真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~ 作:疾風海軍陸戦隊
夜、みんな交代で見張りをしている中、俺は外に出て九九式小銃の手入れをしていた。別に中でもよかったのだが先端に油の染み込んだ綿のついた棒を腰の小物入れから取り出し、その棒で銃身の掃除を掃除しなければならない。その時の音でみんなが寝付けなくなってしまうので、あえて俺は外で小銃の整備をしていた。
「これでどこまでやれるか・・・・・」
俺は九九式小銃を見ながらそういう。旧日本軍の九九式小銃は同じボルトアクションのイギリスのリーエンフィールドライフルの10連発やアメリカの半自動式小銃のM1ガーランドの8連発とは違い俺の九九式小銃は5連発。しかもボルトアクションは撃った後またボルトを動かして装填しなければならない。つまり装填してる間にスキが出てしまうのが弱点だ。俺と志乃を含めても村の義勇軍の数は100人。聞けば相手の数は2千以上果たしてどこまでやれるか・・・・すると
「吹雪様?」
すると、志乃がやってきた。
「志乃・・・・なんで。」
「『なんっでここに?』ですか?それは私のセリフです。吹雪様こそなんでこんな時間に?」
「え?ああ、ちょっと銃の手入れをな」
「手入れ?」
「ああ、これからこの村で賊との戦いが始まる。だからその時に不具合が起きない様にってね」
「そうですか・・・・」
「それよりもどうだ志乃。龍神様のご機嫌は?」
俺は夜空を見ながら志乃にそう言う
「そうですね・・・・龍神様はまだその気ではないのか、いまだにゴロゴロと唸っていますね・・・・」
「そうか、龍神様。協力してくれるといいな」
「はい。」
そんなほかの人が聞いたらわけのわからないことを二人はしばらく話し、その後俺たちは、明日の為に寝るのだった。
そして翌朝、
「みなさん。今日一日調べたのですがどうやら龍神様の力を借りられそうです」
「・・・というと?」
「はい、まず竜神湖付近に
「なるほど・・・・そこで湖の堰を外すのか・・・・」
「そうです。全滅まではいきませんが大半の賊は消えると思います」
なるほど、それならこちらの被害を最小限にできるな・・・
「よぉーし!そうと決まればおもろなってきたわ!うちに任せや!」
そう言い李典が胸をたたく。そして数日後・・・・
「まさか、数日で堰ができるとはな・・・・」
「ほんとにすごいですね。・・・・」
あれからほんの数日、竜神湖の前に大きなダムができていた。恐るべし李典。
「まあ、夕張には少し劣るんやけどな。どやなかなかのもんやろ?」
「本当に李典さんはモノづくりが得意なんですね」
「いや~そないにほんまのこと言われるとうち照れるがな~♪」
志乃が感心して言うと李典は嬉しそうに頭をさすりながらそう言う
「あとは水がたまるのを待つだけか・・・・」
俺はそう言い、ダムのほうを見る。すると、さっき門番をしていた少年がこちらのほうへと走ってきた。
「大変ですー!!」
「なんだ賊か!?」
「いえ、賊じゃないんですけど、数百人の武器を持った人が来て、その旗は『夏候』って書かれていました」
夏侯・・・・もしかして
「志乃」
「はい。おそらく官軍でしょう」
俺たちはとにかく外に出てこの村にやってきたという武装集団に会ってみることにした。そして門の前にいたのおは水色のショートヘアーをした女性だった。
「私は夏侯淵。字は妙才。 曹操様にお仕えする将だ。こちらに賊が現れると聞いて援軍に来たのだが、ここの指揮官は貴殿か?」
夏侯淵・・・・というと曹操軍の奴か・・・・それに夏侯淵といえば曹操に仕える闘将夏侯惇の弟…ここでは妹か。で、弓の達人だったはずだ・・・・
「いや、俺はただの旅人だ。ここを指揮していたのはこの三人だよ」
そう言い俺がそう言うと
「なるほど・・・・で、今の状況は?」
夏侯淵にそう言われると俺たちは今までの状況とそして実行する作戦を彼女に話した。そして夏侯淵さんはその話を聞き、彼女率いる300人の兵たちは村にいる義勇軍に協力してくれるのだった。そしてその日、突然雨が降り出した。それもただの雨じゃない台風級の大雨だ。これなら湖の水もすぐにたまるだろう。すると・・・
