俺が知っている歴史も変わっているかもしれないし、それに先のことがわかってちゃ、つまんないだろ?」
「確かに、そうですね。何でも知っていたら人生がつまらないですね」
そう言うと志乃は何も言わなかった。
しばらく走っていると、空が曇って、ゴロゴロと小さな雷鳴が鳴る。
「これは・・・・また降りそうだな志乃」
「そうですね。早くどこかの村にでも行きましょう吹雪様」
「そうだな」
俺は陸王の速度を上げた。
天気はまだ曇りのままだ。本当に雨がいつ降ってもおかしくない。暫くすると、村を発見する。村の門に着くと、門番らしき二人の少年が、槍を交差させて立ちはだかる。
「止まれ!」
「お前ら、何者だ?」
「何者って……見ての通りの旅の者だが?」
「旅の者?なんか変なのに乗ってるけど、まさか賊の一味じゃないだろうな?」
「はぁ?」
中々疑り深い門番兵の二人。
「楽進さん達を呼んでこい!」
「分かった!」
一人がそう言うと、もう一人は急いで呼びに向かった。
「なんだか、随分警戒されてるみたいですけど……」
「まあ、バイクなんて見たことがないからそれは警戒すんだろ。それにしても盗賊って・・・」
「きっと近くに賊が出るんだと思います…」
「それにしては、子供を門番に立たせるって言うのもなんかな・・・・」
「そうですね」
ご時世とはいえ、子供が武器を持つなんてな・・・・・
そうしていると、向こうから門番兵の一人が呼んできたのだろう。二人の少女達が走ってきた。
「于禁さん!李典さん!」
眼鏡をかけて、そばかすが少しある、今でいうギャル風な少女と薄い紫の髪で小さくツインテールにしている、上半身がビキニの少女がやってきた。。
「真桜ちゃん!きっとあの人達なの!」
「よっしゃあ!賊共、覚悟!」
李典は両手で持っていた小型の砲台をこちらに向け、発射した。その弾は俺達の上に行くと、急に大きな網となって降りかかる。これは銃を使う必要はない。
「っ!」
俺は菊一文字の鯉口を切った。
「んなっ!?」
「ええっ!?」
チンッと俺は刀を鞘に収める。一筋の軌跡が見えたかと思うと、網はバラバラに切り裂かれていた。
「一介の旅人に向けて、攻撃するとは随分無粋だな・・・・」
「旅人や?嘘つけ!そんな変な恰好をした旅人がいるか!」
「そうなの!」
二人はまた攻撃しようとする。‥…仕方がない
ダアァァァン!!
「ひっ!」
「なんや!」
俺は空に向けて九九式小銃を発砲した。その音に二人は腰を抜かす。
「二人ともどうしたんだ!」
すると奥の方から傷だらけの少女がやってきた。
村へと案内され、一軒家に上がる吹雪達。一行の目の前には、先程の李典と于禁の二人に加えて、もう一人の少女がいた。銀髪の髪を、一つの三つ編みに束ねている。彼女の名は楽進さんというらしい。。
「……本当にすまなかった」
楽進さんは謝罪を含めて、頭を深々と下げる。
「こちらの早とちりで御迷惑をお掛けして、申し訳ない」
「楽進さん、頭を上げて下さい」
「誤解と分かれば、俺たちはもう……」
「真桜も沙和も、決して悪気があってした事では……」
楽進の後ろで、李典と于禁の二人が気まずそうにしている。
「沙和…あんたが賊が来たって大騒ぎするからやで…?」
「けど、門番の子が慌てて走ってきたから、どうしたの?って聞いたら、変な賊の手下が来たって……」
ヒソヒソと話していると、楽進がわざとらしく大きな咳をする。ビクッ!と肩を震わせる李典と于禁。
「かなり盗賊に警戒していましたね。何かあったのか?」
「ええ実は我等三人は、仕官の道を求めて、曹操殿の元へ赴く途中だったのです」
「曹操に?」
「はい。・・曹操殿は、有為の人材であれば、身分の上下に関係なく召し抱える、度量の広い人物だと聞いたもので・・しかし立ち寄ったこの村にはこの頃、盗賊がこの村を襲っていたらしく私たちはこの村にとどまりこの村を守っていたんです。そしたらちょうどあなたたちが来てその・・・・・」
楽進さんは気まずそうに言う。
「俺たちを盗賊の手下と勘違いしたと・・・」
「はい」
まあ、確かにこのタイミング出来たら盗賊と間違えられてもおかしくないな。
「それに聞けばこの村は若い男はみんな出稼ぎや戦に人手を取られ村にいるのは老人や子供だけだと聞きました」
なるほど・・・・だから子供が門番をしていたのか・・・・その後の話では賊は人手不足なのをいいことに隙を見ては襲ってきてるも楽進さんが一生懸命に戦い撃退しているのだが、彼女たちもいつまでもこの村にいるわけにはいかず、もしこの村を捨ててしまえば賊の集団はここを拠点にしそしてまた新たに近隣の村を襲う可能性がある。