「隣いいか?」
夏侯淵がそう言い俺はいいよの一言を言い夏侯淵さんは俺の隣に座る
「すごい雨だ。生まれて18年。こんな雨は見たことがないな・・・」
彼女はそう呟く。
「だがその大雨で湖の水はたまるのが早くなるんだし。別になんも支障はないよ」
「そうだな・・・・・そう言えばまだ名を聞いていなかったな。おぬし名は?」
「沖田、沖田吹雪だ」
その言葉を聞いて夏侯淵は驚いたように目を見開く。
「沖田・・・もしかしてお前は董卓軍に所属しているあの枯草色の御使いの沖田吹雪か?」
「そう呼ばれているみたいだけどな。知っているのか?」
「お前の名は陳留まで届いている。特に池田屋事件での活躍は全国で知らない者はいないだろう」
「そんなに有名ですかね?俺はただ任務を全うしただけですよ?」
「謙遜するな。お前のなしたことはすごいことなのだぞ。それに私の姉者も言っていたよ。『たった30人で60人以上いる悪党どもの悪行を未然に防ぐなんてただものではないな』っと褒めていたよ」
「そうですか・・・・」
と、雨の中二人はそんな他愛のない話をしていた。夏侯淵が言う姉者とはおそらく夏侯惇だろう。っというか夏侯惇も女か‥‥とすると曹操も女だろう・・・・もし曹操が女だったらどんな格好なんだろう・・・・
「ん?どうしたのだ沖田?」
「え?いいやなんでもないよ」
しばらくして雨が弱まっって来た。そしてしばらくすると・・・
「吹雪様、夏侯淵殿ちょっといいですか?」
志乃がやってきた
「どうしたんだ志乃?」
「はい。さっき湖の様子を見に行ってきたのですが、先ほどの大雨で予定していた日よりも早く水がたまりました。」
「・・・とすると司馬懿殿」
「はい。夏侯淵さん。今夜でも夜陰に隠れ攻撃を仕掛けます」
そしてその夜、志乃が建てた作戦が決行される。そして賊を誘き出すメンバーは俺、夏侯淵とその部下数名、楽進さん、于禁さんの。李典さんはダムを開けるため湖の近くで合図を待っている。
「いいですか。皆さんにはまず賊の住処を襲撃してもらいます」
「わかった。」
「うむ」
「この命に代えてでも、もしもの場合私が討って出ます・・・・」
と楽進さんがそう言う。しかし
「楽進さん。それではだめだ」
「え?」
「楽進さん。命に代えてもっていう考えはだめだ。俺たちの任務は賊を誘き出すことだぞ。命を捨てるために戦うわけじゃない」
「すみません・・・・・」
「それとだ。今ここにいる百人の村の人を助けるために死んでしまったら、その先に助けられる何万人の命を見捨てることになるんだぞ。だからむやみに突撃はするな。いいな」
「肝に銘じときます。すみません沖田さん」
「ふふっ・・・・」
「ん?何ですか夏侯淵さん。俺何か変な事言いました?」
「いやなに。そんな幼い顔に似合わず大人みたいに論しているのがおかしくてな」
「幼い顔っていうのは余計です夏侯淵さん」
「吹雪様の言う通りです楽進さん。とにかく水が来たら私がどらを鳴らして合図します。そうしたら川のそばから離れてください・・・・・・」
「わかった」
「では皆さんご武運を!」
こうして作戦は実行されるのであった。
そのころ賊の住処では
「兄貴、そろそろ村を襲いに行きますかい?」
「ああ、そろそろあそこを落とさねえと
「そうですね。それにしても頭にいい仕事もらいやしたね。村を襲って拠点を作るほかに殺しができるんだからな」
「ああ、今まで強盗とか食糧調達とか地味なことやらされたからな。ここいらで頭に認めてもらえれば幹部の座も夢じゃねえな。『笑う棺桶』の幹部にな」
「ですが兄貴、最近あの村に天の御使いや官軍の軍が入ったって情報が入ったらしいですぜ」
「はんっ!そんな事関係ねえ!逆に獲物が増えて上出来じゃねえか!そいつらもぶっ殺せばいいじゃねえか!」
「そ、そうすっね!さすが兄貴っ!」
そう言うリーダー格の盗賊。その盗賊の腕には笑う顔が刻まれた棺桶のマークが印されてあった。するとそう言いながらも賊達が油断していると・・・・・
「敵襲っ!!」
「「「「!?」」」」