「吹雪様・・・・」
「ああ、わかってる。楽進さん。俺も協力します」
「私もです」
この状況・・・・見過ごして逃げるわけにはいかない。話を聞いた俺と志乃はここの義勇軍の助太刀をすることに決めた。
「ありがとうございます。あの、良ければ名前を・・・・」
「俺は沖田。沖田吹雪、今は流浪の旅人だ」
「私は司馬懿。字は仲達。こちらにいる沖田吹雪様の軍師を務めております」
すると三人は俺の名を聞いて固まる
「お、沖田って・・・・あの沖田吹雪さんですか!?天水警邏隊隊長で天の御使いの一人の!?」
「それと池田屋事件で敵10人以上相手に一人で倒したという!?」
ここまで届いているのかよ池田屋事件っていうかなんか話に尾ひれついてるし。
「ああ、確かに俺は沖田吹雪だよ」
俺がそう答えたら、三人はさらに驚くのだった。ああ、それは置いといて俺たち5人は今夜襲ってくる賊に対しての対抗策を考え村の見取り図を見ていた。
「こんな絵地図しかありませんが……」
「いいえ、これでも結構です。ここが村、そしてこっちの山にあるバツ印が山の中の賊の住処。そしてこれが村の前にあった橋。この村の入り口はここだけですか?」
「はい。この村は目の前は川、後ろには崖山があって入り口はここだけです」
「そうですか・・・・・。ん?これは・・・・湖ですか?」
志乃が指をさした場所は村に流れている川から上流にあるところに大きな湖があった。
「村の人の話ではそこは竜神湖っというらしいです」
「竜神湖?」
「はい。なんでも龍神様が住むという言い伝えがあるらしく、村人の話では、昔はかなり大きな湖だったが、今は水の量が減り、村の前を流れる川もすっかり細くなってしまったとか……」
この川・・・・さっきの堀のような場所か・・・・・あの大きさなら
「志乃・・・・」
「はい。これで何とかなりそうです。後は龍神様の力を借りれば万事解決です」
作戦会議が終わった後は全員それぞれの時間を過ごす。
楽進は一人、湯船に浸かっていた。
(あれが・・・・もう一人の御使い沖田吹雪さんか・・・・)
沖田の噂は村にも伝わっていた。もう一人の白き御使いは幽州で義勇軍を率いてると小耳に訊いたがそれよりも彼のなした池田屋事件の方が有名だった。なんたって街を放火し重要役人を暗殺しようとする賊を彼が率いる警邏隊が未然に防いだのだから。
「それにしても司馬懿殿は小さい見かけによらずかなりの軍師らしいがいったい何を考えて・・・・」
そしてその吹雪は、李典と一緒にいた。
「それじゃあ、このからくりは李典さんが作ったのか?」
「そや。細い鋼をこないな風に巻いて、その螺旋の力で物を打ち出す仕掛けになっとんねん」
「成程、李典さんは物作りが得意なのか?」
夕張が見たら喜ぶな・・・・
「おう!材料さえ揃えば、大抵のもんは何とかしたるでぇ♪そう言えば沖田さっきのからくり見せてくれんか?」
「ああ、九九式小銃のことか。壊すなよ」
俺は九九式小銃を渡す
「これがそうか~夕張が見たら喜ぶで~」
「っ!?李典さん!夕張…馬鈞を知ってるのか!」
「え?御使いさん。夕張のこと知ってんの?」
「ああ。今天水で俺の警邏隊の技術開発部にいるよ。李典さん夕張の知り合いなのか?」
「夕張とは発明友達や。そっか~今あいつ天水にいるんか~普通のからくりとかはうちが上やけど武器とかの発明はうちより夕張の方が上やで」
「そうなのか・・・・」
夕張の奴今頃元気にしてるかな・・・・・
天水
警邏隊技術開発部部署
「ぶえぇくしょん!!」
「どうかしたのですか?馬鈞様」
「え?なんか今、誰か私の噂をしたような・・・・・」
「は?」
「いや、何でもないよ・・・・さぁーて。さっさとこれ完成させるか。この回し取手をもっと改良すれば連発も・・・・・吹雪の奴きっと驚くわよ!」
そう言い夕張は発明の仕事に戻った。
はい、アンチョビさんはもう二人の妹分である朱里と雛里のとこに行きましたが蜀軍に入るかは不明です。
さて次回は盗賊との攻防戦と覇王との出会いです。
最近はどんどん蒸し暑くなってきましたね。私も暑さに負けずに小説投稿したいと思います。
次回も楽しみにしてください。
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どちらでもいい