門兵がいきなり入ってきて報告するのだった。
一方外では雨の中、おとり部隊が賊の軍と交戦していた。
「おりゃぁー!!」
吹雪は銃剣を付けた九九式小銃で賊と戦っていた弾丸を放ちそして装填が間に合わないときは銃剣で敵を刺して撤退しつつ倒してたりしていた、すると吹雪はあることに気付く
「(こいつらに刻まれている紋章・・・・もしかしてこいつら『笑う棺桶』か?)」
笑う棺桶は最近巷で騒がしている黄巾党と対をなす盗賊軍団だ。かくいう吹雪も天水で奴らと戦ったことがあった。だが今はそんなことを考えている暇はなく吹雪は賊と戦うのだった。
別の場所では
「賊ども覚悟っ!」
夏侯淵率いる少数部隊も同じく賊と戦い彼女は遠距離から弓で攻撃して、撤退しながら賊をあの橋のところまで誘導していた。
そして違う場所では、于禁が賊の一人と戦っていた。しかし、防戦一方でしかも運の悪いことに雨の降った後なため泥に足を滑らせてしまい尻餅をついてしまう。賊が槍で止めを刺そうとするも、後ろから楽進に槍の先端を掴まれたため攻撃できず逆に楽進に蹴りを入れられ賊は倒れた。
「沙和、大丈夫か?」
「も、もちろんなの!」
楽進が手を伸ばして言い、于禁はその手を取り立ち上ろうとした、その時だった
「隙ありだぜぇ!!」
茂みに隠れていた賊が楽進が于禁を起こそうとした瞬間を狙い襲ってきた。しかし・・・・
ダアァァーン!!
「ぐわっ!」
銃声が鳴り響き二人を襲おうとした賊は喉を撃ち抜かれ絶命した。するとそこへ九九式小銃を持った吹雪がやってきた。それを撃ったのは吹雪だったのだ。
「大丈夫か二人とも!」
「沖田さん。助かりました!」
するとそこへ夏侯淵がやってきて
「沖田、そろそろだ!」
「おう!楽進さん!」
「承知っ!」
「撤退だっ!急げ!」
吹雪の掛け声を合図に、みんなは村へと戻っていく。そしておとり部隊が走り去っていくのを、少し高い崖から見下ろす賊のリーダー。
「ふっ…どうやら連中、村まで逃げるみたいだな!不意をついたつもりだろうが、所詮は多勢に無勢。ようしっ!奴等を追ってそのまま村に攻め込むぞ!せめてあの村を頭の新たな拠点とするのだぁ!」
「し、しかし兄貴!連中橋を落としやした!」
「そんなこと気にすんじゃねえ!あそこは浅い川だ!すぐに突破できる。そのまま一気に押し渡って連中を皆殺しだぁ!!」
『『『おおぉー!!』』』
そう言い賊たちはまるで雪崩のごとく村に向かっう。するとまた雨が降り出し雷が鳴る。そして賊たちが堀を登りあがろうとすると入り口にいた吹雪たちが必死に叩き落すし、夏侯淵も弓で相手を射る。
「……そろそろ、いい頃合いですね」
高台から様子を窺っていた志乃は、手に持っている松明を掲げ、李典に合図を送る人に知らせる。そしてそれを見た見張りも人も同じく松明で李典に合図をする。
「おっ!?合図が来たな。ほなさっそく始めるか!」
合図を見た李典はダムの開閉装置を発動させた。しかし・・・・
「あれ?動かへん?」
李典は何度も装置のレバーを引くだがなぜかダムが開かない。
「どうなってるんや・・・・・あっ!?」
李典は装置のからくりを確認する。すると門を開閉させるための装置の要である紐が切れていたのだ
「くそっ!こないなときに!」
そう言い、李典は急いで壊れた装置を修理し始めるのだった。
「くッ、水はまだ来ないのか!?」
「もう矢が尽きそうなの~!」
弓を放ちながら夏侯淵はそう言い。于禁が矢が無くなりそうだと言う。となるとまずい。ここを守るのもそろそろ限界が来てる。李典さん。何かあったのか?すると・・・・
「きゃあっ!」
「っ!?」
急に夏侯淵と于禁の足元の岩が崩れ、二人とも堀の底に落ちてしまう
「沙和っ!」
「夏侯淵様!」
二人が落ちた堀の中には数百人いる賊が囲んでいた。夏侯淵は弓で対応しようとしたが・・・・
「(しまった!?今の衝撃で弓が折れている!)」
さっき落ちたせいで夏侯淵が持っている弓自体は大丈夫あのだが肝心の弓矢は軸が折れて使用不能になっていた。それを見たひとりの図体のでかい賊が襲い掛かろうとした。しかし・・・・
「はあぁぁー!!」
ドガァ!!
「ぐふっ!!」
間一髪のところ楽進が飛び蹴りを入れ、賊を倒す。しかし
「はっ!たった一人増えても同じだ!野郎どもこいつらなぶり殺しにしろ!!」
そう言い、賊たちは圧倒的な数で襲い掛かろうとした。
「ふ~やっと直ったで」
一方、李典はダムの開閉装置を何とか修理することができた。そして彼女はその開閉装置のレバーを引く。すると門が開き今までたまっていたものすごい量の水が流れ出す。
「あっ来ました!」
見張り塔から見ていた志乃は水が来たのを確認すると銅鑼を鳴らす。これは水か来るっという合図だ。銅鑼の音はあたり一面に響き渡り、それを聞いた楽進たちが急いで登ろうとするが
「逃がしゃしねえぜ!まずは貴様らからだっ!」
そう言って賊は三人に襲い掛かる。だがその時!
ダダダダダダダ!!!
何か布が裂けるようなすさまじい音が響いた。賊は胸や頭から血を吹き出しどんどん倒れる。
「な、なんだっ!?」
意気なる無数の賊が倒れたのといきなりの轟音に夏侯淵はびっくりして目を見開く。そしてその音のしたほうを見るとそこには
「だいじょうぶか!?今のうちに早く上がってください!」
そこには九九式小銃ではなく九九式軽機関銃を持った吹雪がいた。その九九式軽機関銃は陸王の側車についていたものだ。九九式軽機関銃は引き金を引けば30発連続で発射できる。つまり集団で襲い掛かる奴ら相手には有効だ。サブマシンガンじゃないのは残念だが贅沢は言えない。しかも弾薬は九九式小銃と同じ九九式普通実包で弾の互換性ができる。そう思い吹雪は急いでそれを持ってきて、夏侯淵たちを今にも襲おうとする賊に向かって撃ったのだ。彼女たちを襲う賊たちはハチの巣になり息絶える。賊は死屍累々と言わんばかりだった。
「早くしてください!水に巻き込まれます!」
「わ、わかった!感謝する沖田!」
そう言い、夏侯淵や楽進たちはのぼりだし吹雪は賊が追ってこないように援護射撃をする。こうして無事、堀から抜け出すことができた。そして夏侯淵は吹雪の持つ九九式軽機関銃を見ていた
「(さっきの棒みたいなのもそうだがあれが噂に聞いた雷鳴を轟かす武器か・・・・)」
一方、賊はなかなか堀に上れずいらだっていた
「くそ~!!」
「ん?あ、兄貴!あれ!?」
部下の男があるものを指さす。その先にはダムから流れた激流が津波のごとく押し寄せてきた
「なっ!まずいおい早く堀から出ろ!水流に巻き込まれるぞ!」
水の存在にようやく気づき、賊達は村の反対側へと撤退していく。そして半数が登りきった瞬間、残りの半数は逃げ遅れ激流に巻き込まれてしまったのだ。
「あ、兄貴・・・・どうしやすか?」
「どうもこうしたもねえ!水が引いたらまた攻撃だこっちは半数になったとはいえまだ数はこっちのほうが上だ!」
そう言い、賊と義勇軍は水が引くまでしばらく身構えていると・・・・
ゴーン!ゴーン!ゴーン!
どこからか大きな銅鑼の音が鳴り響いた。少なくとも志乃が鳴らしているのではない
「敵か・・・・それとも」
夏侯淵がそう言うと夏侯淵の部下がやってきた
「報告します。今こちらに向かっている軍勢の旗は『曹』と『夏候』・・・・・味方です!曹操様と夏侯惇様ですっ!」
どうやら夏侯淵さんの見方らしい。曹っと書かれているってことは曹操本隊が来たってわけか・・・・
その後、今まで気力を保っていた賊たちはさらなる援軍、しかも自分たちの倍ある軍団に完全に士気崩壊を起こし逃げて行った。
「やれやれ・・・・命拾いしたな」
俺はそう言うと楽進さんがやってきた
先ほどは助けていただきありがとうございました。」
「いや、いいよ。それより楽進さんに怪我がなくてよかった」
「私の真名は凪です。凪とお呼びください。」
「分かったよ凪、」
俺がそう言うと今度は夏侯淵さんがやってきた
「沖田・・・・」
「ん?何ですか?夏侯淵さん」
「お前のおかげで命拾いした。礼を言う」
そう言い夏侯淵さんは俺に頭を下げる
「頭を上げてくれ夏侯淵さん。俺は別に・・・」
「秋蘭だ」
「え?」
「私の真名だ。命を助けてくれた礼としてこの真名。受け取ってくれ。それとさん付けもいい」
「・・・・わかった。じゃあ、秋蘭。今回の戦いお疲れ様」
「ああ、沖田もな。さて私は華琳様と姉者を向かいに行く。沖田も一緒に来てくれ」
「ああ。わかった」
その後俺たちは援軍に来てくれた曹操軍に会いに行くのだった。その際に李典さんと于禁さんから真名を預かった。いいのかな?って思ったけど凪が許したのと戦の勝利の礼らしい。そして門の前には金髪の小さいツインドイルをした少女と赤い服を着た長髪の女性がいた。
「秋蘭、無事で何よりだわ。損害は……あまりないようだけど」
「はい。彼女たち3人と天の御使いのおかげで最小限にすみました」
「彼女らとは?」
曹操がそう言うと凪たち三人が前に出る
「あなたたちが秋蘭の言っていた義勇軍かしら?」
「はい。噂はかねがね聞き及んでおります曹操様。私は楽進。曹操様。一つよろしいでしょうか?」
凪が曹操に尋ねる
「なにかしら?」
「私たちをあなたの部下にさせてはもらえないでしょうか?」
「義勇軍が私の指揮下に入るということ?」
「はい。聞けば、曹操様もこの国の未来を憂いておられるとのこと。一臂の力ではありますが、その大業に是非とも我々の力もお加えいただきますよう・・・・・・」
「そちらの2人の意見は?」
「陳留の州牧様の話しはよう聞いとるし、そのお方が大陸を治めてくれるなら、今よりは平和になるっちゅうことやろ?うちもええよ。」
「凪ちゃんと真桜ちゃんが決めたなら私もそれでいいの~。」
三人がそう言うと曹操はしばらく考え込みそして秋蘭のほうへ顔を向ける
「秋蘭。彼女達の能力は・・・・・・?」
「は。一晩共に戦っておりましたが、皆鍛えればひとかどの将になる器かと」
「そう・・・・・・良いでしょう。三人の名は?」
「楽進と申します。真名は凪・・・・・・曹操様にこの命、お預けいたします!」
「李典や。真名の真桜で呼んでくれてええで。以後よろしゅう」
「于禁なのー。真名は沙和っていうの。よろしくお願いしますなのー♪」
「分かったわ。凪、真桜、沙和あなた達三人には期待しているわ。」
「はい!」
「まかしとき!」
「了解なの~!」
こうして凪たち三人は曹操の部下になる
「ところで秋蘭。あなたさっき、天の御使いって言っていたわね。その御使いは今どこに?」
「はっ・・・彼なら・・・おい沖田」
秋蘭がそう言うと
「ん?なんだ秋蘭?呼んだか?」
俺がそう言った瞬間、夏侯惇がいきなり襲い掛かかり、俺はその一撃をすらっと避ける
「おわっ!?なにするんだよ!」
「貴様!秋蘭の真名を言うとは!貴様!覚悟しろ!!」
と怒り心頭で俺に襲い掛かろうとする。すると秋蘭が夏侯惇を止める
「なっ!?どういうつもりだ秋蘭!?」
「落ち着け姉者。沖田とは真名を呼ぶことを許している」
「な、なんだと!こんな奴にか!?」
夏侯惇が驚く。そう言えば彼女、秋蘭が俺に真名を預けたこと知らないんだよな・・・・・まあ、そうなるだろうな・・・・そして秋蘭が姉である彼女に説明している最中、曹操が俺を見る。それにしてもこの人が後の魏の初代皇帝である曹操か・・・何というかそんな感じのオーラが感じられる。
「そう、秋蘭が真名を預けるとはね・・・あなた名は?」
「沖田、沖田吹雪だ。」
「そう・・・・あなたがあの枯草色の天の御遣いの沖田吹雪ね。それとあなたのそばにいるのは・・・」
「私は吹雪様の軍師を務めてます。司馬懿といいます」
「そう・・・・・で、沖田吹雪。あなたのことは陳留までとどいているわ。どう、董卓に仕えるのを止めて私に仕えないかしら?噂に聞く天の兵器にも興味あるし」
「悪い曹操さん。知っての通り仕える主はすでにいる。だから断らせてもらうよ。」
俺がそう言うと
「貴様!華琳様の誘いを断るとは!もう許せん!」
夏候惇が剣を引き抜き俺に襲いかかった。俺は身体を半身にしてそれを避けた。え?俺何か変な事言ったか?
ドガーン!
剣を振り下ろした場所を見るとクレーターができている。秋蘭が止めようとするが曹操に止められる。あの目からして怒っているわけではない。おそらく俺を試す気かもな?
「死ねぇ!」
「うお!危ねぇ!」
あわてて避ける当たったら即死だ。この人、本気で殺す気だな。
「避けるな!」
「避けるわ!当たったら死ぬだろうが!!」
「私は死なないから問題ない!!」
この人、無茶苦茶だ!仕方ない
俺は軍刀・・・菊一文字を抜く。
「はっ!そんな薄っぺらな剣で何ができる!!」
そう言い彼女は大剣を振り下ろし俺はそれを受け止める。
そしてすごい衝撃が体に響いた。体中ミシミシと骨の軋む音が聞こえる。
母さんや橘花や霞が稽古つけてくれなければ今頃死んでたな。
「ぐっ!!」
威力は母さんほどではないが、かなりきつい。だが受け止めることはできた。
「なっ!受け止めただと!!」
夏候惇は驚くまさか自分の一撃を受け止められるなんて思ってもみなかったのだ。
しかも・・・・
「刃こぼれ一つしていない・・・・」
そう、吹雪の刀は刃こぼれ一つしていないのだ。
「どぅりゃぁぁぁー!!」
吹雪が刀で押し切り夏候惇はいったん距離を置く
沖田は正眼の構えをし夏候惇も構えお互いににらみ合う。
すると吹雪はは刀を逆手に持っていきなり夏候惇に向けて投げつけた。
「くっ!貴様ッ窮したか!こんな技、他愛もない!!」
夏候惇は造作なく刀を弾き吹雪を罵り、造作なく刀を弾くが、その隙に吹雪は素手のまま走り夏候惇の首をガッシリと組み締めて地面に倒し伏せた。これは戦国時代に使われた『組手甲冑術』だ。
「なっ、ぐっ!?」
「はん、他愛ないな。」
そして吹雪は南部14年式拳銃の銃口を夏候惇の額につける。
「動くな・・・・・動くと額を打ちぬくぞ」
「そんなおもちゃで何ができるんだ!」
「なら試してみますか?」
「そこまでよ」
そう言い曹操は二人を止める
「・・・・まさか春蘭を倒す男がいたなんてね。それで沖田吹雪。あなたは本気で私に仕える気はないと?」
曹操がそう言いかけたとき後ろの茂みから一人誰か覗いていた・・・・
「(くそっ!あともう少しで村を占領できたのによ・・・)」
覗いたものの犯人は先ほどの賊のリーダーだった。
「(まあいい。ここで援軍に来た曹操を殺せば、お頭にもいい土産になるな・・・・・よしっ!)」
そう言いリーダーは勢いよく茂みから飛び出した
「曹操!!覚悟ぉ!!!」
「っ!?」
剣を振りかざし曹操を襲う。
いきなりの攻撃の為、曹操さんはおろか他の人たちも対応に遅れた。やばいっ!
「「華琳様っ!!」」
俺は南部十四年式拳銃を賊に向けて撃った。
パアァーン!!
心臓を撃たれて盗賊は曹操の手前に倒れた。
「大丈夫か?曹操さん」
「え、ええ・・・助かったわ」
「そうか・・・よかった。では話を戻すが、君には仕えられない。だが、もう盗賊に苦しめられる人をこれ以上見たくない。だからこいつらの大元である『笑う棺桶』を潰すまでの間客将という形で勘弁してくれないか?」
「『笑う棺桶』ですって?それは本当なのかしら?」
どうやら、笑う棺桶のことは曹操の耳にも入っていたみたいだな
「ああ、この村襲った賊とこいつの腕についてある印が何よりの証拠だ。だからその『笑う棺桶』を倒すまであんたに協力するよ曹操さん」
「そう・・・・まぁいいわ。それじゃあその間だけ私のもとで働きなさい。」
「すまない、恩に着る。」
こうして俺は覇道を目指した魏の王である曹操と出会い、しばらく客将として暮らすのであった。
ついに華琳と出会いました。月こと董卓も好きですが華琳の魏編なども私は好きです。
では次回をお楽しみに
この小説は面白いか?またはリメイクの必要ありか?
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面白くない・リメイクの必要あり
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面白いがリメイクの必要あり
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面白くないがリメイクの必要もなし
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どちらでもいい